JPH0115447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、とくに、エンドミル等の切削工具
を掴持するためにフライス盤に装着されるコレツ
トチヤツクのための防塵カバーに関し、その目的
はコレツトチヤツクの間隙を閉塞して切削された
切削屑のコレツトチヤツク内への侵入を確実に防
止しうる防塵カバーを提供することであつて、そ
の要旨はチヤツク本体の前部に螺嵌された締付け
ナツトと、この締付けナツト内に嵌挿されて複数
個の割溝を有するマスターコレツトと、このマス
ターコレツトの前部に対し軸方向への共動可能に
外嵌された締付けリングと、切削工具のシヤンク
を掴持するために前記マスターコレツト内に前端
付近が同マスターコレツトおよび前記締付けリン
グの前方へ突出した状態で嵌挿されて複数個の割
溝を有するインナーコレツトとを備えたチヤツク
アセンブリにおいて、前記マスターコレツトの前
端の間隙、前記インナーコレツトの前端付近の間
隙、および、前記シヤンクと前記インナーコレツ
トとの間隙をそれぞれ密封するために弾性材でほ
ぼリング状に形成されてチヤツクアセンブリの前
端に付設される防塵カバーであつて、切削工具の
シヤンクを密嵌状に嵌挿するために前部に開設さ
れた前通し孔と、前記インナーコレツトを密嵌状
に嵌挿するために後部に開設された後通し孔との
間には前記インナーコレツトの前端に突設された
フランジを密嵌状に嵌合するために凹設された係
合溝を形成するとともに、後端面を、この後端面
の外周縁付近を前記締付けリングの前端面に対し
弾性的に密接させるために凹曲面状に形成したこ
とを特徴とするものである。

続いて、本考案の一実施例を図面にしたがつて
説明すると、図中、１はコレツトチヤツク本体で
あつて、その前部にはコレツトチヤツク本体１に
組付けられるチヤツクアセンブリＡを嵌装するた
めの支持部１ａがほぼ円筒状に形成され、この支
持部１ａの外周面にはねじ１ｂが螺設される一
方、支持部１ａの軸孔１ｃは前方に向つて孔径が
漸増する円錐面状に形成されている。

２はチヤツクアセンブリＡをコレツトチヤツク
本体１に締着するために支持部１ａに螺嵌された
ほぼ円筒状の締付けナツトであつて、その前端付
近内周面にはねじ２ａが形成され、コレツトチヤ
ツク本体１の前端面から若干突出されている。

３はコレツトチヤツク本体１前端の軸孔１ｃに
嵌挿されたほぼ円筒状のマスターコレツトであつ
て、このマスターコレツト３の軸孔３ａを弾性拡
縮するために割溝３ｂ〜３ｂがそれぞれ軸方向に
沿つて刻条されるとともに、その前端にはフラン
ジ３ｃが突設され、さらに、その周胴部の外周面
３ｄは外径がコレツトチヤツク本体１前端の軸孔
１ｃに対応して前方に沿つて漸増する円錐面状に
形成されていて、この外周面３ｄと軸孔１ｃとの
相対位置の軸方向への移動によつてマスターコレ
ツト３の軸孔径が拡縮される。

４はマスターコレツト３を軸方向へ移動するた
めに締付けナツト２の前端にねじ２ａを介して螺
嵌された締付けリングであつて、マスターコレツ
ト３のフランジ３ｃに対しこのフランジ３ｃを嵌
合するために内周面４ａに凹設された嵌合溝４ｂ
を介して軸方向への共動および遊転可能に外嵌さ
れ、この締付けリング４を締付けナツト２に対し
て螺退若しくは螺進したときにはマスターコレツ
ト３の軸孔３ａが拡縮される。

５はコレツトアセンブリＡに挿着される切削工
具６のシヤンク６ａを掴持するためにマスターコ
レツト３の軸孔３ａに嵌挿されたインナーコレツ
トであつて、その軸孔５ａを弾性拡縮するために
割溝５ｂ〜５ｂが軸方向に沿つて刻条されるとと
もに、その前端にはフランジ５ｃが突設されてい
て、マスターコレツト３の軸孔３ａが狭縮したと
きにはインナーコレツト５がマスターコレツト３
で向心状に押圧されて軸孔５ａが狭縮し、切削工
具６をチヤツクアセンブリＡに挿着することがで
きる。

７はチヤツクアセンブリＡの前端の間隙、例え
ば、インナーコレツト５の割溝５ｂ前端やマスタ
ーコレツト３の割溝３ｂ前端等からチヤツクアセ
ンブリＡ内への切削屑の侵入を防止するためにチ
ヤツクアセンブリＡの前端に対し共転可能に付設
された防塵カバーであつて、ゴム材や合成樹脂材
等の弾性材でほぼリング状に形成され、切削工具
６のシヤンク６ａを密嵌するための前通し孔７ａ
と、インナーコレツト５の前端付近を密嵌するた
めの後通し孔７ｂとが前後段差状に開設されると
ともに、前後通し孔７ａ，７ｂ間にはインナーコ
レツト５のフランジ５ｃを嵌脱可能に嵌合して防
塵カバー７をインナーコレツト５の前端に対し係
脱可能に係着するための係合溝７ｃが周状に凹設
され、さらに、その後端面７ｄは係合溝７ｃをイ
ンナーコレツト５のフランジ５ｃに嵌合したとき
に防塵カバー７後端の外周縁７ｅが締付けリング
４の前端面に密接するように外周縁７ｅが内周縁
７ｆの若干後方へ突出した凹曲面状に形成され、
防塵カバー７を切削工具６に挿通してインナーコ
レツト５に係着したときにはインナーコレツト５
の前端付近およびマスターコレツト３の前端がチ
ヤツクアセンブリＡおよび切削工具６と共転する
防塵カバー７で密封状に蓋蔽される。

次に、上記した構成をもつ実施例の作用と効果
を説明する。

さて、本例では防塵カバーを弾性材で形成し、
切削工具６のシヤンク６ａを密嵌状に嵌挿するた
めに前部に開設された前通し孔７ａと、インナー
コレツト５を密嵌状に嵌挿するために後部に開設
された後通し孔７ｂとの間にはインナーコレツト
５の前端に突設されたフランジ５ｃを密嵌状に嵌
合するために凹設された係合溝７ｅを形成してあ
るため、防塵カバーを切削工具６のシヤンク６ａ
の外周面とインナーコレツト５の外周面とに弾接
させてシヤンク６ａとインナーコレツト５の軸孔
５ａとの間隙およびインナーコレツト５の前端付
近の間隙を密封する機能と、防塵カバーをインナ
ーコレツト５のフランジ５ｃに弾性係着して抜け
止めする機能とを防塵カバーに付与することがで
きる。

また、防塵カバーの後端面を、この後端面の外
周縁付近を締付けリング４の前端面に対し弾性的
に密接させるために凹曲面状に形成してあるた
め、前記外周縁付近が締付けリング４の前端面に
隙間なく密着して防塵カバーに吸盤効果が付与さ
れ、マスターコレツト３の割溝３ａの前端の間隙
を確実に密封することができ、切削屑が切削工具
６とインナーコレツト５との間隙や、チヤツクア
センブリＡの前端付近の間隙を通じてチヤツクア
センブリＡ内へ侵入する不具合を適確に防止しう
る効果がある。

したがつて、チヤツクアセンブリＡ内を防塵カ
バー７で定常的に無塵状態に保持しうるため、切
削工具６の交換毎にチヤツクアセンブリＡを分解
してチヤツクアセンブリＡ内の切削屑を除去し、
さらに、チヤツクアセンブリＡを組付ける煩雑な
除塵作業を排除しうるとともに、切削工具６が切
削屑で不正掴持される不具合を未然に防止しうる
効果がある。

すなわち、本考案はチヤツク本体の前部に螺嵌
された締付けナツトと、この締付けナツト内に嵌
挿されて複数個の割溝を有するマスターコレツト
と、このマスターコレツトの前部に対し軸方向へ
の共動可能に外嵌された締付けリングと、切削工
具のシヤンクを掴持するために前記マスターコレ
ツト内に前端付近が同マスターコレツトおよび前
記締付けリングの前方へ突出した状態で嵌挿され
て複数個の割溝を有するインナーコレツトとを備
えたチヤツクアセンブリにおいて、前記マスター
コレツトの前端の間隙、前記インナーコレツトの
前端付近の間隙、および、前記シヤンクと前記イ
ンナーコレツトとの間隙をそれぞれ密封するため
に弾性材でほぼリング状に形成されてチヤツクア
センブリの前端に付設される防塵カバーであつ
て、切削工具のシヤンクを密嵌状に嵌挿するため
に前部に開設された前通し孔と、前記コレツトを
密嵌状に嵌挿するために後部に開設された後通し
孔との間には前記コレツトの前端に突設されたフ
ランジを密嵌状に嵌合するために凹設された係合
溝を形成するとともに、後端面を、この後端面の
外周縁付近を前記締付けリングの前端面に対し弾
性的に密接させるために凹曲面状に形成したこと
によつて、防塵カバーを切削工具のシヤンクの外
周面とインナーコレツトの外周面とに弾接させて
前記シヤンクとインナーコレツトの軸孔との間隙
およびインナーコレツトの前端付近の間隙を密封
する機能と、防塵カバーをインナーコレツトのフ
ランジに弾性係着して抜け止めする機能とを防塵
カバーに付与しうるとともに、後端面の外周縁付
近を締付けリングの前端面に隙間なく密着させて
マスターコレツトの前端の間隙を確実に密封する
ことができ、切削屑が切削工具とインナーコレツ
トとの間隙や、チヤツクアセンブリの前端付近の
間隙を通じてチヤツクアセンブリ内へ侵入する不
具合を適確に防止しうる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はコレツトチヤツクの半側断面図、第２図は分解
斜視図、第３図は防塵カバーの縦断面図である。 １……コレツトチヤツク本体、５……インナー
コレツト、６……切削工具、６ａ……シヤンク、
７……防塵カバー、７ａ，７ｂ……通し孔、７ｃ
……係合溝、Ａ……チヤツクアセンブリ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チヤツク本体の前部に螺嵌された締付けナツト
   と、この締付けナツト内に嵌挿されて複数個の割
   溝を有するマスターコレツトと、このマスターコ
   レツトの前部に対し軸方向への共動可能に外嵌さ
   れた締付けリングと、切削工具のシヤンクを掴持
   するために前記マスターコレツト内に前端付近が
   同マスターコレツトおよび前記締付けリングの前
   方へ突出した状態で嵌挿されて複数個の割溝を有
   するインナーコレツトとを備えたチヤツクアセン
   ブリにおいて、前記マスターコレツトの前端の間
   隙、前記インナーコレツトの前端付近の間隙、お
   よび、前記シヤンクと前記インナーコレツトとの
   間隙をそれぞれ密封するために弾性材でほぼリン
   グ状に形成されてチヤツクアセンブリの前端に付
   設される防塵カバーであつて、切削工具のシヤン
   クを密嵌状に嵌挿するために前部に開設された前
   通し孔と、前記インナーコレツトを密嵌状に嵌挿
   するために後部に開設された後通し孔との間には
   前記インナーコレツトの前端に突設されたフラン
   ジを密嵌状に嵌合するために凹設された係合溝を
   形成するとともに、後端面を、この後端面の外周
   縁付近を前記締付けリングの前端面に対し弾性的
   に密接させるために凹曲面状に形成したことを特
   徴とするコレツトチヤツクのための防塵カバー。