JPH0112395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円筒状定温発熱体の構造に関するもの
で、絶縁性に富んだ防水型で且つ製造しやすい構
造の定温発熱体を提供するものである。

従来の円筒状定温発熱体は、第１図に示すよう
に、円筒状正特性サーミスタ素体１の内周側壁お
よび外周側壁にそれぞれ電極２，３を設け、内側
リング状端子４および外側リング状端子５に押圧
凸部６および７を形成し、リング状端子４および
５にバネ作用を持たせ、正特性サーミスタ素体１
に圧着させた構造のものであつた。

このような構造の円筒状定温発熱体では、正特
性サーミスタ素体の内周および外周に電極形成を
施さなければならず、そのため製造装置、製造の
しやすさ、電極材料の種類等を考慮する必要があ
る。また発熱体の平面部はなんら構造上防水構造
が施されておらず、絶縁性、信頼性は今一つであ
つた。

円筒状正特性サーミスタの両平面に電極を設
け、端子を取り出したものもあるが、絶縁性、防
水性構造としての円筒形発熱体はなかつた。

本考案はこのような従来の欠点を除去すべく創
案されたものであり、以下本考案の一実施例を第
２図、第３図とともに説明する。

本考案の円筒状定温発熱体は図に示すように、
円筒状正特性サーミスタ素体８に両平面電極８
ａ，８ｂを形成し、これら電極８ａ，８ｂに各々
リード線９ａ，９ｂをハンダまたは導電性接着剤
１０ａ，１０ｂにより接続し、円筒穴を有する凹
状絶縁ケース１１に前記正特性サーミスタ素体８
を収納させ、いま一方の絶縁ケース１２と前記凹
状絶縁ケース１１の開口部を前記正特性サーミス
タ素体８をモールドする如く接合部を合せ、そし
て前記絶縁ケース１１，１２の接合部を適宜な手
段、例えば接着剤による接着、超音波または熱プ
レスによる溶着等で結合させたものである。１３
は絶縁性をさらに向上させるべく絶縁ケース１
１，１２内に充填された充填材である。

第４図の実施例は前記円筒状発熱体をさらに円
筒穴を有する凹状金属ケース１４に収納させたも
ので、凹状金属ケース１３を使用することにより
発熱体の表面温度分布を均一化にすることが可能
で、さらには第５図に示すようにこの凹状金属ケ
ース１４に取付可能な鍔部１４ａを設けることも
容易である。また、第２図の実施例の変形である
第６図で絶縁ケース１１または１２に取付可能な
手段を有する鍔部１１ａを設けた構造も可能であ
る。

以上のように、本考案の円筒状定温発熱体は正
特性サーミスタ素体を絶縁ケースで完全にモール
ドを施しているため、絶縁性に富み防水型構造で
あり、取付可能な手段を設けることも容易であ
る。また、金属ケースを使用すれば、発熱体の表
面温度分布をさらに均一化でき、さらには円筒状
サーミスタ素体の電極形成を平面に形成している
から、小さな円筒状から大きな形状の素体でも簡
単に製造できる。そして、端子取り出しも絶縁ケ
ースを二分割しており、電極に対し水平、垂直方
向のいずれにも任意に取り出し可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来における定温発熱体の断面図、第
２図は本考案に係る円筒状定温発熱体の一実施例
を示す断面図、第３図は同定温発熱体を構成する
円筒状正特性サーミスタ素体の斜視図、第４図〜
第６図はそれぞれ本考案の他の実施例を示す円筒
状定温発熱体の断面図である。 ８……円筒状正特性サーミスタ素体、８ａ，８
ｂ……平面電極、９ａ，９ｂ……リード線、１１
……凹状絶縁ケース、１２……他の絶縁ケース、
１４……凹状金属ケース。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 円筒状正特性サーミスタ素体の両平面電極に
   各々リード線を接続し、前記正特性サーミスタ
   素体を円筒穴を有する凹状絶縁ケースに収納
   し、前記凹状絶縁ケースの開口部と他の絶縁ケ
   ースを合せ、これら絶縁ケース接合部を適宜な
   手段により接合させてなる円筒状定温発熱体。 (2) ２つの絶縁ケースを円筒穴を有する凹状金属
   ケースに収納して構成した実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の円筒状定温発熱体。