JPS6339313Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は下階の基準墨を上階に移す場合等に
当つて予め埋設した開口用スリーブに対し、その
開口部をコンクリートで閉塞して後処理するため
に使用するコンクリートスラブ開口部閉塞 具に
関するものである。

従来、コンクリートスラブに開口部を形成して
下階の基準墨を上階に移す場合等は、通常、紙
管、やエンビ管等を使用して施工することが多い
が、このような方法は、施工後にその開口部をコ
ンクリートで閉塞して処理するに当つてスラブ下
から板切れ等を介して下階のスラブよりパイプサ
ポートで押付けた状態の後、開口部にコンクリー
トを打設して養生するものである。

従つて、作業能率が著しく低下し、しかもスラ
ブ下面の仕上りが凹凸になり、精度が悪い等、不
合理でかつ不便である。

この考案は上記のような欠点に着目し、それを
解消するためのものである。

次にこの考案によるコンクリートスラブ開口部
閉塞具の構造を実施例の図面によつて説明する。

第１図はこの考案の第１実施例による開口部閉
塞用キヤツプの斜視図、第２図はその中央縦断面
図、第３図はスリーブ支持筒の中央縦断面図であ
る。

図においては、１はキヤツプで、円筒状の外周
縁２の内側部にこの外周縁２と一体の井桁状のモ
ルタル係止片３′…を設け、そのモルタル係止片
３…内にモルタルＭを充填すると共に、該モルタ
ル係止片３の中央部に取手４を設けてなる。

５はこのキヤツプ１の外周縁２に沿つて下端内
向きに形成した段差部である。

尚、この第１実施例によるキヤツプ１は全体を
合成樹脂製としたものである。

また、モルタルＭは、その底面を平滑仕上げ
し、養生しておくものである。

６はスリーブ支持筒で、円筒体７の外側下部に
相対向すべく釘孔８ａを穿設した釘打部８を水平
方向に突設すると共に、内側下端にはコンクリー
ト底面と上記キヤツプ１の底面とを同一面にすべ
く上記段差部５を係止する係止部９を設け、かつ
該係止部９上には開口部形成用スリーブ１０を納
置してなる。

上記のように構成した第１実施例のコンクリト
スラブ開口部閉塞具の使用例を下記に述べる。

第４実施例に示すようにスラブ型枠Ｐ上にスリ
ーブ支持筒６を釘孔８ａ…より釘Ｋを打ち込んで
固定し、この内側面に開口部形成用スリーブ１０
を挿入してコンクリートＣを打設する。

一定の養生後、スラブ型枠Ｐを解体し、下階の
基準墨等を上階に移し、また、開口部形成用スリ
ーブ１０は抜取り、続いて前記キヤツプ１は第５
図に示すようにスリーブ支持筒６内に挿入し、上
記コンクリートＣ下面とキヤツプ１の底面を段差
部５にて同一面にすべく納置して開口を塞ぎ、凹
部内にコンクリートC′を打設して処理するもので
ある。

上記の構造のキヤツプによれば、合成樹脂製で
一体に形成したから品質が一定し、低コストで提
供し得ると共に外周縁の内側部を井桁状のモルタ
ル係止片により仕切つたから充填したモルタルと
の付着面積が増加し、補強効果が大である。

また、スリーブ支持筒においてはコンクリート
底面とキヤツプの底面を同一面にすることができ
る効果がある。

次にこの考案によるキヤツプの他の実施例を図
面について説明する。

第６図はこの考案にの第２実施例によるキヤツ
プの中央縦断面図で、キヤツプ１１の外周縁１２
の内側に多数のモルタルの通孔１３ａ…を明けた
モルタル係止片１３を一体に設けたものであり、
一層モルタルとＭとの付着効果を向上することが
できる。

第７図はこの考案の第３実施例にキヤツプの中
央縦断面図で、合成樹脂製のキヤツプ２１の外周
縁２２と一体に取手２４を形成したものであり、
前記と同様の作用効果が得られる。

第８図はこの考案の第４実施例によるキヤツプ
の中央縦断面図で、合成樹脂製のキヤツプ３１の
外周縁３２の上部内側片に鉄筋等を屈曲して形成
した別の取手３４を引掛けて取付けたものであ
り、キヤツプ３１には必要な時だけその取手３４
を取付けられるのでキヤツプの管理上、嵩張らず
に便利である。

以上詳細に説明したように、この考案によれば
開口部を閉塞する重要な機能を、スラブの上方か
らスリーブ支持筒内に納置することにより極めて
容易に、能率的に得ることができ、合理的な施工
が可能である。

また、キヤツプの内側部にモルタル係止片を介
してモルタルを充填し、かつ、その底面を平滑仕
上げしスリーブ支持筒内においてコンクリート下
面とキヤツプの底面を同一面（平滑）にすること
ができ、品質の向上に効果がある。

さらに、充填したモルタルは内側のモルタル係
止片によつて補強されるから取扱い時や開口部閉
塞時等に割れたり損傷を起こすことがない。

また、取手によつてキヤツプの取扱いが容易に
でき、開口部内に打設したコンクリートとよく結
合し、キヤツプ等との結合性がより向上する効果
があり、実用上優れたキヤツプを得ることができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のキヤツプの第１実施例を示
した斜視図、第２図はその中央縦断面図、第３図
はスリーブ支持筒の中央縦断正面図、第４図はス
ラブに開口部を形成する状態の中央縦断面図、第
５図はこの開口部を閉塞するこの考案の第１実施
例のキヤツプによる使用状態の中央縦断面図、第
６図ないし第８図はそれぞれこの考案によるキヤ
ツプの第２実施例ないし第４実施例の中央縦断面
図である。 １……キヤツプ、２……外周縁、３……モルタ
ル係止片、４……取手、Ａ……スリーブ支持筒、
Ｃ……コンクリート、Ｐ……スラブ型枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状等の外周線に沿つて段差部を、該外周縁
   の内側部には充填したモルタル係止片をそれぞれ
   設け、モルタルの底面を平滑仕上すると共に、上
   記外周縁あるいはモルタル係止片に取手を設けて
   なる開口部閉塞用キヤツプと、円筒体の外側に釘
   打部を設けると共に、内側にはコンクリート下面
   と上記キヤツプの底面とを同一面にすべく上記段
   差部を係止する係止部を設け、かつ該係止部上に
   は開口部形成用スリーブを納置してなるスリーブ
   支持筒とからなることを特徴とするコンクリート
   スラブ開口部閉塞具。