JPH0112478Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスピーカユニツトのフレームに係り、
特に、アルミ板等に依り形成したフレーム構成部
品を組み付けて音質の選択を自由ならしめたもの
に関する。

従来のスピーカユニツトのフレームとしては例
えば第１図および第２図に示すものが広く知られ
ている。これはバツフル板に取り付けられるリン
グ状のフレームフランジ部１と、サポート部２
と、磁気回路などを取り付ける取付部３とを一体
的に形成したものであり、通常はこれらがアルミ
ニウムのダイカストで一体成形されている。な
お、各サポート部２間には振動板の背圧を逃がす
抜き孔４が形成されている。

しかるに、かかる従来のフレームにあつては金
型代が高く、しかもこれの内部損失が小さく、共
振鋭度Ｑ値が高いものであつた。すなわち、ダイ
カストの成形では、素材に高圧を負荷してフレー
ムを成形するものであり、内部損失が小さいもの
しか出来ず、そのＱ値を自由に選定したり変更し
たりすることが出来ないという問題があつた。し
たがつて、音質のコントロールも自由に行えない
という不便があつた。これに対し、フレームを板
金をプレスして得るものも諸々提供されているも
のの、その板金が薄いために、振動板を揺れるこ
とに依り、磁気回路もサポート部や取付部を介し
て伝達される振動に依つて揺れ、これが再び振動
板を揺らせて、忠実性のない音質を作ることとな
るという悪い結果をもたらしていた。

本考案はかかる従来の問題点に鑑みて成された
ものであり、特に、フレームフランジ部および磁
気回路等の取付部をプレス成形した板金にて形成
し、これらをプレス成形した同様の板金またはプ
レスまたはダイキヤスト等により形成され、フラ
ンジ部や取付部とＱ値を異にする異種材料で形成
したサポート部２にて連結一体化することに依
り、安価でしかも接着剤による介在あるいはサポ
ート部の材質を選択することにより内部損失を任
意に選べるスピーカユニツトのフレームを提供す
ることを目的とする。

以下に、本考案にかかるフレームの実施例につ
いて、図面を見ながら具体的に説明する。

第３図は例えばウーハ用フレームの一実施例を
示す縦断面図で、５はフレームフランジ部、６は
サポート部、７は取付部で、これらはプレス加工
に依り個別的に板金成形される。しかしながら、
フランジ部５及び取付部７は一枚の板金から同時
に打抜き可能であり、これらの成形コストが安く
なる。この板金としてアルミニウム板あるいは鉄
板が使用される。また、これらはフレームフラン
ジ部５と取付部７との間に、所定間隔離して複数
のサポート部６を介在するとともに、これらの各
接合面をねじ止めしたり、あるいは接着剤を塗布
して結合して、スピーカユニツトのフレーム８を
得る様になつている。

また、第４図はフレームの他の実施例を示す。
これが第３図に示すものと異るところは、複数の
サポート部６の一端を取付部の外周面に結合した
点であり、これに依りスコーカ等平形スピーカの
フレーム９を得る様に構成されている。なお、こ
の場合に於いても、上記結合部の結合方法とし
て、ボルト止め、接着剤に依る固着、溶接などが
採用される。さらに、第３図、第４図の実施例に
於いて、サポート部６としてアルミニウムの板金
以外の、異種金属の板金や異種材料の部材が任意
に選択して用いられ、これに依つてフレーム８，
９全体のＱ値をコントロールすることができる。
したがつて、スピーカボツクスなどに合わせた音
質の改善が行える。

第５図はフレームのさらに他の実施例を示す。
これは第３図に示すものと構成が略同一のウーハ
に係る。しかし、ここではアルミニウムの板金か
らなるサポート部２を、合成樹脂などの異種部材
からなるリング状の音質改善部材１０，１１を介
して、フレームフランジ部５および取付部７に接
着したフレーム１２となつている。これに依れ
ば、音質改善部材１０，１１自身の内部損失を利
用して、Ｑ値を下げることで、フレーム１２全体
のＱ値の低下に依る音質改善が図れる。

以上説明した如く、本考案は、バツフル板に取
り付けられる板金成形によつて形成されたフレー
ムフランジ部と、磁気回路等が取り付けられる板
金成形によつて形成された取付部と、上記フレー
ムフランジ部、取付部とは材料を異にする板金ま
たはその他の異種材料で形成され、上記フレーム
フランジ部と上記取付部との間を連結するサポー
ト部とから構成されてなるので、従来のものの如
くフレーム全体の金型成形を行う必要がないの
で、金型代が安価となるとともに、しかも内部損
失を任意に選んで音質改善が行えるスピーカユニ
ツトのフレームを、簡単な組み付けに依り容易に
得ることができ、大量生産性に富む。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のスピーカユニツト
のフレームを示す一部破断正面図および第１図の
Ａ−Ａ線に於ける縦断面図、第３図乃至第５図は
本考案にかかるスピーカユニツトのフレームを示
す縦断面図である。 ５……フレームフランジ部、６……サポート
部、７……取付部、８，９，１２……フレーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 バツフル板に取り付けられる板金成形によつて
   形成されたフレームフランジ部５と、 磁気回路等が取り付けられる板金成形によつて
   形成された取付部７と、 上記フレームフランジ部５、取付部７とは材料
   を異にする板金またはその他の異種材料で形成さ
   れ、上記フレームフランジ部５と上記取付部７と
   の間を連結するサポート部６と、 からなるスピーカユニツトのフレーム。