JPH0113415Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電解コンデンサに係り、特に、外装
ケース内に電解コンデンサ素子を固定する固定構
造に関する。

一般に、電解コンデンサでは外装ケース内に電
解コンデンサ素子を固定するために種々の固定構
造が提案されている。アタクチツクポリプロピレ
ン等の熱可塑性合成樹脂で外装ケースの底面に電
解コンデンサ素子を固定する方法では、合成樹脂
の注入量の制御が困難であり、電解コンデンサ素
子が合成樹脂で覆われた場合、その熱伝導性が電
解コンデンサ素子の放熱に悪影響を及ぼし、その
電気的特性を悪化させ、外装ケースの底面部分に
防爆弁を形成してもそれを良好に作動させること
ができず、しかも、その形成を制限してしまう等
の欠点がある。

また、電解コンデンサ素子をゴムリング等の固
定部材で外装ケースに固定する場合、電解コンデ
ンサ素子に充填されている電解液がゴムに触れ、
ゴムリングが経時的に劣化し、ゴムから不純物が
電解液内に流出し、電解コンデンサ素子を腐食さ
せる等のおそれがある。

さらに、外装ケースの底面にリブを形成し、こ
のリブで電解コンデンサ素子の端面を保持する場
合がある。このようなリブによる固定は、外装ケ
ースがアルミニウムで構成されている場合、電解
コンデンサ素子にリブが食い込むと、陽極側及び
陰極側電極箔間を短絡し、電解コンデンサ素子を
破壊してしまう欠点がある。

また、電解コンデンサ素子の長さと外装ケース
の深さとを封口体の厚みを考慮して整合させ、電
解コンデンサ素子を外装ケースの底面に押し付け
て固定する場合がある。このような固定方法は、
電解コンデンサ素子の径が小さいとき、その固定
力が小さくなり、固定が不十分となるおそれがあ
る。

この本案は、以上のような不都合を生じないハ
ニカム状の固定部材で外装ケース内に電解コンデ
ンサ素子を固定した電解コンデンサの提供を目的
とする。

この考案は、電解コンデンサ素子を封入する外
装ケースの内底面と、前記電解コンデンサ素子の
端面との間にハニカム状に形成された固定部材を
挿入し、電解コンデンサ素子を外装ケースの内部
に固定したことを特徴とする。

以下、この考案を図面に示した実施例に基づき
詳細に説明する。

第１図及び第２図はこの本案の電解コンデンサ
の実施例を示し、第１図は一部を切欠いた電解コ
ンデンサの斜視図、第２図はその縦断面図を示し
ている。図において、電解コンデンサ素子１を収
納する外装ケース２の内底面には、電解コンデン
サ素子１を構成する電極と同種の金属材料で構成
されたハニカム状の固定部材３が収納され、この
固定部材３の上面に電解コンデンサ素子１の端面
を当接し、外装ケース２の内部に電解コンデンサ
素子１を固定、保持したものである。外装ケース
２はその開口部を封口板４で封口され、この封口
板４の上面には自動挿入用の端子５，６がリベツ
ト７，８で固定され、また、封口板４の裏面部に
は前記リベツト７，８を介して電解コンデンサ素
子１の電極用タブ１０，１１がそれぞれ前記リベ
ツト８の加締めにより固定され、端子５，６及び
電極用タブ１０，１１が電気的に接続されてい
る。即ち、第２図に示すように、前記固定部材３
は電解コンデンサ素子１の端面と外装ケース２の
内底面との間に介在し、また、電解コンデンサ素
子１の上端面はリベツト７，８の頭部に当接され
ている。従つて、固定部材３は電解コンデンサ素
子１の端面と外装ケース２の内底面との間の間隙
を埋め、外装ケース２の内部に電解コンデンサ素
子１が固定されている。なお、１２は切溝で構成
された防爆弁である。

以上のように構成したので、外装ケース２の内
部に電解コンデンサ素子１が強固に固定されると
ともに、この固定のために用いられる固定部材３
はハニカム状に構成されているため、電解コンデ
ンサ素子１の放熱を妨げること無く、しかも、固
定部材３をアルミニウム等の金属材料で構成する
ことにより、熱伝導性が向上し、電解コンデンサ
素子１の放熱を助長するので、その電気的特性の
悪化を避けることができる。

また、第１図に示す実施例から明らかなよう
に、固定部材３はハニカム状であることから、従
来の外装ケースの内底面に形成されたリブと異な
り、電解コンデンサ素子１の端面を面で支えるの
と同様になり、電極箔間の電気的短絡等を防止す
ることができる。

また、このような固定部材３によれば、ハニカ
ム状素材の長さを自由に調節して切断しその高さ
調節できるので、従来の外装ケースの内面に突設
した凹凸又はリブ等に比較すると、電解コンデン
サ素子１の長さに対応し、その固定状態を任意に
設定することができる利点があり、さらに、従来
の合成樹脂による場合に比較して電解コンデンサ
の軽量化を図ることができる。さらに、固定部材
３におけるハニカム形状、即ち空調部の大きさを
異ならせて電解コンデンサ素子１の直径に対応す
ることができ、電解コンデンサ素子１の端面の損
傷等を未然に防止できる。

さらに、外装ケース２の内部圧力は固定部材３
がハニカム状であるため、防爆弁１２に直接作用
し、その機能を損なうことがない。

なお、前記実施例の場合、固定部材３は金属材
料で構成したが、特性劣化等を生じさせない合成
樹脂材料で構成しても同様の効果が期待できるこ
とは言うまでもない。また、前記実施例の場合、
ハニカム状の固定部材について、その空洞部分が
六角形状のものを例に取つて説明したが、三角
形、四角形等の多角形の空洞部分をもつハニカム
状の固定部材を用いても同様の効果が期待でき
る。

以上説明したようにこの考案によれば、電解コ
ンデンサ素子の端面の損傷、電極箔間の短絡及び
経時的劣化等を防止し、電解コンデンサ素子を外
装ケース内に強固に固定、保持でき、しかもその
放熱を良好にすることから、安定した電気的特性
を維持することができ、外装ケースの底面に形成
された防爆弁の機能を妨げることもなく、電解コ
ンデンサの軽量化を図ることができる等の効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の電解コンデンサの実施例を
示す一部を切欠いた斜視図、第２図はその縦断面
図である。 １……電解コンデンサ素子、２……外装ケー
ス、３……固定部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電解コンデンサ素子を封入する外装ケースの
   内底面と、前記電解コンデンサ素子の端面との
   間にハニカム状に形成された固定部材を挿入
   し、電解コンデンサ素子を外装ケースの内部に
   固定したことを特徴とする電解コンデンサ。 (2) 前記固定部材は金属で形成したことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項に記載の電
   解コンデンサ。