JPH0118387Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、筆記具の筒体にクリツプを取付ける
筆記具のクリツプ取付構造に関する。

従来のクリツプ取付構造としては、クリツプ本
体の頭部にリング状の被挾持部が形成され、この
被挾持部を天冠と筒体とにより挾持させたり、あ
るいは、クリツプ本体の頭部に嵌入筒を設けて嵌
入接着するものが一般的であつた。

しかしながら、このような従来のクリツプ取付
構造においては、クリツプを横方向に振れないよ
うにすると共に、軸方向に抜けないようにして確
実に筒体に取付けるために、天冠を必要とした
り、接着剤を必要とし、クリツプの取付は容易で
は無く、多くの工数を要していた。

本考案は、このような事情に鑑みて提案された
もので、極めて簡単な構成によりクリツプを、横
方向に振れないようにすると共に、軸方向に抜け
ないようにして確実に取付けることができ、クリ
ツプの取付を極めて容易に行なえる筆記具のクリ
ツプ取付構造を提供することを目的としている。

その要旨とするところは、筒体の外周部に突設
した係止部に、クリツプの基部を係止する筆記具
のクリツプ取付構造において、 前記係止部を、筒体の外周壁部を相互に背向す
るよう切り起した一対の逆Ｌ字状の切片と該切片
と前記筒体の外周面との間に互いに他方の切片に
対し外方へ開口した一対の溝部とにより形成する
とともに、前記切片が切り起されたあとの筒体の
外周壁部に切り窓部を形成し、 クリツプの基部には、前記切り窓部の側部間の
間隔と略同等もしくはそれより若干大きい両側壁
部から互いに内方へ折り曲げて一対の折り曲げ部
を形成するとともに、筒体の外周部に当接可能な
端面を該折り曲げ部の両端に隣接して形成し、 クリツプの前記折り曲げ部を筒体の前記一対の
切片の内側の前記溝部に前記筒体の長手方向から
挿通して弾撥的に係合させ、前記切り窓部内に前
記折り曲げ部を嵌入させるとともに前記両側面を
該切り窓部の側部に密接させる一方、前記クリツ
プの基部の端面を前記筒体の外周部に圧接させて
クリツプを取り付けた点にある。

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図〜第９図は、本考案の一実施例を示して
おり、第１図〜第３図に示すように、筆記具の筒
体１の外周部１１には係止部２が突設されてい
る。

前記係止部２は、筒体１の外周壁部１２をプレ
ス加工等により切り起して形成されており、底部
２１と該底部２１より立ち上がり、互いに外方へ
折り曲げられた切片２２，２２とから成つてい
る。前記切片２２，２２を切り起した結果、筒体
１の外周壁部１２には、切り窓部１３，１３が形
成されている。

そして、前記係止部２には、前記切片２２，２
２と筒体１の外周面との間に、互いに外方へ開口
した一対の溝部２３，２３が形成されている。

第４図〜第６図に示すように、クリツプ３には
前記筒体１の係止部２に係止される基部４が形成
されている。この基部４には、該基部４の側壁部
４１，４１から互いに内方へ折り曲げられた折り
曲げ部４２，４２が形成されている。

前記折り曲げ部４２，４２と前記切り窓部１
３，１３との係合に関しては、 (1) 切り窓部１３の長手方向の寸法Ａは、折り曲
げ部４２の長手方向の寸法Ｃより若干大きく定
められている。

(2) 第６図に示すように折り曲げ部４２，４２の
両側面４２ｆ，４２ｆ間の間隔Ｄは第２図に示
すように切り窓部１３，１３の側部１３ａ，１
３ａ間の間隔Ｂと略同等もしくはそれより若干
大きく定められている。

(3) 第４図に示すように、前記折り曲げ部４２，
４２を前記１３，１３内に嵌入し得るように、
折り曲げ部４２の下端部４２ａは、筒体１の外
周部１１に当接する端面４５，４６より距離Ｈ
だけ突出している。

(4) 第６図に示すように、前記折り曲げ部４２の
先端部４２ｂ，４２ｂが前記切片２２，２２を
押圧することにより、折り曲げ部４２，４２が
前記切片２２，２２に弾撥的に係合するよう
に、折り曲げ部４２，４２の折り曲げ角度θが
定められている。

上記構成を有する筆記具のクリツプ取付構造に
おいて、クリツプ３を筒体１に取り付けるには、
前記折り曲げ部４２，４２の左下隅部４２ｃ（第
４図、第５図に示されている）を前記切り窓部１
３の右端部１３ａ（第１図に示されている）内に
嵌入すると共に、折り曲げ部４２，４２の左端部
４２ｄ，４２ｄを前記切片２２，２２の右端部２
２ａ，２２ａ側から前記溝部２３，２３内に挿入
する。

そして、折り曲げ部４２，４２を前記切り窓部
１３，１３に嵌合させながら前記溝部２３，２３
の内部に挿入していく。第７図〜第９図に示すよ
うに、折り曲げ部４２，４２が前記切り窓部１３
内に完全に嵌入され、前記端面４５．４６が前記
外周部１１に当接した状態において、クリツプ３
が筒体１に取り付けられたことになる。

このようにクリツプ３が筒体１に取り付けられ
た状態において、折り曲げ部４２の両側面４２
ｆ，４２ｆが前記切り窓部１３の側面１３ａ，１
３ａに圧接しているので、クリツプ３が横方向に
振れることはない。

それと共に、折り曲げ部４２の両端部４２ｄ及
び４２ｅが切り窓１３の両端面１３ｃ，１３ｄに
当接しているので、クリツプ３が軸方向に抜ける
ことはない。

さらに、前記折り曲げ部４２の先端部４２ｂ，
４２ｂが前記切片２２，２２を押圧することによ
り、該折り曲げ部４２，４２が切片２２，２２に
弾撥的に係合しているので、前記折り曲げ部４２
が切り窓部１３から抜け出るのが防止されてい
る。

なお上記実施例においては、第８図に示すよう
に折り曲げ部４２の下端部４２ａが筒体１の内部
に突出しているが、前記下端部４２ａが筒体１内
に突出しないようにすることは設計上容易である
と共に、そのように構成した場合であつても本考
案の効果に支障をきたすことはない。

以上述べたように、本考案によればクリツプが
筒体に取り付けられた状態において、クリツプの
基部に形成された折り曲げ部を筒体に形成された
切り窓部内に嵌入させると共に、折り曲げ部を筒
体の外周部に形成された切片に弾撥的に係合させ
ているので、横方向に振れたり、軸方向に抜けた
りすることなくクリツプを筒体に確実に取付ける
ことができる。

さらにまた、クリツプを筒体に一動作で取付け
ることができるので、その取付け操作は極めて容
易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す筒体の要部
を示す平面図、第２図は第１図の−矢視断面
図、第３図は一部を破断して示した正面図、第４
図は本考案の一実施例を示すクリツプの縦断面
図、第５図は第４図のＶ矢視図、第６図は第５図
の−矢視断面図、第７図はクリツプを筒体に
取付けた状態を示す平面図、第８図は第７図の
−矢視断面図、第９図は第８図の−矢視断
面図である。 １…筒体、２…筒体の係止部、３…クリツプ、
４…クリツプの基部、１２…筒体の外周壁部、２
２…切片、２３…溝部、４２…折り曲げ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 筒体１の外周部に突設した係止部２に、クリツ
   プ３の基部を係止する筆記具のクリツプ取付構造
   において、 前記係止部２を、筒体１の外周壁部１２を相互
   に背向するよう切り起した一対の逆Ｌ字状の切片
   ２２，２２と、各切片２２，２２と前記筒体１の
   外周面との間に互いに他方の切片２２に対し外方
   へ開口した一対の溝部２３，２３と、により形成
   するとともに、前記切片２２，２２が切り起され
   たあとの筒体１の外周壁部１２に切り窓部１３，
   １３を形成し、 クリツプ３の基部４には、前記切り窓部１３，
   １３の側部間の間隔と略同等もしくはそれより若
   干大きい両側壁部４１，４１から互いに内方へ折
   り曲げて一対の折り曲げ部４２，４２を形成する
   とともに、筒体１の外周部１１に当接可能な端面
   ４５，４６を該折り曲げ部４２，４２の両端に隣
   接して形成し、 クリツプ３の前記折り曲げ部４２，４２を筒体
   １の前記一対の切片２２，２２の内側の前記溝部
   ２３，２３に前記筒体１の長手方向から挿通して
   弾撥的に係合させ、前記切り窓部１３，１３内に
   前記折り曲げ部４２，４２を嵌入させるとともに
   前記両側面を該切り窓部１３，１３の側部に密接
   させる一方、前記クリツプ３の基部４の端面４
   ５，４６を前記筒体１の外周部１１に圧接させて
   クリツプ３を取り付けたことを特徴とする筆記具
   のクリツプ取付構造。