JPH0135218Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、各種内燃機関、圧縮機、燃焼機械そ
の他の各種機器に用いられるオイル、燃料その他
の液体又は気体の濾過装置に関する。

「従来の技術」 従来より装置内に形成した流体通路内に、紙、
不織布、セラミツク等で形成した濾過体を介在さ
せ。該フイルタで流体内に浮遊する固体微粒子を
捕捉しながらオイル、燃料その他の液体又は気体
の清浄作用を営む濾過装置は既に周知であるが、
この種の濾過装置においては濾過体に捕捉される
固体粒子が所定量以上付着すると、第４Ｂ図に示
すように該濾過体の通過圧が急激に高まり、これ
により所定量の清浄流体が機器側に流れずに、例
えば内燃機関等においてはエンジンの焼付きやノ
ツキング現象が生じる場合があつた。

この為、従来より濾過体の目詰まりが生じ、そ
の通過圧力が所定圧以上になつた際に、流体入口
側と出口側のバイパス路間に介在させた逃がし弁
を開放し、前記入口側と出口側間を直接連通させ
ることにより該濾過体側に流体が流れるのを防止
するようにした技術が提案されている。

かかる従来技術においては前記欠点は解消され
るが、いずれにしても濾過体が単段構成を取る為
に、耐久寿命が短く而も寿命時期を延ばす為に前
記逃がし弁の開放圧力を上げると今度は逆に流体
通過量が低減し、最悪の場合には濾過体の破損と
いう危険性が内包される事となる。

本考案はかかる従来技術の改良に係り、特に、
濾過装置の流体処理量が低減する事なく長期間に
亙つて濾過機能を営む事の出来る濾過装置を提供
する事を目的とする。

「問題点を解決しようとする手段」 本考案はかかる技術的課題を達成する為に、 入口路と後段側の濾過体、及び入口路と出口
間を連通させるバイパス路を形成した点、 バイパス路間に夫々所定圧力で開放される複
数の逃がし弁を介在させた点、 前記逃がし弁の上流側に位置する濾過体の流
体通過圧が所定圧力以上になつたときに第１の
逃がし弁が開放され、前記入口路より装置内に
流入した流体がバイパス路を通つて後段側の濾
過体側に流体が流入するようにした点、 又後段側の濾過体の流体通過圧が所定圧力以
上になつたときに第２の逃がし弁が開放され、
前記入口路より装置内に流入した流体がバイパ
ス路を通つて出口側に直接流体が流入するよう
にした点を必須構成要件とする。

この場合前記の構成を円滑に達成する為に
は、第２の逃がし弁の開放圧力は第１の逃がし弁
の開放圧力より当然に大に設定する必要がある。

「実施例」 以下、図面を参照して本考案の好適な実施例を
例示的に詳しく説明する。ただしこの実施例に記
載されている構成部品の寸法、材質、形状、その
相対配置などは特に特定的な記載がない限りは、
この考案の範囲をそれのみに限定する趣旨ではな
く、単なる説明例に過ぎない。

第１図は前段側濾過体と後段側流体を同心状に
配置した、本考案の実施例に係るカートリツジ型
のオイルフイルタを示す一部断面正面図である。

図中１は上部を断面弓型状に隆起させるととも
に底側に開放端を有する円筒状のケーシング１
で、該開放端より順次軸線Ｃ−C′に沿つて、コイ
ルバネ２、濾過ユニツト３、及び該ユニツトを内
燃機関側に取り付ける為の螺子孔５を中央に螺刻
した蓋体４を嵌装した後、これらをドーナツ状薄
板６により閉塞させるとともに、該薄板６外周と
ケーシング１開放端とをロツクシームし、前記各
種部材を密封保持させる。７は薄板６下面に挟着
されたガスケツトである。

濾過ユニツト３は、軸線Ｃ−C′部に夫々開口１
０，１１が穿設された上板８と底板９間に、シー
ト状濾材を波形状にひだ折りして形成される大径
及び小径の円筒状濾過体１２，１３を同心状に挟
着固設して形成されるとともに、前記上板８開口
１０の下側及び下板開口１１の上側には支持板１
４，１５により囲まれる凹所を形成し、該凹所内
に夫々逃がし弁１６，１７を介装させる。そして
前記第１の逃がし弁１６の開放圧力0.5Kg／cm²に、
又第２の逃がし弁１７の開放圧力を1.0Kg／cm²に
夫々設定する。

又蓋体４は、流出口をとして機能する前記螺子
孔５の周囲に入口孔１８を穿設し、装置内に流入
したオイルが逆流するのを防止する為、入口孔１
８の内側に逆止弁１９を取り付けている。又蓋体
４螺子部５内側外周には、前記濾過ユニツト３下
面を位置決め保持する保持板２０が所定間隔存し
て固設されている。

次にかかる実施例の作用を説明する。

先ず、大径の濾過体１２の目詰まりが発生して
いない時点では、蓋体４側の入口孔１８より、第
１の逃がし弁１６上流側の、ケーシング１と濾過
ユニツト３及び底板９により囲まれる空間（以下
一次濾過室Ａという）内に流入してきたオイル
は、第１の逃がし弁１６が閉塞状態にある為に、
大径の濾過体１２を通過しながら固体粒子が捕捉
され、その清浄オイルが大径の濾過体１２内周面
側の小径の濾過体１２，１３に挟まれる空隙間隔
Ｂ内を通つて底板９段部に穿孔された開口２１よ
り蓋体４の螺子孔５側に送られ、該螺子孔５より
内燃機関側に流入する。

そして前記大径の濾過体１２の目詰まりにより
一次濾過室Ａ側と二次濾過室Ｂ側との圧力損失が
0.5Kg／cm²になつた時点では、前記第１の逃がし
弁１６が開放され、一次濾過室Ａ内に流入してき
たオイルは上板８開口１０よりバイパスされて小
径濾過体１３と上板８と下体により囲まれる空間
（二次濾過室）内に流入し、小径の濾過体１３を
通過しながら固体粒子が捕捉され、前記と同様に
その清浄オイルが小径のの濾過体３外周面側の空
隙間隔Ｂ内を通つて底板９段部に穿孔された開口
２１より蓋体４の螺子孔５側に送られ、該螺子孔
５より内燃機関側に流入するる。

そして前記大径の濾過体１２の目詰まりにより
一次濾過室Ａ側と二濾過室Ｂ側との圧力損失が
0.5Kg／cm²以上になつた時点では、前記第１の逃
がし弁１６が開放され、一次濾過室Ａ内に流入し
てきたオイルは上板８開口１０よりバイパスされ
て小径濾過体１３と上板８と下体により囲まれる
空間（二次濾過室）内に流入し、小径の濾過体１
３を通過しながら固体粒子が捕捉され、前記と同
様にその清浄オイルが小径の濾過体１３外周面側
の空隙間隔Ｂ内を通つて底板９段部に穿孔された
開口２１より蓋体４の螺子孔５側に送られ、該螺
子孔５より内燃機関側に流入する。

そして更に前記小径の濾過体１３の目詰りによ
り二次濾過室Ｃ側と三次濾過室Ｂ側との圧力損失
が1.0Kg／cm²以上になつた時点では、前記第２の
逃がし弁１７が更に開放され、二次濾過室Ｃ内の
オイルはバイパスされて底板９開口１１より直接
蓋体４の螺子孔５側に送られ、該螺子孔５より内
燃機関側に流入する。

かかる実施例においては後記する本考案の効果
が円滑に達成されるが、後段側の濾過体１３が前
段側の濾過体１２より小径である為に、必然的に
後段側の濾過体１３の濾過処理時間、言い換えれ
ば目詰まりするまでの時間が小になり易いという
問題を生じる。

第２図及び第３図はかかる実施例の問題を解決
するもので、同径に形成した前段側濾過体と後段
側流体を上下に配置した、本考案の他の実施例に
係るカートリツジ型のオイルフイルタを示す。

かかる構成を前記実施例との際を中心に説明す
るに、 濾過ユニツト３０は、同径に形成した一対の濾
過体３１，３２をドーナツ状の中板３３を挟んで
上下に配設するとともに、該中板３３の一部を開
口３４させて、該開口３４部と対応する上側濾過
体３２の一部を凹設し、該凹所内に支持板３５に
より支持される第１の逃がし弁３６を配設する。
そして軸線Ｃ−C′上に位置する上板３８及び底板
３９を開口４０，４１するとともに、上板３８開
口４０の下側に、支持板４２により囲まれる凹所
を形成し、該凹所内に第２の逃がし弁３７を介装
させる。又中板３３の外周にはＯリング４３が介
装され、下側濾過体３１の外周空間と上側濾過体
３２の外周空間を気密的に遮断する。

かかる実施例によれば、下側濾過体３１の目詰
まりが発生していない時点では、蓋体４４側の入
口孔４５より下側濾過体３１の外周空間（以下一
次濾過室A′という）内に流入してきたオイルは、
第１の逃がし弁３６が閉塞状態にある為に、下側
濾過体３１を通過しながら固体粒子が捕捉され、
その清浄オイルが下側濾過体３１内周面側の内部
空間B′を通つて底板３９開口４１より蓋体４４
の螺子孔４６側に送られ、該螺子孔４６より内燃
機関側に流入する。

そして前記下側濾過体３１の目詰まりにより一
次濾過室A′側と内部空間B′との圧力損失が0.5
Kg／cm²以上になつた時点では、前記第１の逃がし
弁３６が開放され、一次濾過室A′内に流入して
きたオイルは中板３３開口３４よりバイパスされ
て上側濾過体３２外周空間（二次濾過室C′）内に
流入し、上側濾過体３２を通過しながら固体粒子
が捕捉され、前記と同様にその清浄オイルが上側
濾過体３１内周面側の内部空間B′内を通つて底
板３９開口４１より蓋体４４の螺子孔４６側に送
られ、該螺子孔４６より内燃機関側に流入する。

そして更に前記上側濾過体３２の目詰まりによ
り二次濾過室C′側の圧力損失が1.0Kg／cm²以上に
なつた時点では、前記第２の逃がし弁３７が更に
開放され、二次濾過室C′内のオイルはバイパスさ
れて上板３８開口４０より内部空間B′を通つて
蓋体４４の螺子孔４６側に送られ、該螺子孔４６
より内燃機関側に流入する。

「考案の効果」 以上記載の如く本考案によれば逃がし弁１６，
１７，３６，３７を介して複数の濾過体１２，１
３，３１，３２が多段状に配設されている為に、
一の濾過体１２，３１が目詰まりが生じても第２
の濾過体１２，３１側に流体が流入し、固体微粒
子の捕捉を行う事が出来る為に、結果として従来
のバイパス路を有する濾過装置に比較して２倍程
度の耐久寿命が得られ、メインテナンス費用が大
幅に削減される。等の種々の効果を有す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るカートリツジ
型のオイルフイルタを示す一部断面正面図であ
る。第２図及び第３図は本考案の他の実施例に係
るカートリツジ型のオイルフイルタを示し、第２
図は一部断面正面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線
断面図である。第４Ａ図及び第４Ｂ図は前記実施
例の濾過体の圧力損失を示すタイムチヤート図で
ある。 １６，１７，３６，３７…逃がし弁、１２，１
３，３１，３２…濾過体、１８，４５…入口路、
５，４６…出口路、１０，１１，３４，４０…バ
イパス路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 入口路と後段側の濾過体、及び入口路と出口
   間を連通させるバイパス路間に夫々所定圧力で
   開放される複数の逃がし弁を介在させ、前記逃
   がし弁の上流側に位置する濾過体の流体通過圧
   が所定圧力以上になつたときに第１の逃がし弁
   が開放され、前記入口路より装置内に流入した
   流体がバイパス路を通つて後段側の濾過体側
   に、又後段側の濾過体の流体通過圧が所定圧力
   以上になつたときに第２の逃がし弁が開放さ
   れ、前記入口路より装置内に流入した流体がバ
   イパス路を通つて出口側に直接流体が流入する
   ようにした事を特徴とする濾過装置 ２ 第２の逃がし弁の開放圧力を第１の逃がし弁
   の開放圧力より大に設定した実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の濾過装置