JPH0118196B2 - - Google Patents

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JPH0118196B2
JPH0118196B2 JP56001509A JP150981A JPH0118196B2 JP H0118196 B2 JPH0118196 B2 JP H0118196B2 JP 56001509 A JP56001509 A JP 56001509A JP 150981 A JP150981 A JP 150981A JP H0118196 B2 JPH0118196 B2 JP H0118196B2
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lower alkyl
pva
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modified pva
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JP56001509A
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Tohei Morya
Isao Ono
Junnosuke Yamauchi
Koichi Kajitani
Makoto Shiraishi
Hitoshi Maruyama
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は紙用顔料コーテイング組成物に関す
る。更に詳しくは分子内に特定のカチオン基を含
むカチオン基変性ポリビニルアルコールと顔料と
を含有せしめた、塗工性に優れ、かつ紙あるいは
板紙(以下、両者を総称して紙と呼ぶ)に塗工す
ることにより優れた物性を有する塗工紙を与え
る、紙用顔料コーテイング組成物に関する。 従来より顔料コーテイング用の結合剤としては
カゼイン、殿粉、ポリビニルアルコール(以下
PVAと略記する)あるいはスチレン―ブタジエ
ンラテツクスなどのラテツクス類が用いられてい
る。このうち、PVAは他の結合剤と比較して塗
工紙の表面強度、印刷適性などの点で優れた性能
を有している反面、塗工液の粘度が高くなり易く
塗工性においてしばしば不都合が生じていた。粘
度を低下させ塗工性を改良する目的をもつて
PVAの重合度を低下させる時は、これを用いた
塗工紙の表面強度や印刷適性の性能もまた低下す
るため本質的な改質法とはなり得ない。また、固
形分濃度を45〜30%の低濃度で塗工する方式も広
く実施されているが、従来のPVAでは保水性が
不足する場合があり、原紙に水分が吸収される結
果、塗工中に塗工液濃度が上昇して流動性が悪化
し、塗工面にパターンなどのむらが発生するトラ
ブルが見られた。更に、このような低濃度の塗工
液による塗工紙においては乾燥工程における急激
な水分の蒸発に伴つて結合糊剤が表面にマイグレ
ーシヨンを起こし、結果として得られた塗工紙は
表面近くに結合剤が片よつて分布しているため、
印刷インクの受理性が不良となり印刷適性が低下
する重大な不都合を生じ易い。 以上のような紙用コーテイング剤として求めら
れる塗工性あるいは印刷適性を改善、改良するこ
とを目的としてPVA系結合剤においてもこれま
でにも多くの共重合変性PVAが提案されている。
例えば、カルボキシル基を導入した変性PVAと
して特公昭44―5331号、特公昭46―7606号、特公
昭53―35611号などがあり、またアクリルアミド
を共重合変性したPVAとして特公昭46―7605号、
特公昭46―26407号、特公昭47―42724号、ラクト
ン環を導入した変性PVAとして特公昭52―39442
号なども知られている。これらのうち、カルボキ
シル基変性PVAなどはこれを結合剤として用い
た時、高濃度顔料塗工液における流動性について
はある程度改善されてはいるが、顔料結合力は充
分でなくまた、前述した低濃度顔料塗工液におけ
る保水性あるいはマイグレーシヨンの改良につい
てはほとんど改良が見られていない。こうして、
PVA系結合剤において、塗工性と塗工紙物性の
両方を満足させる方法は未だ完成されていないの
が現状である。 本発明者らはかかる問題点の解決を目的として
PVAの化学変性に関してより広範囲に検討を行
い、得られた多数の変性PVAを結合剤として用
いて顔料コーテイングを実施し、その結合剤とし
ての評価を実施した結果、 分子内に下記一般式()、()、()、()

()及び()から選ばれる少くとも一種の共
重合単位を含むカチオン基変性ポリビニルアルコ
ール、 (ここで、R1,R2,R3は水素原子または低級
アルキル基、Bは
【式】または
【式】R4,R5,R6は水素原子または 低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、X-
アニオン、AはB中の窒素原子とアミド基の窒素
原子を連結する基を各々意味している。) (ここで、R7,R8,R9は水素原子、低級アル
キル基またはフエニル基、R10は低級アルキル基
(置換基を含んでもよい)、X-はアニオンをそれ
ぞれ意味している。) (ここで、Bは
【式】または
【式】R4,R5,R6は水素原子または 低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、X-
アニオン、DはB中の窒素原子と酸素原子を連結
する脂肪族の基、をそれぞれ意味している。) (ここで、R11,R12は水素原子または低級ア
ルキル基、R13は低級アルキル基(置換基を含ん
でもよい)、X-はアニオンをそれぞれ意味してい
る。) を使用した時は、塗工性に優れると同時に塗工紙
の表面強度あるいは印刷適性に優れ、更に低濃度
塗工液においては保水性が著しく改良されると同
時に乾燥時のマイグレーシヨンが見られず、優れ
た塗工面と印刷適性とを有する塗工紙が得られる
ことを見出すと共に、更に一方では、PVAに対
するカチオン基の導入方法に関する工業的有利な
方法をも併せ確立して本発明を完成したものであ
る。 従来より、殿粉あるいはポリアクリルアミドな
どの水溶性高分子にカチオン基を導入する技術は
知られており工業的にも製造されているが、カチ
オン基で変性したPVAを顔料コーテイングの結
合剤として使用する思想は全く知られていない。
かかる事情の背景には単にカチオン基をPVAに
導入する方法自体はこれまでにも少数例ではある
が知られていたが、いずれも導入変性方法に難点
があり、工業的に製造することが困難であつたた
め、カチオン基で変性したPVAを顔料コーテイ
ング用結合剤として用いることすら試みられなか
つた事情が存したものと思われる。 以下、本発明を更に詳しく説明する。 本発明の顔料コーテイング組成物において結合
剤として使用されるカチオン基変性PVAとは、
分子内に下記一般式()、()、()、()、
()及び()から選ばれる少くとも一種の共
重合単位を含むカチオン基変性ポリビニルアルコ
ールである。 (ここで、R1,R2,R3は水素原子または低級
アルキル基、Bは
【式】または
【式】R4,R5,R6は水素原子または 低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、X-
アニオン、AはB中の窒素原子とアミド基の窒素
原子を連結する基を各々意味している。) (ここで、R7,R8,R9は水素原子、低級アル
キル基またはフエニル基、R10は低級アルキル基
(置換基を含んでもよい)、X-はアニオンをそれ
ぞれ意味している。) (ここで、Bは
【式】または
【式】R4,R5,R6は水素原子または 低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、X-
アニオン、DはB中の窒素原子と酸素原子を連結
する脂肪族の基、をそれぞれ意味している。) (ここで、R11,R12は水素原子または低級ア
ルキル基、R13は低級アルキル基(置換基を含ん
でもよい)、X-はアニオンをそれぞれ意味してい
る。) 従来報告されているカチオン変性PVAの製造
法としてはビニルピリジンと酢酸ビニルを共重合
後ケン化する方法、N―ビニルフタルイミドある
いはN―ビニルコハクイミドと酢酸ビニルを共重
合後ケン化し、更にアルカリあるいはヒドラジン
でイミド基を分解する方法、PVAを酸触媒のも
とにアミノアセタール化あるいはアミノベンスア
セタール化する方法、PVAにアルコキシジメチ
ルアミン、グリシジルトリメチルアンモニウム塩
酸塩あるいは3―クロロ―2―ヒドロキシプロピ
ルナトリメチルアンモニウム塩酸塩を反応させる
方法、PVAにアクリルアミドをマイクル付加し
た後ホフマン分解によりアミノ基を導入せしめる
方法などが知られているが、上述したカチオン変
性PVAの製造法は工業的に実施するにはカチオ
ン化する工程自体に種々の困難な問題がある。 これに対して、下記の一般式()、()、
()あるいは()で示される共重合単位を含
む変性PVAはカチオン活性を示すことは勿論、
工業的にカチオン基の導入および目的に応じたケ
ン化度を得る方法が共に安定かつ容易に実施可能
である。 (ここで、R1,R2,R3は水素原子または低級
アルキル基、Bは
【式】または
【式】R4,R5,R6は水素原子または 低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、X-
アニオン、AはB中の窒素原子とアミド基の窒素
原子を連結する基をそれぞれ意味している。) (ここで、R7,R8,R9は水素原子、低級アル
キル基またはフエニル基、R10は低級アルキル
基、X-はアニオン、をそれぞれ意味している。) (ここで、Bは
【式】または
【式】R4,R5,R6は水素原子または 低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、X-
アニオン、DはB中の窒素原子とエーテル基の酸
素原子を連結するアルキレン基、をそれぞれ意味
している。) 上記一般式()〜()で示された共重合単
位を含む変性PVAの製造はビニルエステルとり
わけ酢酸ビニルと次式(イ)〜(ニ) CH2=CH―O―D―B ……(ニ) (ここで、R1〜R3,R7〜R10,X-,A,B,
Dの意味は前記と同一である。)で示される重合
性単量体とをラジカル重合開始剤の存在下に共重
合させ、しかる後に該共重合体のアルコール溶液
にアルカリあるいは酸触媒を作用させて、共重合
体中のビニルエステル単位を目的に応じて部分的
にあるいは高度にケン化せしめてビニルアルコー
ル単位とすることにより有効かつ簡便に製造され
る。 一般式(イ)で示される単量体においてR1は水素
原子または低級アルキル基であるが、通常水素原
子またはメチル基が好ましく、更に酢酸ビニルと
の共重合反応における重合速度が大である点で水
素原子であることが好ましい。R2およびR3もま
た水素原子または低級アルキル基であるが通常水
素原子またはメチル基が好ましい。Bはアミノ基
【式】または4級アンモニウム塩
【式】でありR4,R5,R6は水素原子 又は置換基を含んでもよい低級アルキル基を、
X-はアニオンを示している。R4,R5,R6は通常
の目的ではすべてメチル基が好ましいが、特殊な
目的にはエチル基、プロピル基等の低級アルキル
基あるいは反応性を付与する目的でメチローール
基、あるいはカチオン基の密度を向上させる目的
でアミノアルキル基など置換基を含有した低級ア
ルキル基も用いられる。Xとしては塩素、シユウ
素、ヨウ素などのハロゲン原子またはCH3OSO3
あるいはCH3C6H4SO3が好ましいが、とりわけ
塩素原子が、経済上、安全上、あるいは変性
PVAの物性上好ましい。Bは四級アンモニウム
塩の形である場合、変性PVAの製造の取扱い易
さにおいて好ましいが一級〜三級アミンでも本発
明の効果を発現させ得る。アミノ基B中の窒素原
子とアミド基の窒素原子とを連結する基であるA
は安定な結合を含む基であれば何れも用いられる
が、通常直鎖状または分岐した脂肪族の基が用い
られる。 上記一般式(イ)で示される単量体のうち三級アミ
ンの形のものの具体例として次のものが挙げられ
る。N―(2―ジメチルアミノエチル)アクリル
アミド、N―(2―ジメチルアミノエチル)メタ
クリルアミド、N―(3―ジメチルアミノプロピ
ル)アクリルアミド、N―(3―ジメチルアミノ
プロピル)アクリルアミド、N―(3―ジメチル
アミノプロピル)メタアクリルアミド、N―(3
―ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
N―(1,1―ジメチル―3―ジメチルアミノプ
ロピル)アクリルアミド、N―(1,1―ジメチ
ル―3―ジメチルアミノプロピル)メタクリルア
ミド、N―(1,1―ジエチル―3―ジメチルア
ミノブチル)アクリルアミド、N―(1―メチル
―1,3―ジフエニル―3―ジエチルアミノプロ
ピル)メタクリルアミド、N―(3―ジメチルア
ミノヘキシル)アクリルアミド、N―(3―メチ
ルエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N
―メチル―N―(3―ジメチルアミノプロピル)
アクリルアミド、N―(2,2―ジメチル―3―
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N―
(2,2―ジメチル―3―ジメチルアミノプロピ
ル)メタクリルアミド、N―(2,2―ジメチル
―3―ジメチルアミノプロピル)クロトン酸アミ
ド、N―(3,3―ジメチル―4―ジメチルアミ
ノブチル)アクリルアミド、N―(3,3―ジメ
チル―4―ジメチルアミノブチル)メタクリルア
ミド、N―(3,3―ジメチル―4―ジメチルア
ミノブチル)クロトン酸アミド。 上記一般式(イ)で示される単量体のうち四級アン
モニウムの形のものは上述した三級アミン型単量
体を次のような四級化剤で四級化することにより
容易に得ることができる。硫酸ジアルキル、例え
ばジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫
酸、アルキルまたはアリールスルホン酸のC1
C4―エステル、例えばメタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸またはトルエンスルホン酸などの
メチル―、エチル―、プロピル―またはブチルエ
ステル、ハゲン化ベンジル、例えば塩化ベンジル
または臭化ベンジル、ハロゲン化アルキル、例え
ば塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化
エチル、臭化エチルまたはヨウ化エチルなどであ
る。 上記一般式(イ)で示される単量体として上述した
各種の例のうち次の4種類の単量体、 N―(1,1―ジメチル―3―ジメチルアミノ
プロピル)アクリルアミド トリメチル―(3―アクリルアミド―3,3―
ジメチルプロピル)アンモニウムクロリド N―(3―ジメチルアミノプロピル)メタクリ
ルアミド トリメチル―(3―メタクリルアミド―プロピ
ル)アンモニウムクロリド は本発明の変性PVAを製造する上で、重合速度、
アミド基の安定性、単量体製造時の経済性の観点
から優れている。 また、上記(ロ)で示される単量体としては例えば
次のものが挙げられる。1―ビニルイミダゾー
ル、1―ビニル―2―メチルイミダゾール、1―
ビニル―2―エチルイミダゾール、1―ビニル―
2―フエニルイミダゾール、1―ビニル―2,
4,5―トリメチルイミダゾール。また上記一般
式(ハ)で示される単量体は上記一般式(ロ)で示される
単量体に、前述した四級化剤で四級化することに
より容易に得ることができる。 また上記一般式(ニ)で示される単量体としては例
えばジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジメ
チルアミノプロピルビニルエーテルあるいはこれ
らの四級化物あるいはビニロキシエチルアミン等
が挙げられる。 また、変性PVA中のカチオン基が下記一般式
()あるいは()で示される共重合単位であ
るものも本発明にとつて有効である。 (ここで、R11,R12は水素原子または低級ア
ルキル基、R13は低級アルキル基(置換基を含ん
でもよい。)、X-はアニオンをそれぞれ意味して
いる。) このようなビニルアミン単位を含有せしめた変
性PVAの合成法としては、工業化学雑誌59,658
(1956年)あるいは同60,353,1188(1957年)に
おいてN―ビニルフタルイミドあるいはN―ビニ
ルコハクイミドと酢酸ビニルとを共重合したる後
に酢酸ビニル部分をケン化し、更にアルカリある
いはヒドラジンを用いてイミド基を分解する方法
が示されているが両イミドモノマーはともに、そ
のイミド基はアミド基までは分解されるが、アミ
ノ基まで分解反応を進めることが困難であり、こ
の方法でビニルアミン含有PVAを製造すること
が困難であることは上記文献が示すとおりであ
る。こうしてPVA分子中にビニルアミン共重合
単位を含有せしめることは予想以上に困難であり
未だ有効な方法が知られていなかつた。本発明者
らはこのような状況を踏まえ、安定かつ有効に
PVA中にビニルアミン単位を含有せしめる製造
方法についても探究した結果、ビニルエステル、
特に酢酸ビニルとN―ビニルアルキルアミド特に
N―ビニルアセトアミド、N―ビニル―N―メチ
ルアセトアミドあるいはN―ビニル―N―メチル
ホルムアミドなどとをラジカル重合開始剤の存在
下に共重合させ、しかる後に該共重合体を加水分
解することにより、N―ビニルアルキルアミド単
位中のアミド基はすべて加水分解されビニルアミ
ン単位とすることができ、こうしてビニルアミン
単位を任意な量を含有する変性PVAを製造し得
ることをも見出した。 酢酸ビニルとN―ビニルアルキルアミドの共重
合体の加水分解において、酢酸ビニル中のエステ
ル基に比較しN―ビニルアルキルアミド単位中の
アミド基の加水分解速度は遅いため、通常は二段
階で加水分解反応を実施することが望ましい。す
なわち、酢酸ビニルとN―ビニルアルキルアミド
の共重合体のアルコール溶液にアルカリあるいは
酸触媒を作用させて共重合体中の酢酸ビニル単位
をケン化せしめて、N―ビニルアルキルアミド単
位を含む変性PVAを合成した後、これを加熱下
に水に溶解して水溶液とし、アルカリあるいは酸
を加えて90℃〜100℃で加水分解反応を実施する
方法が一例として挙げられる。この場合アルカリ
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどであ
り、酸としては硫酸、塩酸などが使用される。酸
を使用してN―ビニルアルキルアミドの加水分解
を実施した場合、ビニルアミン単位が使用した酸
の塩の形である変性PVAが得られる。また、こ
うしてアミド基を分解して得た変性PVAの水溶
液に前述した四級化剤を作用させて上記()式
で示されるような四級アンモニウム塩の形にする
こともできる。 本発明において用いられる変性PVA中のカチ
オン基の量、ケン化度あるいは重合度は目的に応
じて適宜選択され特に制限はない。カチオン基は
比較的少量の含有率でも効果が発揮され通常0.01
〜10モル%の範囲から選ばれる。ケン化度は通常
70〜100モル%の範囲が好ましい。また重合度は
通常300〜3000の範囲から選ばれる。4%水溶液
の20℃における粘度で重合度の目安とするときは
3〜150センチポイズの範囲のものが好ましい。 本発明の紙用顔料コーテイング組成物に用いら
れる顔料としては、クレー、カオリン、炭酸カル
シウム、チタン白、サチン白などが用いられる。
これらの顔料の分散剤としてピロリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリアクリル
酸ナトリウムなどを使用することは従来通りであ
る。 本発明の組成物においては結合剤として上述の
特定のカチオン基変性PVAを単独で使用するこ
とによつて塗工性が優れると同時に品質に優れた
塗工紙を得ることができるものである。かかる性
能が発揮される理由は充分解明されている訳では
ないが、本発明の変性PVA中の特定のカチオン
基の働きによつて電気化学的に顔料との親和的結
合が強められる一方で、PVA本来の水酸基の働
きによつて強固な結合が形成される効果によつて
優れた性能が発現されるものと推定される。 また、本発明の組成物の顔料結合剤としては、
上述の特定のカチオン基変性PVAを単独で使用
しても充分その効果を発揮するものであるが、必
要に応じて他の結合剤、たとえば殿粉、変性殿
粉、カゼイン、PVA、変性PVA(カルボキシル
基変性PVA、アクリルアミド変性PVA等)、あ
るいは合成樹脂エマルジヨン(スチレン―ブタジ
エンラテツクス、ポリアクリル酸エステルエマル
ジヨン、酢酸ビニル―エチレン共重合エマルジヨ
ン、酢酸ビニル―アクリル酸エステル共重合エマ
ルジヨンなど)を併用することもできる。また、
必要に応じて、消泡剤などの添加物、あるいはグ
リオキザール、尿素樹脂、メラミン樹脂、多価金
属塩、水溶性ポリアミド樹脂などの耐水化剤を添
加併用することもできる。本発明の組成物におい
てカチオン基変性PVAは顔料100部に対して通常
3〜10部使用され、塗工液の固形分濃度は30〜63
%の範囲から選択するのが適当である。塗工液
は、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロ
ールコーター、サイズプレスコーターなどの公知
のコーターを用いて紙面に塗工され、乾燥工程で
乾燥した後スーパーカレンダーを通して仕上げら
れる。塗工量は目的により広範囲となり特に制限
はないが、固形分で0.1〜30g/m2程度が通常実施
される。 以下、実施例により本発明の顔料コーテイング
組成物につき説明する。以下で部又は%とあるの
は断りない限り重量基準である。 実施例1 (洋紙に対する塗工例) トリメチル―(3―アクリルアミド―3,3―
ジメチルプロピル)アンモニウムクロリドと酢酸
ビニルとの共重合体をケン化して、トリメチル―
(3―アクリルアミド―3,3―ジメチルプロピ
ル)アンモニウムクロリド単位を2モル%含有
し、酢酸ビニル単位のケン化度が98.5モル%、4
%水溶液の20℃における粘度(ブルツクフイール
ド粘度計、60rpmで測定。以下同様)が6.5cp(セ
ンチポイズ)のカチオン基変性PVAを合成した。
次に、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5部を溶解
した水溶液47.5部を激しく撹拌しながらカオリン
クレー100部を加えて均一に分散させ、しかる後
に上記のカチオン変性PVAの20%水溶液30部に
添加混合して、固形分濃度60%、30℃における粘
度が3050cpのコーテイング組成物を調製した。
このコーテイング組成物を試験用フレキシプルブ
レードコーターを用いて上質紙原紙(秤量60g/
m2)に固形分塗工量が15g/m2となるごとく塗工
した後105℃で2分間乾燥後表面温度85℃、線圧
100Kg/cmの条件下にカレンダー仕上げを行なつ
た。得られた塗工紙を20℃、65%R.Hで72時間調
湿後その性能を評価した。結果を第1表に示し
た。 比較例 1〜5 実施例1のカチオン基変性PVAに代えて次の
PVAあるいは変性PVAを使用した他は実施例1
と同様にして性能評価を実施した。結果を第1表
に合わせて示す。 比較例1において使用したVPA: ケン化度98.5モル%、4%水溶液の20℃におけ
る粘度が5.5cpのPVA。 比較例2において使用した変性PVA: マレイン酸モノメチルと酢酸ビニルとの共重合
体をケン化して得た、マレイン酸単位を2モル%
含有し、酢酸ビニル単位のケン化度が98.6モル
%、4%水溶液の20℃における粘度が6.0cpの変
性PVA。 比較例3において使用した変性PVA: アクリルアミドと酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化して得た、アクリルアミド単位を2モル%含
有し、酢酸ビニル単位のケン化度が99.0モル%、
4%水溶液の20℃における粘度が6.4cpの変性
PVA。 比較例4において使用した変性PVA: ジメチルジアリルアンモニウムクロリドと酢酸
ビニルとの共重合体をケン化して得た、ジメチル
ジアリルアンモニウムクロリド単位を2モル%含
有し、酢酸ビニル単位のケン化度が98.9モル%、
4%水溶液の20℃における粘度が6.5cpの変性
PVA。 比較例5において使用した変性PVA: 完全ケン化PVA(ケン化度98.7モル%、4%水
溶液の20℃における粘度が5.8cp)にベーター・
アミノブチルアルデヒドを反応させて得たアセタ
ール化度2.5モル%のベーター・アミノブチルア
セタール化PVA。(ポリマーは黄色に着色)
【表】 第1表より、本発明のコーテイング組成物を使
用した塗工紙は表面強度、白色度、光沢度、印刷
適性において極めて高い物性を与えることが明ら
かである。 また比較例4,5は塗工液の粘度が大となり、
塗工性不良となり、また印刷適性が不良であるこ
とが明らかである。 注(1) 塗工液の粘度:ブルツクフイールド型粘度
計を用いて60rpm、30℃で測定した。 (2) 表面強度:IGT印刷適性試験機を用いてI.
P.I.No.3インキを用い、印圧50Kg/cm、スプ
リング駆動Aにより実施した。数値の大きい
ほど表面強度が高いことを示す。 (3) 白色度:ハンター式比色光度計を用いて測
定した。(数値の大きいほど白色度の高いこ
とを示す。) (4) 光沢度:ハンター式比色光度計を用い、
75゜―75゜の鏡面反斜率を測定した。数値の大
きいほど光沢度の高いことを示す。 (5) 印刷適性:RI印刷適性試験機を用いて、
スナツプドライインク(大日本インキ(株)製)
を5μの膜厚に塗工し、そのインク受理性、
印刷光沢等を総合的に評価し、優、良、可、
不良の4段階で判定を実施した。 実施例 2〜9 実施例1のカチオン基変性PVAに代えて、第
2表に示すカチオン基変性PVAを使用した他は
実施例1と同様にしてコーテイング組成物を調製
し、各々を塗工した塗工紙について物性評価を実
施した。結果を第3表に示した。
【表】 た。
【表】 実施例10 (白板紙に対する塗工例) トリメチル―(3―アクリルアミド―3,3―
ジメチルプロピル)アンモニウムクロリドと酢酸
ビニルとの共重合体をケン化して、トリメチル―
(3―アクリルアミド―3,3―ジメチルプロピ
ル)アンモニウムクロリド単位を2.0モル%含有
し酢酸ビニル単位のケン化度が98モル%、4%水
溶液の20℃における粘度が20.0cpのカチオン基変
性PVAを合成した。次に、ヘキサメタリン酸ナ
トリウム0.5部を溶解した水溶液63.5部を激しく
撹拌しながらカオリンクレー100部を加えて均一
に分散させ、しかる後に上記のカチオン変性
PVAの8%水溶液75部に添加混合し、更にスチ
レン―ブタジエン共重合ラテツクス(JSR―
0692、固形分49%)20.4部を混合撹拌して、固形
分濃度45%、30℃における粘度が630cpのコーテ
イング組成物を調製した。このコーテイング組成
物の保水性を過マンガン酸カリウム法で測定した
結果を第4表に示す。また、このコーテイング組
成物を塗工液として白板紙原紙(秤量280g/m2
に対しエアーナイフコーターを使用して固形分塗
工量が15g/m2となるよう塗工し、150℃の熱風
乾燥炉中を通過させた後、カレンダー仕上げを実
施した。得られた塗工白板紙を20℃、65%R.H.
で72時間調湿後その性能を評価した。結果を第4
表に示す。 比較例 6〜8 実施例10のカチオン基変性PVAに代えて次の
PVAあるいは変性PVAを使用した他は実施例10
と同様にして性能評価を実施した。結果を第4表
に合わせて示す。 比較例6において使用したPVA: ケン化度99モル%、4%水溶液の20℃における
粘度が18.5cpのPVA。 比較例7において使用した変性PVA: マレイン酸モノメチルと酢酸ビニルとの共重合
体をケン化して得た、マレイン酸単位を2モル%
含有し、酢酸ビニル単位のケン化度が98.5モル
%、4%水溶液の20℃における粘度が19cpの変
性PVA。 比較例8において使用した変性PVA: アクリルアミドと酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化して得た、アクリルアミド単位を2モル%含
有し、酢酸ビニル単位のケン化度が98.9モル%、
4%水溶液の20℃における粘度が20cpの変性
PVA。 第4表より明らかな如く、本発明のコーテイン
グ組成物は保水性が顕著に高いことが特色で、更
にこれを使用した塗工紙は表面強度、白色度、光
沢度、印刷適性およびインク受理性が優れた物性
を有していることが確認された。
【表】 以上の他の評価方法は第1表の注と同様に実施
した。 実施例 11〜17 実施例10のカチオン基変性PVAに代えて、第
5表に示すカチオン基変性PVAを使用した他は
実施例10と同様にしてコーテイング組成物を調製
し、この保水性およびこれを白板紙原紙に塗工し
た塗工紙について物性評価を実施した。結果を第
6表に示した。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分子内に下記一般式()、()、()、
    ()、()及び()から選ばれる少くとも一
    種の共重合単位を含むカチオン基変性ポリビニル
    アルコールと顔料とを含有する紙用顔料コーテイ
    ング組成物。 (ここで、R1,R2,R3は水素原子または低級
    アルキル基、Bは【式】または 【式】R4,R5,R6は水素原子または 低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、X-
    アニオン、AはB中の窒素原子とアミド基の窒素
    原子を連結する基を各々意味している。) (ここで、R7,R8,R9は水素原子、低級アル
    キル基またはフエニル基、R10は低級アルキル基
    (置換基を含んでもよい)、X-はアニオンをそれ
    ぞれ意味している。) (ここで、Bは【式】または 【式】R4,R5,R6は水素原子または 低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、X-
    アニオン、DはB中の窒素原子と酸素原子を連結
    する脂防族の基、をそれぞれ意味している。) (ここで、R11,R12は水素原子または低級ア
    ルキル基、R13は低級アルキル基(置換基を含ん
    でもよい)、X-はアニオンをそれぞれ意味してい
    る。)
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