JPH0114211Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主に体育館内等に設置使用されるロ
ールバツクスタンドなどと称される伸縮移動式の
階段状観覧席の各段の床台上に取付けられる椅子
に関する。

近年、体育館等においては多目的使用を可能と
すべく、ひな段状に伸長したり逆に不使用時には
各段の床台を各々後段の床台下側に退入してコン
パクトに短縮した状態で収納保管したりできる伸
縮移動式の階段状観覧席がずでに多く利用されて
いる。

しかしながら上述した観覧席は一般に各段の床
台上に脚金物を介して板を横架したベンチ式の座
席を設けたゞけの構成で、坐り心地が良くなく長
時間の観覧に耐え難い問題があつた。

そこで、本出願人は上述の観覧席の各段の床台
上に椅子を設けて観覧者の坐り心地を改善するよ
うにすでに開発を進めた来た。ところで、この種
の観覧席用椅子は使用時の坐り心地を良くするこ
とはもちろんであるが、不使用時には扁平に折畳
んで観覧席の各段の床台上に低く転倒させて、当
該床台と共に各後段の床台下側に収納できるよう
になすことが必要である。この為に、両側支柱相
互間に設けた背凭れに対し座体を跳ね上げ式など
により略水平な着座可能な状態から該背凭れと平
行となる起立状態に回動できるようになし、即ち
座体を跳ね上げ回動して背凭れと重なるように折
畳みできるようになし、しかもその座体の折畳み
状態で椅子全体を両側支柱もろとも床台上の取付
ベースに対して起立・転倒可能に軸支して設ける
必要がある。

ところで、その椅子全体を両側支柱もろとも起
立・転倒可能とすべく、今までは該両側支柱を取
付ベースに対して固定の一軸を中心に回動可能に
支持していた。このために椅子の起立・展開状態
の高さを観覧者が着座するのに最適となるように
設定した場合、前記軸（両側支柱の回動中心軸）
が比較的高い位置にあると、椅子を折畳んだ状態
にして両側支柱もろとも転倒させても、床台上方
に高く浮いた状態にしか転倒できず、これではそ
の椅子が各床台の後退移動時に後段の床台に干渉
して、その下側への収納に支障が生じ、結果的に
各床台相互の段差を大きくとらなければならず、
それだけ観覧席全体高さが大きくなつてしまう問
題が生じる。また逆に前記軸が低い位置にある
と、折畳み状態の椅子を両側支柱もろとも床台上
面に密接する如く低く沈んだ偏平状態に転倒でき
て、後段の床台下側への収納が楽となるが、床台
上から椅子の背丈に相当する寸法分まるまる該軸
前方に張り出し、前段の椅子に当たつたり、或い
は後段の床台下側に収納した際に椅子だけが前方
にはみ出したりして、結果的に各床台の前後幅寸
法を大きくとらなければならず、それだけ観覧席
全体の前後幅が大きくなつてしまう問題が生じ
る。従つていずれにしても各床台上に座り心地を
良くするために椅子を設置すると、必要以上に観
覧席の大形化を招いてしまう問題があつた。

この考案は上記事情に鑑みなされたもので、観
客の座り心地を良くすべく各床台上に設置されて
最適な高さに起立・展開できる椅子でありなが
ら、不使用時には座体を折畳んで両側支柱もろと
も全体的に床台上に密接するよう非常に低く偏平
状態で且つ前方に大きく張り出すことなく転倒で
きて、各床台の相互の段差を大きくしたり前後幅
寸法を拡げたりしなくとも、難ら支障なく各床台
の後退移動と共に各々の後段の床台下側に完全に
収納されて、観覧席全体の大形化の問題を解消で
き、更には両側支柱の起立状態を保持する特別な
ロツク機構が不要で、構成の簡略化が図れると共
に、起立・転倒操作が簡便且つスムーズにできる
ようになる伸縮式階段状観覧席用椅子を提供する
ことを目的とする。

つまり、この考案の構成は、前記目的を達成す
べく、伸縮式階段状観覧席の各段の床台上に背凭
れと跳ね上げ可能な座体を支持する両側支柱の下
端部に第１支軸を該支柱の長手方向に直交する状
態で側方に向け突設すると共に、同支柱の第１支
軸より上方に離間した箇所に該第１支軸と平行に
第２支軸を突設し、且つ同支柱の第１、第２両支
軸の中心を結ぶ線の略中間より後方に変位した箇
所に該第１、第２支軸と平行に第３支軸を突設
し、一方上記観覧席の床台に固設した取付ベース
に上記第１、第２、第３支軸をスライド可能に案
内する第１、第２、第３カム溝を設けてなり、そ
の第１カム溝は取付ベースの前方下部に始端休止
部を有し且つその始端休止部から少し立ち上がつ
て後方部に長く亘る形態となし、第２カム溝は取
付ベース前方上部に始端休止部を有し且つその始
端休止部から少し立上がつて略Ｃ字状に彎曲して
下方部に亘る形態となし、第３カム溝は取付ベー
スの中央付近に位置して上記第１、第２支軸の第
１、第２カム溝に沿つた移動に伴う第３支軸の移
動軌跡に沿う形態となして構成したことを特徴と
する。

前記構成により、観客が着座可能な起立・展開
状態から、座体を跳ね上げ回動して折畳み、その
まま椅子全体を両側支柱もろとも少し持上げるよ
うにしてから前方に倒すことで、該支柱の比較的
高い位置にある第２支軸が第２カム溝に沿つて下
方に移動すると共に、低い位置にある第１支軸が
第１カム溝に沿つて後方に移動して、両側支柱も
ろとも全体的に床台上に密接するよう非常に低く
偏平状態で且つ前方に大きく張り出すことなく転
倒する。これにてその椅子が各床台の相互の段差
を大きくしたり前後幅寸法を拡げたりしなくと
も、難ら支障なく各床台の後退移動と共に各々の
後段の床台下側に完全に収納されるようになる。

また逆に前記折畳み、転倒状態から椅子全体を
両側支柱もろとも起立回動させると、両側支柱の
第１支軸が第１カム溝に沿つて前方に移動してそ
の始端休止部に落込み、第２支軸が第２カム溝に
沿つて上方に移動してその始端休止部に落込む。
これで椅子全体は上方に引き上げられないかぎり
不動の状態となつて、観客が座るのに最適な高さ
に起立保持され、座体を倒して展開すれば該観客
が着座可能となる。また前記両側支柱の起立・転
倒動作時に、第３支軸が第３カム溝に案内されて
回動支点の働きをなすことで、前述した第１、第
支軸の移動途中でのつかえや逆戻りがなく、該両
側支柱の起立・転倒操作が簡便且つスムーズにで
きるようになる。

以下この考案の一実施例を図面に従い説明す
る。先ず第１、第２図において図中１…はそれぞ
れ下部に車輪２を有した前後動可能な複数の床台
で、これら床台１…は各々高さが段階的に異にさ
れていて、ロールバツクスタンド等と称されてい
る、すでに公知の観覧席と同様に高さの最も低い
第１段目の床台１を前方に引き出せは、それに追
従する如く次に高さの低い第２段目の床台１が引
き出されると言つた様にして、順次各床台が引き
出されて全体的に階段状に伸長し、逆に上記第１
段目の床台１を後退移動させれば、それが第２段
目の床台１の下側に入つて該第２段目の床台１を
一緒に伴つて更に後退すると言つた具合に、次々
と各後段の床台下側に退入して全体的に前後巾の
狭い垂直な棚状になるように配設されている。

こうした伸縮移動式階段状観覧席の各床台１…
上に椅子３がそれぞれ設けられている。この各床
台１…上の椅子３はそれぞれ横一列に多数隣接す
る状態で配設された所謂連結椅子であつて、上記
各床台１…上の後部に固設した後述する取付ベー
ス４に下端方部を支承することで多数両側方向に
当間隔を存して立設された支柱５…と、これらの
支柱５…の各相互間の上方部にブラケツト６，６
を介して該支柱５と平行で且つ該支柱５より更に
上方へ突出するように取付けられた背凭れ７と、
上記支柱５…の各相互間の中間高さ部に回動アー
ム８，８を介して取付けられた座体９と、支柱５
…の各上端部に回動アーム１０を介して取付けら
れた肘掛け１１とを備えて構成されている。な
お、上記座体９は背凭れ７の前面側において両側
回動アーム８，８を介し前方に略水平に転倒した
状態から上方に起立して該背凭れ７と平行して重
合する状態の範囲で回動可能で、人間が手動で該
座体９を起立・転倒操作するか、或いは公知の座
跳ね上げ機構（図示せず）により人間が離席する
と座体９が自動的に起立するように構成されてい
る。又上記肘掛け１１も上記座体９と略同様に起
立・転倒可能に構成されている。つまりは上記椅
子３は支柱５…相互間の背凭れ７に対し座体９と
肘掛け１１とがそれぞれ起立することで平行とな
つて扁平に折畳みできるようになつている。又、
上記各支柱５…は横杆１２により相互に連結され
ている。

次に、上記椅子３の支柱５…の取付ベース４に
対する支持構造を第３図乃至第６図により述べる
と先ず支柱５は稍々扁平化された長尺な管体で、
この支柱５の中心軸線上の下端部に第１支軸１３
が該中心軸線と直交して両側方向に向け突設され
ていると共に、同中心軸線上の第１支軸１３より
上方に離間した個所に第２支軸１４が該第１支軸
１３と平行に突設され、更には支柱５の第１、第
２両支軸１３，１４の中心を結ぶ線（中心軸線）
より後方に偏位し、且つ第１、第２支軸１３，１
４の略中間高さの個所即ち、支柱５の後側部より
後方に向け突設したブラケツト１５の先端個所に
第３支軸１６が該第１、第２支軸１３，１４と平
行にして突設されている。

一方、上記観覧席の各段の床台１…上の後部に
固設した取付ベース４は、前記第２図に示した如
く等間隔を存して配する各支柱５…の各々の両側
部位に第３図に示す如く等間隔を存して対向配置
すべくそれぞれ床台１上面にボルト１７，１７よ
り締付け固定して立設した一対づつのＬ字状をな
すベース板１８，１８と、この一対のベース板１
８，１８相互空間を残こして他の部分を覆うよう
に取付けたカバー１９とからなる構成で、その一
対のベース板１８，１８に上記支柱５の第１、第
２、第３支軸１３，１４，１６をスライド可能に
案内する第１、第２、第３カム溝２０，２１，２
２が第４図乃至第６図に示す如く形成されてい
る。つまり上記第１支軸１３が摺嵌する第１カム
溝２０は、第６図に示す如くベース板１８の前方
下部に始端休止部２０ａを有し、この始端休止部
２０ａから少し立ち上がつた後に湾曲部２０ｂを
介して水平に後方へ長く亘る直線部２０ｃを有
し、更にその直線部２０ｃ後方端より尻り上がる
如く緩やかな湾曲部２０ｄを介して終端休止部２
０ｅを有した形態とされ、第２支軸１４が摺嵌す
る第２カム溝２１は、ベース板１８の前方上部即
ち、上記第１カム溝２０の始端休止部２０ａより
稍々後方で上方部に始端休止部２１ａを有し、そ
の始端休止部２１ａから少し立ち上がつた後に前
方に向かう湾曲部２１ｂを有し、更にその湾曲部
２１ｂから下方に長く緩やかに湾曲して亘る降下
部２１ｅを介して終端休止部２１ｄを有した略Ｃ
字状の形態とされ、第３支軸１６が摺嵌する第３
カム溝２２は、ベース板１８の略中央附近に位置
して上記第１、第２支軸１３，１４の第１、第２
カム溝２０，２１に沿つた移動に伴う第３支軸１
６の移動軌跡に沿う形態とされ即ち、ベース板１
８中央稍々下方寄りに始端休止部２２ａを有し、
その始端休止部２２ａから少し立ち上がつた後、
更に上昇しながら前方へ向う湾曲部２２ｂを介し
て略くの字状をなす第１中間休止部２２ｃを有
し、そこから斜め後方に立ち上がつて行く短い直
線部２２ｄを介して略への字状をなす第２中間休
止部２２ｅを有し、そこから斜め後方に一度降下
して再び立ち上がるＵ字状湾曲部２２ｆを介して
終端休止部２２ｇを有した形態とされている。な
お、上記第１、第２、第３カム溝２０，２１，２
２の各始端休止部２０ａ，２１ａ，２２ａ相互の
距離及び位置関係は支柱５の第１、第２、第３支
軸１３，１４，１６と同等であり、各終端休止部
２０ｅ，２１ｄ，２２ｇにおいても同様である。
また第１カム溝２０の始端休止部２０ａと第２カ
ム溝２１の始端休止部２１ａとは稍々後傾した立
ち上がり線上にて上下に離間して配し、同第１カ
ム溝２０の終端休止部２０ｅと第２カム溝２１の
終端休止部２１ｄとは同一水平線上にて前後に離
間して配置せしめられている。

而して、上述した構成の作動を述べると、先ず
第１図に示す如く観覧席の各段の床台１…を前方
へ引き出して階段状（ひな壇状）に伸長し、しか
もその各段の床台１…上の椅子３の支柱５…を起
立し、且つ座体９及び肘掛け１１を前方へ倒し
て、観覧者が着座している状態では、第４図、第
６図に示す如く上記支柱５の第１、第２、第３支
軸１３，１４，１６がベース板１８，１８の各第
１、第２、第３カム溝２０，２１，２２それぞれ
の始端休止部２０ａ，２１ａ，２２ａに落ち込む
ようにして係合して上方への引き上げ力がかゝら
ないかぎり不動の状態となつていることから、該
支柱５は稍々後傾した姿勢で起立した状態に保持
され、別部材のストツパーやロツク手段を用いな
くても濫りに動いて倒れる様なことがない。これ
にてその支柱５と平行する背凭れ７は稍々後傾し
て適当な高さに保持され、その前面側に転倒して
いる座体９及び肘掛け１１と共に坐り心地の良好
な椅子として利用可能となつている。

ここで、観覧者が離席して不使用となつた時
は、手動又は自動で座体９及び肘掛け１１を上方
へ回動して背凭れ７と平行となるよう起立させて
第１図中前段側に示す如く扁平に折畳み、その状
態で支柱５…を前方へ倒して床台上面に第１図相
像線で示す如く横たえる。この支柱５…を前方へ
倒す操作は先ず上方へ少し引き上げるようにして
から前方へ押し倒すようにする。つまり、第６図
の実線の状態から支柱５を上方へ少し引き上げる
と該支柱５の第１、第２、第３支軸１３，１４，
１６が第１、第２、第３カム溝２０，２１，２２
の各始端休止部２０ａ，２１ａ，２２ａから上方
へ抜け出るようになり、そのまゝ支柱５の上端方
を前方へ押し倒して行くと、第１支軸１３が第１
カム溝２０の湾曲部２０ｂに誘導されて移動し、
同時に、第２支軸１４が第２カム溝２１の湾曲部
２１ｂに誘導されて移動し、第３支軸１６が第３
カム溝２２の湾曲部２２ｂに沿つて第１中間休止
部２２ｃに移動する。これにて支柱５は後傾状態
から垂直状態を経て稍々前傾状態となる。ここで
更に支柱５の上端方を前方へ押し倒して行くと、
上記第３支軸１６が第１中間休止部２２ｃにとゞ
まつて回動支点の働きをなして第１支軸１３の始
端休止部２２ａ方への逆戻りを阻止して該第１支
軸１３を湾曲部２０ｂを乗り越えさせて水平な直
線部２０ｃ方へ向かわせ、これにて途中でつかえ
ることなく第１支軸１３が直線部２０ｃを後方に
移動し、同時に第２支軸１４が湾曲部２１ｂから
降下部２１ｃを下降し、第３支軸１６が第１中間
休止部２２ｃから直線部２２ｄに沿つて第２中間
休止部２２ｅを経てＵ字状湾曲部２２ｆ方へ移動
し、しかして第１、第２、第３各支軸１３，１
４，１６が第１、第２、第３各カム溝２０，２
１，２２の終端休止部２０ｅ，２１ｄ，２２ｇに
誘導されて止まり、これにて支柱５は第６図想像
線に示す如く前方に向け水平状態に転倒し、しか
も支柱５は低い位置で即ち、床台１上面からの高
さｈが小さく、且つその低い位置で一軸を支点と
して転倒させた従来よりも大きく後方にずらされ
た状態となり、これにて第１図想像線で示す如く
座体９裏面が床台１上面に密接するように当接し
て椅子３全体が水平な扁平状態で低く横たわる。
こうした状態で椅子３はこれを取付けた床台１と
一緒に何ら支障なく各後段の床台１下側に退入可
能となつてコンパクトに収納保管されるようにな
る。

次に、上記椅子３を折畳み転倒した状態から再
び使用可能な起立・展開状態となす場合は、上記
と全く逆に支柱５を押上げ回動操作することで、
第１、第２、第３支軸１３，１４，１６が第１、
第２、第３カム溝２０，２１，２２内を前回と逆
に誘導されて移動して各始端休止部２０ａ，２１
ａ，２２ａに落ち込むように戻つて、支柱５が
稍々後傾状態に起立保持され、また座体９及び肘
掛け１１が略水平に転倒可能となる。

なお、この考案は上記実施例のみに限定される
ことなく、例えば肘掛け１１は設けなくても可で
あり、又、第１、第２、第３カム溝２０，２１，
２２は図示の如きベース板１８を貫通した長孔的
なもの以外に該ベース板１８を貫通しない一般的
な溝形態のものでも可であり、更には第１、第
２、第３支軸１３，１４，１６にガイド輪を設け
て各カム溝２０，２１，２２に転接傾合させても
可であるなど、この考案の要旨を逸脱しない範囲
であれば種々変更可である。

この考案は以上詳述した如くなしたから、伸縮
移動式階段状観覧席の各床台上にあつて別部材の
ストツパーやロツク手段等が不要で構成が簡単で
あり、しかも起立・展開により椅子として使用可
能な状態としたり、逆に不使用時には折畳み・転
倒して床台上に扁平に低く横たえたりすることが
非常に簡単な操作で容易・確実に且つスムーズに
行い得て、該起立・展開時には観覧者が坐り心地
よく着席でき、不使用時の折畳み・転倒時は台枠
上に密接する如く低く且つ前方への張り出しの問
題が無く横たわつて、当該台枠と一緒に各後段の
床台下側に良好に収めることができる実用上効果
大なるものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の一実施例を示すもので、第
１図は観覧席用として使用状態の側面図、第２図
は同最前段のみの正面図、第３図は第２図のＡ部
を拡大した一部切欠正面図、第４図は第３図の
−線に沿う断面図、第５図は支柱とベース板と
の分解斜視図、第６図は支柱とベース板との関係
を示す動作説明図である。 １……床台、２……車輪、３……椅子、４……
取付ベース、５……支柱、６……ブラケツト、７
……背凭れ、８……回動アーム、９……座体、１
０……回動アーム、１１……肘掛け、１２……横
杆、１３……第１支軸、１４……第２支軸、１５
……ブラケツト、１６……第３支軸、１７……ボ
ルト、１８……ベース板、１９……カバー、２０
……第１カム溝、２０ａ……始端休止部、２１…
…第２カム溝、２１ａ……始端休止部、２２……
第３カム溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 伸縮式階段状観覧席の各段の床台上に前方に向
   け転倒可能に立設した両側支柱と、この両側支柱
   相互間に取付けた背凭れ及び該背凭れに対して平
   行となる起立状態に回動できる座体とからなるも
   のにおいて、上記両側支柱の下端部に第１支軸を
   該支柱の長手方向に直交する状態で側方に向け突
   設すると共に、同支柱の第１支軸より上方に離間
   した箇所に該第１支軸と平行に第２支軸を突設
   し、且つ同支柱の第１、第２両支軸の中心を結ぶ
   線の略中間より後方に変位した箇所に該第１、第
   ２支軸と平行に第３支軸を突設し、一方上記観覧
   席の床台に固設した取付ベースに上記第１、第
   ２、第３支軸をスライド可能に案内する第１、第
   ２、第３カム溝を設けてなり、その第１カム溝は
   取付ベースの前方下部に始端休止部を有し且つそ
   の始端休止部から少し立ち上がつて後方部に長く
   亘る形態となし、第２カム溝は取付ベース前方上
   部に始端休止部を有し且つその始端休止部から少
   し立上がつて略Ｃ字状に彎曲して下方部に亘る形
   態となし、第３カム溝は取付ベースの中央付近に
   位置して上記第１、第２支軸の第１、第２カム溝
   に沿つた移動に伴う第３支軸の移動軌跡に沿う形
   態となして構成したことを特徴とする伸縮式階段
   状観覧席用椅子。