JPH0119527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 本考案は引出形遮断器を有する配電盤の遮断器
接続口を遮断器に連動して開閉するシヤツタ装置
に関する。シヤツタ装置はできるだけ構造簡易で
調整に手間を要せず、接続口を大きく確実に開閉
し、かつ断路部の保守点検が安全かつ容易に行え
るものであることがのぞましい。

〔従来技術とその問題点〕

第１図は従来のシヤツタ装置を有する配電盤の
部分断面図、第２図は部分正面図である。図にお
いて１は配電盤の内部隔壁、２は側壁である。隔
壁１に上下２段の遮断器接続口３ａ，３ｂが取付
けられている。接続口３ａ，３ｂの前面を開閉す
るシヤツタ板４ａ，４ｂが接続口の前面両側に設
けた昇降棒５にかけ渡して取付けられており、昇
降棒５の下端は遮蔽器６のストライカ６１に当接
するローラ７１を備え、盤側壁２に突設した支点
８を軸に回動自在に取付けたリンクレバー７に結
合され、昇降棒５が遮断器６に連動して上下動す
るにつれてシヤツタ板４ａ，４ｂが接続口３ａ，
３ｂを開閉するようになつている。この構造では
接続口前面を大きく開くことが無理であり、また
上下の接続口の断路部を別個に点検できるように
するには上下のシヤツタ板を左右の昇降棒に別個
に結合し、駆動装置を左右に設けねばならず装置
が複雑となる。そのうえストライカ６１とリンク
レバー７との間に寸法誤差が生じやすく、僅かな
誤差によつてシヤツタの位置がずれ、その調整に
大いに手間がかかるといつた欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は前記の欠点を除去し、片側駆動で断路
部点検時に上下の接続口を別々に開くことがで
き、かつ接続口前面を大きく開くことができ、調
整に手間を要せず保守が容易に行えるシヤツタ装
置を提供することを目的とする。

〔考案の要点〕

本考案は引出形遮断器を有する配電盤の上下２
段よりなる遮断器接続口に対向する２段のシヤツ
タ板を遮断器接続口の一側に近接して直立させた
内外二重構造の昇降棒に取付け、遮断器に設けた
ストライカによつて回動するレバーをカムを介し
て前記シヤツタ板を上下動させるシヤツタレバー
に結合してなる駆動装置を盤の一側に上下対称に
配置して、それぞれのシヤツタ板を遮断器に連動
して駆動するようにすることにより、シヤツタ装
置の構造を簡易化し、調整の手間がかからず保守
点検が容易に行えるようにしようとするものであ
る。

〔考案の実施例〕

第３図は本考案の実施例による配電盤のシヤツ
タ装置の正面図、第４図は側面図、第５図は第３
図のＡ−Ａ矢視断面図である。第１図および第２
図と同一符号で示すものは同一部品である。これ
らの図において９は配電盤の遮断器引入部の片側
側壁２の下部に取付けた固定板であり、この固定
板に上下に対向して突設した支点１０ａ，１０ｂ
にカムレバー１１ａと扇形カム板１２ａおよびカ
ムレバー１１ｂと扇形カム板１２ｂとがそれぞれ
一体にして回動自在に取付けられている。カムレ
バー１１ａ，１１ｂの先端には遮断器に設けた垂
直板ストライカ１３が当接するローラ１１１ａ，
１１１ｂが取付けられている。カム板１２ａ，１
２ｂはほぼ扇形状で外周の一方端には凹み１２１
ａ，１２１ｂが設けられ、他端は復帰ばね１４
ａ，１４ｂを介して固定板９に突設した掛金突起
１５に結合されている。カムレバー１１ａおよび
カム板１２ａとカムレバー１１ｂ、カム板１２ｂ
とは上下対称に配置されている。カム板１２ａ，
１２ｂの外縁に近接して固定板９に突設した支点
１６ａ，１６ｂにシヤツタレバー１７ａ，１７ｂ
が回動自在に取付けられている。シヤツタレバー
１７ａ，１７ｂにはその回動支点１６ａ，１６ｂ
に近接してローラ１７１ａ，１７１ｂが取付けら
れ、これらのローラはカムレバー１１ａ，１１ｂ
の回動につれてカム板１２ａ，１２ｂの外周を転
動するようになつており、転動することによりシ
ヤツタレバー１７ａ，１７ｂは支点１６ａ，１６
ｂを中心に回動する。一方上下の遮断器接続口３
ａ，３ｂを覆うシヤツタ板４ａ，４ｂの一方端は
それぞれ昇降棒１８ａ，１８ｂに取付板１９ａ，
１９ｂを介して結合されている。昇降棒１８ａ，
１８ｂは接続口３ａ，３ｂの一側の側壁２に近接
して直立しており、それぞれ別個に上下動可能と
した二重構造になつている。昇降棒１８ａ，１８
ｂはアングル状で内外二重に重なりあつて、盤側
壁２に設けたガイド座２０に長穴１８１ａ，１８
１ｂを介して取付けられ、それぞれが別個に上下
動可能とされている。またシヤツタ板４ａ，４ｂ
の他端は昇降棒取付け側とは反対側の側壁２′に
設けたガイド２１にガイドされて上下にスライド
するようになつている。内側昇降棒１８ａの下端
はシヤツタレバー１７ａの先端に設けた長穴１７
２ａに、また外側昇降棒１８ｂの下端はシヤツタ
レバー１７ｂの長穴１７２ｂにそれぞれピン結合
されている。外側昇降棒１８ｂにはシヤツタ板４
ｂの復帰時の重力調整ばね２２が取付けられてい
る。２３ａ，２３ｂは接続口３ａ，３ｂの断路部
の点検時にシヤツタ板４ａ，４ｂを開位置に保持
するストツパで固定板９に回動自在に取付けら
れ、カムレバー１１ａ，１１ｂの先端部に設けた
突起１１２ａ，１１２ｂに係合させるようになつ
ている。またシヤツタ板４ａ，４ｂの取付け板１
９ａ，１９ｂには鎖錠突起１９１ａ，１９１ｂが
設けられ、これらの鎖錠突起１９１ａ，１９１ｂ
と盤壁に設けた掛金突起２４との間に、シヤツタ
閉時に南京錠２５をかけるようになつている。

遮断器６を引入れると、その垂直板ストライカ
１３がカムレバー１１ａ，１１ｂのローラ１１１
ａ，１１１ｂに当接してカムレバー１１ａおよび
１１ｂをそれぞれ矢印ａおよびｂ方向に回動し、
同時にカム板１２ａ，１２ｂも回動し、シヤツタ
レバー１７ａ，１７ｂのローラ１７１ａ，１７１
ｂがカム板１２ａ，１２ｂの外周を転動するにと
もなつてシヤツタレバー１７ａは上方に、シヤツ
タレバー１７ｂは下方に回動し、それによつて上
部シヤツタ板４ａは内側昇降棒１８ａとともに上
方に、また下部シヤツタ板４ｂは外側昇降棒１８
ｂとともに下方に移動して接続口３ａ，３ｂを開
く。遮断器を引出せば復帰ばね１４ａ，１４ｂに
よつてカム板１２ａ，１２ｂが逆方向に回動し、
シヤツタ板４ａ，４ｂは自動的に接続口３ａ，３
ｂを閉じる。遮断器接続口３ａ，３ｂの断路部の
点検を行う際はシヤツタ取付板の鎖錠突起１９
ａ，１９ｂを上下動させて接続口３ａ，３ｂを開
き、カムレバー１１ａ，１１ｂをストツパ２３
ａ，２３ｂで支える。上下のシヤツタ板は同時に
でもまたは片方づつ別々にでも開くことができ
る。

〔考案の効果〕

本考案によればシヤツタ板が片側支持で、片側
に集中して上下対称に配置した駆動装置で、遮断
器に連動して操作されるので構造が簡易で、遮断
器との寸法ずれによる調整がほとんど不要であ
り、また遮断器接続口の断路部が上下別々に、ま
たは同時に容易に点検することができ、価格低減
と保守性向上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシヤツタ装置を有する配電盤の
部分断面図、第２図は部分正面図、第３図は本考
案の実施例による配電盤のシヤツタ装置の正面
図、第４図はその側面図、第５図は第３図のＡ−
Ａ矢視断面図である。 １……配電盤の内部隔壁、２……側壁、３ａ，
３ｂ……遮断器接続口、４ａ，４ｂ……シヤツタ
板、６……遮断器、９……固定板、１０ａ，１０
ｂ……支点、１１ａ，１１ｂ……カムレバー、１
２ａ，１２ｂ……扇形カム板、１３……垂直板ス
トライカ、１４ａ，１４ｂ……復帰ばね、１５…
…掛金突起、１６ａ，１６ｂ……支点、１７ａ，
１７ｂ……シヤツタレバー、１８ａ，１８ｂ……
昇降棒、１９ａ，１９ｂ……取付け板、２０……
ガイド座、２１……ガイド、２２……重力調整ば
ね、２３ａ，２３ｂ……ストツパー、２４……掛
金突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引出形遮断器を有する配電盤の上下２段よりな
   る遮断器接続口に対向して設けた２段のシヤツタ
   板のそれぞれの片側端を、前記接続口の一側の盤
   側壁に近接して直立させた２重構造でそれぞれ別
   個に上下動可能とした内外の昇降棒に取付けると
   ともに、遮断器引入部の一側に先端に遮断器に取
   付けたストライカに当接するローラを有するカム
   レバーとカム板とを一体にして回動自在に取付
   け、前記カム板の外縁に近接して支点を有し、か
   つその支点近くにローラを取付けたシヤツタレバ
   ーを前記カム板の回動に応じてローラがカム板の
   外周を転動するように設けた一対の駆動装置を上
   下対称に設け、これら駆動装置のシヤツタレバー
   の先端を前記内外昇降棒のそれぞれの下端部にピ
   ン結合してなることを特徴とする配電盤のシヤツ
   タ装置。