JPH0115158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は、複数の電子部品が外部と電気的に
接続するための外部引出し端子を有するケース内
に装置されて構成された電子複合部品に関する。

（背景技術） 第１図に従来の電子複合部品の一例を示す。同
図において、１，２，３はコイルや抵抗等の電子
部品、４は電子部品を機械的に支持するために基
体、５と６は電子部品と外部とを電気的に接続す
るための外部引出し端子で、基板４を貫通して固
定される。外部引出し端子５と６は一般に複数個
の細長な端子である。７と８は電子部品と外部引
出し端子とを電気的に接続するためのリード線、
９は基体上に装着された電子部品を保護するため
に樹脂等で形成されたモールドである。以上の如
き電子複合部品は、コンピユータ等の電子機器内
に設けられたスプリング基板等に外部引出し端子
を介して装置される。

しかしながら、このような従来の電子複合部品
にあつては以下のような問題点がある。

(a) 外部引出し端子の保持強度は基体と接触して
いる面積が可能な限り広いことが必要である。
第１図に示すような従来の電子複合部品では、
基体４の厚みは薄い。従つて、外部引出し端子
の保持強度は不充分であり、外部引出し端子は
基体から抜け易いという欠点がある。

(b) 電子部品をエポキシ樹脂等でモールドする場
合、電子部品にはかなりの熱が加わり、性能等
の劣化を招く。特に、電子部品が強磁性体を有
するコイルの場合、コイルの周囲のモールド樹
脂の収縮によりコイルのインダクタンスが変化
し、特性が著しくバラツクという欠点がある。

第２図及び第３図に別の従来例を示す。この
従来例はコイルとコンデンサを組合せた電磁遅
延線である。１０は複数の端子１１を備えた
IC型端子板、１２は複数の端子１１に直接電
気的に接続されかつ機械的に支持されたコンデ
ンサブロツクである。コンデンサブロツク１２
は、誘電体板１３の両面に多数の導体膜１４が
形成され、複数のコンデンサを構成する。導体
膜１４はハンダ付けや導電接着剤１７で接続さ
れる。１６はコンデンサブロツクに装着された
コイルでルる。破線で囲つた部分は、エポキシ
樹脂等でモールドされる部分である。

しかしながら、この従来例にあつては以下の
ような問題点がある。

(c) 端子１１はIC端子板１０の内部でＬ字型に
形成されるので、保持強度は充分であるが作業
性が悪い。更に、IC端子板１０と端子１１と
は製造時に一体成形する必要がある。

(d) エポキシ樹脂等でモールドする場合、IC端
子板１０とコンデンサブロツク１２との間は空
隙なので、この部分にも樹脂が入り込む。従つ
て、誘電体板１３に装着された電子部品（コイ
ル１６）は熱の影響を受け、特性が劣化する。

（考案の目的） この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、その目的は端子が充分な保持
強度を有しかつモールド時の熱の影響による電子
部品の劣化を防ぐことにある。この目的を達成す
るために、この考案の特徴は、底板とその周囲に
設けられる側壁とを有し底板に対向する開口面を
有するケースと、該側壁を貫通して固定される複
数の細長な端子と、複数の電子部品を表面に塔載
し該電子部品を前記ケース内に収容し前記開口面
を覆う如く設けられる基体と、電子部品相互間及
び電子部品と端子を接続する配線と、前記基体の
裏面を覆う被覆手段とを有する電子複合部品にあ
る。

（考案の構成及び作用） 以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第４図及び第５図はそれぞれ、この考案による
一実施例の正断面図及び斜視図である。この実施
例はコイルとコンデンサを組合せたLCフイルタ
ーである。同図において、２０は底板とその周囲
に設けられる側壁とを有し底面に対向する開口面
を有するケースである。ケースの材料は合成樹脂
が好ましい。２１は細長の端子で、ケース２０の
側壁２０ａを貫通して固定される。従つて、端子
２１を機械的に支持するケース２０の側壁２０ａ
と端子２１とは充分な接触面積を有し、保持強度
は大である。２２は基体を構成する誘電体板で、
両面に導体膜２３がプリントされ、コンデンサブ
ロツク２４が形成される。端子２１とコンデンサ
ブロツク２４の導体膜２３は、ハンダ付け又は導
電エポキシ接着剤等で電気的に接続されるととも
に、機械的に支持される（参照番号25）。２６は
コイルで、コンデンサブロツク平面上に装着され
る。コイル２６が装着されたコンデンサブロツク
２４は、側壁２０ａに複数の端子２１が垂直に埋
め込まれたケース２０の開口面上に、コイル２６
がケース２０の内部に収納される如く密着、固定
される。破線で囲つた部分は基体２２の裏面（コ
イル２６が装着された面に対向する面）を覆う被
覆手段で、プラスチツクの成形品で覆う方法や、
エポキシ樹脂等でモールドする方法がある。エポ
キシ樹脂でモールドする場合、コイル２６はケー
ス２０の凹部内に密閉され収納されているので樹
脂が凹部に入り込まず、モールド時の熱の影響を
受けない。

尚、この考案の一実施例としてLCフイルタの
場合について説明したが、この考案はこれに限定
されないことは勿論である。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案によれば端子の
保持強度が大で、モールド時における熱の影響を
受けることがなく電子部品の特性が保持される電
子複合部品を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電子複合部品の断面図、第２図
及び第３図はそれぞれ別の従来の電子複合部品の
断面図及び斜視図、第４図及び第５図はこの考案
の一実施例であるLCフイルタの断面図及び斜視
図である。 ２０……ケース、２０ａ……ケースの側壁、２
１……端子、２２……誘電体板、２３……導体
膜、２４……コンデンサブロツク、２６……コイ
ル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 底板とその周囲に設けられる側壁とを有し底
   板に対向する開口面を有するケースと、該側壁
   を貫通して固定される複数の細長な端子と、複
   数の電子部品を表面に塔載し該電子部品を前記
   ケース内に収容し前記開口面を覆う如く設けら
   れる基体と、電子部品相互間及び電子部品と端
   子を接続する配線と、前記基体の裏面を覆う被
   覆手段とを有することを特徴とする電子複合部
   品。 (2) 前記被覆手段がプラスチツクの成形品で覆わ
   れることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載の電子複合部品。 (3) 前記被覆手段が樹脂でモールドされることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載の電子複合部品。