JP2513412Y2 - カ―トリッジタイプオイルフィルタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本願は、たとえば内燃機関の潤滑油を濾過するために
用いられるカートリッジタイプのオイルフィルタに関す
る。

［従来の技術］ カートリッジタイプオイルフィルタは、周知のよう
に、開放端を有する円筒状ケース内に、フィルタエレメ
ントを配設し、開放端を、カバー板で覆った構造のもの
である。カバー板は、流入出口を設けた厚板と、薄板と
から成り、両者は一体化され、薄板外周が円筒ケースの
開放端周縁に加締められて、円筒ケースとカバー板とが
一体的に固着される。厚板と薄板との一体化は、溶接等
による溶着ではなく、機械的係合によりなされる。

このような趣旨のフィルタの従来のものとしては、実
開昭61−204605号公報の明細書に示された構造のものが
知られている。すなわち、第５図のように、排出口1aの
周りに流入口4aを設けたリィンフォースプレート１と、
管状部分4bを有するクロージャープレート４とを、管状
部分4bを流入口4aの内壁に係合固定することにより、一
体化し、クロージャープレート４の外周を容器２の開放
端部に緊密に巻締め固定した構造のものである。ここ
で、クロージャープレート４には、さらに立上り部が設
けられており、該立上り部は折り曲げられて環状のガス
ケット５の前方端を覆う脱落防止部4d′を形成してい
る。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来のものは、脱落防止部4d′が舌状の係合部4c
の隣どうしの間のクロージャープレート４から形成され
るので、脱落防止部4d′は、円周方向に不連続になる。
脱落防止部4d′には、環状のガスケット５が挟持される
が、環状のガスケット５の内周の全面が挟持されないか
らガスケット５の脱落の恐れが大となる。また、リィン
フォースプレート１の排出口1aは、エンジンのマウント
に螺着されるが、その際、脱落防止部4d′の円周方向の
切断面がガスケット５に当接しながら押圧することにな
り、ガスケット５を切断し、シール不良をもたらす恐れ
も生じる。

さらに、環状部分4bが流入口4aの内壁に係合固定され
るため、流入口4aの流路断面積が減少し、流路抵抗を増
大させるという欠点もある。

［課題を解決するための手段］ 円筒ケース内に濾過エレメントを配設し円筒ケースの
開放端を厚板と薄板とで成るカバー板で覆い、薄板外周
と円筒ケース開放端とを加締め一体化し、濾過エレメン
トとカバー板との間にアンチドレンバックバルブを設け
たカートリッジタイプオイルフィルタにおいて、中央に
流出口を設けその周囲に複数の流入口を設けさらに該流
入口の外側に嵌合孔を設けた厚板と、中央に開口を有し
該開口の周縁の全周にわたる保持部を有するとともに該
保持部の外周に環状立上り壁を設けた薄板とを、環状立
上り壁を厚板の嵌合孔へ嵌着して一体化し、カバー板と
し、フランジ部を有するパッキンのフランジ部を上記保
持部に挟持させ、環状立上り壁の端部上を、アンチドレ
ンバックバルブで覆った構成としたものである。

［作用］ パッキンは、フランジ部内周の全周が保持部により挟
持され、保持面積が増大し、確実に保持される。フィル
タがエンジンマウントにねじ込まれる際に、パッキンは
回転方向の力を受けるが、保持部は周方向に連続してお
り、保持部が圧接して生じる破断が阻止される。また、
流入口は、その断面積が減少せず、流路抵抗を増加させ
ない。

［実施例］ 第１図は、本考案の実施例であり、一端が開放する円
筒ケース10内に、濾過エレメント11を配設し、円筒ケー
ス10の開放端をカバー板12で覆った構造を有する。カバ
ー板12は、ディスク状厚板13と同じく薄板14とを一体化
して形成される。厚板13は、中央のねじ付の流出口15と
その周りの複数の流入口16とを有し、さらに該流入口の
外側に嵌合孔16aが設けられる。薄板14は、中央に開口1
7を有しその外周に環状立上り壁18が設けられる。開口1
7の周縁は全周にわたり立上げられ、外方に折り曲げら
れて保持部21を形成している。環状立上り壁18と保持部
21とは、相互に反対方向に向け伸びている。薄板14の環
状立上り壁18は、厚板13の嵌合孔16aに嵌着され機械的
に係合する。厚板13の流入口16は、薄板14の保持部21内
方の開口17内に位置している。カバー板12の薄板14の一
方向には、パッキン22が配設され、パッキン22のフラン
ジ部22aが、薄板14の保持部21により保持される。同時
にパッキン22のフランジ部22aは、嵌合孔16aに嵌合され
た環状立上り壁18の内方を覆っている。

カバー板12の薄板14の外周縁は、円筒ケース10の開放
端縁に加締められる。

円筒ケース10内の濾過エレメント11とカバー板12との
間には、周知のように、傘形のアンチドレンバックバル
ブ23が設けられ、該バルブ23は、環状立上り壁18の端部
上を覆っている。

オイルは、カバー板12の厚板13の流入口16から円筒ケ
ース10内に流入し、濾過エレメント11を流通して濾過さ
れた後、流出口15へ向け流出する。円筒ケース10内のオ
イルは、パッキン22の存在により、環状立上り壁18内を
経て円筒ケース10外に流出するのが阻止される。

［効果］ 以上のように本考案は、厚板と薄板とを機械的に係合
したカバー板に配設されるパッキンが内周の全周にわた
り連続的に保持されるから、パッキン脱落を防止し、パ
ッキンの切断を防止する。また、流路抵抗を増加させな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の断面図、第２図はその平面
図、第３図はカバー板の一部斜視図、第４図は薄板の一
部斜視図である。第５図は従来のフィルタの一部斜視図
である。 10……円筒ケース、11……濾過エレメント 12……カバー板、13……厚板 14……薄板、15……流出口 16……流入口、16a……嵌合孔 17……開口、18……環状立上り壁 22……パッキン、22a……フランジ部 23……アンチドレンバックバルブ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒ケース内に濾過エレメントを配設し円
   筒ケースの開放端を厚板と薄板とで成るカバー板で覆
   い、薄板外周と円筒ケース開放端とを加締め一体化し、
   濾過エレメントとカバー板との間にアンチドレンバック
   バルブを設けたカートリッジタイプオイルフィルタにお
   いて、中央に流出口を設けその周囲に複数の流入口を設
   けさらに該流入口の外側に嵌合孔を設けた厚板と、中央
   に開口を有し該開口の周縁の全周にわたる保持部を有す
   るとともに該保持部の外周に環状立上り壁を設けた薄板
   とを、環状立上り壁を厚板の嵌合孔へ嵌着して一体化
   し、カバー板とし、フランジ部を有するパッキンのフラ
   ンジ部を上記保持部に挟持させ、環状立上り壁の端部上
   を、アンチドレンバックバルブで覆った構成を特徴とす
   るカートリッジタイプオイルフィルタ。