JPH0113058Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は一度開封したらその痕跡を留め、悪戯
したことを消費者が視認し得るカートンに関する
ものである。

＜従来の技術＞ 従来から医薬品や化粧品等を収納するカートン
にあつては毒物混入等の悪戯を防止する為に、箱
全体をセロハン等で包み込み、該セロハン等を除
去しなければ箱内の医薬品等を取り出すことが出
来ない様にして開封したことがわかる如くしてい
る。

又最近になつては、例えば実公昭52−23118号
公報に示す如く、開口縁の一部にミシン目による
開封線を穿設し、かつこの部分に封緘紙を貼着し
て開口部を封緘し、封緘紙を引き剥がして開口す
る際に封緘紙と共に開封線に囲まれた部分を必然
的に切断することよつて開封した痕跡を留める方
法も開発されている。

＜考案が解決しようとする課題＞ 然るに前者のセロハン等を用いて箱全体を包装
するもの及び後者の封緘紙を用いて開口部を封緘
するものはいずれも別の資材を使用して包装或い
は開口部を封緘する為に作業性が悪くコスト高に
なる等の問題があつた。

本考案に係るカートンは従来のこれ等の問題点
に鑑み開発された全く新規な技術に関するもので
ある。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、側板１、前板２、側板３、後板４を
左右に順に連設すると共に前記前後板２，４の上
下端に外蓋板６及び内蓋板７を夫々連設しかつ前
後板２，４のいずれか一方の上下端に連設した内
蓋板７の後板４に近い所定位置に打抜ａを穿設し
てその打抜ａの内側に封緘片９を形成してなり、
前記側板１と後板４の端部を接合して箱状にする
と共に前記内蓋板７を折り込み、該内蓋板７上に
外蓋板６を折り重ね、更に該外蓋板６上に内蓋板
７に設けられた封緘片９を貼着して構成してなる
悪戯防止カートンである。

＜作用＞ 本考案は上述の如く、内蓋板７に打抜ａを穿設
してその打抜ａの内側に封緘片９を形成したの
で、内蓋板７上に外蓋板６を折り重ねる際にこの
封緘片９を一旦外蓋板６の外方に出して、この封
緘片９を外蓋板６の表面に貼着するように構成し
たので、外蓋板６を内蓋板７より剥離する際には
それ以前に封緘片９を外蓋板６より剥離しなけれ
ばならず、これによつて開口部の改ざん作業を極
めて困難にし、悪戯を防止することが出来る。

＜実施例＞ 図により本考案に係るカートンの一実施例を具
体的に説明すると、第１図乃至第４図に於いて、
特に第２図のブランク板によつて明らかな如く、
左から側板１、前板２、側板３、後板４及び貼着
板５が順に連設され、前記前後板２，４の上下端
には外蓋板６及び内蓋板７が夫々連設され、更に
側板１，３の上下端には舌片８が連設されてい
る。また前記後板４の上下端に連設された内蓋板
７の略中央には底部が後板４に接する半円弧状打
抜ａが穿設されてその内側に封緘片９が形成さ
れ、前板２の上下端に連設された外蓋板６の略中
央には前記封緘片９を貼着したとき面一になる如
く半円板状にエンボス加工による凹部ｂが施され
ている。また前板２の所定位置には引き裂きジツ
パーｃが設けられていると共にこれと連続して側
板１，３にはミシン目線ｄが、更に後板４には横
折曲線ｅが設けられてブランク板が構成されてい
る。

上記の如く構成されたブランク板を組み立てる
場合について説明すると、貼着板５を側板１に貼
着し、次に第３図に示す如く上下の舌片８を折り
込むと共に内蓋板７を封緘片９を除いて折り曲
げ、次に前記内蓋板７上に外蓋板６を折り曲げ貼
着し、最後に封緘片９を該外蓋板６のエンボス加
工による凹部ｂ上に折り曲げ貼着して第１図に示
す如きカートンを組み立てることが出来る。

前記の如く構成されたカートンを使用した場合
の作用について説明すると、何者かが収納商品に
悪戯をしようとして蓋板６，７を開くためには第
４図に示す如く封緘片９を剥がさなければカート
ンを開くことが出来ない。しかし封緘片９は貼着
されている為に奇麗に剥がすことが出来ず、無理
に剥がすとその痕跡が外蓋板６上に残り、これに
よつて消費者は何者かが以前に開封したことを知
り得るものである。

また消費者が開封する場合は引き裂きジツパー
ｃを引き裂くことによつて開封すれば良く、或い
は該ジツパーｃによらず蓋板６，７から開封して
も良い。

尚、上記手段に於ける説明に於いて、外蓋板６
の一部にエンボス加工による凹部ｂを設けたが、
これは封緘片９を貼着したときに蓋部を面一にし
ナイフ等で剥がすことをより困難にする為である
が、該加工によつてエンボス加工による凹部ｂが
薄くなる為に封緘片９を剥がした痕跡がより残り
易いという効果もある。

本考案の他の実施例にあつては外蓋板６のエン
ボス加工による凹部ｂにハーフカツト部を形成す
ることによつて封緘片９を剥がした痕跡をより残
し易くすることも出来る。尤もこれらハーフカツ
ト部或いはエンボス加工による凹部ｂは設けなく
ても良く、更には内蓋板７と外蓋板６を相互に貼
着することなく単に封緘片９を外蓋板６に貼着す
るだけでも良いものである。

＜考案の効果＞ 本考案は上述の如く内蓋板の一部に打抜を設け
て封緘片を形成し、該封緘片を外蓋板に貼着する
如く構成した為に何者かが収納商品に悪戯をしよ
うとしても一度開封するとその痕跡が蓋板に残
り、消費者は悪戯されたものであることを確実に
視認することが出来る。また従来の如くセロハン
等で包む必要もなく、封緘片の構成は内蓋板に打
抜を設けて形成する為に構造簡単であり、更にブ
ランク板の紙取り効率も良い為にコスト的にも安
くすることが出来る等の特徴を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案に係るカートンの組
立説明図、第４図は封緘片を剥がす状態の説明図
である。 １，３は側板、２は前板、４は後板、６，７は
蓋板、９は封緘片、ａは打抜、ｂはエンボス加工
による凹部、ｃは引き裂きジツパーである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 側板１、前板２、側板３、後板４を左右に順
   に連設すると共に前記前後板２，４の上下端に
   外蓋板６及び内蓋板７を夫々連設しかつ前後板
   ２，４のいずれか一方の上下端に連設した内蓋
   板７の後板４に近い所定位置に打抜ａを穿設し
   てその打抜ａの内側に封緘片９を形成してな
   り、前記側板１と後板４の端部を接合して箱状
   にすると共に前記内蓋板７を折り込み、該内蓋
   板７上に外蓋板６を折り重ね、更に該外蓋板６
   上に内蓋板７に設けられた封緘片９を貼着して
   構成してなる悪戯防止カートン。 (2) 外蓋板６の封緘片９が貼着される部分にエン
   ボス加工による凹部ｂを構成したことを特徴と
   した実用新案登録請求の範囲第１項記載の悪戯
   防止カートン。 (3) 外蓋板６の封緘片９が貼着される部分にハー
   フカツト部分を構成したことを特徴とした実用
   新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載の悪
   戯防止カートン。 (4) 前板の所定位置に引き裂きジツパーｃを設け
   ると共に該ジツパーｃに連続して側板１，３に
   ミシン目線ｄを設け、更に後板４に横折曲線ｅ
   を設けたことを特徴としてなる実用新案登録請
   求の範囲第１項乃至第３項のいずれかに記載の
   悪戯防止カートン。