JPH01175119A - 酸化物系超電導線の製造方法 - Google Patents

酸化物系超電導線の製造方法

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JPH01175119A
JPH01175119A JP33240487A JP33240487A JPH01175119A JP H01175119 A JPH01175119 A JP H01175119A JP 33240487 A JP33240487 A JP 33240487A JP 33240487 A JP33240487 A JP 33240487A JP H01175119 A JPH01175119 A JP H01175119A
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heating
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tube
core
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Tsukasa Kono
河野 宰
Yoshimitsu Ikeno
池野 義光
Nobuyuki Sadakata
伸行 定方
Masaru Sugimoto
優 杉本
Mikio Nakagawa
中川 三紀夫
Kenji Goto
謙次 後藤
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、超電導マグネットコイルや電力輸送線等の
超電導機器に用いられる超電導線の製造方法に関する。
「従来技術とその問題点」 近時、常電導状態から超電導状態に遷移する臨界温度(
Tc)が液体窒素温度以上の高い値を示す酸化物系超電
導材料が種々発見されつつある。
そして、このような酸化物系超電導材料からなる超電導
体を製造するには、例えばY −B a−Cu−0系の
超電導体の場合、Y、03粉末とBaO粉末とCuO粉
末・とを混合した混合粉末を圧粉成形してコイン状のバ
ルクとし、次いでこのバルクに熱処理を施す方法が知ら
れている。
また、この種の酸化物系超電導体を線材化する試みもな
されており、その方法としては、例えば銅、銀などの金
属シース内に上記混合粉末などを充填した後、縮径加工
および熱処理を施して超電導線とする方法がある。
しかしながらこのような方法では、熱処理に際し、熱膨
張率の差に起因して金属シースとこの金属シース内の超
電導体との間に応力が発生し、この応力によって超電導
体内にクラックなどの欠陥部分が生じ易くなり、よって
長さ方向に沿って均一な超電導特性を示す超電導線が得
られにくくなるという問題がある。ちなみに、本発明者
らがこのようにして得られた超電導線と前述のバルクと
の超電導特性を臨界電流密度(Jc)について比較して
みたところ、前者は後者のl/10〜1/loo程度の
値しか示さないものがあるとの結果が得られた。
また、上記問題を解決するため、例えば縮径加工後、酸
、アルカリ等により金属シースを溶解除去せしめ、その
後熱処理を施すといった方法も考えられる。しかしなが
らこの方法にあっては、溶解除去後、得られた線状の超
電導体にさらに水洗処理あるいは中和処理を施さなくて
はならず、工程が複雑化し、生産の効率化が図れないと
いった不都合がある。さらに、溶液による溶解の場合に
は、内部の酸化物系超電導体自身も侵食されること、内
部の空隙に溶液が入り込んでなかなか抜けきらないこと
など本質的な欠点が多い。
この発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、優れた超電導特性を有する超電導線を
作製することができるとともに、生産性の向上が図れる
製造方法を提供することにある。
「問題点を解決するための手段」 この発明の酸化物系超電導線の製造方法では、酸化物系
超電導体の原料粉末または超電導体粉末か、あるいはこ
れら粉末の成形体の少なくとも1つを金属管に充填して
複合体とし、次にこの複合体に縮径加工を施して上記金
属管からなる金属被覆層と上記粉末あるいは成形体から
なる芯線とを′具備した線材とし、次いで該線材を高周
波誘導加熱コイル内に連続的に導入してこれを加熱し、
金属被覆層を溶融除去して芯線を露出せしめ、続いて該
芯線を徐冷し、その後超電導物質を生成さ仕る熱処理を
行うことを上記問題点の解決手段とした。
以下、この発明の酸化物系超電導線の製造方法の一例を
図面を利用して詳しく説明する。
まず、第1図に示すように銀、銅、アルミニウムあるい
はこれらの合金、さらにはステンレス等からなる金属管
lを用意し、この金属管lに酸化物系超電導体の原料粉
末または超電導体粉末、あるいはこれら粉末の成形体の
少なくとも1つを充填して複合体とする。ここで、第1
図は金属管1中に超電導体粉末からなる成形体2を充填
して作製した複合体3を示すものである。そして、上記
酸化物系超電導体とは、A−B−C−D 系(ただし、
AはY、Sc、La、Yb、Er、Ho、Dy等の周期
律表第ma族元元素うち1種あるいは2種以上を表し、
BはSr、Ba、Ca等の周期律表第[a族元素のうち
1種あるいは2種以上を表し、CはCu、Ag、Auの
周期律表第1b族元素およびNbのうちCuあるいはC
uを含む2種以上を表し、DはO、S 、S e等の周
期律表第vtb族元素およびF、C(!、Br等の周期
律表第■b族元素のうちOあるいはOを含む2種以上を
表す。)として表される超電導体を示すものであり、こ
の酸化物系超電導体をなす原料粉末とは、上記へ元素の
酸化物とB元素の炭酸塩または酸化物とC元素の酸化物
との混合粉末か、あるいはこの混合粉末を仮焼処理した
後粉砕してなるものなどである。またこの場合、各元素
からなる化合物の混合比は目的とする超電導体の組成に
応じて適宜決定されるものとする。さらに、超電導体粉
末とは、上記した原料粉末に加熱処理等を施し、これに
より酸化物系超電導体とした後、粉砕して粉末にしたも
のとする。さらにまた、成形体2は、上記超電導体粉末
に仮焼処理、圧粉処理等を施して小径円柱状に成形した
ものとする。
ここで、仮焼処理温度としては、上記超電導体粉末の場
合700〜1000°C程度とされる。また、圧粉処理
には例えばラバープレス法等が採用される。
次に、この複合体3に縮径加工を施して第2図に示すよ
う上記金属管lからなる金属被覆層4と上記成形体2か
らなる芯線5とを具備した線材6を得る。この場合に縮
径加工方法としては、例えば線引き加工や溝付きロール
を用いて行う圧延加工などの公知の縮径加工法が採用さ
れるが、中でも以下に説明する鍛造法がより好適に用い
られる。
鍛造法により縮径加工を施すにあたっては、例えば第3
図に示すロータリースウェージング装置Aが用いられる
。このロータリースウェージング装置Aは、図示略の駆
動装置によって移動自在に設けられた複数のダイス7・
・・を備えてなるものである。これらダイス7・・・は
、棒状の複合体3をその長さ方向に移動させる際の移動
空間の周囲に、この移動空間を囲むように設けられたも
ので、上記移動空間と直交する方向(第3図中矢印B方
向)に移動自在に、かつ移動空間の周方向(第3図中矢
印C方向)に回転自在に保持されている。また、各ダイ
ス7の内面には、上記複合体3を縮径加工するためのテ
ーパ面7aが形成されており、各ダイス7のテーパ面7
aで囲む間隙が先窄まり状となるようになっている。
このようなロータリースウェージング装置Aによって上
記複合体3を縮径するには、該ロータリースウェージン
グ装置Aを作動させるとともに、第3図に示すように複
合体3の一端をダイス7・・・の間の間隙に押し込む。
ここで上記ゲイスフ・・・は、第3図中矢印B方向に所
定間隔往復移動しつつ矢印C方向に回転しているため、
複合体3は一端側から順次鍛造されて縮径され、第3図
ウニ点鎖線に示す線径にまで縮径されて線材6となる。
この縮径加工にあっては、回転しつつ往復運動する複数
のダイス7 ・によって複合体3を鍛造しつつ縮径する
ため、縮径加工中の複合体3に断線をもたらすことなく
大きな加工率で縮径加工することができる。そしてこの
場合、通常は1回の加工として5〜25%の減面率で縮
径加工される。
なお、この鍛造法による縮径加工は一回に限る ′こと
なく、得られた線材6の線径が未だ所望する線径に達し
ていない場合には、上記ロータリースウェージング装置
Aに設けられたダイス7・・・よりもさらに小さい成形
空隙を有するダイスを備えたロータリースウェージング
装置により、線材6に加工を施して所望する線径にまで
縮径する。
また、このようにして得られた線材6にあっては、内部
の成形体2がロータリースウェージング装置Aにより鍛
造がなされて縮径されたものであるので、十分に圧密化
された芯線5が得られる。
次いで、この線材6を第4図に示すような加熱管8内に
所定の速度で連続的に導入する。ここで加熱管8は、耐
熱パイレックスガラス、石英ガラス等からなる長さ約4
0mで内径10〜20mm程度のガラス管9に複数の高
周波誘導加熱コイル10・・を巻回し、かつガラス管9
の外周面に該ガラス管9の内部に通じる複数の酸素供給
管11・・を配設したものである。高周波誘導加熱コイ
ル10・・・は、この例では5つの加熱部を構成するも
のであり、加熱管8の導入側より順に第1の加熱部12
a1第2の加熱部12b、第3の加熱部12c1第4の
加熱部12d、第5の加熱部12eを構成したものであ
る。これらの加熱部は、図示しない電源によってそれぞ
れの高周波誘導加熱コイル10に高周波電流が通電され
、これによりガラス管9内を通る線材6を誘導加熱する
ものである。そして、この例において第1の加熱部12
aでは、25kHzの高周波電流が通電されて30kW
 の出力が得られるものとされ、第2の加熱部12bで
は25kHzの高周波電流が通電されて1OkWの出力
が得られるものとされ、第3の加熱部12cでは25k
Hzの高周波電流が通電されて5kW の出力が得られ
るものとされ、第4および第5の加熱部12d、 12
eでは共に25kHzの高周波電流が通電されて1kW
 の出力が得られるものとされる。また、これら加熱部
12a〜12eの長さは、第1の加熱部12aでは約I
omとされ、他の加熱部ではいずれも約5mとされる。
そして、線材6はこのような加熱管8内に導入されて移
動することにより、まず第1の加熱部12aによって加
熱されて金属被覆層4が溶融除去され、芯線5を露出す
る。すなわち、線材6は加熱部12aにおいて金属被覆
層4に渦電流が生じ、この渦電流により金属被覆層4が
発熱して溶融し、除去されて芯線5が露出する。また、
この露出した酸化物からなる芯線5は、その比抵抗(体
積抵抗率)が10−3〜lΩ・cm程度であるので渦電
流が発生せず、よって誘電損失により緩やかに加熱され
る。
そして、この芯線5は、第2の加熱部12bに移動して
ここで加熱され、さらに第3、第4、第5の各加熱部を
移動することにより順次加熱される。
この場合、第1から第4および第5の加熱部に移るにつ
れ、その出力が段階的に小さくなっていることにより、
芯線5は第1の加熱部12aにて一番高く、この例では
900℃程度にまで加熱され、以下加熱温度が順次低く
なることから結果として徐冷されるものとなる。また、
芯線5への徐冷の速度としては、各加熱部の出力および
その長さと、線材6の加熱管8内の移動速度等によるが
、第1の加熱部12aにて900℃程度11:加熱した
後、400℃程度にまで冷却する間、50〜b時間程度
の速度で徐冷するのが、急激な冷却に起因するクラック
の発生などを防止し得るので望ましい。
また、この場合に線材6への誘導加熱処理は、酸素雰囲
気中にて行なわれる。すなわち、酸素供給管11・・よ
り予め加熱し高温にした熱酸素をガラス管9内に導入せ
しめ、これによりガラス管9内を酸素雰囲気とする。す
ると、金属被覆層4が除去せしめられて露出した芯線5
は、酸素雰囲気中にてなおも第1から第5の加熱部によ
る誘導加熱を受けかつ徐冷されることにより、焼結して
緻密な結晶構造を有する酸化物系超電導体となり、その
後加熱管8から導出される。
また、以上の操作において、ガラス管9内に溶融金属を
滞留せしめることなく管外に排出し回収する方法として
は、予めガラス管9を傾斜しておき、溶融した金属被覆
層4の構成金属をその自重によりガラス管9から排出せ
しめるといった方法や、ガラス管9内に導入した線材6
の下方に溶融金属受はテープを導入移動させ、このテー
プにより溶融した金属を受けて逐次ガラス管9外に排出
せしめるといった方法などが採用される。
なお、上記加熱管の長さおよび内径などは、上記した寸
法に限ることなく、線材6への処理条件に応じて適宜選
択することができる。
その後、超電導体とされた芯線5にコーティング処理を
施し、第5図に示すように芯線5上にコーティング層1
3を形成してなる超電導線14を得る。
ここで、コーティング処理を行うには、例えば第6図に
示すような処理浴槽り中の溶融半田E中に熱処理後の芯
線5を連続的に順次浸漬せしめ、−定時間処理した後引
き上げ、さらにこれを冷却して半田Eを固化せしめ、所
定厚のコーティング層13を被覆した超電導線14とす
る。そしてこの場合、コーティング処理に際して、予め
処理浴槽りに備えた超音波発振器Fにより浸漬した芯線
5に超音波を照射せしめ、芯線5の濡れ性(密着性)を
向上せしめてコーティングするのが、より強固に密着し
たコーティング層13が得られるので望ましい。
なお、この例ではコーティング層13として半田を用い
たが、他に例えばスズ、アルミニウム、亜鉛、鉛、ガリ
ウム等の低融点金属あるいは合金を用いてもよく、さら
にはポルマール、ポリイミドアミド、テフロン、ナイロ
ン、塩化ビニル等の合成樹脂などを用いてもよい。そし
て、これらの材料を用いてコーティングを行う場合にも
、芯線5に超音波を照射しつつ処理することにより、芯
線5上にコーティング層13を強固に密着せしめること
ができる。また、用いる超音波の周波数としては、数k
Hz〜200kI(z程度とするのが好ましい。
このような酸化物系超電導線の製造方法によれば、酸化
物系超電導材料からなる芯線5をシース等で覆うことな
く直接酸素雰囲気中にて熱処理するので、酸素が十分供
給されて芯線5が良好な酸素量を有する超電導体となり
、よって優れた超電導特性を呈する超電導線を得ること
ができる。また、芯線5と熱膨張率の異なる金属管1を
取り除いて熱処理を施すので、熱膨張率の差に起因して
クラック等の欠陥が芯線5に発生することを防止するこ
とができる。さらに、高周波誘導加熱コイル10を巻回
して加熱部を構成し、この加熱部により誘導加熱を行っ
たので、金属被覆層4の溶融除去を連続的に行えるため
、超電導線の製造を連続的に行うことができ、よって長
尺な超電導線の製造を可能にすることができるとともに
、生産性の向上を図ることができる。さらにまた、加熱
部の出力を段階的に小さくし、金属被覆層4を溶融除去
した後の芯線5を徐冷するようにしたので、酸化物の正
方晶−斜方晶への超電導層への変態がスムースに行なわ
れ、また芯線5の急激な冷却に起因するクラックの発生
などを防止することができるとともに、芯線5を室温近
くまで徐冷することにより、コーティング処理などの後
工程を連続して行うことができる。
なお、加熱管8における高周波誘導加熱コイル10に通
じる電流の周波数としては、上記例の25kHzに限る
ことなく、必要とする加熱部の出力に応じて適宜決定さ
れ、数kHz〜数百kHzの範囲のものが好適に用いら
れる。
また、上記例においては、金属被覆層4を溶融除去した
後の露出した芯線5を徐冷するための手段として、高周
波誘導加熱コイル10を用いた第2〜第5の加熱部など
を用いたが、他に例えば通常のヒーター等を用いた加熱
炉などを用いてもよい。
さらに、上記超電導線14にさらにメツキ処理等を施し
、コーティング層13上に第5図ウニ点鎖線で示すよう
にスズ、銅等からなる金属層15を形成して芯線5を補
強し、全体の強度を高めるようにしてもよい。
「実施例」 以下、実施例によりこの発明をさらに具体的に説明する
まず、Y B atCL130 X(ただし、x=7−
δとする。)の組成の超電導体からなる超電導体粉末を
作製した。ここで、上記超電導体粉末の作製は、Y 、
0 、+(純度99.99%)、BaC05(純度99
゜9%)、Cub(純度99.9%)の粉末を、Y:B
a:Cu= 1 :2 :3 (モル比)となるように
秤量して混合し、大気中にて900℃で24時間仮焼し
さらにこれを粉砕して行った。
次に、この超電導体粉末をラバープレス法によって棒状
に成形し、さらにこの棒状の成形体を酸素雰囲気中にて
890℃で14時間焼成した。次いで、この成形体を外
径10mm、内径7mmの銀パイプ内に挿通して複合体
とした。
次いで、この複合体を鍛造し線引きして縮径し、外径2
 、0 mm、芯線の径が1.4mm、長さ150mの
線材を得た。
次いで、この線材を第4図に示した加熱管8にioam
/minの速度で導入し、かつ酸素供給管11・・より
それぞれ酸素を2&/minの流量で導入して加熱管8
内を酸素雰囲気として誘導加熱を行った。
するとこの線材は、第1の加熱部12aにて金属被覆層
が溶融して除去され、芯線が露出し、さらにこの芯線が
900°C程度に加熱された。続いて、この芯線は連続
的に移動せしめられて第2の加熱部12bに移り、ここ
で誘導加熱を受けるものの、該加熱部の出力が小さいこ
とから700〜750℃程度に冷却された。さらに、こ
の芯線は第3、第4、第5の加熱部を連続的に移動し、
500〜600°C程度、350〜450℃程度、15
0〜250℃程度に順次冷却され、続いて第4図に示し
た第5の加熱部12eに対して導出側の高周波誘導加熱
コイルを巻回していないガラス管9の後端部9a(長さ
5m)を通過することにより、100°C以下程度にま
で冷却された。ここで、この工程における時間は加熱管
の長さと線材(芯線)の移動速度によって決まり、各加
熱部での所要時間は、第1の加熱部では約100分、第
2〜第5の各加熱部ではそれぞれ約50分ずつ、またコ
イルを巻回していないガラス管においては約50分であ
った。このように、充分な時間をかけて徐々に冷却した
ことにより、加熱管より導出された芯線にあっては、全
長に亙って断線やクラックの発生といった不都合が全く
見られなかった。なお、この場合に加熱管を、その導入
側を下方にまた導出側を上方にして全体を傾斜させ、こ
れにより溶融した銀Gを導入側より流出せしめるように
した。
次いで、この熱処理後の芯線を第6図に示した処理浴槽
り中の溶融半田E中に浸漬せしめ、超音波(発振周波数
;60kHz、出力;l0W)を照射しつつコーティン
グ処理を施した。その後、処理浴tflDより芯線を引
き上げて冷却し、厚さ0.5mmの半田製コーティング
層を形成して超電導線を得た。
このようにして得た超電導線の超電導特性を調べたとこ
ろ、臨界温度(T c)が93℃、また臨界電流密度(
Jc)が液体窒素中にて15000 A/cm’程度と
いう結果が得られた。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明の超電導線の製造方法は
、酸化物系超電導体の原料粉末または超電導体粉末か、
あるいはこれら粉末の成形体の少なくとも1つを金属管
に充填して複合体とし、次にこの複合体に縮径加工を施
して上記金属管からなる金属被覆層と上記粉末あるいは
成形体からなる芯線とを具備した線材とし、次いで該線
材を高周波誘導加熱コイル内に連続的に導入してこれを
加熱し、金属被覆層を溶融除去°して芯線を露出せしめ
、続いて該芯線を徐冷し、その後超電導物質を生成させ
る熱処理を行うものであるから、金属被覆層との熱膨張
率の差に起因してクラック等の欠陥が芯線に発生するこ
とを防止することができ、よってこの芯線から超電導線
を得ることにより、特に高臨界電流密度を呈するなど優
れた超電導特性を有する超電導線を作製することができ
る。また、高周波誘導加熱コイルによる誘導加熱を用い
たことにより、金属被覆層の溶融除去を連続的に行える
ため、超電導線の製造を連続的に行うことができ、よっ
て長尺な超電導線の製造を可能にすることができるとと
もに、生産性の向上を図ることができる。さらに、金属
被覆層を溶融除去した後の芯線を徐冷するようにしたの
で、正方晶−斜方晶の変態を十分に行えるため、十分な
超電導体を得ることができ、また芯線の急激な冷却に起
因するクラックの発生などを防止して超電導特性の優れ
た超電導線を製造することができる。
さらにまた、芯線の徐冷を室温近くまで行えば、コーテ
ィング処理などの後工程をインラインにて行うことがで
き、生産性を十分高めることができる。また、芯線に高
周波誘導加熱を施すにあたり、酸素雰囲気中にて行えば
、芯線中に酸素が十分供給され、これにより芯線が良好
な酸素量を有する超電導体となり、よって優れた超電導
特性を呈する超電導線を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図はこの発明の超電導線の製造方法の
一具体例を説明するためのもので、第1図はこの発明に
好適に用いられる複合体を示す概略断面図、第2図は第
1図に示した複合体を縮径して得た線材を示す概略断面
図、第3図は上記縮径加工を説明するための概略断面図
、第4図は上記線材から金属被覆層を溶融除去するため
の加熱管を示す概略構成図、第5図は芯線にコーティン
グ処理を施して得た超電導線を示す概略断面図、第6図
はコーティング処理装置の一例を示す概略構成図である
。 1・・・・・・金属管、2・・・・・・成形体、3・・
・・・・複合体、4・・・・・・金属被覆層、5・・・
・・・芯線、6・・・・・・線材、8・・・・・・加熱
管、10・・・・・・高周波誘導加熱コイル、11・・
・・・・酸素供給管、13・・・・・・超電導線。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)酸化物系超電導体の原料粉末または超電導体粉末
    か、あるいはこれら粉末の成形体の少なくとも1つを金
    属管に充填して複合体とし、次にこの複合体に縮径加工
    を施して上記金属管からなる金属被覆層と上記粉末ある
    いは成形体からなる芯線とを具備した線材とし、次いで
    該線材を高周波誘導加熱コイル内に連続的に導入してこ
    れを加熱し、金属被覆層を溶融除去して芯線を露出せし
    め、続いて該芯線を徐冷し、その後超電導物質を生成さ
    せる熱処理を行うことを特徴とする酸化物系超電導線の
    製造方法。
  2. (2)上記線材を加熱して金属被覆層を溶融除去する工
    程および露出した芯線を徐冷する工程を、酸素雰囲気中
    にて行う特許請求の範囲第1項記載の酸化物系超電導線
    の製造方法。
JP33240487A 1987-10-02 1987-12-28 酸化物系超電導線の製造方法 Pending JPH01175119A (ja)

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