JP3358514B2 - ガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モールドブッシング - Google Patents

ガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モールドブッシング

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JP3358514B2
JP3358514B2 JP28927097A JP28927097A JP3358514B2 JP 3358514 B2 JP3358514 B2 JP 3358514B2 JP 28927097 A JP28927097 A JP 28927097A JP 28927097 A JP28927097 A JP 28927097A JP 3358514 B2 JP3358514 B2 JP 3358514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、SF6 ガスなど
の絶縁性ガスを封入したガス絶縁開閉器の貫通・気密ブ
ッシング部、特に電力ケーブル端末部を直結する地中配
電用ガス開閉器ブッシングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、図面を参照して従来のガス絶縁開
閉器の貫通・気密ブッシング部を説明する。図5は本件
出願人の先願である特願平5−175899号および特
願平6−17756号のモールドブッシングの構成を示
す一部分の断面図である。即ち、モールドブッシングは
棒状の中心導体8aと、その外周にモールド一体化され
たエポキシ樹脂部材8fからなり、該エポキシ樹脂部材
8fの外周で一体に張り出すフランジ部をガス開閉器の
ケーシング2にOリングのパッキング4を介して当てが
い、ねじの締め付けにより気密に取り付ける構成であ
る。このフランジ部の付け根に内周面に雌ねじを形成し
たリング状のインサート金具8dが、当該エポキシ樹脂
部材8fに一体的に埋め込まれて設けられており、この
インサート金具8dはその外周部分でエポキシ樹脂部材
8fにモールド一体化されると共に、エポキシ樹脂部材
8fのフランジ部に臨む部分でガス開閉器のケーシング
2を当接させる端面を形成している。
【0003】エポキシ樹脂部材8fには、フランジ部の
付け根に雄ねじを有するリング状で断面形状がL字状の
の押え金具9がねじ込まれるように凸部が形成され、こ
の形成された凸部の構成面とリング状の押え金具9およ
びインサート金具8dの内面とがブッシングの径方向
(図では上下方向)に積極的な空間を介して離間しあう
構造に形成されていた。
【0004】また、中心導体8aの両端部には、ケーブ
ル接続用のねじ8bおよびガス開閉器の母線接続用ねじ
8cをそれぞれ有し、エポキシ樹脂部材8fの外周には
テーパー形状のケーブル端末嵌合部8eを有している。
また、通電電流測定用電流変整器(以下、CTと称す)
6を装着する場合は、接地電位であるCTをCT固定用
金具7によりケーシング2にボルトで取り付け、中心導
体8aから十分な距離を取って固定するような構造も採
っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
構成されたモールドブッシングは、次のような問題点が
あった。 インサート金具8dとエポキシ樹脂部材8fの凹部と
の境界部分の電界が大きいため、SF6 ガス圧が低下時
の内絡電圧の規格値に対する裕度が少なくなっていた。
逆に、構造をコンパクト化するために、エポキシ樹脂部
材8fの凹部の構成面と押え金具9の内面およびインサ
ート金具8dの内面の空間を小さくすると内絡値が低下
するので、コンパクト化のためには改良する必要があっ
た。 CT取り付け構造において、CT6の端部と中心導体
8a間での内絡電圧の規格値に対する裕度が少なく、コ
ンパクト化するための有効な手段が必要であった。ま
た、CT6の固定方法についても構造が複雑であり、単
純化することが望まれていた。 ガスシールがOリングのパッキン4の1個によるシー
ルドであり、気密性能の向上のため、パッキンの二重化
が望まれていた。
【0006】この発明はこのような点に鑑みてなされた
もので、ガス開閉器の内絡電圧を向上させてコンパクト
化すること、また、ガス開閉器のガスシール性の向上を
図ること、さらに、ガス開閉器のCT取り付け構造の簡
略化を図り絶縁性能の補強を行うガス開閉器気密取付用
エポキシ樹脂モールドブッシングを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、エポキシ樹
脂などの熱硬化性樹脂絶縁体の中心部に中心導体を貫通
した状態でモールドし、その中心導体と同心円筒状に配
置されたブッシング固定用のインサート金具が上記熱硬
化性樹脂絶縁体のフランジ部の付け根に形成した凹部に
埋め込んで接着モールドされ、上記インサート金具の内
周には雌ねじが加工されており、上記インサート金具の
内周と熱硬化性樹脂との間にSF6ガスなどの絶縁性ガ
スを導入させるための空間を有するブッシングであっ
て、上記熱硬化性樹脂絶縁体のフランジ部に形成した凹
部の底を球形形状に成形したことを特徴とするガス開閉
器気密取付用エポキシ樹脂モールドブッシングである。
また、熱硬化性樹脂絶縁体に埋め込まれたインサート金
具の雌ねじ部と嵌合する雄ねじを外周に有する押え金具
において、内面および両端面にゴム弾性を有するモール
ド絶縁補強層をモールド一体化して被覆したガス開閉器
気密取付用エポキシ樹脂モールドブッシングである。
【0008】また、熱硬化性樹脂絶縁体のフランジ部に
形成した凹部の底の曲率半径R寸法より押え金具の先端
部のモールド補強部先端の曲率半径R寸法を小さく加工
し、ブッシング取付状態においてモールド補強部の先端
が熱硬化性樹脂絶縁体のフランジ部に形成した凹部の底
に圧着・密着させるガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂
モールドブッシングであり、また、押え金具の開閉器ケ
ースに対向する面にOリング用の挿入溝を加工したガス
開閉器気密取付用エポキシ樹脂モールドブッシングであ
り、さらに、押え金具を被覆したゴム弾性を有するモー
ルド絶縁補強層を伸長し、モールド絶縁補強層の外周に
電流変整器(CT)を取り付けて固定できるように溝を
形成したガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モールドブ
ッシングである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいてこの発明の
実施の形態を説明する。図1はこの発明の実施例のガス
開閉器気密取付用エポキシ樹脂モールドブッシングの構
成を示す上半部分を断面図とした側面図、図2は開閉器
ケーシングへの取付状態を示す説明図である。即ち、ブ
ッシング本体1は、中心導体1aの周囲にエポキシ樹脂
絶縁体1hを一体成形して形成したもので、その一部に
は開閉器ケーシング2の穴に取り付けるためのフランジ
部を形成しており、このフランジ部の付け根に形成され
た凹部の外周には雌ねじを有するインサート金具1dが
一体にモールド固定されていると共に、Oリング4を装
着するための溝が設けられている。
【0010】上記エポキシ樹脂絶縁体1hのフランジ部
を開閉器ケーシング2を挟んで環状で断面L字状の押え
金具3をOリング5を介して締め付け固定する。この押
え金具3の内面および両端面には、絶縁ゴムモールド補
強部材3aを接着モールドして形成され、ブッシング本
体1側の絶縁ゴムモールド補強部材3aの先端の曲率半
径Rb はエポキシ絶縁体1hのフランジ部の付け根に形
成した凹部の曲率半径Ra より小さく形成されている。
絶縁ゴムモールド補強部材3aはエポキシ樹脂絶縁体1
hとの間に絶縁ガスが入り込んで絶縁を高めるために空
間がある様に設計されている。この空間はまた押え金具
3を回転して締め付ける際に容易に作業できるように形
成されている。即ち、この空間がないと絶縁ゴムモール
ド補強部3aのゴム材とエポキシ樹脂絶縁体1hのエポ
キシ樹脂間の摩擦により締め付けが困難になるからであ
る。
【0011】中心導体1aの両端部には、ケーブル接続
用ねじ1bおよびガス開閉器母線接続用ねじ1cが加工
されて設けられ、図3の組立状態を示す説明図に示され
るようにケーブル端末部11の羽子板端子11aを所定
のボルトで締め付け固定すると共に、ガス開閉器母線1
0をボルトで締め付け固定した状態で使用される。ま
た、ブッシング本体1の外表面の一部はテーパー状に成
形されたケーブル端末嵌合部1eとなっており、ケーブ
ル端末部11の内側のテーパー状の絶縁嵌合面と組み合
わされて密着した状態で使用されることになる。
【0012】従って、Oリングを二重に設けることによ
りガス絶縁体によるシール性が格段に向上すると共に、
エポキシ樹脂絶縁体1hのフランジ部の付け根に設けた
凹部と押え金具3の絶縁補強部との間に絶縁ガスが導入
されるので内絡電圧の向上が図られ、コンパクト化が図
られる。
【0013】次に、図4に基づいてCT取付仕様の実施
例を示す。押え金具3の絶縁ゴムモールド補強部3eを
CT6を取り付けるため伸長させて上面に溝を形成し、
ここにCT6を収納するように形成する。従って、CT
6の取り付けが簡略化されると共に、絶縁補強を可能と
した。
【0014】上記実施例はいずれもガス開閉器を例とし
て説明したが、これはガス開閉器に限らず気体絶縁(空
気を含む)の導体貫通部の絶縁補強部手段として有効な
ことは明白である。また、片端はケーブル端末直結構造
とする必要がなく、気中ブッシングまたは絶縁電線と絶
縁カバーによるリード線引出方式としてもよい。また、
押え金具の絶縁補強部先端の曲率半径の大きさは、エポ
キシ樹脂絶縁体のフランジ部付け根の凹部の底の曲率半
径より若干小さい方が望ましいが、同一曲率半径に形成
しても効果は得られる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明のガス開
閉器気密取付用エポキシ樹脂モールドブッシングによれ
ば、絶縁ガスのシール性が格段に向上すると共に、ガス
開閉器の内絡電圧の向上が図られ、しかもコンパクト化
が図られる。その上CT取付構造の簡略化と絶縁補強が
なされた優れたガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モー
ルドブッシングが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モ
ールドブッシングの構成を示す上半部分を断面図とした
側面図、
【図2】本発明のガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モ
ールドブッシングの組立状態を示す拡大断面図、
【図3】本発明のガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モ
ールドブッシングにケーブル端末の取付状態を説明する
ための説明図、
【図4】変形例のガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モ
ールドブッシングの構成を示す上半部分を断面図、
【図5】先願のガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モー
ルドブッシングの構成を示す上半部分の断面図である。
【符号の説明】
1 ブッシング本体 1a 中心導体 1b ケーブル端末接続用ねじ 1c ガス開閉器母線接続用ねじ 1d インサート金具 1e ケーブル端末嵌合部 2 ガス開閉器ケーシング 3 押え金具 3a 絶縁ゴムモールド補強部 3b 絶縁ゴムモールド補強部先端 4,5 Oリング 6 CT 10 ガス開閉器母線 11 ケーブル端末 11a 羽子板端子 11b 絶縁嵌合面

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂絶縁体の
    中心部に中心導体を貫通した状態でモールドし、その中
    心導体と同心円筒状に配置されたブッシング固定用のイ
    ンサート金具が上記熱硬化性樹脂絶縁体のフランジ部の
    付け根に形成した凹部に埋め込んで接着モールドされ、
    上記インサート金具の内周には雌ねじが加工されてお
    り、上記インサート金具の内周と熱硬化性樹脂との間に
    SF6ガスなどの絶縁性ガスを導入させるための空間を
    有するブッシングであって、上記熱硬化性樹脂絶縁体の
    フランジ部に形成した凹部の底を球形形状に成形したこ
    とを特徴とするガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モー
    ルドブッシング。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂絶縁体に埋め込まれたイン
    サート金具の雌ねじ部と嵌合する雄ねじを外周に有する
    押え金具において、内面および両端面にゴム弾性を有す
    るモールド絶縁補強層をモールド一体化して被覆した請
    求項1記載のガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モール
    ドブッシング。
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂絶縁体のフランジ部に形成し
    た凹部の底の曲率半径R寸法より押え金具の先端部のモ
    ールド補強部先端の曲率半径R寸法を小さく加工し、ブ
    ッシング取付状態においてモールド補強部の先端が熱硬
    化性樹脂絶縁体のフランジ部に形成した凹部の底に圧着
    ・密着させる請求項1および請求項2記載のガス開閉器
    気密取付用エポキシ樹脂モールドブッシング。
  4. 【請求項4】 押え金具の開閉器ケースに対向する面に
    Oリング用の挿入溝を加工した請求項1〜請求項3記載
    のガス開閉器気密取付用エポキシ樹脂モールドブッシン
    グ。
  5. 【請求項5】 押え金具を被覆したゴム弾性を有するモ
    ールド絶縁補強層を伸長し、モールド絶縁補強層の外周
    に電流変整器(CT)を取り付けて固定できるように溝
    を形成した請求項1〜請求項4記載のガス開閉器気密取
    付用エポキシ樹脂モールドブッシング。
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