JPH0118324Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えばフエンスの支柱や各種標識
用ポール類などを立てる支柱、ポール類用コンク
リート製基台の型枠に関するものである。

従来、この種の基台を製造する場合は、木製な
どの型板を使用し釘打付けなどによつて上面開口
の箱状の型枠を先ず作製し、そして該型枠内へ上
面開口部よりコンクリートを打設すると共に上面
開口部の中央から厚紙製のスリーブを、打設コン
クリート内に挿通して成形されたコンクリート基
台に挿通孔を設けるようにしていたものである
が、この際厚紙製スリーブのコンクリート内打込
み挿通を手作業で行つていたので、垂直に真直
ぐ、かつ安定性よく挿通することが甚だ難しく、
正確で優良な基台製品の量産が望めなく、かつ時
間と労力を費消し頗る非能率的、非合理的であつ
た。

また上記の型枠は上面開口で、その上面だけ型
板がないため、成形された基台製品のコンクリー
ト上面がでこぼことして不均整で、肝心の見掛け
上面の見ばえが悪く商品価値が劣ることになるの
で、止むなく該上面をこてにて均して仕上げてい
たため、たいへん煩雑な手間、労力を余儀なくさ
れるものであつた。

この考案は上記に鑑みてなされたもので以下説
明するような支柱、ポール類用基台の型枠を提供
して上記従来の諸欠点、諸問題を解消する目的に
出たものである。

この考案の型枠を図面実施例について詳しく説
明すると、先ず１は、前後方向稜線部に折曲隅部
５が夫々形成され、かつ上面及び前面が開口した
適宜の薄厚みの鋼板で構成された方形容器であ
る。なお２が底面、３，３が左右両側の側面、そ
して４が後面である。また図面実施例では、各前
後方向稜線部の各折曲隅部５が直線的な折曲隅部
として示されているが、彎曲即ちアール（丸み）
折曲隅部としてもよく、かつまた上記折曲隅部５
は左右両側面３，３の上端に夫々構成されている
ものを省略し、左右側面３，３と底面２との交る
下端両側２条の前後方向稜線部のみに構成しても
よいものである。そして上記方形容器１内の後面
４中央には、図示の如く前方に突出する鋼鉄製な
どでなる先細テーパ筒（円錘台筒）の突管６が突
設してある。そして上記突管６内中央には、後面
４中央に基端部を固着してシリンダー７が設けら
れており、そのピストンロッド７ａ先端の押圧板
８が、上記突管６の先端開口部６ａを閉鎖してい
る図示の状態から進退動できるように構成されて
いる。なお９，９はシリンダー７操作のための油
圧ホースなどの流体圧ホースで夫々突管６内に配
され、方形容器１の後面４を夫々貫通して外部の
流体圧ユニツト側へ連結されるようになつてい
る。また１０は左右両端に折曲縁部１０ａを夫々
有する鋼板製方形の遮板で、該遮板１０は、上記
方形容器１の前面開口端に、該方形容器１先部を
やゝ窄める状態で嵌脱自在に、図示の如く左右折
曲縁部１０ａ，１０ａが方形容器１の左右側面
３，３の外面に圧接して嵌着され方形容器１の前
面開口部を遮閉するものである。即ち上記の場
合、遮板１０を嵌め着ける前には、方形容器１が
図面第１図鎖線のように前方に向つてやゝ広がつ
た形状に構成されていて、上記遮板１０を嵌め込
む際に、各折曲隅部５が伸縮蛇腹的役目をして上
記広がつている分だけ方形容器１先部をやゝ窄め
るようにして上記遮板１０が第１図実線の如く嵌
着できるよう構成されているものである。なお上
記図面実施例では、方形容器１が前面と後面とが
ほぼ同形の立方体容器状としてあるが、例えば後
面４に対して前面を大きくした方形容器１として
四角錐台のコンクリート基台を構成するようにし
てもよいことは勿論である。

次に上記この考案の型枠使用による基台製造状
態を説明すると、先ず上記構成のこの考案型枠で
ある方形容器１内に、その上面開口部からコンク
リートを流し込んでよく突きかため打設する。な
おこの場合、突管６の先端開口部６ａは押圧板８
によつて閉鎖状態となつているから、該突管６内
にはコンクリートは流入しないものである。また
方形容器１内に打設したコンクリートの上面は方
形容器１の上面開口部位でほぼ平面になるように
こて仕上げするだけで格別丁寧に仕上げる必要は
ないものである。かくして上記方形容器１内に打
設したコンクリートがほぼ養生硬化したら、先ず
遮板１０を脱外し、次にシリンダー７に圧力をか
けると共に方形容器１の後面４外面をハンマーな
どで叩くなどして衝撃を加えると、シリンダー７
の作用で押圧板８が前進して押圧ジヤツキの作用
をし、方形容器１内の成形されたコンクリートを
前方へ順次押し出すことになり、最後に前方へ完
全に押し出し離型されて上面１１ａ中央に円錐台
（テーパ）孔の挿通孔１２の形成された図面第５
図に示すような成形基台１１が製造できるもので
ある。

この考案の型枠は叙上のように、上面及び前面
が開口した方形容器１内の後面４中央に、前方に
突出する突管６を突設し、該突管６内中央に、該
突管６の先端開口部６ａを閉鎖状態の押圧板８が
進退動できるシリンダー７を固着し、上記方形容
器１の前面開口端に、左右両端に折曲縁部１０ａ
を夫々有する遮板１０を嵌脱自在に嵌着したもの
であるから、前述したように方形容器１内に、そ
の上面開口部からコンクリートを流入打設して養
生後、遮板１０を外すと共に衝撃に加えてシリン
ダー７を操作するだけの簡単容易な作業で頗る能
率的かつ合理的にコンクリート基台が製造でき、
効率的な量産及び省力化にも寄与できるものであ
ると共に方形容器１の後面４が成形コンクリート
基台１１の上面１１ａの型板となるし、かつ挿通
孔１２形成のための突管６が後面４中央に突設さ
れているため、見掛け上面の見ばえ体裁が頗る良
い、かつ正確な挿通孔１２を形成した優良な基台
製品を容易に量産できるなどの卓抜した効果があ
る。

また方形容器１は前後方向稜線部に折曲隅部５
が夫々形成されていて先部をやゝ窄める状態で遮
板１０が嵌着されているものであるから、打設成
形された基台製品を取出すため遮板１０を脱外し
て衝撃を加えると、各折曲隅部５が伸縮蛇腹的作
用を発揮してやゝ窄められていた方形容器１が
やゝ広がり復元するもので、基台製品の型離れが
良くなり方形容器１の型枠からの抜き出しがきわ
めて容易となる優れた効果がある。さらに後面４
中央に突設された突管６が先細テーパ筒に構成し
てあるから、これまた方形容器１内の成形基台１
１の抜き出しを容易にするものであると共に成形
基台１の上面中央に形成される挿通孔１２が第５
図のように下細のテーパ孔となるため、支柱、ポ
ール類を挿通し、モルタル詰めなどによつて垂直
に立てる場合の調整作業が容易に行えるなどの著
大な効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案型枠の実施例を示すもので、第
１図は一部を欠截した平面図、第２図は後面図、
第３図は縦断側面図、第４図は遮板を脱外した状
態の斜視図、第５図は成形基台製品の斜視図であ
る。 １……方形容器、２……底面、３……側面、４
……後面、５……折曲隅部、６……突管、６ａ…
…先端開口部、７……シリンダー、７ａ……ピス
トンロツド、８……押圧板、９……流体圧ホー
ス、１０……遮板、１０ａ……折曲縁部、１１…
…成形基台、１１ａ上面、１２……挿通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後方向稜線部に折曲隅部５が夫々形成され、
   かつ上面及び前面が開口した方形容器１内の後面
   ４中央に、前方に突出する先細テーパ筒の突管６
   を突設し、該突管６内中央に、該突管６の先端開
   口部６ａを閉鎖状態の押圧板８が進退動できるシ
   リンダー７を固着し、上記方形容器１の前面開口
   端に、左右両端に折曲縁部１０ａを夫々有する遮
   板１０を、該方形容器１先部をやゝ窄める状態で
   嵌脱自在に嵌着してなる支柱、ポール類用基台の
   型枠。