JPH0112109Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は床上換気装置に係り、特に床板と同一
面上に設けられ屋内において操作できる床上換気
装置に関する。

一般に、家屋等の建物の下部、特にに布基礎を
施した場合の床下は密閉状態にあるため、湿気が
建物床下にこもり床板、フローリング材が腐らな
いように、床下換気孔（ガラリ）が多くの家屋に
設けられている。そして、床下換気孔が常に開口
していた場合には、冬場等、外気温が低くなつた
時には外の冷気が床下に入り込むことを防ぐため
第１図に示すように、開閉手段１を取付けた床下
換気装置２も使用されていた。

しかし、このような床下換気装置２にあつて
は、上記開閉手段１を屋外に出て操作しなければ
ならず煩雑である、という欠点があつた。

また、この種の床下換気装置２にあつては、床
下３の換気のみを目的としているため、屋内４の
換気を行なうための換気装置は別個に取付けなけ
ればならず、さらにこの種の床下換気装置２は、
建物の下部に複数の換気口が設けられているだけ
であるため、床下の空気の対流が充分に行なわれ
る場合が少ない、という欠点を有していた。

一方、床板と同一面に取付けられた床上換気装
置も、従来、使用されていたが、金属板に換気口
を穿設しただけのものであり、何ら開閉手段も設
けられておらず、常に外気が屋内に流入してしま
う、という欠点があつた。

この考案は、このような従来の欠点に鑑みなさ
れたものであつて、その目的とするところは、建
物の床下の空気の対流を充分に行なうことが可能
であると共に屋内の換気も床下からでき、そして
屋内においても歩行時の障害とならないように開
閉操作を行なうことができる床面に設けられた床
上換気装置を提供することにある。

かかる目的を達成するため、本考案にあつて
は、床板と同一面上に設けられ、スライド孔およ
び複数の小孔とが開設されている換気孔部材と、
この換気孔部材の裏面側に摺動可能に取付けら
れ、上記スライド孔に嵌り込む突起部が設けられ
ていると共に複数の小孔が開設されているスライ
ド換気板とからなり、上記スライド換気板の突起
部はその頭部が換気孔部材の上面より下方に位置
すると共に、頭部にはスライド孔の長手方向と直
交する方向に溝部が設けられ、上記突起部をスラ
イド孔内で移動させることによつてスライド換気
板を摺動させ、換気孔部材に開設された孔部とス
ライド換気板に開設された孔部とを連通させるこ
とにより、屋内の換気を床下から行なうように構
成されている。

以下、添付図面に示す実施例に基づき本考案を
詳細に説明する。

第２図に示すように、本実施例に係る床上換気
装置５は、床板と同一面上に設けられ、スライド
孔７と複数の小孔８とが開設されている換気孔部
材９と、上記換気孔部材９の裏面に取付けられ、
突起部１８が設けられていると共に複数の小孔１
１が開設されているスライド換気板１２とからな
る。本実施例においては、上記換気孔部材９はス
ライド換気板１２の幅の約２倍の幅に形成されて
おり、２枚のスライド換気板１２ａ，１２ｂが換
気孔部材９の裏面に取付けられるように構成され
ている。一方、第３図に示すように、換気孔部材
９は、その長手方向の両側には断面長方形からな
る箱状の取付部１３が設けられており、また、換
気孔部材９の幅方向の中央部には仕切板１４が長
手方向に沿つて設けられている。そして、上記箱
状の取付部１３の内側部と仕切板１４の両側部に
は、長手方向に沿つて突縁部１５，１６が設けら
れており、この突縁部１５，１６と換気孔部材本
体９′との間に上記スライド換気板１２の保持部
１７が形成されている。さらに、第２図に示すよ
うに、換気孔部材９とスライド換気板１２の双方
に開設されている小孔８，１１は、いづれも同一
の大きさの楕円形状に形成されており、かついず
れも、同一の間隔を置いて開設されている。ま
た、上記小孔８，１１の短軸方向の長さｌと夫々
の小孔８，１１の間の間隔l₁は同一に形成されて
いる。さらに、換気孔部材９の長手方向の一方の
端部には２つのスライド孔７が開設されている。
このスライド孔７は、その長軸が換気孔部材９の
長手方向に沿つて設けられた楕円形状の小孔から
なり、上記小孔８，１１の長軸とは直角方向に形
成されている。

一方、スライド換気板１２の長手方向の一方の
端部の幅方向中央部には突起部１８が設けられて
おり、この突起部１８は全体円筒状からなり、そ
の直径l₂は上記スライド孔７の短軸方向の幅と同
一に形成されている。また、この突起部１８の頭
部には、第５図及び第６図に示すようにスライド
換気板１２の長手方向と直角に溝部１９が設けら
れており、さらに、この突起部１８の高さl₄は換
気孔部材９の厚さl₅と同一に形成されている。

このようにして構成された床上換気装置５を使
用する場合には、先ず、換気孔部材９の裏面側に
形成された保持部１７にスライド換気板１２を差
し込み、突起部１８をスライド孔７に嵌め込む。
次に、第４図に示すように、屋内の床を形成する
床板６とこの換気孔部材９の上面とが同一面とな
るように床上換気装置５を、木ネジ等の手段によ
り取付、固定する。この場合、体育館等、大規模
家屋にあつては、この床上換気装置５を連設して
もよい。また、この床上換気装置５を取付けた場
合には、換気孔部材９が床板６の一部を形成する
ことになるが、上記スライド換気板１２の突起部
１８の高さl₄は換気孔部材本体９′の厚さl₅と同一
以下に形成されており、床面以上に突出すること
はなく、何ら、屋内での居住、歩行等に何ら妨げ
とはならない。

次に、この床上換気装置５を使用して屋内の換
気を行なう場合には、床面側から、ドライバ等の
適宜工具を上記スライド換気板１２に設けられた
突起部１８の上端部に形成された溝部１９に差し
込み長手方向へスライド換気板１２を摺動させ
る。このことにより、第５図に示すように、換気
孔部材９に開設された小孔８と、スライド換気板
１２に開設された小孔１１とが連通した状態とな
り、外気が導入されることにより屋内外の換気が
行なわれる。また、この床上換気装置５により発
生した空気の対流はその温度差により床上、床下
の間のみならず、床下の換気口を通じ、屋外の空
気との間にも発生することになる。

さらに、この換気作業を止める場合には、上記
した場合と同じ要領により、スライド換気板１２
を摺動させ、第６図に示すように、スライド換気
板１２により、換気孔部材９に開設された小孔８
を閉塞することにより行なう。尚、スライド換気
板１２の摺動のさせ方如何によつて、小孔８と小
孔１１との連通状態を調節できるため、換気調整
を行なうことが可能となる。

尚、本実施例においては、２枚のスライド換気
板を使用する場合を例に採り説明したが本実施例
に限定されない。また、本実施例においては、換
気孔部材及びスライド換気板に開設された小孔が
楕円形状からなる場合を例に採り説明したが本実
施例に限定されず、他の形状であつてもよい。

本考案は以上のような構成を有することから、
家屋の床下の空気の対流が充分に行なわれ、家屋
の床下部分は常に外気と同じ状態となるため、家
屋の基礎部分の木材等が腐蝕することがない。ま
た、換気を行なう場合は、スライド換気板の突起
部をスライド孔内で移動させるだけでよいので、
その操作がきわめて簡単である。また、全て屋内
において操作することにより、屋内、床下及び屋
外の換気が出来、従来のものとは異なり、屋外へ
出て床下の換気を行なう必要がないため、換気作
業がきわめて容易となる、という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の建物下部に設けられた換気装置
を示す断面図、第２図は本考案に係る床上換気装
置の一実施例を示す斜視図、第３図は本考案に係
る床上換気装置の一実施例に用いられる換気孔部
材を示す断面図、第４図は本考案に係る床上換気
装置の取付状態を示す断面図、第５図は本考案に
係る床上換気装置を使用して換気をしている状態
を示す説明図、第６図は本考案に係る床上換気装
置を使用せず、換気していない状態を示す説明図
である。 ６……床板、７……スライド孔、８，１１……
小孔、９……換気孔部材、１２……スライド換気
板、１８……突起部、l₅……床板部材の厚さ、１
９……溝部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 床板と同一面上に設けられ、スライド孔および
   複数の小孔とが開設されている換気孔部材と、こ
   の換気孔部材の裏面側に摺動可能に取付けられ、
   上記スライド孔に嵌り込む突起部が設けられてい
   ると共に複数の小孔が開設されているスライド換
   気板とからなり、 上記スライド換気板の突起部はその頭部が換気
   孔部材の上面より下方に位置すると共に、頭部に
   はスライド孔の長手方向と直交する方向に溝部が
   設けられ、 上記突起部をスライド孔内で移動させることに
   よつてスライド換気板を摺動させ、換気孔部材に
   開設された小孔とスライド換気板に開設された小
   孔とを連通させることにより、屋内の換気を行な
   うことを特徴とする床上換気装置。