JPH0115756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案の埋設管推進装置は、埋設管の前部に
取付ける先導管に、可動刃口を遊嵌し、刃口に油
圧シリンダーを介装して方向修正できる装置に関
するものである。

地中に下水管、水道管その他を埋設する工法と
して、地上から開削せずに、埋設管の開削せず
に、埋設管の先端に刃口を有する先導管を取付
け、これらをたて坑側面から地中に圧入して掘進
し、管の埋設を行なう工法がある。

かかる地中掘進工法では、外部から見えない所
を掘進するので、先導管及び埋設管が、予定され
た方向から外れやすく、これを修正するため、特
開昭51−31017号公報などに示される装置では先
導管先端の刃口をシリンダー等により可動とし、
刃口の向きを変えることにより先導管及び埋設管
の方向修正を行なつている。

上記従来の方向修正可能な埋設管推進装置で
は、先導管本体の長さが短いために、刃口の向き
を変えて方向修正を行なう際、先導管に後続する
埋設管の先端にも急激な曲げモーメントが加わ
り、地盤が硬い場合はこの曲げモーメントによつ
てコンクリート製の埋設管が破損する恐れがあつ
た。

この考案は、上記不都合を解消し、方向修正の
際に埋設管に急激な曲げモーメントを加えないこ
とを目的とするもので、すなわち、発進用たて坑
からから挿入する地中への埋設管の後方に推進ジ
ヤツキを設置し、前部にカラーを介して先導管を
接続し、この先導管に先導管本体より短い可動刃
口を遊嵌し、刃口に油圧シリンダーを介装して先
導管及び埋設管を推進ジヤツキで前進させ、かつ
前記油圧シリンダーで方向修正する装置におい
て、先導管を複数個の分割体の集合により構成
し、先導管から先の長さを、少なくとも埋設管の
１ブロツク体の長さと同程度以上に形成したこと
を特徴とするものである。

次に、図面についてこの考案の実施例を詳細に
説明する。

埋設管１の先端に、断面Ｔ字型の鋼製カラー２
を介して先導管３を取付ける。

先導管３の先端にこの先導管３の本体よりもき
わめて短い断面三角匣状の刃口４を遊嵌し、先導
管３の前部内側にフランジ５を形成し、フランジ
５に複数の油圧シリンダー６を固定して、シリン
ダー６のロツドを刃口４の背面に連結する。

先導管３及び埋設管１内にケーシング７を挿入
して二重管構造とし、ケーシング７内にスクリユ
ーオーガー８を貫通し、スクリユーオーガー８の
先端にカツターヘツド９を取付け、カツターヘツ
ド９を刃口４内に位置させる。

スクリユーオーガー８は、埋設管１の後方のモ
ーター等の駆動装置１０に連結している。

埋設管１は、コンクリート製のヒユーム管など
で、各ブロツク体をカラーを介して継ぎ足して使
用するものであるが、上記刃口４を含めた先導管
３の鋼管製の本体の長さも、埋設管１の１ブロツ
ク体の長さと同程度以上とする。

先導管３の本体は、第１図に示すように刃口の
支持管の後部にバツクアツプ用のスペーサー管３
を接続し、複数個の分割体の集合により構成する
ようにした。

次に、使用法について説明すると、地中にこの
考案装置及び埋設管１の１ブロツク体が横向きに
入るだけの発進用たて坑を掘り、坑の側壁に刃口
４を圧入して、駆動装置１０を始動させ、カツタ
ーヘツド９及びスクリユーオーガー８を回転する
と、刃口４の前面の土砂に掘削され、先導管３及
び埋設管１内を通つて後方に排除される。

同時に埋設管１の後方に設置した推進ジヤツキ
等（図示せず）で先導管３及び埋設管１を地中に
押し進め、埋設管１の１ブロツク体を埋め終えた
ならば、更に次のブロツク体を既設埋設管に継ぎ
足して掘進、埋設を続行する。

予定した長さだけの埋設管を設置したならば、
予め先に設けておいた到達坑より先導管３、カツ
ターヘツド９等を外して除去するが、この場合、
先導管３は各分割体にばらして小さく分けて撤去
する。

また、掘進中に、先導管３、埋設管１の進行が
ずれた場合は、第５図に示すように油圧シリンダ
ー６のロツドを動かして刃口４を方向修正しよう
とする方向に向ければ、先導管３及び埋設管１は
その方向に曲がることができる。

その際、刃口４が先に地中に喰い込み、その方
向へ全体が進もうとして先導管３の急激な曲げモ
ーメントが加わるが、コンクリート製の埋設管１
とは異なつて先導管３は鋼製の管であるので破損
する恐れがなく、仮に多少変形するとしても、施
工後地上での補修で充分回復することができる。

また、先導管３より先の長さは埋設管の１ブロ
ツク体の長さと同程度に形成されているため、か
かる長さの先導管３が曲がつて前進することでこ
れに続く埋設管１が無理なく曲がれる角度が確保
され、先導管３に続く複数の埋設管１はスムーズ
に前進する。

以上述べたように、この考案の埋設管推進装置
は、刃口の向きを変えて方向修正できる装置にお
いて、刃口の首振りにより生じる方向修正の際発
生する急激な曲げモーメントを埋設管に加えずに
先導管で受け止められ、その結果埋設管を破損さ
せる恐れがないものである。

また、従来よりも長い先導管が最初に曲がるこ
とにより、これに続く埋設管の方向修正も無理な
く行え、埋設管はスムーズに前進できる。さら
に、先導管の埋設ストロークと埋設管の埋設スト
ロークとを同程度のものとできるから、推進ジヤ
ツキの作動ストロークも同程度のものとでき、両
者に見合う推進ジヤツキの使用が可能となるのみ
ならず、先導管本体を発進時にセツトする長さと
埋設時に埋設管を順次継ぎ足してセツトする長さ
とが同程度のものとなるから、発進たて坑の大き
さも埋設管の長さに合わせればよいので、たて坑
の構築費を安価におさえることができ、埋設作業
時の操作性と経済性の向上を図ることができるも
のである。

さらに、到達坑においては先導管は各分割体毎
にバラして撤去できるので、狭い巾の到達坑です
み、たて坑の構築費を安価とすることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の埋設管推進装置の実施例を
示す縦断側面図、第２図は正面図、第３図は第１
図のＡ−Ａ断面図、第４図は動作説明図である。 １……埋設管、２……カラー、３……先導管、
３′……スペーサー管、４……刃口、５……フラ
ンジ、６……油圧シリンダー、７……ケーシン
グ、８……スクリユーオーガー、９……カツター
ヘツド、１０……駆動装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発進用たて坑から挿入する地中への埋設管の後
   方に推進ジヤツキを設置し、前部にカラーを介し
   て先導管を接続し、この先導管に先導管本体より
   短い可動刃口を遊嵌し、刃口に油圧シリンダーを
   介装して先導管及び埋設管を推進ジヤツキで前進
   させ、かつ前記油圧シリンダーで方向修正する装
   置において、先導管を複数個の分割体の集合によ
   り構成し、先導管から先の長さを、少なくとも埋
   設管の１ブロツク体の長さと同程度以上に形成し
   たことを特徴とする埋設管推進装置。