JPH0117251Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は回転式電気かみそりの刃に関するも
のである。

〔背景技術〕

従来、回転式電気かみそりの刃は、第１図ない
し第４図に示すように、刃穴１を有する薄板状の
外刃２と、内刃台３に取付けられて外刃２の内面
に沿つて摺接しながら回転する内刃ブレード４と
で構成されている。内刃台３はモータに取付けら
れる。５は外刃フレームである。外刃２は外周部
にスリツト状刃穴１ａを設け、また髭の導入を良
好にするために、必要に応じ環状の凹溝７が形成
される。内刃ブレード４には凹溝７を遊嵌させる
切欠８を設ける。

しかし、外刃２のスリツト状刃穴１ａ間で形成
されるリブ９は撓み易く、外力によりリブ９が第
４図のように内側へδだけ撓むと、内刃ブレード
４の端部エツジがリブ９に衝突し、内刃ブレード
４の回転が停止したり、リブ９や内刃ブレード４
が塑性変形や破損を生じたりするという欠点があ
つた。特に、この例のように環状の凹溝７を設け
たものにおいては、リブ９が撓み易いことからそ
の欠点は著しく、リブ９や内刃ブレード４の変形
により切味が悪くなつたり、リブ９の破損により
顔を傷つけたりする等の欠点があつた。

なお、この考案とは目的、効果を異にするもの
であるが、前記と同様な回転式電気かみそりにお
いて、第５図のように内刃ブレード４′の端部に
回転方向に折り曲げた折曲片１０を設け、刃穴１
に入つた髭を逃がすことなくカツトするようにし
たものが提案されている（実開昭58−68267号公
報）。しかし、この場合は、折曲片１０のエツジ
が外刃２のリブ９に衝突し、前記と同様に回転が
停止したり、外刃２のリブ９や内刃ブレード４′
が変形破損したりするという欠点がある。

〔考案の目的〕

この考案は、外刃の撓み部分と内刃ブレードと
の衝突による内刃の回転停止や外刃の刃穴間リブ
の変形・破損を防止することのできる回転式電気
かみそりの刃を提供することを目的とする。

〔発明の開示〕 この考案の回転式電気かみそりの刃は、内刃ブ
レードに回転方向前方に突出する折曲片を設け、
この折曲片の先端に傾斜部を設けたものである。
また、舌片には傾斜部から基端側に続いて、外刃
に摺接する延設摺接面を設ける。

作 用 この考案の構成によると、外刃が外力により内
側に撓んだ場合に、先端に傾斜部を有する舌片が
先行してその撓み部分に円滑に当たり、さらに傾
斜部に続く延設摺接面が外刃に摺接することによ
り、内刃の全体が押し下げられる。そのため、内
刃ブレードが外刃の内側撓み部分に衝突すること
が回避される。

実施例 この考案の一実施例を第６図ないし第１０図に
示す。図において、１１は内刃ブレードであり、
第１図の例の内刃台３に取付けられる。なお、内
刃ブレード１１は押上げばね（図示せず）で外刃
２側へ押しつけられる。外刃２は第１図の例と同
様である。内刃ブレード１１の切欠８′の側縁か
ら、回転方向（矢印Ａ方向）前方へ突出する舌片
１２を一体に折曲形成してあり、その先端に先端
側が外刃２から離れる方向に傾斜した傾斜部１３
を設けてある。舌片１２は内刃ブレード１１の外
刃２との摺接面１１ａと同様に外刃２に摺接する
延設摺接面１２ａを有する。傾斜部１３は直線状
であつても、曲線状であつてもよい。舌片１２の
基端部の上縁には髭落下切欠１４が形成してあ
る。細部の寸法関係は、髭落下切欠１４の開口幅
ａと、外刃２のリブ９の幅ｂと、髭の径ｄとにつ
き、ｄ＜ａ＜ｂとすることが望ましい。また、傾
斜部１３の高さｃと撓みδとは、δ＜ｃとする。

動 作 内刃ブレード１１に舌片１２を設けたため、第
７図に示すように、外刃２のリブ９が外力により
δだけ撓んでも、先端に傾斜部１３を有する舌片
１２が先行してその撓んだリブ９に当たり、さら
に傾斜部１３に続く延設摺接面１２ａがリブ９に
摺接し、内刃ブレード１１の全体を内刃台３（第
１図）の押上げばねに抗して押し下げる。そのた
め、内刃ブレード１１は前記の撓んだリブ９にひ
つかかつて停止することなく連続的に回転し、ま
た外刃２のリブ９や内刃ブレード１１が塑性変形
したり破損したりすることがない。

また、内刃ブレード１１の摺接面１１ａと舌片
１２の延設摺接面１２ａとの間に髭落下切欠１４
を設けているため、第８図のように舌片１２の傾
斜部１３と外刃２のリブ９との間に挾まつた髭１
５は、第９図に示すように、髭落下切欠１４に落
ち込み、ついで内刃ブレード１１の摺接面１１ａ
のエツジで切られる。そのため、髭１５を引くこ
となく、円滑に剃ることができる。

〔考案の効果〕

この考案の回転式電気かみそりの刃は、先端に
傾斜部を有しかつこれに続く延設摺接面を有する
舌片を内刃ブレードに回転方向前方に続いて形成
したので、外刃の外力による撓み部分と内刃ブレ
ードとの衝突が回避でき、そのため内刃の回転停
止や外刃の刃穴間リブや内刃の変形・破損を防止
することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の部分破断側面図、第２図はそ
の部分斜視図、第３図は同じくその内刃ブレード
の斜視図、第４図は同じく撓み動作を示す部分斜
視図、第５図は他の従来例の部分斜視図、第６図
はこの考案の一実施例の内刃の斜視図、第７図は
その撓み時の動作を示す部分斜視図、第８図およ
び第９図は同じくその動作説明図、第１０図は同
じくその寸法関係説明図である。 ２……外刃、３……内刃台、８……切欠、９…
…リブ、１１……内刃ブレード、１２……舌片、
１３……傾斜部、１４……髭落下切欠。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 刃穴を有する薄板状の外刃と、この外刃の内
   面に摺接して回転する内刃ブレードと、この内
   刃ブレードに回転方向前方に突出して折曲形成
   されて先端に先端側が前記外刃から離れる方向
   に傾斜した傾斜部を有する舌片とを備え、この
   舌片の前記傾斜部から基端側に続いて前記外刃
   に摺接する延設摺接面を設けた回転式電気かみ
   そりの刃。 (2) 前記舌片の前記外刃側の縁部に髭の落下用の
   切欠を形成した実用新案登録請求の範囲第(1)項
   記載の回転式電気かみそりの刃。