JPH0113404Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はブツシング変流器に係り、特にコイル
をモールド成形してなる変流器を、ブツシングに
取付けた場合における防塵構造の改良に関するも
のである。

一般に、重電機器、とりわけガス絶縁縮小形開
閉器にあつては、密閉容器に真空しや断器などの
電気機器を絶縁ガスと共に収納してその引出導体
を有するブツシングに変流器を取付けることが多
い。そして、この種ガス絶縁縮小形開閉器は屋外
設置形の場合、風雨その他の自然又は人為的な環
境下にあるので、湿分、ガス、塩分などにより露
出部が腐食し易く、かつ又、塵埃等の付着が著し
くなる。そのため、例えば変流器から導出される
端子部が外部に露出していると塵埃が付着し、又
は発錆し、かつ腐食することがあつて変流器の検
出特性が低下する。そこで、変流器を、防湿、防
塵かつ気密の保護カバーにて被装することとして
いる。

従来におけるこの種のブツシング変流器を用い
たガス絶縁縮小形開閉器を第１図に基づいて説明
する。図において、１は絶縁ガスを封入する密閉
容器、２は密閉容器１内に収納した真空しや断器
などの電気機器、２ａはしや断器操作部、３は外
部に端子部３ａを有する引出導体、４はその引出
導体３を貫通するブツシング、５は碍子などの絶
縁筒、５ａは締付フランジである。６はブツシン
グ４と絶縁筒５間をシールするパツキンであり、
かつ、このパツキン６に密着して筒状の保護カバ
ー７がボルト７ａ（第２図）にて被冠せられ、こ
の保護カバー７内に変流器８が固定されている。
すなわち、第２図に示すように、ブツシング４の
外周部に環状板を溶接結合してなる取付座９を設
け、この取付座９にボルト１０又はネジにて環状
板からなる台板１１を同心円状に連結し、この台
板１１上にモールド成形したコイル体１２を載置
し、そのコイル体１２のモールド壁１２ａにボル
ト１３を螺入して脱落不能に固着する一方、前記
台板１１の外周縁と保護カバー７の内周面との間
を密閉するパツキン１４をボルト１４ａにて取付
けていた。この場合、パツキン１４の外周縁は保
護カバー７の内周面と密接している。一方、変流
器８の端子部８ａは、第１図に示すように、保護
カバー７の外部に密閉可能な端子室１５を突設し
て内蔵されている。

しかしてこのような従来のブツシング変流器に
よれば、部品点数が多く、その部品結合工数が多
くて組立作業が煩雑であり、またシール部が多く
てその作業の煩雑さもさることながら、十分なシ
ール機能を果し得ない不都合があつた。

そこで本考案は、ブツシング変流器の防塵構造
を改良せんとするもので、防塵、防湿及び気密性
を帯有することは勿論、部品点数の低減を図り、
かつ、組立工数やシール作業の煩雑さを解消せし
めたものである。

以下本考案を図示の実施例に基づいて説明す
る。

第３図は第２図に対応する構成を示し、同一部
分には同一符号を用いてその重複する説明を省略
する。

本考案において、変流器８はその外周部におけ
るモールド壁１２ａに環状又は欠円状に段部１６
が形成されている。また、取付座９のボルト１０
にて螺着するのは台板１１でなく、コイル体１２
のモールド壁１２ａが直接取付座９に連結され
る。モールド壁１２ａはモールド成形により加工
されるものであるから、このような段部１６や取
付座９の接合部１７を形成することは容易であ
る。そして、この段部１６と保護カバー７の内面
との間には、段部１６の近傍のモールド壁１２ａ
に密着する内周縁を備えた環状板からなるパツキ
ン１８を介設してある。このパツキン１８は第４
図Ａに示すように、内周縁部に形成したＵ字溝部
に鋼などの金属線からなる締付環１９を着脱自在
に設けてもよい。更に、このパツキン１８は、第
４図Ｂに示すように、締付環１９を内周縁部に埋
込み形成したパツキン１８と代えてもよい。これ
らのパツキン１８は共に、締付環１９にて内周縁
部が段部１６近傍のモールド壁１２ａに強く押圧
されて段部１６と密着し、また容易に脱落しない
ように固定される。

尚、上記段部１６は、第５図に示すように、前
記パツキン１８を嵌合できる溝２０に代えてもよ
い。この溝２０を形成する場合は、第５図Ａに示
すように、前記モールド壁１２ａに突設した段部
１６の直上部に溝２０を削設するも、或いは第５
図Ｂに示すように段部１６を形成しないで溝２０
を削設するも任意である。この溝２０は、パツキ
ン１８を埋込んで固定できるからシール性良好に
して、かつ、容易に脱落しないように固定でき
る。そして、パツキン１８の外周縁は保護カバー
７の内周面と弾性力にて密接し、ブツシング４の
外周壁と保護カバー７の内周面及び変流器８によ
り形成される内部空間を気密性、防湿及び防塵に
秀れるよう密封する。

以上記載したこの考案によれば、変流器８のモ
ールド壁１２ａの外周部に段部１６又は溝２０を
形成し、該段部１６又は溝２０と保護カバー７の
内面とに密接して固定されるパツキン１８を介設
したから、保護ケース７の内部が気密性、防湿及
び防塵に秀れることは勿論のこと、取付座９に直
接コイル体１２の一部を固着して台板１１を不要
として部品点数を低減させ、組立工数を軽減し、
またそれだけシール部の構成数が低減し、かつ、
気密性、防湿又は防塵機能を永年に亘り保持させ
ることができる。更に、パツキン１８は段部１６
又は溝２０に強固に保持されて脱落することはな
く、また容易に着脱しうるから、その取付位置高
さも段部１６又は溝２０の位置高さを変えること
により、任意に選定できる、等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のブツシング変流器を用いた重
電機器の一例を示す縦断面図、第２図は第１図Ａ
部の拡大図、第３図は本案例を示す要部縦断面
図、第４図Ａ，Ｂはパツキンの横断面図、第５図
Ａ，Ｂはコイル体の部分縦断面図である。 ７……保護カバー、８……変流器、１２ａ……
モールド壁、１６……段部、１８……パツキン、
２０……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 密閉容器内部に電気機器を収納してその引出導
   体を有するブツシングの外部に環状の取付座を介
   して変流器を取付けるとともに、該変流器を覆う
   如く保護カバーを被冠してなるものにおいて、前
   記変流器８のモールド壁１２ａの外周部に段部１
   ６又は溝２０を形成し、該段部１６又は溝２０と
   前記保護カバー７の内周面との間で両者に密接し
   うるパツキン１８を介設せしめて成ることを特徴
   とするブツシング変流器。