JPH0112619Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は防虫剤や防臭剤や防カビ剤などの薬
剤が含浸した含浸材を収納する薬剤容器に関する
ものである。

〔従来の技術および解決しようとする課題〕

従来、含浸材に防虫剤や防臭剤や防カビ剤など
の薬剤を含浸させたのちに、前記含浸材を収納す
る薬剤容器は種々存在しているが、いずれの薬剤
容器にあつても単に薬剤を含浸させた含浸材を収
納させておくだけの構造であつて、使用者は、た
とえば、洋服ダンスのパイプなどに薬剤容器の上
部のフツクなどを用いて吊り下げておき、これに
よつて薬剤容器の内部の含浸材に含浸した薬剤を
揮散して洋服ダンス内部に充満することで前記薬
剤の機能を発揮するようになつている。

しかしながら、前記のように使用したのち、含
浸材の内部にまだ薬剤が含浸されているか、ある
いは、すでに揮散してしまつたかは薬剤容器を見
ても判断することができず、したがつて、適切な
交換時期を知ることができないという問題点を有
していた。

この考案は前記のような従来のもののもつ間題
点を解決したものであつて、防虫剤等の薬剤の有
無を視覚的に認識できるようにして、適切な交換
時期を知ることのできる薬剤容器を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、この考案は、方
形状をなす一対の格子状の板材の下端どうしを枢
着して上端側を開閉可能とし、内部に薬剤を含浸
した含浸材を収納するとともに、一方の板材の上
端にフツクを設け、また、いずれか一方の板材の
格子状の部分の空所内に、昇華性物質を収納する
とともに、空所の前面および後面を通気性シート
で閉塞し、さらに、全体を不通気性シートで被覆
した手段を採用したものである。

〔作用〕

この考案は上記の手段を採用したことにより昇
華性物質の大きさによつて残存している薬剤の量
を知ることができるので、昇華性物質の有無によ
つて使用できるか否かを確実に判断することがで
きることとなる。

〔実施例〕

以下、図面に示すこの考案の実施例について説
明する。

第１図にはこの考案による薬剤容器が示されて
いて、内部に防虫剤、防臭剤、防カビ剤などの薬
剤が含浸した含浸材３が収納されている容器本体
１と、この容器本体１の上部に設けられて洋服ダ
ンスのパイプ等に引つ掛けられるフツク２とを有
し、このフツク２は容器本体１に一体あるいは着
脱可能に配設されている。

前記容器本体１は、方形状をなす一対の格子状
の板材の下端どうしを枢着して上端側を開閉可能
として内部に含浸材３を収納できるようになつて
おり、そして、容器本体１を形成する一方の板材
の格子状の部分の空所９には、たとえば、パラジ
クロールベンゾール、ナフタリン、あるいはイソ
プロピルトリオキサンなどの昇華性物質７である
インジケータ８が位置し、この空所９の前面側に
透明のシート４を、また、後面側にシート５をそ
れぞれ位置して前記昇華性物質７が落下するのを
防止する。

すなわち、上記のような容器本体(1)を構成する
板材のうちの一方のものの格子状の部分の空所９
と、昇華性物質７と、シート４，５との位置関係
を第３図に示し、前記容器本体１の空所９の内部
に昇華性物質７を位置し、空所９の前面側にシー
ト４が、また、後面側にシート５がそれぞれ設け
られている。

また、前記容器本体１の内部には、薬剤が含浸
した含浸材３が位置するとともに、全体が不通気
性シートで被覆されている。

なお、シート５に不通気性の剥離紙６を設けて
おけば、含浸された薬剤が昇華性物質７に滲み出
ることは防止できる。

つぎに前記のものの作用について説明する。

まず、薬剤容器の全体を被覆しているシートを
除去して内部に収納した含浸材３を空気に接触さ
せて、含浸した薬剤の揮散を開始させ、これと同
時に前記空所９内に位置する昇華性物質も空気に
接触させて昇華を開始させ、この状態で容器本体
１の上部に設けたフツク２を用いて洋服ダンスの
パイプ等に吊り下げて使用するものである。

したがつて、前記空所９内の昇華性物質７は空
気との接触によつて時間とともに第２図イ，ロ，
ハに示すようにその大きさを変化させ、所定時間
の経過後にはすべて昇華してしまうこととなる。

この場合、前記容器本体１に収納した含浸材３
の薬剤の揮散の状態と、昇華性物質７の昇華の状
態とを一致させてあるので、昇華性物質７が昇華
し終えた場合には含浸材３に含浸した薬剤の揮散
が終了するものであり、使用者はインジケータ８
である昇華性物質７の有無を視覚的に確認してお
くだけでよく、小さくなつた場合にはつぎのもの
の準備をしておけば良いこととなる。

〔考案の効果〕

この考案は前記のように構成したことにより、
容器本体をどのような状態、すなわち、正立や倒
立や水平状態に置いた場合であつても、確実に昇
華して昇華性物質を視覚的に認識することがで
き、しかも、容器本体の内部に収納した薬剤の揮
散の状態と昇華性物質の昇華の状態と一致させれ
ば昇華性物質の状態で薬効を認識することがで
き、また、容器本体を格子状の板材で形成したこ
とにより、昇華性物質の収納部を改めて作ること
なく格子状の部分の空所をそのまま使用すること
ができ、空所を通気性のシートで閉塞したことに
より、容器本体を被覆しているシートを開放して
薬剤の機能を発揮せると同時に昇華性物質の昇華
を開始しさせることができ、使用開始の作業が非
常に簡単であるとともに全体を安価に製造するこ
とができるなどのすぐれた効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による薬剤容器に示す概略全
体図、第２図イ，ロ，ハは昇華性物質の昇華の状
態を示す図、第３図は容器本体の格子状の部分の
拡大概略図である。 １……容器本体、２……フツク、３……含浸
材、４，５……シート、６……剥離紙、７……昇
華性物質、８……インジケータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方形状をなす一対の格子状の板材の下端どうし
   を枢着して上端側を開閉可能とし、内部に薬剤を
   含浸した含浸材を収納するとともに、一方の板材
   の上端にフツクを設け、また、いずれか一方の板
   材の格子状の部分の空所内に、昇華性物質を収納
   するとともに、空所の前面および後面を通気性シ
   ートで閉塞し、さらに、全体を不通気性シートで
   被覆したことを特徴とする薬剤容器。