JPH0118495Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、枚葉紙、枚葉シート等を多数重ねて
一般的な包装紙、耐湿処理をした包装紙（ワン
プ）、プラスチツクフイルム等の包装材で包装し
た一定の厚さを有する包装体の包装材切断装置に
関する。

枚葉紙を大量に使用する例えば印刷工場、特に
高速印刷機を使用している工場においては包装を
解いて印刷紙を印刷機にセツトする作業は面倒
で、印刷紙が大判のものではかなり労力を要する
困難な作業である。今日自動化の遅れている印刷
業界にあつても作業の自動化が進められている。
例えば、印刷紙の反転、くせ取り、ブロツキング
防止のための風入れ乾燥、揃え等の自動化並びに
それらの自動ライン化が要望され開発も行われて
いる。本考案はこのような状況のもとになされた
もので、印刷用紙の包装を自動的に開封する装置
を構成する包装材の切断装置を提供する。

以下、実施例を示す図にもとづき詳細に説明す
る。第１図は本考案装置の主要部をなす包装材切
断手段を一部切欠いて示した正面図である。第２
−１図乃至第２−３図は同上手段の作動の順序を
示した図である。

本考案に係る包装材切断装置は、サクシヨンシ
リンダー１の中空ピストンロツド２に連結され上
下または前後に前進及び後退する先端開放の円筒
状ヘツド３と、該ヘツド３の先端に嵌着されたゴ
ムまたはこれに類する弾力性大の材料で製作され
た吸着パツド４と、前記円筒状ヘツド３の軸心部
に前記ピストンロツド２を貫通して装入され後端
がサクシヨンシリンダー１の適宜部位に片持支持
され固着されたロツド５に取り付け、取り外し自
在に取り付けられた円筒状ヘツド３が後退したと
き先端部が前記吸着パツド４の吸着面近くに達す
るか、または該吸着面よりやや突出する鋭利なナ
イフ６からなる１つまたは複数の包装材切断手段
と、該包装材切断手段または包装物を移動させる
駆動手段とより成ることを特徴とする。

本考案装置において使用するサクシヨンシリン
ダー１は、枚葉印刷機の給紙装置によく使われる
ものとほぼ同じ機能を有している。このサクシヨ
ンシリンダー１及び切断手段全体についての動作
について述べると下記の通りである。第２−１図
はサクシヨンシリンダーが作動していない状態
で、ピストン７によつて上下に分割されたシリン
ダー内室９と１０は大気圧の空気で満たされてお
り、ピストン７と該ピストンに連結されている中
空のピストンロツド２は押圧バネ１１により上死
点で静止している。次に、第２−２図の如く排気
ポンプＰを作動させるとシリンダー室９，１０内
の空気が排気される。しかし、シリンダー室９は
ピストン７の中央部に設けられた通孔８とピスト
ンロツド２の中空部を通じて外気と連通している
ため、常に外気の大気圧と同圧に保たれている。
一方、シリンダー室１０は大気圧よりも低い負圧
にされる。そして、ピストン７の上面に作用する
大気圧の方がピストン７の下面に作用する負圧と
バネ１１の押圧力との和より大きくなつたときピ
ストン７はバネ１１に抗して下方に押し下げら
れ、かつ該ピストンに連結されているピストンロ
ツド２も下方に押し下げられる。更にピストンロ
ツド２に連結された円筒状ヘツド３及びその先端
に嵌着された吸着パツド４も同時に下降する。

吸着パツド４が下降を続け包装物の包装紙１２
に接するとシリンダー室９内への外気の流入は阻
止され、該シリンダー室９の内圧も大気圧より低
くなり、シリンダー室１０の内圧とほぼ等しい負
圧となる。しかしながら、ピストン７にはバネ１
１により上方への圧力が作用しているため、ピス
トン７は上方に押し上げられ、従つて円筒状ヘツ
ド３及び吸着パツド４、並びに吸着パツド４に吸
着された包装紙１２の一部が上方に持ち上げられ
る。

第２−３図に示す如く、吸着パツド４及びこの
吸着パツド４に吸着された包装紙１２が上方に持
ち上げられると円筒状ヘツド３内に挿入されてい
るナイフ６の先端は包装紙１２に突き刺さる。

第２−３図の状態を維持したまま上記包装材切
断手段を矢印方向に図示しない駆動手段により移
動させると包装紙１２はナイフ６により連続的に
切断される。

本考案装置の包装材切断手段は第３図に示す如
く、包装体１３の上面及び下面に対向するように
して設け両切断手段を同時に作動させ、包装体の
上面及び下面の包装紙を同時に切断することがで
きる。

本考案に係る包装材切断装置により包装材の切
断は偏平な包装体の上面及び下面の包装材を切断
するのに適用することは勿論、該包装体の側面の
包装材を切断することも可能である。

なお、本考案に係る包装体の包装材切断装置は
包装材の切断に関するものであつて、包装体の開
封まで完全にするには、第４図に示す如く、包装
体の一方の端部の上下の包装材を切断した後、包
装体の側面に存在する包装材の折り返し部分に包
装材切り離し用差し込み棒１５を挿入するととも
に包装体の他端側を適宜プレス手段１６により固
定しながら、前記包装材切り離し用棒材１５を右
方向に移動させ、包装材の切断されていない部分
１７を引きちぎり、印刷紙１２を露出させる。こ
の露出した印刷紙部分をクランプ装置でつかみ、
取り出すことにより包装体を開封することができ
る。

なお、吸着パツド４のストローク調整はストロ
ーク調整部材１８，１９，２０，２１等によつて
行う。またナイフ６の高さ調整はナイフ高さ調整
部材２２によつて行う。

【図面の簡単な説明】

第１図は包装材切断手段の一部切欠き正面図、
第２−１図乃至第２−３図は同上手段の作動説明
図、第３図は包装材の切断を包装体の上面及び下
面において同時に実施する場合の説明図、第４図
は包装体の開封方法を説明する図。 図中、１はサクシヨンシリンダー、２はピスト
ンロツド、３は円筒状ヘツド、４は吸着パツド、
５はロツド、６はナイフ、７はピストン、８は通
孔、９，１０はシリンダー室、１１はバネ、１２
は包装紙を夫々示している。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ サクシヨンシリンダーのピストンロツドに連
   結され上下または前後に前進及び後退する先端
   開放の円筒状ヘツドと、該ヘツドの先端に嵌着
   された吸着パツドと、前記円筒状ヘツドの軸心
   部に装入され固着されたロツドに取り付けられ
   円筒状ヘツドが後退したとき先端部が前記吸着
   パツドの吸着面に達するか、またはやや突出す
   る鋭利なナイフからなる１つまたは複数の包装
   材切断手段と、該包装材切断手段または包装体
   を移動させる駆動手段とより成る包装体の包装
   材切断装置。 ２ 包装材切断手段の円筒状ヘツドは吸着パツド
   が包装材に接するまで前進した後、吸着パツド
   により包装材を吸着したまま後退し、そのとき
   切段手段のナイフが包装材を突き刺すことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   の包装体の包装材切断装置。