JPH0114267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は天ぷら鍋本体に温度計を設けて油温
を測定する温度計付天ぷら鍋に関する。

［従来の技術］ 従来、この種のものとして実開昭50−41866号
公報にはフードに温度計を取り付けるための保護
管を設けた温度計付天ぷら鍋が知られている。

また、実公昭49−8988号公報には天ぷら鍋に一
体的に突設したフードに感温筒を有するサーモメ
ーターを設けることを特徴とする天ぷら鍋が開示
されている。

さらに、実願昭53−10565号（実開昭54−
114653号）のマイクロフイルムには天ぷら鍋に半
固定した油きり中央に温度表示のゲージと温度測
定器が半固定されている温度測定器付天ぷらなべ
が開示されている。

［考案が解決しようとする課題］ 前者従来技術においては、天ぷら鍋本体の上縁
に段部が設けられ、その段部にフードを載せる構
造となつているためフードの載置部は外側に窪ん
でおり、飛散した油がフード内壁をつたわり落ち
るのを阻害し、その窪みに油が溜まつてしまう。
この溜まつた油がフードを外す際に鍋周辺等を汚
してしまうという問題があつた。

また、後者従来技術においては、天ぷら鍋本体
とフードが一体になつており、油はねは防止され
るが使用済みの油を捨てたり移したりするのが困
難であり、汚れた油が鍋内に残つてしまい、また
フードの狭い調理孔に手を入れて鍋本体内部を洗
うのは作業性が悪く手を傷つける虞れがある。

本考案では前記問題点を解決して、油はねを防
止するとともにフードと鍋の嵌合部から油がもれ
ることがなく、また温度計を回動しにくくして視
認性を高めるとともに、温度計の抜け止めを図
り、さらに温度計の取り付けによりフードに隙間
が生ぜず、しかも安全で、安価に提供できる温度
計付天ぷら鍋を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、天ぷら鍋本体と、この天ぷら鍋本体
に設けられるフードと、該フードに形成される取
り付け孔と、この取り付け孔に嵌合する短筒状の
温度表示部の下方に棒状感温部を垂設した温度計
と、前記フード中央に設けられる内周縁部にカー
ル部を形成した調理孔と、前記フード外周縁部に
前記天ぷら鍋本体の上縁と嵌合する径小段部とを
具備したものである。

［作用］ フード中央に設ける調理孔にカール部を形成
し、フード外周縁に径小段部が形成され、天ぷら
鍋と嵌合するため、飛散した油がフードと鍋の嵌
合部に溜まつたり、にじみ出たりすることがな
く、安全にかつ簡便に用いられる。

［実施例］ 第１，２図は本考案の一実施例を示しており、
天ぷら鍋本体１の上部開口に着脱自在に油はね防
止用フード２を設け、このフード２の中央には天
ぷら取り出し用調理孔３を形成する。この天ぷら
取り出し用調理孔３の内周縁部は下方向のカール
部３ａにより形成され、一方フード２の外周縁部
には前記天ぷら鍋本体１の上縁１ａと嵌合する径
小段部２ａを形成する。天ぷら鍋本体１に収容し
た油の温度を測定する温度計４は棒状感温部４ａ
と、この感温部４ａの上端に装着する短筒状の温
度表示部４ｂから成り、前記感温部４ａに内蔵し
た感温素子（図示せず）によつて温度表示部４ｂ
の温度表示指針４ｃを駆動するものであり、前記
温度表示部４ｂの下面に形成した台部４ｄの中央
には筒体４ｅを下方に垂設し、この筒体４ｅに感
温部４ａの上端を挿着して両者を固定するもので
ある。そして前記温度計４は感温部４ａをフード
２に形成した取り付け孔５に貫挿して取り付けら
れている。すなわち、温度表示部４ｂの下部であ
る前記筒体４ｅが嵌合する取り付け孔５をフード
２に形成し、この取り付け孔５に筒体４ｅが嵌合
するまで感温部４ａを貫通して取り付けられてお
り、また温度表示部４ｂの台部４ｄが取り付け孔
５上に係止している。

したがつて、天ぷら鍋本体１に油を入れて火に
かけると油温の上昇を感温部４ａが検知し、その
温度を温度表示部４ｂの指針４ｃによつて示す。
そして適温になつたら材料を調理孔３より入れて
揚げ、取り出し、調理を行う。調理後においては
温度計４を取り付け孔５より引き抜いてフード２
などとともに洗うことができる。

以上のように、温度計４の感温部４ａを取り付
け孔５に貫挿するとともに、筒体４ｅを取り付け
孔５に着脱自在に嵌合させることによつて、所定
位置すなわち感温部４ａの取り付け高さＨを最適
高さとして温度測定が可能となる。またフード２
と温度計４は着脱自在であるため、使用済みの油
を捨てたり洗うときや収納するときは引き抜いて
単体として洗つたり或いは収納でき、衛生的に保
てる。

さらに、温度計４の取り付けは取り付け孔５に
筒体４ｅを嵌合したために、感温部４ａが回動し
たり、ぐらつくことがなく、温度表示部４ｂの視
認性を向上でき、また温度計４の抜け止めを図る
ことができる。また温度計４はフード２に略密閉
して取り付けられるため、油のはねなどがなく安
心して調理でき、さらに部品点数としては天ぷら
鍋本体１とフード２と温度計４の３部品で済むた
め、比較的安価に提供でき、また温度表示部４ｂ
は短筒状であるためフード２の上方に障害物はな
くなり安心して調理できる。

しかも、フード２の径小段部２ａを天ぷら鍋本
体１の上縁に嵌合することによつて、はねた油は
フード２の内面より天ぷら鍋本体１の内面につた
わり落ちるため、嵌合部に油が溜まり、フードを
外すときに鍋周辺を汚すことがなく外へにじみ出
ることはない。またフード２の回転によつて温度
計４の位置が変化できるため、調理人に対して常
に見易い位置に設定できる。

尚、本考案は前記実施例に限定されるものでは
なく、例えば温度表示部は平面円形の短筒状のも
のを示しが、温度表示部の平面を矩形とするなど
種々の変形が可能である。

［考案の効果］ この考案は、天ぷら鍋本体と、この天ぷら鍋本
体に設けられるフードと、該フードに形成される
取り付け孔と、この取り付け孔に嵌合する短筒状
の温度表示部の下方に棒状感温部を垂設した温度
計と、前記フード中央に設けられる内周縁部にカ
ール部を形成した調理孔と、前記フード外周縁部
に前記天ぷら鍋本体の上縁と嵌合する径小段部と
を具備したことによつて、油はねを防止するとと
もにフードと天ぷら鍋の嵌合部に油が溜まつたり
にじみ出たりすることがなく、安全に使用できる
温度計付天ぷら鍋を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の分解斜視図、第２図は同
断面図である。 １……天ぷら鍋本体、１ａ……上縁、２……フ
ード、２ａ……径小段部、３……調理孔、３ａ…
…カール部、４……温度計、４ａ……感温部、４
ｂ……温度表示部、５……取り付け孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天ぷら鍋本体と、この天ぷら鍋本体に設けられ
   るフードと、該フードに形成される取り付け孔
   と、この取り付け孔に嵌合する短筒状の温度表示
   部の下方に棒状感温部を垂設した温度計と、前記
   フード中央に設けられる内周縁部にカール部を形
   成した調理孔と、前記フード外周縁部に前記天ぷ
   ら鍋本体の上縁と嵌合する径小段部とを具備した
   ことを特徴とする温度計付天ぷら鍋。