JPH0114513B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、加熱製品の出口端に設ける円筒状回
転炉口部の保護装置に関する。

円筒状炉壁末端の内面と、炉の末端に固定され
る金属フランジの前面とを被覆する耐熱材製の環
によつて構成される前記型式の装置は既知であ
る。該フランジ及び炉壁末端は、炉壁とそれと同
心の２個のスリーブとの間に位置する２つの環状
通路によつて給排される空気の循環によつて冷却
される。

既知の装置の場合、炉壁末端の外面のみが該通
路内を循環する空気によつて冷却されるので炉壁
の該部分が変形し、従つてそれに固定する保護環
を破壊することになる。

本発明の目的は、炉壁内面の冷却をも確実にす
ることによつて該装置を改良することである。

本発明の目的である保護装置の場合、耐熱材製
の環を支持し、炉壁と同心になるようにその内部
に位置決めする金属環とフランジとを連結し、該
金属環が、炉壁内面の半径方向に隔設され、この
ようにして設けた空間が、一方では、該フランジ
と炉壁末端との間に設ける通路を介して外側環状
通路と連通し、他方では、炉壁内にそれの末端か
ら離れて設けるオリフイスを介して内側環状通路
と連通することを特徴とする。

フランジと隣接する内側通路の末端を部分的に
閉塞させるためにそらせ板を設けるので、通路の
１つによつて供給される空気の１部は、金属環と
炉壁との間に設ける空間の方へ偏向し、炉壁の内
面と外面との同時冷却を確実ならしめる。

保護装置は従来のように連結式セグメントで形
成することが望ましく、この場合、各セグメント
は、金属支持体に取付けた単数又は複数個のコン
クリートブロツク又は耐熱レンガで構成され、該
ブロツクは、耐熱材製の輪を形成し、該金属支持
体はフランジと金属環を構成する。

セグメントの金属支持体は、該支持体又はスリ
ーブ上に固定した支持部材によつて、炉壁から離
れて保持される。

該セグメントは、炉壁内面と金属環を形成する
支持体の１部との間に配置する支持部材によつ
て、及び、フランジを形成する支持体の部分に炉
壁外面と接触して固定した取付け部材によつて、
半径方向に位置決めされる。該取付け部材にそら
せ板を固定してもよい。

炉壁の外側において、炉の軸線と平行に配置す
るロツドによつて該セグメントを炉に固定しても
よく、この場合、該ロツドの１端は、該ロツドの
他端に引張り応力を生じさせるように炉壁に支持
される弾性部材と、支持体とに連結する係止部材
に係止される。該弾性部材は、炉壁に溶接した止
め部材と、ロツドのねじ切り端にねじ締めしたナ
ツトとの間にて押圧される弾性座金によつて構成
可能である。

冷却空気は、炉を包囲する環状配分装置によつ
て供給可能である。該配分装置からの空気は、フ
ランジから離れた方の末端を介して、外側通路又
は内側通路内へ送入される。空気を送入する通路
を限定するスリーブと配分装置との間にはパツキ
ンを設けてもよい。部分的に重なり合つて配分装
置上に固定され、スリーブと接触する可撓薄板で
該パツキンを形成してもよい。

本発明の他の特徴及び利点は、非制限例として
の本発明の３種類の実施例を示す添附の図面を参
照して以下に詳述する。

図示の炉は、金属性の円筒状炉壁１０と、耐熱
レンガ製の内部被覆体１２とで構成される。該内
部被覆体は、炉壁１０の内部に溶接した環状固定
部材１４によつて炉壁末端部から所定距離だけ離
れた位置にて終結する。

炉壁１０の最終部、すなわち炉壁末端と固定部
材１４との間の部分は、コンクリートブロツクに
よつて構成した複数個の連結式セグメントで形成
する環によつて保護され、この場合、該コンクリ
ートブロツクは、係止部材によつてそれらを係止
している金属支持体上に成型される。各支持体は
次の３つの部分で形成される。すなわち、炉の軸
線と平行に位置する円筒形の内側部１６と、部分
１６に対して垂直で扁平な中間部１８と、炉の軸
線と平行な外側部２０とである。該支持体は、成
型による単一ブロツクでもよいし、あるいは溶接
で組合わせた部品で形成してもよい。セグメント
を連結式方法にて組合わせる場合、部分１６，２
０は、一方が炉壁の内側で、他方が炉壁の外側に
位置して、炉壁１０と同一の軸線を有する２個の
同心環を形成し、部分１８は、該２個の環を連結
するフランジを形成する。

図示の実施例の場合、各セグメントは２個の連
結式コンクリートブロツク、すなわち係止部材２
４によつて支持体の部分１６に係止される内側ブ
ロツク２２と係止部材２８によつて部分１８に係
止される外側ブロツク２６とを包含する。該２個
のブロツク相互間の接合部は、支持体の部分１６
の内面延長部線上に位置する。同様に、支持体１
６−１８−２０の被覆体を耐熱レンガで形成して
もよい。

環の各セグメントは、円筒状炉壁１０の外側に
おいて、炉の軸線と平行に位置する単数又は複数
個のロツド３０によつて炉に固定される。該ロツ
ドの１端は、鉤形に撓曲し、支持体の部分１８に
溶接した取付け部材３２のノツチと係合する。ロ
ツドの他端はねじ切りされ、弾性輪３３を介して
円筒状炉壁１０に溶接した止め部材３５と当接す
るナツトを担持する。セグメントの金属支持体の
部分１８は、該支持体又はスリーブに溶接した支
持部材３４によつて炉壁末端から離れて保持され
る。半径方向におけるセグメントの位置は、炉壁
外面に押圧される取付け部材３２と、支持体の部
分１６と炉壁との間に間隙３７を設ける支持部材
３６とによつて固定される。該支持部材は、支持
体又は炉壁に溶接可能である。

２個のスリーブ３８，４０は、図示しない従来
の装置によつて炉壁１０上にそれと同心に固定さ
れ、２つの環状通路４２，４４を形成する。セグ
メントの支持体の部分２０によつて形成される環
は、僅かな間隙を設けてスリーブ３８の隣接端を
包囲し、パツキンを構成する石綿テープ４５は、
該スリーブ末端と支持体の部分１８によつて形成
されるフランジとの間にて圧縮される。スリーブ
４０の末端は、該フランジから隔設され、そらせ
板を形成して取付け部材３２に固定される薄板４
６は、内側通路４４の末端を部分的に閉鎖する。
環状止め部材１４の近くにおいて、炉壁１０に穿
孔したオリフイス４８は、セグメントの支持体の
部分１６によつて形成される環と炉壁との間に設
けた間隙３７を通路４４に連通させる。

炉を包囲する環状配分装置５０によつて供給さ
れる新鮮な空気は、外側通路４２の上流端に加圧
導入される。該空気の１部は、そらせ板４６によ
つて逸れて炉壁１０の末端とセグメント支持体の
部分１８によつて形成されるフランジとの間に設
けた通路へ導入され、該通路を通つて空間３７を
通過し、オリフイス４８を介してそこから出る。
該空気流によつて炉壁１０の内面が確実に冷却さ
れる。該空気流を妨げることがないように、支持
部材３４，３６の円周方向における間隔を炉壁１
０上にて充分とるようにしてある。空気の他の部
分は、薄板４６とスリーブ１０，４０との間に設
けた間隙を介して内側通路４４内に導入される。
該空気流によつてスリーブ外面が確実に冷却され
る。この２本の空気流は、オリフイス４８の出口
において合流し、通路４４を介して排出される。
空気の進路は、図面に矢印で示した。

配分装置５０は、炉のフード５２に固定され、
該フードとスリーブ３８との間の密閉性は密閉部
材によつて確実なものとなる。該密閉部材は、ス
リーブ３８によつて担持される環を形成するよう
に相互間にて枢動可能に取付けたセグメント５４
によつて構成され、該フードと連結する２個のフ
ランジ相互間にて間隙を設けて保持される。配分
装置５０とスリーブ４０との間の密閉は、１組の
可撓薄板５６で形成されるいわゆる「うろこ状」
密閉部材によつて確実となり、この場合該薄板
は、部分的に重なり合つて配分装置上に固定さ
れ、スリーブと接触する。

第２図の実施例と第１図の実施例との相違点
は、セグメントで構成される密閉部材５４の代り
に２個のうろこ状継手６０，６２を使用すること
であり、該密閉部材の１つは、炉５２のフードと
スリーブ３８との間の密閉を確実ならしめ、他方
の密閉部材は、該スリーブと空気配分装置５０と
の間に配置する。

第３図の実施例の場合、空気の循環方向が逆に
なり、配分装置５０からの空気は、内側通路４４
に送入され、外側通路４２によつて排出される。
通路４４内を循環する空気の１部は、オリフイス
４８を介して間隙３７に導入された後、炉壁１０
の末端とセグメント支持体の部分１８によつて形
成されるフランジとの間に設ける通路を介して、
薄板４６の周囲を循環する空気の別の部分と合流
する。空気の全体流量は通路４２を介して排出さ
れる。うろこ状継手６４，６６，６８は、炉５２
のフードとスリーブ３８、空気配分装置５０とス
リーブ４０、該配分装置と炉壁１０との間の密閉
をそれぞれ確実ならしめる。

当然のことながら、技術的に同格な装置を用い
て説明してきた実施例に応用可能ないかなる別型
も本発明を逸脱するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による保護装置を包含する管
状回転炉の末端部の部分縦断面図である。第２図
及び第３図は、本発明による装置の２種類の別型
実施例を示す図面である。 １０……円筒状炉壁、１６，１８，２０……金
属支持体、２２，２６……耐熱環、３２……取付
け部材、３３……ばね、３５……止め部材、３６
……支持部材、３７……間隙、３８，４０……ス
リーブ、４２，４４……通路、４６……そらせ
板、４８……オリフイス、５０……環状配分装
置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円筒状炉壁１０末端の内面と該末端に連結さ
   れるフランジ１８の前面とを保護する耐熱材製の
   環２２，２６によつて構成され、該フランジ１８
   の後面に供給され該フランジ１８を冷却する空気
   を該炉壁１０とこれと同軸に配置した２つのスリ
   ーブとの間に設けた２つの環状通路を介して排出
   するようにした回転炉口部の保護装置において、
   該フランジ１８が、耐熱材製の環２２，２６を支
   持しかつ該炉壁１０の内側にこれと同軸に配置さ
   れた金属環１６を有し、該金属環１６と炉壁１０
   間に間隙３７を設け、この間隙３７を、１方にお
   いてフランジ１８と炉壁１０の末端との間に設け
   る通路を介して外側環状通路４２と連通せしめ、
   他方において、炉壁１０内にそれの末端から離れ
   て形成したオリフイス４８を介して内側環状通路
   と連通せしめることを特徴とする該保護装置。 ２ 内側環状通路４４のフランジ１８に隣接する
   末端を部分的に閉塞し、環状通路の１つによつて
   送給される空気の１部を、金属環１６と炉壁１０
   との間に設ける間隙３７の方へ偏向させるそらせ
   板４６を包含することを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の保護装置。 ３ 該保護装置が連結式セグメントによつて形成
   され、各セグメントが、金属支持体１６，１８，
   ２０に係止される単数又は複数個のブロツク２
   ２，２６で構成され、該ブロツクが、耐熱材製の
   環を形成し、該金属支持体が、該フランジと該金
   属環を構成することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項又は第２項記載の保護装置。 ４ 該金属支持体１６，１８，２０が、該支持体
   又は炉壁１０に固定した支持部材３４，３６によ
   つて該炉壁から離れて保持されることを特徴とす
   る特許請求の範囲第３項記載の保護装置。 ５ 炉壁１０の内面と該金属環を形成する金属支
   持体との間に配置する支持部材３６と、該フラン
   ジを形成する金属支持体の部分１８に固定されて
   炉壁１０の外面と接触する取付け部材３２とによ
   つて該セグメントを半径方向に位置決めすること
   を特徴とする特許請求の範囲第３項又は第４項記
   載の保護装置。 ６ 炉壁１０の外側において、炉の軸線と平行に
   配置されるロツド３０によつて該セグメントを炉
   に固定し、該ロツドの１端が該取付け部材３２に
   係止され、他端が、ばね３３を介して、炉壁１０
   に溶接した止め部材３５に支持されることを特徴
   とする特許請求の範囲第３項又は第４項記載の保
   護装置。 ７ そらせ板４６を取付け部材３２に固定するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第６項記載の保護
   装置。 ８ 炉を包囲する環状配分装置５０から出る冷却
   空気が、フランジ１８から離れた末端を介して、
   外側通路４２内に送入され、該通路４２，４４を
   限定するスリーブ３８，４０と該配分装置との間
   にパツキンを設けることを特徴とする前記特許請
   求の範囲第１項乃至第７項のいずれかに記載の保
   護装置。 ９ 炉を包囲する環状配分装置５０からの冷却空
   気が、フランジ１８から離れた末端を介して、内
   側通路４４内に送入され、該配分装置と炉壁１０
   との間、及び該炉壁と共に該外側通路を形成する
   スリーブ４０と該配分装置との間にパツキンを設
   けることを特徴とする特許請求の範囲第１項乃至
   第７項のいずれかに記載の保護装置。 １０ 該パツキンが、部分的に重なり合う可撓薄
   板で形成され、該薄板が配分装置５０上に固定さ
   れて、スリーブ１０，３８又は４０と接触するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第８項又は第９項
   のいずれかに記載の保護装置。