JPH0118177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は内燃機関用のオイルフイルタであつ
て内部にバイパスフイルタエレメントを併設した
使い捨て型オイルフイルタに関する。

〔従来の技術〕

従来、内燃機関の潤滑部へ送出されるオイルを
過するフルフローエレメントと、過したオイ
ルをオイルパンへ送出するバイパスエレメントを
１個のオイルフイルタにまとめたものがある。例
えば実公昭56−20009号公報に示されたものがそ
れである。しかし従来のこの種のオイルフイルタ
は分解式であるからエレメント交換の際の分解・
組立てに手間がかかり、その際にケーシング内の
オイルが溢れ出るという不具合がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕 そこで使い捨て型オイルフイルタを用いること
が考えられるが従来の使い捨て型オイルフイルタ
は単一のエレメントを収納しており、クリン側の
流路をフルフロー用とバイパス用とし区分する区
画手段が設けられていなかつた。

また、バイパスエレメントとしては炭素微粒子
などを捕捉できる積層型のものが好適であるが、
積層型のエレメントは使用に伴ない濾材厚さの収
縮が生ずるので、使い捨て型オイルフイルタ内に
２種のエレメントを収納し、その一方を積層型と
するためには、前記収縮に対応できる区画手段を
備えていなければならない。

〔課題を解決するための手段〕

この考案の内燃機関用バイパスフイルタ付オイ
ルフイルタは、カツプ状ケーシング内に閉塞端側
からスプリングとフルフローエレメントと積層型
のバイパスエレメントとを重ねて配設し、バイパ
スエレメントのフルフローエレメント側端板に筒
状体の一端を固着し、ケーシングの開放端を、中
央部にオイル出口孔を有し周辺部にオイル入口孔
を有する蓋板で閉塞し、筒状体の他端を、バイパ
スエレメントの蓋板側端板の開口を超えて突出さ
せ、筒状体の他端側を取付ベースの二重管状をな
すオイル流出口の内面に摺動可能に嵌合させたオ
イルフイルタである。

〔作用〕

このオイルフイルタはオイル出口孔のねじで取
付ベースのオイル流出口に螺着されて使用され
る。そのオイル流出口はフルフロー流出路とバイ
パス流出路に区画されており、オイル流出口の外
周はオイル流入路となつている。オイルは取付ベ
ースのオイル流入口を通りオイルフイルタの蓋板
に設けられたオイル入口孔からケーシング内に入
り一部はバイパスエレメントで過されその内部
から筒状体外周を経て蓋板のオイル出口孔すなわ
ちこれに螺着されている取付ベースのオイル流出
口を経てバイパス流出路へ流出する。また残りの
オイルはフルフローエレメントで過されその内
部から筒状体の内部を経て、取付ベースのフルフ
ロー流出路へ流出する。このようにクリン側は筒
状体により区画されている。

このオイルフイルタはバイパスエレメントが積
層型であつて、細かな炭素粒などの捕捉に好適で
ある。積層型エレメントの使用に伴ないその厚み
が収縮すると、これに固定されている筒状体も収
縮寸法だけ移動するが、取付ベースのオイル流出
口との嵌合関係により摺動して対応する。

エレメント交換は、オイルフイルタの螺合の脱
着のみによつてなされ、その際のオイル溢出もな
い。

さらに筒状体はバイパスエレメントの蓋板側端
板を超えて突出し、しかもオイル流出口の内面に
嵌合するようになつているので、筒状体の先端に
ある嵌合部分の位置は管状をなすオイル流出口の
先端と干渉して妨げられることがない。従つて前
記筒状体の嵌合部分の位置は任意に定められ、取
付ベースのオイル流出口のオイルフイルタ内への
突出は少ない。オイルフイルタの着脱に当つては
嵌合部分の寸法だけの移動でよい。

〔実施例〕

第１図によつてこの考案の実施例を説明する。
この考案の内燃機関用バイパスフイルタ付オイル
フイルタ２０はカツプ状のケーシング２１の開放
端に蓋板２２が液密にかしめ付けられている。蓋
板２２には中央にねじを刻んだオイル出口孔が、
周辺部には複数のオイル入口孔２２ａが設けら
れ、その外縁にはパツキン２２ｂが装着されてい
る。ケーシング２１内には最奥部からスプリング
２９、無孔の端板２５ｂと有孔の端板２５ｄで端
面が密封されたひだ折り材でなるフルフローエ
レメント２４、そして有孔端板２５ｃと２５ａで
端面を挾持し、シート状材を多数枚重ねて針金
２８で締め付けた積層型バイパスエレメント２
３、が順次に配設される。各端板のうち両エレメ
ント２３，２４の中間側にある端板２５ｃ，２５
ｄの隙間にはシールパツキン２６ｂが介在する。
端板２５ａは蓋板側に突出してシールパツキン２
６ｂを支持してこれを蓋板２２に当接させてい
る。また端板２５ａの中央には開口２５ｅが設け
られる。端板２５ｄには開口２５ｆが設けられ、
端板２５ｃには内筒２７が設けられ筒状体を形成
している。内筒２７の内側は開口２５ｆを通じて
フルフローエレメント２４の内側に連通してお
り、バイパスエレメント２３の内側と区画されて
いる。内筒２７の先端は端板２５ａの開口２５ｅ
を超えて突出している。

上記の構成でなるバイパス付オイルフイルタ２
０は取付ベースとなるブラケツト１０の取付け座
１２に螺着されて使用される。取付け座１２は中
央に内管１３と外管１４とからなる二重管が設け
られてオイル流出口となつており外管１４の外壁
にオイルフイルタが螺着されるねじが刻まれてい
る。内管１３の内側はフルフロー流出路１３ａと
なり、内管１３と外管１４との間の環状の隙間は
バイパス流出路１４ａとなる。ブラケツト１０に
は開口１５ａ開口１６ａを設けた固着面１１によ
つてエンジン本体（図示せず）に固着される。開
口１５ａはブラケツト１０内の流入連通路１５で
取付座１２の開口１２ａに至り蓋板２２のオイル
入口孔２２ａに連通する。開口１６ａはフルフロ
ー連通路１６によりフルフロー流出路１３ａに連
通する。更にブラケツト１０には開口１７ａが設
けられバイパス連通路１７を通じ絞り孔１４ｂを
経てバイパス流出路１４ａに連通している。図中
３０は流入連通路１５とフルフロー連通路１６の
間に設けられたリリーフ弁である。オイルフイル
タの内筒２７はブラケツトの内管１３の内側にシ
ールリング１８を介して摺動可能に嵌合されてい
る。オイルフイルタ２０はブラケツト１０と結合
されてオイルフイルタ装置１を形成する。

オイルは開口１５ａから流入連通路１５、開口
１２ａ、蓋板のオイル入口孔２２ａを通つてケー
シング２１内に入る。その一部はバイパスエレメ
ント２３で過され内筒２７の外周から開口２５
ｅ、バイパス流出路１４ａ、絞り孔１４ｂ、バイ
パス連通路１７を経て開口１７ａを通りオイルパ
ンへ戻される。オイルの他の大部分はフルフロー
エレメント２４で過され開口２５ｆ、内管２７
内部、バイパス流出路１３ａ、バイパス連通路１
６、開口１６ａを経てエンジンの潤滑部へ送られ
る。

バイパスエレメントはオイル中の細かい炭素粒
などを捕捉するに好適であるが使用に伴ない紙
厚さが縮む習性がある。このときはスプリング２
９が押圧していて積層紙間に隙間を生じさせな
い。また縮み代は内筒が内管に対し移動しシール
リング１８と摺動して油密を保つて対応しオイル
フイルタと取付ベースとの間に無理を生ぜしめな
い。

〔考案の効果〕

上記のようにこの考案ではフルフローエレメン
トとバイパスエレメントの内側のクリンサイドを
筒状体によつてフルフロー側とバイパス側とに区
画したので、バイパス付オイルフイルタをセンタ
ーボルトを用いない使い捨て型となしたのでエレ
メント交換の際の手間を省き、オイルの溢出を防
止できる。またバイパスエレメントは積層型であ
るから高負荷や排気還流式などで炭素微粒子等に
よるオイル汚損の著しいエンジンのオイルに対し
ても寿命延長の効果がある。これは筒状体の先端
の嵌合を摺動可能としたことにより積層型エレメ
ントの採用が可能となり、上記の効果をもたらす
ものである。さらに筒状体の上記嵌合関係をオイ
ル流出口の内側とし、バイパスエレメントの蓋板
側端板を超えて筒状体を突出させたから、嵌合部
の位置が取付けベースに接近し、オイルフイルタ
の着脱にあたつて取付、取外しのリフトが僅少で
すむ。このことは特に自動車のエンジンルームな
どでスペースが狭いとき、また作業容易性の面で
有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例のオイルフイルタを
ブラケツトに取付けた状態で示す断面図である。 １０……ブラケツト、１３……内管、１４……
外管、２０……バイパス付オイルフイルタ、２３
……積層型バイパスエレメント、２４……フルフ
ローエレメント、２５ａ，２５ｂ，２５ｃ，２５
ｄ……端板、２５ｅ，２５ｆ……端板の開口、２
７……内筒、２９……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カツプ状ケーシング内に閉塞端側からスプリン
   グとフルフローエレメントと積層型のバイパスエ
   レメントとを順次に重ねて配設し、バイパスエレ
   メントのフルフローエレメント側端板に筒状体の
   一端を固着し、ケーシングの開放端を、中央部に
   オイル出口孔を有し周辺部にオイル入口孔を有す
   る蓋板で閉塞し、筒状体の他端を、バイパスエレ
   メントの蓋板側端板の開口を超えて突出させ、筒
   状体の他端側を取付ベースの二重管状をなすオイ
   ル流出口の内面に摺動可能に嵌合させてなる内燃
   機関用バイパスフイルタ付オイルフイルタ。