JP6510377B2 - 三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法及び型枠 - Google Patents

三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法及び型枠 Download PDF

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本発明は、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法及び型枠に関するものである。
建築構造物の壁面を、平面ではなく、三次元曲面を有する独特なデザインで実現し、それにより、建築構造物の美観を向上させることが、行われつつある。
建築構造物の、三次元曲面を有する壁面を、プレキャストコンクリート板で実現する場合には、まず、プレキャストコンクリート板の有する三次元曲面形状と対応する板面形状を有する型枠を用意する。その後、型枠にコンクリートを打設して脱型することで、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板を作製する。
プレキャストコンクリート板を作製する型枠としては、金属製の型枠を用いるのが一般である。特許文献1には、このような金属製の型枠が開示されている。
特開2007− 50656号公報
建築構造物の、三次元曲面を有する壁面は、壁面を複数の区画に分割し、その区画の各々に対応する三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板を作製し、最後にこれらのプレキャストコンクリート板を結合することにより、作製される。すなわち、一つの壁面を作製しようとすると、壁面の大きさに相応する数の、板面形状の互いに異なる三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板を、作製する必要がある。
このような、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の作製においては、プレキャストコンクリート板の表面の板面形状に応じて、その形状に対応した板面形状を有する型枠が必要となる。金属及び木は曲面形状の加工難易度が高いため、上記のように、板面形状の互いに異なる三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板を多数作製する場合に、金属製及び木製の型枠を使用すると、非常に多くの労力を必要とする。また、型枠に使用する金属材料は高価である。これらの要因により、建築構造物の、三次元曲面を有する壁面を、金属製及び木製の型枠を使用して作製しようとすると、費用が嵩むという問題がある。
また、板面形状に応じた多数の型枠の作製には、型枠の数相応の、多くの時間を必要とする。
更に、上記のように型枠は、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状に応じて作製されるため、型枠が使用されるのは一回のみである場合が多い。したがって、目的とする三次元曲面を有する、プレキャストコンクリート板の作製が終わると、他に用途がないために型枠は廃棄される。このとき、型枠が金属製であると産業廃棄物となるため、廃棄処理においても費用が嵩むという問題がある。
特許文献1に記載の型枠は金属製であるため、上記のような課題に対応するのは難しい。
本発明の課題は、低いコスト、短い時間で作製可能で、使用後の処理も容易である、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法及び型枠を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、底板と側型枠からなる外型枠内に、複数の高さ調整部材を設置すること、前記外型枠内に、高さが調整された前記複数の高さ調整部材の各々の上端の高さまで、モルタルまたはコンクリートを打設して、三次元曲面を有するベッド面を形成すること、前記三次元曲面を有するベッド面に、コンクリートを打設して、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板を作製すること、を含む、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法を提供する。
上記のような構成によれば、三次元曲面を有するベッド面を、金属ではなく、金属よりも加工が容易で材料費が安価なモルタルやコンクリートで作製するため、型枠の作製費用を低減できる。ベッド面が複雑な三次元曲面を有していても、低コストで作製することができる。
また、モルタルやコンクリートで三次元曲面を有するベッド面を作製するため、一日程度の短期間で型枠を作製することができる。更には、ベッド面の形状変更の要請に対しても容易に対応可能である。
また、モルタルやコンクリートは再利用可能な建材であるため、使用済みの型枠を廃棄する場合に、モルタルやコンクリートを別の型枠の作製や、建築構造物の部材として容易に転用することができる。したがって、廃棄処理に要する費用を低減できる。
また、上記の方法は、ベッド面の形状に依存せずに実施できるため、どのような形状の三次元曲面を有するベッド面であっても、基本的にはほぼ同程度の作製費用、作製期間で、型枠を作製することができる。これにより、型枠の作製費用や期間に関する見積もりを立てるのが容易となり、構造建築物の設計計画立案が容易となる。
前記複数の高さ調整部材は、複数の型板であり、該複数の型板の各々は、前記外型枠の前記底板に対して垂直に設置され、前記複数の型板の各々の上端が、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状と対応するように、前記複数の型板を作製することを更に含んでもよい。
このような構成によれば、モルタルやコンクリートによる、三次元曲面を有するベッド面の作製を、容易に行うことが可能である。
前記複数の高さ調整部材は、複数の伸縮自在の高さ調整棒であり、該複数の高さ調整棒の各々は、前記外型枠の前記底板に対して垂直に設置され、前記複数の高さ調整棒の各々の上端の高さを、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状と対応するように調整することを更に含んでもよい。
このような構成によれば、モルタルやコンクリートによる、三次元曲面を有するベッド面の作製を、容易に行うことが可能である。
また、高さ調整棒の高さを変更することが可能であるため、一度使用した型枠であっても、高さ調整棒の高さを再調整することにより、他の異なる三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板を作製するための型枠として、再利用することが可能である。これにより、型枠の作製費用を更に低減できる。
前記高さ調整部材の上端で形成される、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状に対応する形状は、三次元CADデータを基に調整されていてもよい。
このような構成によれば、三次元曲面を有するベッド面の作製を、より容易に行うことが可能である。
前記三次元曲面を有するベッド面を形成する前に、粒状物を敷いて下地層を形成することを更に含んでもよい。
このような構成によれば、本来であればモルタルやコンクリートで形成する、ベッド面と底板との間の下地層を、モルタルやコンクリートに代わり、焼き砂などの粒状物を敷くことによって形成しているため、型枠の解体時に下地層の撤去が容易である。また、ある型枠の解体後に、当該型枠で使用した粒状物を、他の型枠の作製に容易に転用することができる。したがって、型枠作製や廃棄処理に要する費用を低減できる。
また、本発明は、底板と側型枠からなる外型枠と、前記外型枠内に設置された複数の高さ調整部材と、前記外型枠内に、高さが調整された前記複数の高さ調整部材の各々の上端の高さまで、モルタルまたはコンクリートを打設することにより形成された、三次元曲面を有するベッド面と、を含む、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠を提供する。
上記のような構成によれば、三次元曲面を有するベッド面を、金属ではなく、金属よりも加工が容易で材料費が安価なモルタルやコンクリートで作製するため、型枠の作製費用を低減できる。ベッド面が複雑な三次元曲面を有していても、低コストで作製することができる。
また、モルタルやコンクリートで三次元曲面を有するベッド面を作製するため、一日程度の短期間で型枠を作製することができる。更には、ベッド面の形状変更の要請に対しても容易に対応可能である。
また、モルタルやコンクリートは再利用可能な建材であるため、使用済みの型枠を廃棄する場合に、モルタルやコンクリートを別の型枠の作製や、建築構造物の部材として容易に転用することができる。したがって、廃棄処理に要する費用を低減できる。
また、上記の型枠の作製は、ベッド面の形状に依存せずに実施できるため、どのような形状の三次元曲面を有するベッド面であっても、基本的にはほぼ同程度の作製費用、作製期間で、型枠を作製することができる。これにより、型枠の作製費用や期間に関する見積もりを立てるのが容易となり、構造建築物の設計計画立案が容易となる。
前記複数の高さ調整部材は、複数の型板であり、該複数の型板の各々は、前記外型枠の前記底板に対して垂直に設置され、前記複数の型板の各々の上端が、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状と対応するように、前記複数の型板が作製されていてもよい。
このような構成によれば、モルタルやコンクリートによる、三次元曲面を有するベッド面の作製を、容易に行うことが可能である。
前記複数の高さ調整部材は、複数の伸縮自在の高さ調整棒であり、該複数の高さ調整棒の各々は、前記外型枠の前記底板に対して垂直に設置され、前記複数の高さ調整棒の各々の上端の高さは、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状と対応するように調整されていてもよい。
このような構成によれば、モルタルやコンクリートによる、三次元曲面を有するベッド面の作製を、容易に行うことが可能である。
また、高さ調整棒の高さを変更することが可能であるため、一度使用した型枠であっても、高さ調整棒の高さを再調整することにより、他の異なる三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板を作製するための型枠として、再利用することが可能である。これにより、型枠の作製費用を更に低減できる。
本発明によれば、作製費用、作製期間を低減可能な、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法及び型枠を、提供することが可能となる。
好ましい様態では、型枠の廃棄処理に要する費用を低減することが可能となる。
本発明の第1、2の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法及び型枠によって作製される、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の斜視図である。 本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠の、一部断面視した斜視図である。 本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠の、作製状況を示す、一部断面視した斜視図である。 本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠の、作製状況を示す、一部断面視した斜視図である。 本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠の、作製状況を示す、一部断面視した斜視図である。 本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠の、作製状況を示す、一部断面視した斜視図である。 本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠を使用した、プレキャストコンクリート板の作製状況を示す、一部断面視した斜視図である。 本発明の第2の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠の、一部断面視した斜視図である。 高さ調整棒の斜視図である。 本発明の第2の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠の、作製状況を示す、一部断面視した斜視図である。 本発明の第2の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠の、作製状況を示す、一部断面視した斜視図である。 本発明の第2の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠の、作製状況を示す、一部断面視した斜視図である。 本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠において、他の形状の型板を使用した型枠の、一部断面視した正面図である。 本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠において、他の型板の設置状況を説明した、型枠の上面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
建築構造物の、三次元曲面を有する壁を作製する場合においては、まず、三次元CAD等のツールによって、壁面の形状をデザイン、設計することで、壁全体の曲面データが作成されることが多い。この壁の曲面データを、一枚のプレキャストコンクリート板の作製に適切な大きさに、適切な箇所で分割することで、壁を構成する複数の、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の各々の、三次元データが作成される。
図1は、このようにして作製された三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1であり、本発明の第1、2の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法及び型枠によって作製されるものである。建築構造物には、他のプレキャストコンクリート1と組み合わせて、全体で一枚の壁が構成されるように、取り付けられる。
三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1は、本体2と、ファスナー3を備えている。
本体2は、表面2a、裏面2bと、表面2aと裏面2bの端辺間でこれらの面に接続する上面2c、側面2d、2f、下面2eを備えている。表面2aと裏面2bは三次元曲面を備えている。上面2c、側面2d、2f、下面2eは、平らな面である。
ファスナー3は、裏面2bに設置されており、建築構造物の梁や柱に、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1を取り付ける際に使用される。
また、本体2の裏面2bと上面2cには、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の、それぞれ脱型時、及び立て型時に使用する、図示しないインサートが設置されている。
次に、図2から図7を用いて、本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の製造方法及び型枠を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の型枠10の、一部断面視した斜視図である。
三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の型枠10は、底板11aと側型枠11c〜11fからなる外型枠11と、外型枠11内に設置された複数の型板12と、外型枠11内に、型板12の各々の上端の高さまで、モルタルまたはコンクリート14を打設することにより形成された、三次元曲面を有するベッド面15と、モルタルまたはコンクリート14の下の下地層13を備えている。
図1に示される三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の表面2a、上面2c、側面2d、2f、下面2eと、図2に示される型枠10の、ベッド面15、側型枠11c、11d、11f、11eは、互いに対応する面形状を有している。型枠10のベッド面15の上部にコンクリートが打設され、ベッド面15によってプレキャストコンクリート板1の表面2aが、及び、側型枠11c〜11fによって、プレキャストコンクリート板1の上面2c、側面2d、2f、下面2eが、それぞれ形成され、これにより、プレキャストコンクリート板1が作製される。
底板11aは、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1を作製する際の、プレキャストコンクリート板1のベッド面としてではなく、後述する型板12の設置台として機能する。また、図1において示されるプレキャストコンクリート板1の上面2c、側面2d、2f、下面2eは、全て平面である。したがって、底板11aと側型枠11c〜11fには、三次元曲面を有さない、平らなプレキャストコンクリート板を作製するために通常使用される、金属製の型枠が使用されている。作製対象となるプレキャストコンクリート板の表面が平面ではなく、曲面形状である場合には、側型枠11c〜11fは、脱型が可能な範囲において、対応する曲面形状を有してもよい。
側型枠11c〜11fの高さは、後述する下地層13の高さ、ベッド面15を構成するモルタルまたはコンクリート14の厚さ、及び、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の曲面形状に起因する奥行や厚さを考慮して、これらの高さや厚さの加算値よりも高くなっている。例えば、プレキャストコンクリート板1の奥行と厚さがそれぞれ300mm、180mmである場合、モルタルまたはコンクリート14の厚さ、及び下地層13の高さとして200mm程度を見込み、側型枠11c〜11fの高さは700mm程度とするのが好適である。
側型枠11dと11fの間には、底板11aに対して垂直に、複数の型板12が設置されている。型板12は、金属によって作製されていてもよい。この場合、型板12は、点溶接やタップ溶接などによって、底板11aに固定されている。
型板12は、隣接する型板12との間隔が、例えば、300mm程度の一定の値になるように設置されている。複数の型板12は、その各々の上端が、作製対象である三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の板面形状と対応するように作製されている。すなわち、図1に示されるプレキャストコンクリート板1の表面2aを、型板12の配置間隔と同じ間隔で区切ることにより、各型板12にプレキャストコンクリート板1の区切りを対応させることができる。各型板12の上端は、対応する区切り位置における、表面2aの板面形状と対応する形状を有するように、成形されている。これにより、各複数の型板12の上端は、当該型板12の配置位置におけるベッド面15の形状、高さと同じ形状、高さを有している。
各型板12の間には、外型枠11の底板11aの上に粒状物を撒くことにより、下地層13が設置されている。粒状物としては、特に焼き砂を用いるのが望ましい。左官砂や砂利なども使用可能である。
下地層13は、ベッド面15、すなわち型板12の上端よりも、例えば、50mm程度の一定の高さだけ、低い位置まで形成されている。ベッド面15は、下地層13の上面に、モルタルまたはコンクリート14が打設されることにより、形成されている。ベッド面15の精度は、最終的には、モルタルまたはコンクリート14のワーカビリチーで調整可能である。したがって、下地層13の上面の高さ精度は、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の表面2aの三次元曲面と同じ形状に、完全に一致する程の高い精度である必要はなく、表面2aの三次元曲面にある程度近い形状に形成されていればよい。
下地層13の上には、モルタルまたはコンクリート14によって、ベッド面15が形成されている。モルタルまたはコンクリート14は、無筋で打設されている。
モルタルまたはコンクリート14は、型板12の近傍においては、型板12の上端と同程度の高さになるように、金鏝押さえで仕上げられている。また、隣接する型板12の間においては、隣接する型板12の上端同士が、滑らかに連続するような曲面で接続されるように、モルタルまたはコンクリート14が金鏝押さえで仕上げられている。
次に、図2で示した、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の型枠10を作製する方法について説明する。
まず、図3に示すように、作製対象となる三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の、大きさ、厚さ、三次元曲面の奥行きを考慮し、適切な底板11aと側型枠11c〜11fを選択して、外型枠11を形成する。
次に、側型枠11c〜11fの内側表面に対し、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の表面2aの外郭の墨出し16を行う。この墨出し16により、ベッド面15の側型枠11c〜11fにおける高さ位置が決定される。
次に、図4に示すように、型板12を作製する。型板12は、その各々の上端が、作製対象である三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の板面形状と対応するように作製する。すなわち、図1に示されるプレキャストコンクリート板1の表面2aを、型板12間の距離と同じ間隔で区切ることにより、各型板12にプレキャストコンクリート板1の区切りを対応させることができる。各型板12の上端が、対応する区切り位置における、表面2aの板面形状と対応する形状を有するように、型板12を成形する。三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1は、上記のように、三次元CADにより設計されているため、型板12の上端の、表面2aの板面形状に対応する形状は、三次元CADデータを基に調整、成形すると、作業が容易である。
後述のように、型板12は、側型枠11cと11eの間に設置される。したがって、側型枠11cと11eの内側表面間の距離よりも若干短くなるように型板12を作製すると、設置が容易になる。
また、上記のように、壁の三次元曲面データを、一枚のプレキャストコンクリート板としての適切な大きさに、適切な箇所で分割することで、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の、1枚当たりの三次元データが作成される。したがって、一枚の壁を施工するにあたって、複数種類の三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1を作製する場合が多い。更に、一枚の三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の作製には、複数種類の型板12が必要となる。したがって、型板12の型枠10への設置時に現場で混乱が生じないように、各型板12がどのプレキャストコンクリート板1の、端から何番目の型板12に相当するのかを、容易に識別できるようにするために、各型板12には記号や番号を付記するのが望ましい。
次に、外型枠11の底板11a上に、型板12の設置位置を墨出し17する。
次に、図5に示すように、型板12を、底板11aに垂直になるように、墨出し17された位置に設置、固定する。型板12は、底板11aに対して垂直に設置し、点溶接、タップ溶接などの溶接手法により固定する。溶接による接続強度は、後述する下地層13や、モルタルまたはコンクリート14の設置に耐えられる程度の強度があればよい。
本方法により作製された型枠10を使用して、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1を作製する場合、作製されたプレキャストコンクリート板1は、最初に側型枠11c〜11fを外すことで、脱型される。したがって、脱型作業を容易にするため、型板12は、側型枠11c〜11fには固定しないのが望ましい。
次に、図6に示すように、外型枠11の底板11aの上に焼き砂などの粒状物を撒いて、下地層13を形成する。下地層13は、型板12の上端や図5に示される墨出し16の位置、すなわち、将来的にベッド面15が形成される予定位置よりも一定の高さだけ低い位置まで形成する。
次に、図2に示すように、下地層13の上に、モルタルまたはコンクリート14を打設して、ベッド面15を形成する。モルタルまたはコンクリート14の配合は、一般的な捨てコンクリートの調合計画によるものであり、型枠10の解体の作業容易性を考慮すると、例えば、18N/mm程度の強度であるのが望ましい。また、モルタルまたはコンクリート14のワーカビリチーは、ベッド面15が形成する曲面の曲率を基に、作業性を考慮して決定する。
モルタルまたはコンクリート14は、その上面の高さが、型板12や墨出し16の近傍においては、型板12の上端や図5に示される墨出し16と同程度の高さになるように、金鏝押さえで仕上げられる。また、型板12の間においては、隣接する型板12の上端同士が、滑らかな曲面で連続するように、金鏝押さえで仕上げられる。このようにして、ベッド面15を形成する。
金鏝押さえによりベッド面15を形成するには、まず、型板12間の間隔と同程度あるいはそれ以上の大きさの鏝を使用して、モルタルまたはコンクリート14を均すことで、三次元曲面の概ねの形状を形成し、その後、鏝長さが、例えば、15cm程度の小さな鏝を使用して、三次元曲面の細部を仕上げるようにすると、作業効率が良い。
最後に、打設したモルタルまたはコンクリート14を、1日程度、好ましくは1日以上養生して、最低5N/mm程度の強度にする。
次に、図2で示した、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の型枠10を使用して、プレキャストコンクリート板1を作製する方法について説明する。
まず、ベッド面15に、打設するコンクリートが密着しないように、コンクリート剥離剤などの剥離剤を塗布する。ビニールシート、コンクリート剥離シートなどの剥離シートを設置してもよいが、プレキャストコンクリート板1の表面が三次元曲面を有しているため、剥離剤の方がより望ましい。
次に、図7に示すように、ベッド面15の上に、鉄筋18やファスナー3などの、打ち込み金物を配置する。鉄筋18を配置する際には、鉄筋を覆うコンクリートの被り厚さを十分に確保できるように、ベッド面15と配筋18との間隔を調整するスペーサーを使用するとよい。配筋18は、ベッド面15の形状にあわせて鉄筋を曲げながら設置する。
次に、ベッド面15の上にコンクリートを打設する。三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の裏面2bは、表面2aの曲面形状に合わせて金鏝押さえを行うことにより成形する。プレキャストコンクリート板1の厚みは、馬鹿棒を用いて厚さを確認しながら、調整してもよい。プレキャストコンクリート板1は、予定した厚さより10mm程度打ち増すのがよい。
最後に、コンクリートを養生し、インサートを打ち込んで脱型し、表面研磨を行って、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1が作製される。
作製された三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1は、現場に移送され、ファスナー3により建築構造物の躯体に接合される。
このような、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の製造方法及び型枠10によれば、三次元曲面を有するベッド面15を、金属ではなく、金属よりも加工が容易で材料費が安価なモルタルやコンクリート14で作製するため、型枠の作製費用を低減できる。ベッド面が複雑な三次元曲面を有していても、低コストで作製することができる。
また、モルタルやコンクリート14で三次元曲面を有するベッド面15を作製するため、一日程度の短期間で型枠を作製することができる。更には、ベッド面15の形状変更の要請に対しても容易に対応可能である。
また、モルタルやコンクリート14は再利用可能な建材であるため、使用済みの型枠を廃棄する場合に、モルタルやコンクリート14を別の型枠の作製や、建築構造物の部材として容易に転用することができる。したがって、廃棄処理に要する費用を低減できる。
また、上記の方法は、ベッド面15の形状に依存せずに実施できるため、どのような形状の三次元曲面を有するベッド面15であっても、基本的にはほぼ同程度の作製費用、作製期間で、型枠10を作製することができる。これにより、型枠10の作製費用や期間に関する見積もりを立てるのが容易となり、構造建築物の設計計画立案が容易となる。
また、ベッド面15を形成するに当たり、型板12の上端を目安にして、モルタルやコンクリート14の打設と金鏝押さえを実施しているため、モルタルやコンクリート14による、三次元曲面を有するベッド面15の作製を、容易に行うことが可能である。
また、型板12の上端で形成される、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の板面形状に対応する形状は、三次元CADデータを基に調整されているため、三次元曲面を有するベッド面15の作製を、より容易に行うことが可能である。
また、本来であればモルタルやコンクリートで形成する、ベッド面15と底板11aとの間の下地層13を、モルタルやコンクリートに代わり、粒状物を敷くことによって形成しているため、型枠10の解体時に下地層13の撤去が容易である。また、ある型枠10の解体後に、当該型枠10で使用した粒状物を、他の型枠10の作製に容易に転用することができる。したがって、型枠作製や廃棄処理に要する費用を低減できる。
次に、図8から図13を用いて、本発明の第2の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法及び型枠を説明する。図8は、本発明の第2の実施形態として示した三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠20の、一部断面視した斜視図である。
本第2の実施形態においては、第1の実施形態において使用した型板12の代わりに、高さ調整棒21を使用している点が異なっている。
高さ調整棒21としては、図9に示されるようなレベルポインター21が使われている。レベルポインター21は、化粧ボルト22と、袋ナット23を備えている。
化粧ボルト22は、頭部22aと軸部22bを備えている。軸部22bは、表面に雄ネジ部が形成された棒状の部材で、一端が頭部22aに接続されている。頭部22aの、軸部22bとは反対の表面は、半球状に成形されている。袋ナット23は、内部に空洞を有し、空洞の表面に雌ネジ部が形成されている、長尺のナットである。
化粧ボルト22の軸部22bは、袋ナット23の雌ネジ部に螺合することで固定されている。化粧ボルト22の頭部22aを、袋ナット23に対して、軸部22bを中心として回転させることにより、袋ナット23と化粧ボルト22の頭部22aとの距離を、伸縮自在に、調整することが可能である。
外型枠11の底板11aには、レベルポインター21が底板11aに対して垂直になるように、袋ナット23の、化粧ボルト22が螺合されている側とは反対側の端部が、溶接などによって固定されている。
外型枠11の底板11a上に、縦線と横線によって形成される格子において、各縦線と横線が交差する位置に、レベルポインター21は固定される。隣接するレベルポインター21間の距離は、例えば、200〜300mmの間の一定の値に定められている。
レベルポインター21の各々の上端の高さは、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の板面形状と対応するように調整されている。すなわち、図1に示されるプレキャストコンクリート板1の表面2a上に、底板11aと同じ間隔で格子を形成することにより、各レベルポインター21にプレキャストコンクリート板1の格子の交差点を対応させることができる。各レベルポインター21の上端は、対応する交差点における、表面2aの板面形状と対応するように、すなわち、レベルポインター21の上端による相対位置関係が、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の表面2aと対応する形状を有するように、調整されている。これにより、各レベルポインター21の上端は、当該レベルポインター21の配置位置におけるベッド面15の高さと同じ高さを有している。
下地層13は、ベッド面15、すなわちレベルポインター21の上端よりも、例えば、50mm程度の一定の高さだけ、低い位置まで形成されている。
モルタルまたはコンクリート14は、レベルポインター21の近傍においては、レベルポインター21の上端と同程度の高さになるように、金鏝押さえで仕上げられている。また、レベルポインター21間においては、隣接するレベルポインター21の上端同士が、滑らかに連続するような曲面で接続されるように、モルタルまたはコンクリート14が金鏝押さえで仕上げられている。
次に、図8で示した、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の型枠20を作製する方法について説明する。
まず、図10に示すように、上記の第1の実施形態と同様に、外型枠11を形成し、墨出し16を行う。
次に、外型枠11の底板11a上に、縦線と横線によって形成される格子において、各縦線と横線が交差する位置に、レベルポインター21を、溶接などにより固定する。
次に、図11に示すように、レベルポインター21の各々の上端の高さを、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の板面形状と対応するように調整する。すなわち、プレキャストコンクリート板1の表面2a上に、底板11aと同じ間隔で格子を形成することにより、各レベルポインター21にプレキャストコンクリート板1の格子の交差点を対応させる。各レベルポインター21の上端の高さを、対応する交差点における、表面2aの板面形状と対応するように、すなわち、各レベルポインター21の上端による相対位置関係が、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の表面2aと対応する形状を有するように、調整する。プレキャストコンクリート板1は、上記のように、三次元CADにより設計されているため、各レベルポインター21の上端の高さは、三次元CADデータを基に調整すると、作業が容易である。
レベルポインター21の上端の高さ調整は、測量機によりレベルポインター21の上端の高さを測定しながら、一つずつ調整するのが望ましい。底板11aが平滑であれば、底板11aからのレベルポインター21の上端までの距離を測定することによって、高さを調整することも可能である。あるいは、前記第1の実施形態において使用した型板12と同様な形状を有する板を、予め外型枠11内に設置し、型板の上端とレベルポインター21の上端の高さが一致するように、レベルポインター21の上端の高さを調整した後、型板を撤去することにより、調整してもよい。この場合、型板は、レベルポインター21の上端の高さの調整のみに使用し、すぐに撤去するものであるため、強度が要求されないので、厚紙などを利用して作成してもよい。
次に、図12に示すように、外型枠11の底板11aの上に焼き砂などの粒状物を撒いて、下地層13を形成する。下地層13は、レベルポインター21の上端や図11に示される墨出し16の位置、すなわち、将来的にベッド面15が形成される予定位置よりも一定の高さだけ低い位置まで形成する。
次に、図8に示すように、下地層13の上に、モルタルまたはコンクリート14を打設して、ベッド面15を形成する。モルタルまたはコンクリート14の配合、ワーカビリチーなどについては、上記第1の実施形態と同様である。
モルタルまたはコンクリート14は、その上面の高さが、レベルポインター21や墨出し16の近傍においては、レベルポインター21の上端や図11に示される墨出し16と同程度の高さになるように、金鏝押さえで仕上げられる。また、レベルポインター21の間においては、隣接するレベルポインター21の上端や墨出し16の間が、滑らかな曲面で連続するように、金鏝押さえで仕上げられる。このようにして、ベッド面15を形成する。
最後に、打設したモルタルまたはコンクリート14を、1日程度、好ましくは1日以上養生して、最低5N/mm程度の強度にする。
図8で示した型枠20を使用した、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の作製に関しては、上記の第1の実施形態と同様の方法で、実施することが可能である。
このような、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の製造方法及び型枠20によれば、ベッド面15を形成するに当たり、レベルポインター21の上端を目安にして、モルタルやコンクリート14の打設と金鏝押さえを実施しているため、モルタルやコンクリートによる、三次元曲面を有するベッド面の作製を、容易に行うことが可能である。
また、レベルポインター21の高さを変更することが可能であるため、一度使用した型枠20であっても、レベルポインター21の高さを再調整することにより、他の異なる三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1を作製するための型枠20として、再利用することが可能である。これにより、型枠20の作製費用を更に低減できる。
また、レベルポインター21の上端は、半球状に形成された化粧ボルト22の頭部22aであるため、ベッド面15を金鏝押さえにより成形する際に、鏝が引っかかることが少なくなって、鏝あたりがよくなり、作業者の負担を軽減することができる。更に、上端が半球状であるため、ベッド面15を曲面形状に形成したとしても、ベッド面15から化粧ボルト22が露出することが少なくなり、精度の高いベッド面15を作製することが可能となる。
また、本第2の実施形態が、第1の実施形態と同様に、型枠の作製費用を低減できる、ベッド面15が複雑な三次元曲面を有していても、低コストで作製することができる、短期間で型枠20を作製することができる、ベッド面15の形状変更の要請に対しても容易に対応可能である、廃棄処理に要する費用を低減できる、構造建築物の設計計画立案が容易となる、等の様々な効果を奏することは、いうまでもない。
なお、上記第1、2の実施形態において、作製される壁板は、プレキャストコンクリート板に限られず、例えば、硝子繊維補強セメントや、繊維強化プラスチックの板であってもよい。
また、上記第1の実施形態において、型板12は金属製である場合を示したが、これに限られず、底板11aへの、下地層13やモルタルまたはコンクリート14の設置に耐えられる程度に強固な固定が可能であれば、例えば、木製合板、薄膜鋼板、3Dプリンターにより出力される樹脂素材などであってもよい。
また、上記第1の実施形態において、型板12の上端は曲線状に形成されていてもよい。また、型板12が、平らではなく、曲面を有する形状であってもよい。
また、上記第1の実施形態において、図13に示すように、型板12の上端に、型板12の本体12aと垂直になるように形成される、幅の狭い折り返し12bを形成してもよい。これにより、型板12の強度が増すため、型枠10、及び当該型枠10により作製されるプレキャストコンクリート板1の板面形状の精度を高めることが可能となる。
また、上記第1の実施形態において、型板12の高さが高い場合には、隣接する型板12同士を補助材で連結補強してもよい。
また、上記第1、2の実施形態において、側型枠11c〜11fは平らな形状となっているが、これに限られない。例えば、壁の曲面データを複数の、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1のデータに分割する際に、壁の三次元曲面形状などに応じて、側型枠11c〜11fが曲面形状を有するように、分割してもよい。
また、上記第1の実施形態における型板12、及び、第2の実施形態においてレベルポインター21の設置位置を決定するために適用した格子の各線は、側型枠11c〜11fと平行に配置されてもよいが、これに限られない。例えば、図14に示されるように、上記第1の実施形態における型板12が、側型枠11c〜11fに対して斜めに配置されてもよい。
また、上記第1、2の実施形態において、下地層13の高さは、ベッド面15から一定値だけ低くするのではなく、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の曲面の曲率などによって、適宜決めても構わない。ただし、モルタルまたはコンクリート14が、プレキャストコンクリート板1を作製する工程において割れない程度の、ベッド面を形成可能な高さになるよう、配慮する必要がある。
また、上記第1、2の実施形態において、型板12間の間隔、または、レベルポインター21間の間隔は一定であるが、これに限られず、間隔が異なるように設置してもよい。例えば、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1が、部分的に複雑な三次元曲面形状を有している場合、該当する部位のみ、型板12やレベルポインター21の配置間隔を短く変更し、型板12やレベルポインター21を密に配置することで、精度の高い三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1を作製することが可能となる。
この場合、例えば第2の実施形態においては、化粧ボルト22が螺合されていない袋ナット23を、上記の第2の実施形態におけるレベルポインター21間の間隔として示した200〜300mmの値よりも、短い間隔で予め固定しておくことができる。その上で、格子状に配置されたレベルポインター21に加え、作製しようとしている三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1の曲面形状に応じて、例えば曲面の極大点、極小点、異なる曲率を有する曲面同士が隣接して鋭角を成す部分、などの要所に相当する袋ナット23のみに、化粧ボルト22を螺合させて、追加のレベルポインター21として使用することも可能となる。これにより、複雑な三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板1を作製するに当たり、作製精度を向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び均等な実施の形態が可能であることが理解できるであろう。
よって、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載される本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形や改良形態も本発明に含まれる。
1 三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板
2 本体
3 ファスナー
10、20 型枠
11 外型枠
12 型板
13 下地層
14 モルタルまたはコンクリート
15 ベッド面
16、17 墨出し
18 鉄筋
21 レベルポインター

Claims (8)

  1. 底板と側型枠からなる外型枠内に、複数の高さ調整部材を設置すること、
    前記外型枠内に、高さが調整された前記複数の高さ調整部材の各々の上端の高さまで、モルタルまたはコンクリートを打設して、三次元曲面を有するベッド面を形成すること、
    前記三次元曲面を有するベッド面に、コンクリートを打設して、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板を作製すること、
    を含む、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法。
  2. 前記複数の高さ調整部材は、複数の型板であり、該複数の型板の各々は、前記外型枠の前記底板に対して垂直に設置され、
    前記複数の型板の各々の上端が、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状と対応するように、前記複数の型板を作製することを更に含む、請求項1に記載の三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法。
  3. 前記複数の高さ調整部材は、複数の伸縮自在の高さ調整棒であり、該複数の高さ調整棒の各々は、前記外型枠の前記底板に対して垂直に設置され、
    前記複数の高さ調整棒の各々の上端の高さを、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状と対応するように調整することを更に含む、請求項1に記載の三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法。
  4. 前記高さ調整部材の上端で形成される、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状に対応する形状は、三次元CADデータを基に調整されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法。
  5. 前記三次元曲面を有するベッド面を形成する前に、粒状物を敷いて下地層を形成することを更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の製造方法。
  6. 底板と側型枠からなる外型枠と、
    前記外型枠内に設置された複数の高さ調整部材と、
    前記外型枠内に、高さが調整された前記複数の高さ調整部材の各々の上端の高さまで、モルタルまたはコンクリートを打設することにより形成された、三次元曲面を有するベッド面と、
    を含む、三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠。
  7. 前記複数の高さ調整部材は、複数の型板であり、該複数の型板の各々は、前記外型枠の前記底板に対して垂直に設置され、
    前記複数の型板の各々の上端が、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状と対応するように、前記複数の型板が作製されている、請求項6に記載の三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠。
  8. 前記複数の高さ調整部材は、複数の伸縮自在の高さ調整棒であり、該複数の高さ調整棒の各々は、前記外型枠の前記底板に対して垂直に設置され、
    前記複数の高さ調整棒の各々の上端の高さは、前記三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の板面形状と対応するように調整されている、請求項6に記載の三次元曲面を有するプレキャストコンクリート板の型枠。
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