JPH0119155Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、粉体の現像剤を用いて現像を行なう
電子写真複写機等のクリーニング装置内に設けた
トナー回収装置の改良に関するものである。

従来技術 電子写真複写機等においては、電子写真感光体
上に形成された静電潜像を現像してトナー像と
し、このトナー像を記録紙上に転写・定着して排
出することがなされている。一方、前記の転写を
行なつた後の感光体上には、若干の転写を行なわ
なかつた残留トナーが付着していて、転写工程を
終えた感光体表面はクリーニング装置によつてク
リーニングされることとなる。

第１図はクリーニング装置の断面図を示したも
ので、まずこの構造と機能について説明する。感
光体ドラム１の周面上に付着した未転写トナー
は、感光体ドラム１に摺接する可撓性のブレード
３によつて掻き落とされる。掻き落とされたトナ
ーは、傾斜して設けたトナー案内板４によつて受
け止められ、案内板４に沿つて落下してクリーニ
ング装置内に回収される。

回収されたトナーは、時計方向に回転するトナ
ー搬送板５によつて、回収ボツクス内に搬送され
る。トナー回収ボツクス７はメンテナンス時にク
リーニング装置本体と分離可能となつていて、ト
ナー回収ボツクス７内に集積されたトナーを取出
すことができる。

６はトナー逆流防止板で可撓性部材より成り、
トナー搬送板５によつて送られてくるトナーをト
ナー搬送板５の表面から掻き落とすと同時に揺動
することにより、トナーを更にトナー回収ボツク
ス７内へ押し込む。また平時はトナー回収ボツク
ス７内のトナーが逆流するのを防ぎ、トナーをト
ナー回収ボツクス７内に格納する働らきをする。

第２図はトナー搬送板５から逆流防止板６にト
ナーの受け渡しがなされるトナー回収装置の様子
を表わしたもので、トナー搬送板５と逆流防止板
６との共働により、この様な動作を繰り返すこと
により未転写トナーは所定の量に達するまで回収
格納される。

しかし、このようなトナー回収装置を内蔵した
クリーニング装置は、装置内でのトナーの飛散が
多く、複写機の機内汚れとなる。機内の汚れ、特
にコロナ電極や感光体ドラム近辺の汚れはコピー
画質を低下させる。この不具合を防ぐために、ク
リーニング装置内にサクシヨンを設けて飛散した
トナーを吸い取り、機内汚れを防止することがな
されている。しかし、このような装置を大型・複
雑とする措置によつてもメンテナンスサイクルの
延長に対しては十分満足できるものではなかつ
た。

考案の目的 本考案は、上記のクリーニング装置にあつて、
トナー飛散を大幅に減少させることによつて、機
内汚れを防止しようとするものである。

考案の構成 本考案者等は上記のクリーニング装置内での機
構的な作動とトナーの流れを詳細に研究した結
果、トナー回収装置における逆流防止板６の動作
がトナーを飛散させ、機内汚れの原因の１つであ
ることが明らかになつた。即ち、トナー逆流板５
によつて移動していた逆流防止板６がトナー搬送
板５の回転から解放される瞬間に、撓んでいた逆
流防止板６が復元する際に回収トナーの１部を跳
ね飛ばし、トナーの飛散となるものである。

本考案は上記の逆流防止板６がトナー搬送板５
の回転から解放される瞬間に急激な動作がないよ
うにしてトナー飛散がないようにしたもので、本
考案は感光体面上から脱落させたトナーを回収部
に搬送する回転部材と該回転部材に押圧される板
状部材とを備えたトナー回収装置において、前記
板状部材の押圧後の復帰を緩速するための案内部
材を前記回転部材に設けたことを特徴とするトナ
ー回収装置を提供するものである。

実施例 第３図は第１の実施例を示す断面図である。

回転軸１１を回転中心として時計方向に回転す
る板状のトナー搬送板１２があつて、その背後に
は本考案による円孤状のカム板１３が設けてあ
る。カム板１３の周面上の点は回転が進むにつれ
て回転軸１１との距離が次第に短かくなるような
形状をしている。即ち偏芯的に設けている。

一方、ポリカーボネート等の可撓性でかつ弾性
をもつた樹脂等の板状部材からなり、その一端を
固定した逆流防止板１４がある。逆流防止部材１
４は、固定部１５を揺動中心として常にトナー搬
送板１２に接触している。

トナー搬送板１２は、トナー案内板４に沿つて
落下してきたトナーを収拾し、図上で左方のトナ
ー回収ボツクス７に搬送する。逆流防止部材１４
の先端部は、トナー搬送板１２に摺接し、トナー
搬送板１２の表面に付着したトナーを掻き落とし
逆流を防止する作用をもつている。また逆流防止
部材１４は揺動してトナーをトナー回収ボツクス
７に搬送し、回転するトナー搬送板１２の外縁部
にトナーが固化し、トナーの搬送が不可能とな
る、所謂カマクラ現象を防止する作用をもつてい
る。

本考案によるときは、逆流防止部材１４は回転
するトナー搬送板１２から外れるようにして急激
に元位置に復元することなく、逆流防止板１４は
トナー搬送板１２の背後に設けられ、且つ回転軸
１１に対し偏芯的に設けられたカム板１３に沿つ
て緩慢に復帰するので、トナーは飛散することが
ない。

第４図は第２の実施例を示す断面図である。

トナー搬送板については第１の実施例と同じで
あるが、逆流防止部材については次のように構成
した。即ち、板状の逆流防止板２１は上端部を揺
動自在の回転軸２２とし、別に設けた付勢された
バネ２３によつて逆流防止板２１をトナー搬送板
１２に当接するよう構成されている。更に、その
上方には上端部を固定した可撓性で弾性をもつた
板状の補助逆流防止板２４を設け、補助逆流防止
板２４の下端は、前記の回動軸２２に常に当接す
るよう構成し、トナー回収ボツクス７内に集積し
たトナーがあふれるようにして逆流するのを防止
している。

トナー搬送板１２は、トナー案内板４に沿つて
落下してきたトナーを収拾し、図上で左方のトナ
ー回収ボツクス７内に搬送する。逆流防止板２１
の先端部は、バネ２３によつてトナー搬送板１２
に摺接し、トナー搬送板１２表面に付着したトナ
ーを掻き落とし、第１の実施例と同じように作動
する。また、逆流防止板２１はトナー搬送板１２
から外れるような位置関係になつても、バネ２３
によつて急激に反時計方向に揺動することなく、
回転軸１１に対し偏芯的に設けられたカム板１３
に沿つて緩慢に移動し、トナー飛散がないように
したものである。

なお、第１、第２の実施例で、トナー搬送板１
２とその背後のカム板１３とは金属の板材を折曲
げることにより形成したが、樹脂成型等によつ
て、外形が同形となるように形成することも可能
であつて、何れも本考案に含まれる。

考案の効果 本考案により、クリーニング装置内でのトナー
回収装置の作動によるトナー飛散は大幅に減少
し、複写機の機内汚れが減つて、メンテナンスサ
イクルを長くすることができるようになり、保守
のための人手や費用を減少する効果が生じた。

【図面の簡単な説明】

第１、第２図は従来のクリーニング装置及びト
ナー搬送装置の作動を示す断面図で、第３図及び
第４図は本考案の第１、第２の実施例を示す断面
図である。 １……感光体ドラム、３……ブレード、４……
トナー案内板、１２……トナー搬送板、１３……
カム板、１４……逆流防止部材、２１……逆流防
止板、２３……バネ、２４……補助逆流防止板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 感光体面上から脱落させたトナーを回収部に
   搬送する回転部材と該回転部材に押圧される板
   状部材とを備えたトナー回収装置において、前
   記板状部材の押圧後の復帰を緩速にするための
   案内部材を前記回転部材に設けたことを特徴と
   するトナー回収装置。 (2) 前記板状部材は一端を固定した可撓性材料で
   形成したことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のトナー回収装置。 (3) 前記板状部材は一端を回動自在とすると共
   に、前記回転部材に圧接するよう付勢されてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のトナー回収装置。