JPH01191743A - 皮膜密着製のすぐれた低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は密着性および磁気特性のすぐれた低鉄損一方
向性電磁鋼板の製造に関するものであり、さらに詳しく
述べるならば歪取焼鈍をしても磁気特性が劣化せず又コ
ア製造工程において、皮膜剥離の少ない巻鉄心トランス
用の一方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。

［従来の技術］ 方向性電磁鋼板はＳｌを４％以下、通常３％程度を含有
する珪素鋼索材を溶解し、連続鋳造または造塊後、分塊
圧延によってスラブとし、熱間圧延後１回または中間焼
鈍を挾む２回の冷間圧延によって最終板厚とする。次い
で、脱炭焼鈍および高温箱焼鈍を施すことによって製造
されるものである。

また、その結晶集合組織は圧延方向に特に磁化容品軸が
揃ったゴス組織と称される（１１０）　＋００１１方位
を有する組織であって、各種の配電用の鉄心材料として
広く使用されている。

このような方向性電磁鋼板を変圧器等の鉄心材料に使用
する際には、薄鋼板として積層して使用するのが一般的
であり、磁気特性として鉄損特性および励磁特性がすぐ
れること、又皮膜特性として渦電流損を減らすために、
鋼板表面に高い電気絶縁性の皮膜を均一に形成すること
が要求される。

この他に、鉄心加工工程におけるスリットまたは切断加
工１巻き加工、プレス加工、焼鈍加工。

レーシング加工等における皮膜の脱落および剥離を避け
るために、密青性の良いガラス皮膜を有することか要求
される。

ところで、これらの方向性電磁鋼板の特性の中で特に鉄
損特性は重要であり、これらの減少について種々の提案
がなされてきた。

例えば、鉄損改善のためにはＳｔ含有量の増加や二次再
結晶粒の方位の向上および二次再結晶粒を小さくする等
の手段がある。また、もう１つの方法としては板厚を薄
くする方法がある。

近年では製品板の二次再結晶粒の磁区細分化により鉄損
を改善する方法があり、特公昭５７−２２５２号公報で
は、最終製品板表面に圧延方向にほぼ直角にレーザービ
ームを数ｍｕｓ間隔に照射し、鋼板表面に高転位密度領
域を導入することにより磁区幅を細分化し、鉄損を低下
する技術が提案されている。

また特開昭８１−　Ｈ９Ｂ８０号公報では、本発明者ら
によって最終製品板の表面の表面皮膜の一部をレーザー
照射等により除去し、可侵入体金属をメツキし、その後
の熱処理により鋼板中に侵入体を形成し、磁区細分化す
るもので、この方法によればその後の熱処理によりその
効果を失わず、むしろ向上すると言うものである。

また、特開昭ｆｉ！　−２４６３７ｍｍ３号公報では方
向性珪素鋼板の表面皮膜を構成する通常のフォルステラ
イト皮膜の上に、磁気特性や表面皮膜改善の目的で波底
される張力付与型コーティングにおいて、張力付与効果
の異なる領域を区画形成することにより、鋼板の磁区細
分化が助長されるとの提案がなされている。

特開昭８０−１０３１８３号公報には、歪取焼鈍により
特性が劣化しない方向性電磁鋼板の製造方法として、局
所的にフォルステライトとは組成の異なるグラス皮膜か
らなる領域を存在させることが、製品の磁区細分化に有
利であること、そしてかような異質のグラス皮膜領域の
存在下に、張力付与型の絶縁コーティングを被成すると
、両者の複合作用によって効果が一層助長されると言う
ものである。この発明においては異質のグラス皮膜領域
の幅は０．０５〜２．０　ｍｍ程度、間隔は１．０〜３
．０　ｍｍが効果が大きいとしている。

これらはいずれも磁区細分化効果により鉄損特性を改善
するものであり、それなりの効果は得られるであろう。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、前述のような鉄損改善のための種々の開示さ
れている技術は、焼鈍によりその効果を失ったり、皮膜
の一部を失うため絶縁コーティング剤の塗布焼き付けを
要求される。また、皮膜絶縁特性の問題に加えて、製造
コストの問題、また特開昭８１−２４１３３７６号公報
や特開昭００−１０３１８３号公報のように、工業的な
実現が非常に難しい問題があり、未だ十分とはいえない
。

本発明は前記問題点を解決すべく、極めて鉄損がすぐれ
、皮膜密告性のすぐれた方向性電磁鋼板を得ることを目
的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明者らは仕上焼鈍工程後、鋼板地鉄中に局所的に酸
化層を形成すると、磁区細分化効果の大きいすぐれた皮
膜層を形成し、鉄損特性および皮膜密着性が著しくすぐ
れた方向性電磁鋼板が得られることを見出した。

本発明はかかる鋼板を工業的に製造する方法を提供する
ものであり、その要旨とするところは、仕上焼純情の一
方向性電磁鋼板の地鉄を、周期的にグラス皮膜上部より
酸化するものである。電磁鋼板グラス皮膜は通常ポーラ
スであり、グラス皮膜においてガスの流通は自由である
。

この利点を活用して地鉄を酸化すれば、グラスと地鉄の
密着性が向上するのみならず、酸化を周期的に行なえば
磁区特性も同時に向上することがわかった。

以下本発明に係る一方向性電磁鋼板の製造方法を詳細に
説明する。

先ず常法により、Ｓｉ４％以下を含む珪素鋼スラブを加
熱し、中間板厚で熱間圧延し、得られた熱延板を酸洗し
、必要に応じて熱延板の熱処理を行なう。

次いで同じく常法により中間焼鈍をはさむ２回の冷間圧
延又は１回の冷間圧延を行なって最終板厚にし、得られ
た冷延板を脱炭焼鈍する。

その後焼鈍分離剤を塗布し、さらに二次再結晶焼鈍を施
して通常の一方向性電磁鋼板を製造する。

以上の工程は通常の方法で行なわれる。

このようにして得られた二次再結晶組織を有する鋼板の
表面皮膜下の地鉄を、局部的に酸化する。

この地鉄酸化法としては、光学的、電気的、熱的、化学
的な手段で、珪素が酸化する以上の酸化ポテンシャルで
局所的に酸化を行なう。

光学的、熱的手段とは具体的にはレーザー、キセノンラ
ンプ、アセチレントーチ、赤外線プラズマ炎、酸素プラ
ズマ等のビーム加熱であり、電気的な手段とは高周波誘
導加熱、電気抵抗加熱等であり、酸素ガスを含む雰囲気
下で局部酸化する。

化学的手段とは酸化物、水酸化物、硫酸塩、珪酸塩、硝
酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩等の酸化剤、酸化促進剤を、局
部的に塗布し、前記の手段と組合せて行なうことを意味
している。

本発明法では、地鉄を上記手段により鋼板の圧延方向に
おいて所定間隔を置いて、例えば線状に酸化させること
により、グラス皮膜を含む絶縁皮膜の密着性を向上させ
ると同時に、磁気特性も向上させることが出来る。

酸化層は、０．０５〜０．５順幅で深さ０．００５〜０
．０６ｍｍの線状ないし点からなる線状酸化層から形成
されており、線状酸化層の線の方向は、圧延方向（＜０
０１＞方位）に対して直角方向が好ましいが、例えば圧
延方向に４５″の方向をもったものでもよい。あまり傾
きを大きくすると鉄損低減に対して不利になるので好ま
しくない。

また圧延方向に対する線状酸化層の間隔は、特公昭５８
−２６４０６号公報に開示されている如く２．５〜１０
ｍｍが最も好ましい。この理由は、この範囲で鉄損値が
最も低減するからである。

線状酸化層は平面的には線で形成されていても、点で形
成されていてもよいが、点で形成されている場合は、点
と点との間隔が０．７ｍｍ以下が好ましい。

間隔がこの範囲であれば、鉄損低減に大きな効果があり
、間隔が広くなる程磁束密度を低下させることなく、鉄
損の低減をはかることが出来るが、これより大きくなる
と鉄損低減に対して効果が小さくなるのみならず、密着
性に対しても効果が小さくなる。

このように仕上焼純情の鋼板を局部的に酸化すると、酸
化物形成部では磁束が通過しにくくなるために、フリー
磁極を形成する。このフリー磁極が磁区細分化の芽とな
って磁区細分化し鉄損を低減する。

一方地鉄中に局部発達した酸化層は、グラス皮膜の地鉄
に対するくさびの役割りをはたし、グラス皮膜の地鉄に
対する密着性を強固なものとする。

以下図面を参照して、本発明の地鉄酸化層の幅、厚さと
、磁気特性、皮膜密着性について説明する。

第１図は、板厚０．２３ｍ＋ｔの仕上焼鈍板に幅０．０
５〜１ｍｍ５厚さ０．００５〜０．１　ｍｍ範囲の種々
の酸化層を、圧延方向に５ｍｍ間隔で形成した試料のＷ
１７ｍｍ５０の鉄損値（圧延方向）を調べたものである
が、酸化層幅０．０５〜０．４　ｍｍ、厚さ０．Ｏ１Ｏ
〜０．０５ｍ＋ｓで良好な鉄損値かｉすられる。

酸化層幅があまり狭いと工業的に製造することが困難で
あり、あまり広くなると鉄損低減効果がみられない。酸
化層厚さがあまり浅いと鉄損低減効果がないと同時に、
密着性の効果も悪くなる。

あまり厚くなると磁束密度が低下し、鉄損値が劣化する
こと、又折り曲がりやすくなる等で好ましくない。

裔磁束密度で低鉄損でかつ密着性がよいための好ましい
酸化層の幅および酸化層の厚さは、それぞれ０．０５〜
０．４　ｍｍ、　　０．０１５〜０．０５ｍｍであり、
この範囲では０．８４Ｗ／ｋｇ≦Ｗ　　　　＜０．８６
Ｗ／ｋｇおよびＢ　ｔｏ”　１．９０〜１．９２Ｔの特
性を有する製品が得られる。

第１図は８００℃×２時間歪取焼鈍後のものであるが、
歪取焼鈍前でも同様な値が得られる。

第２図は、■５關φの丸棒に巻きつけて、１８０゜の剥
離試験を行なった時の張力皮膜付与後の剥離面積を示し
たものであるが、本発明法では剥離面積が著しく減少し
ているのがわかる。

第２図は圧延方向５ｍｍ間隔で、圧延方向と直角方向に
線状酸化層を導入した例を示す。

続いて本発明の酸化法について述べる。

酸化条件は電磁鋼板中の珪素が酸化する以上の酸化ポテ
ンシャルであればよい。この方法は工業的に考えて最も
安価な工程を想定して、仕上焼純情の鋼板に適用してい
るが、張力付与皮膜がついたものであっても、膜をやぶ
って酸化出来るようなビーム手段であれば、同様な手法
が使用出来るが、適用後張力付与皮膜の再コートが必要
であり、コスト高となる。

［実施例１］ 冷間圧延により０．２３ｍｍ厚まで仕上げられ、一方向
性電磁鋼板として、−仕上焼鈍された鋼板を局部的に８
００℃以上の温度になるよう、周波数５００ｋｌｌｚの
高周波加熱装置で、酸素ガスを含む雰囲気下で０．３０
秒間加熱処理を行ない、地鉄中に幅０．３ｍ。

厚さ０゜０２０ＩＩＩ１１の圧延方向に直角な酸化層を
圧延方向に５ａｍ間隔で形成した。

その時の鉄損値および密着性の結果を第１表に示す。

本発明により鉄損値、密着性ともに向上していることが
わかる。

［実施例２］ 冷延圧延により０．２０ｍ＋ｅ厚まで仕上げられ、一方
向性電磁鋼板として、仕上げられた鋼板を局部的に８０
０℃以上の温度となるよう、酸素ガスを含む雰囲気で、
プラズマ炎で加熱した。

プラズマノズル径は、０．２０ｍｍであり、ガスはＡｒ
を用い、電圧３０ＶＳ電流７Ａで、地鉄中に幅０．２　
ｍ１ｍ５厚さ０．０１５ｍ＋ｓの圧延方向に直角な線状
の酸化層を、圧延方向に６ｍｍの間隔で形成した。

その時の鉄損値および密着性の結果を第２表に示す。

［実施例３コ 冷延圧延により０．２０ｍｍ厚まで仕上げられ、一方向
性電磁鋼板として仕上げられた仕上げ鋼板に、第３表に
示すような酸化促進剤をスラリー状として線状に塗布し
た。

その後赤外線の集光ビームで、塗布部の温度が８００℃
以上になるよう加熱し、地鉄部に幅０．１０ｎｏｅ、厚
さ０．０３ｍｍで、圧延方向に７５°の線状酸化層を、
圧延方向に４ｍ嘗の間隔で形成した。

その時の鉄損値、密着性を第４表に示す。

第　　　　３　　　　表 第　　　４　　　表 第　　　４　　　表　（続き） 第４表に示すように、本発明鋼は従来鋼にくらべて、鉄
損値および密着性が著しく向上しているのがわかる。

［発明の効果］ 本発明によれば、歪取焼鈍を行なっても鉄損値が劣化し
ないのみならず、皮膜密着性もすぐれているため、すぐ
れた巻鉄心用材料に提供される。

さらに本発明鋼は低い鉄損値を有することから、歪取焼
鈍をしない積鉄心用トランス材としても使用出来る。

又本発明鋼は製造コストが安価であるという点で、工業
的意味は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は鋼板地鉄に形成された線状酸化層の幅および厚
さと磁気特性との関係を示す図表、第２図は酸化層の厚
みと幅を変えた時の１５ｍｍφ曲げ密着性との関係を示
す図表である。 代　理　人　　弁理士　　茶野木　立　夫第１図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、仕上焼鈍後の一方向性電磁鋼板の地鉄を、グラス皮
   膜の存在下に鋼板の面内で局所的に酸化させて磁区を細
   分化するようにしたことを特徴とする皮膜密着性のすぐ
   れた低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法。 ２、地鉄を酸化させる手段が、光学的、電気的、熱的、
   化学的なものである特許請求の範囲第１項記載の方法。 ３、鋼板面内で局所的に地鉄を酸化させる部分の形状が
   、線状或は点が線状に延在するものである特許請求の範
   囲第１項記載の方法。 ４、線状或は点が線状に延在する地鉄の酸化部が、鋼板
   の圧延方向において２．５〜１０ｍｍの間隔を有すると
   ともに、０．０５〜０．５ｍｍの幅と０．００５〜０．
   ０６ｍｍの深さを有しかつ、点が線状に延在する地鉄の
   酸化部形状のものにあっては、点と点の間隔が０．７ｍ
   ｍ以下である特許請求の範囲第１項記載の方法。 ５、線状或は点が線状に延在する地鉄の酸化部の方向が
   、鋼板の圧延方向に対し鋼板面内で９０〜４５°の角度
   を有するものである特許請求の範囲第１項記載の方法。 ６、仕上焼鈍後の一方向性電磁鋼板の地鉄を、グラス皮
   膜の存在下に鋼板の面内で局所的に酸化させた後、鋼板
   表面に張力皮膜を形成するようにしたことを特徴とする
   皮膜密着性のすぐれた低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方
   法。 ７、地鉄を酸化させる手段が、光学的、電気的、熱的、
   化学的なものである特許請求の範囲第６項記載の方法。 ８、鋼板面内で局所的に地鉄を酸化させる部分の形状が
   線状或は点が線状に延在するものである特許請求の範囲
   第６項記載の方法。 ９、線状或は点が線状に延在する地鉄の酸化部が、鋼板
   の圧延方向において２．５〜１０ｍｍの間隔を有すると
   ともに、０．０５〜０．５ｍｍの幅と０．００５〜０．
   ０６ｍｍの深さを有しかつ、点が線状に延在する地鉄の
   酸化部形状のものにあっては、点と点の間隔が０．７ｍ
   ｍ以下である特許請求の範囲第６項記載の方法。 １０、線状或は点が線状に延在する地鉄の酸化部の方向
   が、綱板の圧延方向に対し鋼板面内で９０〜４５°の角
   度を有するものである特許請求の範囲第６項記載の方法
   。