JPH01169494A - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、電子楽器におけるピアノに近似した鍵タッチ
惑が得られるようにした鍵盤装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、電子楽器における鍵盤装置は、鍵タッチ惑がアコ
ースティックピアノと相違するため、演奏者の持つ表現
力を十分に実現できなかった。

そこで従来からピアノのタッチ惑に近ずけるべく種々の
鍵盤装置が実施あるいは提案されている。

例えば、第８図に示す既知の鍵盤装置では、鍵１１に復
元力を与えるために板ばね１２ａを使うとともに、鍵１
１に慣性力を与えるために鍵１１の先端に重り１５を埋
め込んでｉ！盤装置を構成し、ピアノのタッチ感を実現
しようとしたものがある。この既知の鍵盤装置において
、鍵１１を板ばね１２ａの力に抗して押鍵動作し、ｗｌ
ｌｌに配設されたアクチュエーター１３でキースイッチ
１４を動作させ、押鍵動作解除後に板ばね１２ａの復元
力によって鍵１１が復帰するように構成されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記のような構成では、鍵１１をゆっくり押下
した場合のタッチ惑、即ち静的タッチ感は似ているが、
鍵１１を急激に押下したような場合の動的タッチ感は未
だ不十分である。

この動的タッチ惑を決定するものは、主に鍵盤装置のも
つ慣性モーメントであるが、アクション機構を備えたア
コースティックピアノのような大きな慣性力を、アクシ
ョン機構なしで鍵の重りだけで実現しようとすると、重
りの重量を大きくする必要があり、機構上の強度及びス
ペースの点で問題がある。

また、鍵１１に配設されたアクチュエーター１３でキー
スイッチ１４を動作させるため、どのような押鍵動作を
行っても鍵１１が一定量沈み込まなければ発音されない
。したがって、既知の鍵盤装置は鍵が一定量沈み込んだ
ときのみ発音可能である。これに対し、アコースティッ
クピアノでは、鍵の沈み込み量が僅かであっても、鍵に
よりハンマーが弦に到達するだけの力を加えれば、発音
動作する。

即ち、アコースティックピアノの発音は鍵の沈み込み量
に直接関係しない。

よって、第８図のような既知の鍵盤装置では上記のよう
なピアノの発音動作を利用した演奏方法に対応できず、
表現力に劣るという問題がある。

そこでこの韮うな問題点を解決するために実開昭５７−
８８１８６号公報では、ハンマーと重りとからなるアク
ション機構を鍵盤フレームの下方に設け、これを鍵の押
鍵動作に連動し回動させ、ピアノに近似した鍵タッチ感
を得ようとするものが提案されている。しかし、打鍵時
に慣性重量の大きいハンマーの制動を鍵盤フレームに設
けた緩衝材のみで行う構造であるため、ハンマーが緩衝
材に当たった時のリバウンドやノイズを完全に抑えるこ
とは困難であり、不快なタッチを引き起こすという問題
点があった。

本発明の目的は、上記問題点を解消し、アコースティッ
クピアノに近似した鍵タッチ感が得られ、しかもコンパ
クトである電子楽器の鍵盤装置を提供せんとするにある
。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、鍵盤フレームに設けられた上下揺動自在の鍵
と、前記鍵の下面に垂設された突起と、前記鍵の下方に
回動自在に配設され鍵の押圧力に抗する偏倚力を有する
ハンマーと、該ハンマーに設けられ前記突起に当接する
平坦部とを備え、前記ハンマーの平坦部は、ハンマーの
回動中心から所定距離離れた位置で前記突起と当接し、
当接時に突起から受ける力及びその後突起から受け続け
る力により回動するような構造の鍵盤装置において、打
鍵時に前記ハンマーの平坦部への突起の作動によりハン
マーが回転し、ハンマーが下方の回動極限位置に移動し
た場合に前記鍵の内面壁若しくは裏面に当接する当接部
を前記ハンマーに設けたことを特徴とする。

また、本発明は、鍵盤フレームに設けられた上下揺動自
在の鍵と、前記鍵の下面に垂設された突起と、前記鍵の
下方に回動自在に配設され鍵の押圧力に抗する偏倚力を
有するハンマーと、該ハンマーに設けられ前記突起に当
接する平坦部とを備える鍵盤装置において、前記突起は
前記ハンマーの平坦部に、鍵の回動中心とハンマーの回
動中心とを結ぶ直線を含む平面上で当接するようにした
ことを特徴とする。

（作　用） 本発明では、鍵の内面壁若しくは裏面と当接する当接部
を設けたため、ハンマーの慣性力をこれら内面壁若しく
は裏面との接触による摩擦によって吸収し、ハンマーの
リバウンドによるあばれやノイズを防止することができ
る。

さらに、本発明ではアクチュエーターである突起とハン
マーとの接触位置を突起の回動中心とハンマーの回動中
心とを結ぶ直線を含む平面内としたことにより、打鍵直
後に突起とハンマーとの当接点に回転力のロスとなり突
起の摩耗の原因となる滑りを生じさせることがないので
、突起からの力は直接に回転力となってハンマーに伝わ
ることとなる。

ところで、「偏倚力」とは、物体がその重心位置からオ
フセットされた位置で枢支されるために、その自重によ
り一定方向の回動習性が付与されているときの物体から
作用する力を称している。

（実施例） 以下に本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明す
る。

第１図はこの発明に係る鍵盤装置の一実施例を示す断面
図である。図中、２１は鍵盤フレームを、２２は鍵盤フ
レーム２１に取り付けられた鍵盤ホルダーをそれぞれ示
す。

鍵盤ホルダー２２は、突部２３．２４を有し、突部２３
は、合成樹脂によって一体に形成された鍵２５をピン等
の軸によって枢支し、突部２４は、金属あるいは硬質合
成樹脂等によって形成されたハンマー２６をこれもまた
ピン等の軸によって枢支する。

鍵２５は、その裏面が図に示すようにくり抜かれており
、この裏面の後端部近傍にはこれも一体に形成され下方
に突出し、アクチュエーターとして機能する突起２７を
有しており、また先ｉ部にはチャンバ一部２８が形成さ
れてその内部に所要の重量感、即ち慣性力を持たせるた
めの重り２９が止めねしあるいは接着その他により固定
されており、これにより、ゆっくり押鍵した時の静的荷
重量を確保し、ばね等の弾性材を用いずに重量バランス
だけでアヨースティックピアノと同じ静的タッチ感を得
るようにしている。さらにチャンバ一部２８の近傍の側
壁に、切り欠き部３０および突出部３１を設けて、各々
が後述する鍵盤フレーム２１に設けられたストップフェ
ルト３２およびクツション３３と当接するようにしてい
る。

鍵盤ホルダー２２の突部２４に枢支されるハンマー２６
は、上述したように慣性モーメントを増大させるための
比重値の高い合金あるいは合成樹脂で一体に形成され、
また自重による回転力によって常時第１図における時計
方向の復帰（回動）習性が付与されており、さらに図面
において、回動輪左方の、アクチュエーター２７との当
接時にアクチュエーター２７からの力を受ける平坦部３
４と、回動輪上方の摩擦係合部３５と、回動軸右側のア
ーム部３６とから構成され、平坦部３４は、その断面形
状における下方の、紙面に直交する方向に細長の空孔３
７が設けられて、突起２７と平坦部３４との当接時に平
坦部３４の表面が弾性的に変形し、アクチュエーター２
７からの力を吸収し得るようにしている。また、アーム
部３６の先端は、鍵盤フレーム２１の開口にその一部分
が挿入されて移動自在であり、ハンマー２６の回動時に
その回動上限位置で鍵盤フレーム２１に設けられたクツ
ション３８とアーム部３６の先端上面が当接し、また回
動下限位置で同じく鍵盤フレーム２１に設けられたクツ
ション３９とアーム部３６の先端下面とが当接し、ハン
マー２６からの衝撃力を有効に吸収することができる。

摩擦係合部３５は、その輪郭が略円形状であり、その表
面には、合成ゴム若しくは合成樹脂等より成る摩擦部材
４ｏが設けられており、鍵２５の当接部４１と当接した
際に、摩擦部材４０と当接部４１とめ摩擦により、反時
計方向の回動を制限して力を吸収するようにしている。

鍵盤ホルダー２２には、−２個のスイッチ４２．４３が
ハンマー２６の延在方向に列状配置され、ハンマー２６
の平坦部３４の下限位置に至る間に、その下面が両方の
スイッチ４２．４３を任意の時間差によって押圧し得る
ようにする。

このように構成された鍵盤装置の作動を説明すると、ま
ず、鍵２５を前記ハンマー２６の重力による回転力に抗
して押鍵操作すると、鍵２５が時計方向等回動し、これ
にともなって突起２７がこの突起２７と接触するハンマ
ー２６の平坦部３４の上面を押下し、これがためハンマ
ー２６が反時計方向に回動し、平坦部３４の下面がまず
スイッチ４３を押圧作動させ、続いてスイッチ４２を押
圧作動させ、鍵２５の運動に対応した楽音が電気的に発
生される。

この動作の様子を第２図の部分拡大図にて示す。

第２図から解るように、２個のスイッチ４２．４３は平
坦部３４の下面によって、タイミングがずらされて動作
され、このスイッチ４２．４３からの信号の時間差を検
出して楽音の変化量、エンベロープ、音色変化量等を制
御することができる。

さらに、鍵２５を押下するとハンマー２６のアーム部３
６の回動上・限位置で、一方において、ハンマー２６の
摩擦保合部３５が鍵２５の内面の当接部４１に圧接され
、摩擦保合部３５の表面に貼着された摩擦部材４０と当
接部４１との摩擦係合によってハンマー２６の反時計方
向の回動と鍵２５の時計方向の回動とを制限し、他方に
おいて、鍵２５の切り欠き部３０がストップフェルト３
２を圧接すると共に、反時計方向に回転するハンマー２
６の先端がクツション３８を圧接して、鍵２５およびハ
ンマー２６の各々の方向の回動を制限し、これらの力を
吸収する。

この動作についてさらに第３図に基づいて詳細に説明す
る。この図は、ハンマー２６の摩擦係合部３５が鍵２５
の当接部４１と接触しハンマー２６を保持している様子
を示している。打鍵動作によって、鍵２５の切り欠き部
３０がストップフェルト３２に当接した時に、ハンマー
２６の摩擦係合部３５が鍵２５の当接部４１と接触する
。このときハンマー２６の突起２７から受ける力はクツ
ション３８で吸収されるが、大きな慣性力を有するハン
マー２６は、引き続き反時計方向へ回動しようとするた
め、クツション３８は圧縮されて更に若干沈み込むこと
により、摩擦係合部３５が当接部４１に圧接されて、こ
のときに鍵２５の裏面表面の図面右方に向けて大きな摩
擦力Ｆが生じる。これに対応してハンマー２６のクツシ
ョン３８に対する反力Ｎを受けて摩擦係合部３５と当接
部４１との接触面に摩擦力Ｆ′がｍ２５の裏面表面の図
面左方へ向けて生じる。摩擦力Ｆは反時計方向へのハン
マー２６の回動を制限してその力を打ち消し、摩擦力Ｆ
′は時計方向へ回動する力を打ち消し、これらが合わさ
ってハンマー２６を保持する。この摩擦力Ｆ、Ｆ’のｉ
！２５の回動方向への成分は、第３図中において、鍵２
５の回動軸と摩擦係合部３５および当接部４１の接触点
とを結ぶ直線ＣＣ’が摩擦力Ｆ、Ｆ’となす角度が小さ
いことから解るように、極めて小さく、このため打鍵時
にハンマー２６の反動を感することなく、しかもハンマ
ー２６のあばれやノイズを防ぎ、ハンマー２６のリバウ
ンド動作による２度打ち等の誤動作をも防ぐことができ
る。

最後に１！２５に加えられる押圧力が解除されると、重
力の作用によってハンマー２６が時計方向に回転し、鍵
２５の突起２７を押し上げ、鍵２５の突出部３１がレベ
ルフェルト３３に当接して鍵２５の反時計方向の回転を
弾性的に受け止め、これによってｍ２５は初期位置に維
持される。

次に、本発明で重要な役目を果たす鍵２５の突起２７と
ハンマー２６の平坦部３４との当接位置およびその力の
方向について第４図に基づいて以下に説明する。

図中において、鍵２５の回動軸りとハンマー２６の回動
軸Ｄ′とを結んだ直線ＤＤ’は、当接位置を決めるため
の基準線であり、第４図（Ａ）、　（Ｂ）、　（Ｃ）は
、直線ＤＤ’を含む面よりも上方の点Ｐ、で突起２７と
平坦部３４とを当接させたもの、直線ＤＤ’を含む面上
の点Ｐ！で当接させたもの、直線ＤＤ’を含む面よりも
下方の点Ｐ、で当接させたものをそれぞれ表している。

このときの鍵２５と係合するハンマー２６が打鍵された
瞬間に受ける力について第５図を参照しつつ説明する。

当接点Ｐ、およびＰ３で受けた力Ｆ、およびＦ、をそれ
ぞれの分力に分解すると、軸Ｄ′方向の分力ＴＩおよび
Ｔ。

および軸Ｄ′方向に直交する方向の分力Ｎ１およびＮ、
となるが、分力Ｔ、およびＴ、は軸Ｄ′に対する負荷と
なり、しかもこの分力Ｔ１およびＴ３により突起２７と
ハンマー２６との当接点でこれらの間にすべりが生じ、
これが回転力の損失となり、突起２７の摩耗を生じさせ
る原因となる。これに対し本発明で規定するように、直
線ＤＤ’を含む面上の点Ｐ２で当接させると、第５図（
Ｂ）示すように当接点Ｐｚで受けた力Ｆ２は回転方向の
分力を生じさせる、すなわち打鍵直後に回転力のロスを
何等も生じさせることなく、それがそのまま回転力とな
ってハンマー２６に伝わる。なお、当接点の位置は回転
軸の位置により異なってくるが、鍵２５の回動角度に対
するハンマー２６の回動角度の比を向上させ、慣性モー
メントを増大させるために、設計上許容される限りにお
いてハンマー２６の回動中心に近い位置になるように選
定するのが好適である。

本発明は、上記一実施例に限定されるものではなく、種
々、様々に変形あるいは変更が可能である。例えば、打
鍵時の指に与える衝撃力を和らげるために空孔３７を設
けたが、このような衝撃力緩和手段としては、第６図（
Ａ）、　（Ｂ）に部分説明図で示すように、空孔３７に
さらに合成ゴム等の弾性材４４を充填したもの（第６図
（Ａ）参照）、または平坦部３４に凹部４５を形成し、
この凹部４５に弾性材４４を貼着したもの（第６図（Ｂ
）参照）その他がある。

さらに、第７図に示すように、ハンマー２６を第１図の
装置とは逆方向に設けることもできる。この場合には突
起２７、スイッチ４２．４３、クツション３８、３９を
ハンマー２６の位置に対応して配置する必要がある。

（発明の効果） 以上説明した所から理解されるように、本発明の鍵盤装
置は、ハンマー回動極限位置に到達した際に鍵の内面壁
にハンマーの一部が当接する構造であるので、ピアノの
動的タッチ感に近付けるために慣性力の大きなかつ質量
の重いハンマーを使用しても、ハンマーのリバウンドに
よるあばれやノイズを防止することができる。また、打
鍵時のハンマーの上方の回動極限位置に到達した後の鍵
の挙動は、鍵の内面壁とハンマーとの間に生じる摩擦力
によってハンマーのその後の回動を抑止するため、ハン
マーからの反動が指に伝達されることはないミすなわち
反動を殆ど惑しることがない。

また、打鍵時にハンマーを押圧してハンマーを回動させ
るように鍵に設けられた突起が、鍵の回動中心とハンマ
ーの回動中心とを結ぶ直線を含む平面上でハンマーに当
接されるように構成したため、鍵の回動力が効率良くハ
ンマーに伝達されて、アコースティックピアノに近い動
的タッチ感を有効に実現する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の鍵盤装置を示す断面図、第２図はハン
マーの動作を説明する説明図、第３図は鍵とハンマーと
の当接時を説明する説明図、 第４図は鍵の突起とハンマーの平坦部との当接位置によ
る効果の違いを説明する説明図、第５図は突起から平坦
部へ働く力を示す説明図、第６図は衝撃緩衝手段の変形
例を示す線図、第７図は第１図の変形例を示す断面図、
第８図は従来例を示す断面図である。 ２１・・・鍵盤フレーム　　　　２２・・・鍵盤ホルダ
ー２３、２４・・・突部　　　　　　２５・・・鍵２６
・・・ハンマー　　　　　　２７・・・突起２８・・・
チャンバ一部　　　　２９・・・重り３０・・・切り欠
き部　　　　　３１・・・突出部３２・・・ストップフ
ェルト　　３３・・・レベルフェルト３４・・・平坦部
　　　　　　　３５・・・摩擦保合部３６・・・アーム
部　　　　　　３７・・・空孔３８、３９・・・クツシ
ョン　　　４ｏ・・・摩擦部材４Ｉ・・・当接部　　　
　　　　４２．４３・・・スイッチ４４・・・弾性材 特許出願人　　ローランド株式会社 第４図 （Ｂ） （Ｃ） 第５図 （Ａ） 第６図 （Ａ）　　　　　（１３）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、鍵盤フレームに設けられた上下揺動自在の鍵と、前
   記鍵の下面に垂設された突起と、前記鍵の下方に回動自
   在に配設され鍵の押圧力に抗する偏倚力を有するハンマ
   ーと、該ハンマーの回動中心に対する一方に設けられ前
   記突起に当接する平坦部とを備え、前記ハンマーの平坦
   部は、ハンマーの回動中心から所定距離離れた位置で前
   記突起と当接し、当接時に突起から受ける力及びその後
   突起から受け続ける力により回動するような構造の鍵盤
   装置において、 打鍵時に前記ハンマーの平坦部への突起の 作動によりハンマーが回転し、ハンマーの平坦部が下方
   の回動極限位置に移動した場合に前記鍵の内面壁若しく
   は裏面に当接する当接部をハンマーに設けたことを特徴
   とする鍵盤装置。 ２、鍵盤フレームに設けられた上下揺動自在の鍵と、前
   記鍵の下面に垂設された突起と、前記鍵の下方に回動自
   在に配設され鍵の押圧力に抗する偏倚力を有するハンマ
   ーと、該ハンマーに設けられ前記突起に当接する平坦部
   とを備える鍵盤装置において、前記突起は前記ハンマー
   の平坦部に、鍵の回動中心とハンマーの回動中心とを結
   ぶ直線を含む平面上で当接するようにしたことを特徴と
   する鍵盤装置。