JPH0114938Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、リードスイツチをスイツチング素子
とした押釦スイツチの動作復旧位置測定装置の改
良に関する。

公知のように、電子計算機組織や自動制御装置
などに使用されるリードスイツチをスイツチング
素子とした押釦スイツチ（以下単に押釦スイツチ
とする）は、例えばフエライト等の永久磁石を固
着したキーと、キー支持用のコイルばねと、リー
ドスイツチと収納筐体等で構成し、キーを圧下す
ることにより永久磁石のもつ磁界がリードスイツ
チのリード片接点部に磁気的吸収力を発生させて
閉結し、電気回路を接続する動作を行ない、キー
の圧下力を除去すると、キーと共に永久磁石も静
止位置に復帰し、リードスイツチのリード片は自
己のもつばね圧力で接点を開放して電気回路接続
を復旧する。このとき、リードスイツチの動作点
と復旧点におけるキーの位置は、リードスイツチ
のヒステリシス特性によつて一致しないため、押
釦スイツチを十分制御して使用するためには、上
記スイツチの動作点及び復旧点、即ちキーの動作
位置及び復旧位置を予知しておく必要がある。そ
のため、従来は押釦スイツチを測定用載物台に装
着し、スイツチの動作点及び復旧点を接続した電
気回路の確認ランプ等で検出しながら、通常のダ
イヤルゲージでキーのストロークを測定していた
が、これは非能率的であり、測定誤差が大きい欠
点があつた。

本考案の目的は、上記欠点を除去することであ
り、この目的は、内部にリードスイツチと永久磁
石が収容され、該永久磁石をキーの上下動作で移
動させることにより前記リードスイツチを動作お
よび復旧させる押釦スイツチと、前記リードスイ
ツチに接続している該押釦スイツチの信号端子
と、該押釦スイツチの信号端子と接続し前記リー
ドスイツチの動作および復旧状態を検知するコネ
クタと、該コネクタの上側に配置され該押釦スイ
ツチの信号端子をコネクタに挿入した状態で載置
するための載物台と、該載物台の上側に配置され
絶縁された梁上に上下に摺動可能に保持され且つ
下部端が前記押釦スイツチのキーとの当接面で上
部端が該押釦スイツチの静止位置を検出する電気
接点の片方を成す検出ピンと、該絶縁された梁の
上側に設けられると共に絶縁された別の梁上に取
付けられた前記検出ピンの上部端と所定間隔を持
つて対向する前記電気接点のもう一方を成す固定
電極と、前記二つの梁を保持する上下に移動可能
に保持された可動体と、該可動体を下側から支え
て駆動する直線リフトの板カムと、該板カムを駆
動するパルスモータと、該パルスモータの駆動パ
ルスを算えるカウンタと、パルスモータ駆動制御
を含むこれらの電気系列の制御器を有しており、
パルスモータを駆動して前記可動体を上下に移動
することにより、前記カウンタが前記検出ピンと
前記固定電極との接触時点から前記コネクタによ
る前記コネクタによる前記リードスイツチの動作
検出時点までの駆動パルス数および前記コネクタ
による前記リードスイツチの復旧検出時点から前
記検出ピンと前記固定電極との開離時点までの駆
動パルス数を計数して、前記押釦スイツチの動作
ストロークおよび復旧ストロークを測定すること
を特徴とした押釦スイツチの動作復旧位置測定装
置を提供して達成される。

以下、本考案を図面に基づいて説明する。第１
図は本考案による押釦スイツチの動作復旧位置測
定装置の一実施例における機構部側面図を示す。
デジタル電気信号によつて一定角度づつ回動する
ステツプモータ１の適宜減速した駆動軸には、第
２図の横軸Ａをカム角度変位、縦軸Ｂにリフト変
位として示すカム特性図の、少なくともｆ，ｂ，
ｅ，ｃ，ｄ点を含む範囲に等速変位特性をもつた
板カム２を固着し、板カム２は支柱３の前方垂直
に保持されたガイド軸４，４を緩みなく摺動する
可動体５にローラ６を介して上下動を与える。

可動体５の前方上部には、絶縁体例えばベーク
ライト製の梁７を固着し、その前端近傍には電極
８が固定してあつて、固定電極８の下面９に球形
上面１０を対向して位置する検出ピン１１は、可
動体５に固着した絶縁体例えばベークライト製の
梁１２に圧入した金属軸受１３に嵌合して、押釦
スイツチのキー保持コイルばねのばね常数より十
分小さいばね常数のコイルばね１４を下端のつば
部と梁１２との間に挾んで梁１２に装着してあ
り、検出ピン１１の下方には、適当な高さの押釦
スイツチ１７用載物台１５と載物台１５に載置固
定した押釦スイツチ１７のリード端子を接続する
ためのコネクタ１６が設置してある。そして、上
記ステツプモータ１と、支柱３と載物台１５と、
コネクタ１６は直接又は間接的に台座１８に固定
し、ステツプモータ１と固定電極８と検出ピン１
１とコネクタ１６と電気信号カウンタ１９は第３
図に示すようにそれぞれ制御器２０に導体２１，
２２，２３，２４，２５，２６をもつて接続して
ある。今、載物台１５に被測定用の押釦スイツチ
１７を載置固定し、ステツプモータ１にデジタル
信号を入力すると、板カム２は第２図のａ点を始
点として回動し、可動部５はその自重を圧力とし
てローラ６を板カム２に圧接して下降する。そし
て検出ピン１１の下面２８が押釦スイツチキー２
７の上面２９に接する位置、即ち第２図のｂ点に
達すると検出ピン１１は、押釦スイツチ１７のキ
ー保持用コイルばねの弾性強度に検出ピン１１の
自重及びコイルばね１４の圧力が負けて、その位
置に保持されたまま可動部の下降が継続し、検出
ピン１１の球形上面１０が固定電極８の下面９と
接するようになる。それと同時に導体２１と導体
２２は閉回路となり、その情報に基づいて制御器
２０は、カウンタ１９にステツプモータ１への入
力デジタル信号ステツプ数計測開始を指示する。
更に継続する可動体５の下降は、固定電極８が検
出ピン１１を介して押釦スイツチ１７のキー２７
を押込み、押釦スイツチ１７の動作位置即ち第２
図のＣ点に達すると、導体２３と導体２４は閉回
路となつて、その情報に基づいて制御器２０はカ
ウンタ１９のステツプ数計測を終了させ、第２図
のｂ点からｃ点に達する間のステツプ数の積算計
測値を表示する。可動部５の下降はその後も継続
し、予め設定したところの位置、即ち第２図のｄ
点に至ると、ステツプモータ１は停止し、逆回動
を始める。そして、可動部５の上昇によつて導体
２３と導体２４を開回路とすると同時に、即ち第
２図のｅ点にてカウンタ１９がステツプモータ１
の入力デジタル信号のステツプ数計測を開始し、
検出ピン１１と固定電極８とが開離して開回路と
する瞬間即ち第２図のｆ点でステツプ数計測を終
了して積算計測値を素示する。この際、第２図の
ｂ点とｆ点は、コイルばね１４及び押釦スイツチ
１７のキー保持用コイルばねのヒステリシス特性
並びに、各可動部の摩擦抵抗等に原因するずれで
あつて、この差は、押釦スイツチ１７のリードス
イツチがもつヒステリシス特性に比べて十分小さ
いため無視することができる。従つて求められた
２つのステツプ数積算計測値に、１ステツプ当り
の可動部５の移動量を掛けて押釦スイツチのキー
静止位置から、押釦スイツチ動作位置と復旧位置
を知ることができる。なお、上記説明では、板カ
ムを正逆回動して、押釦スイツチの動作位置と復
旧位置を測定しているが、比較的測定精度を要さ
ない押釦スイツチを対象とするときには、、板カ
ム１回動で動作、復旧位置を測定することができ
る。

以上説明したように、本考案による押釦スイツ
チの動作復旧位置測定装置は、駆動モータの入力
デジタル信号のステツプ数を自動計測して、押釦
スイツチキーの静止位置から動作及び復旧位置ま
でのストロークを知ることができるため、測定者
の個人誤差及び習熟度を排除し、かつ複数個を同
時に測定できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による押釦スイツチの動作復
旧位置測定装置機構部の側面図、第２図は、第１
図の機構部に使用した板カムの特性図、第３図は
第１図の機構部と制御計測系接続説明図。 １……ステツプモーター、２……板カム、４，
４′……ガイド軸、５……可動部、６……ローラ、
８……固定電極、１１……検出ピン、１５……載
物台、１７……押釦スイツチ、１９……カウン
タ、２０……制御器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にリードスイツチと永久磁石が収容され、
   該永久磁石をキーの上下動作で移動させることに
   より前記リードスイツチを動作および復旧させる
   押釦スイツチと、前記リードスイツチに接続して
   いる該押釦スイツチの信号端子と、該押釦スイツ
   チの信号端子と接続し前記リードスイツチの動作
   および復旧状態を検知するコネクタと、該コネク
   タの上側に配置され該押釦スイツチの信号端子を
   コネクタに挿入した状態で載置するための載物台
   と、該載物台の上側に配置され絶縁された梁上に
   上下に摺動可能に保持され且つ下部端が前記押釦
   スイツチのキーとの当接面で上部端が該押釦スイ
   ツチの静止位置を検出する電気接点の片方を成す
   検出ピンと、該絶縁された梁の上側に設けられる
   と共に絶縁された別の梁上に取付けられた前記検
   出ピンの上部端と所定間隔を持つて対向する前記
   電気接点のもう一方を成す固定電極と、前記二つ
   の梁を保持する上下に移動可能に保持された可動
   体を下側から支えて駆動する直線リフトの板カム
   と、該板カムを駆動するパルスモータと、該パル
   スモータの駆動パルスを算えるカウンタと、パル
   スモータ駆動制御を含むこれらの電気系列の制御
   器を有しており、パルスモータを駆動して前記可
   動体を上下に移動することにより、前記カウンタ
   が前記検出ピンと前記固定電極との接触時点から
   前記コネクタによる前記リードスイツチの動作検
   出時点までの駆動パルス数および前記コネクタに
   よる前記リードスイツチの復旧検出時点から前記
   検出ピンと前記固定電極との開離時点までの駆動
   パルス数を計数して、前記押釦スイツチの動作ス
   トロークおよび復旧ストロークを測定することを
   特徴とした押釦スイツチの動作復旧位置測定装
   置。