JPH0111989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、スウイング形オイルレス・コンプ
レツサの改良に関し、更に詳しくは、ロータの軸
方向に位置をずらして１個又は２個以上の貫通孔
を穿設し、対称位置の２室を連通させる様にした
スウイング形オイルレス・コンプレツサに関す
る。

ピストン形コンプレツサとロータリ形コンプレ
ツサとの中間的なものとして、スウイング形オイ
ルレス・コンプレツサが提案されている。公知の
スウイング形コンプレツサは、その優れた構造か
らピストン形コンプレツサに比較し、寸法、重
量、設置スペイス等を極端に小さくすると共に騒
音、振動等も減らすことができる特徴がある。

そして従来のスウイング形オイルレス・コンプ
レツサは、第１図の通りシリンダ１内に同軸心的
に設けたロータ２０に２枚又は１枚の翼板形ベー
ン２１又は２２を固着し、該ロータを往復揺動さ
せてこれら翼板形ベーン２１又は２２を該シリン
ダ内で往復揺動させ、加圧した気体を吐出させる
構成となつている。

従つて気体の吸入口５が２個形成され、各吸入
口に夫々弁座が設けられ、吐出口２，３も２個形
成され、各吐出口にも夫々弁座を設けられてい
る。そのため集合管の複雑な構成となり部品数も
多くなる。

この考案は、ロータに位置を変えてベーンの反
対側に１個又は２個以上の貫通孔を形成して対称
位置の２室を連通させ、構成を簡単にし、シリン
ダ部の部品を減少させ、圧縮効率を上昇する複動
式スウイング形オイルレス・コンプレツサを提供
するものである。

本考案の実施例を図面について説明する。第
２，３図に於いて、外側にジヤケツト１７を有
し、内面仕上げをしたシリンダ１の内壁面に吐出
通路２，３と隣接して中心に向かつて狭くなる断
面扇形の弁座４を形成し、該弁座に吸入口５を形
成し、該吸入口から該弁座の側面６，６に吸入通
路７，８を形成して該シリンダ内と連通させ、こ
れら通路に弁押さえ１１，１１を介して弁９，１
０を夫々設ける。該シリンダの外側面で吐出通路
２，３に弁押させ１４，１４を介して吐出弁１
２，１３を設け、これに弁カバー１５を設ける。

弁座４と対称的にシリンダ１内壁に該弁座と対
称的な形状を有する隔壁ジヤケツト１６を設け、
該シリンダの外側に形成したジヤケツト１７と連
通できるように通路１８を形成する。従つて弁座
４の側面６，６と隔壁ジヤケツト１６の側面１
９，１９はシリンダ１内に対称的に配置される。

外側からの例えば４節機構等の揺動機構（図示
せず）により揺動されるロータ２０にはこれと１
体に２枚のベーン２１，２２を対称的に設け、各
先端にカーボン・シール２５を嵌着してシリンダ
１の内壁面とシールし、弁座４と隔壁ジヤケツト
１４の円弧状内壁面にカーボン・シール２５を
夫々設けてロータ２０とシールする。

ロータ２０の中心を通り、且つ軸方向に位置を
変えて１個又は２個以上の貫通孔２３，２４を穿
設し、これら貫通孔を介してベーン２１，２２の
反対側と連通する構成とする。

前述の構成を有するコンプレツサに於いて、揺
動機構によりロータ２０を駆動すれば、それと１
体のベーン２１，２２も往復揺動する。そして先
ず第３図の状態にあるロータ２０が往動すると、
吸入口５から吸入された気体は１方の通路７から
弁９を押しながらシリンダ１のＡ室と貫通孔２４
を経てＢ室とに導びかれ、同時にベーン２１の右
側の気体は貫通孔２３からＢ室を経てベーン２２
の左側の気体と共にこれらベーンと隔壁ジヤケツ
ト１６の側面１９等で圧縮され、通路８を閉鎖し
ながら吐出通路３から弁１３を押して吐出され
る。

次に第２図の状態からロータ２０が復動する
と、吸入口５から吸入された気体は１方の通路８
から弁１０を押しながらシリンダ１のＢ室と貫通
孔２３を経てＡ室とに導びかれ、同時にベーン２
２の右側の気体は貫通孔２４からＡ室を経てベー
ン２１の左側の気体と共にこれらベーンと隔壁ジ
ヤケツト１６の側面１９等で圧縮され、通路７を
閉鎖しながら吐出通路２から弁１２を押して吐出
される。

その際ロータ２０の貫通孔２２は弁座４のカー
ボン・シール２５と隔壁ジヤケツト１４のカーボ
ン・シール２５とにより閉鎖されるから未圧縮気
体との混合が防げる。

本考案のコンプレツサは、前述の通りロータ２
０に位置を変えて貫通孔２３，２４を有するので
弁座４、吸入口５とも１個となり、２個目の弁座
に相当する部材を隔壁ジヤケツト１６としたので
構成が簡単になり、製作も容易で、吐出気体の漏
れがなくなる。

又この考案によれば、前述の作用効果のほかに
気体の吸入口を従来の２個所から１個所に減ら
し、吸入弁座も２個から１個に半減し、吸入弁、
弁背板も半減し、ロータの貫通孔は吸入の際吸入
通路となり、吐出の際吐出通路ともなるので吐出
弁を半減し、該吐出弁が半減したので吐出弁座が
片側だけで間に合い、弁の取付部の体積を減少
し、該吐出弁座の加工が不要となつて加工費を低
減し、吐出弁カバーが片側不要となるので該カバ
ーの数量も半減し、該吐出弁カバーが１個となる
ので集合管が不要となり、部品数が減少し該集合
管の加工費が不要となり、吸入弁座も半減して隔
壁となるので弁座としての加工が不要となり、加
工費も減少し、該吐出弁座を廃止した部分をジヤ
ケツトとすることができる。

更に隔壁内もジヤケツトとすることができるの
でシリンダ冷却面積を大巾に増加して圧縮効率を
上昇し、該吐出口が半減したのでシリンダの所謂
隙間容積を減少して効率を上昇させ、該弁の数量
が半減したので弁からの漏洩量を半減して圧縮効
率を格段に向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、公知のスウイング形オイルレス・コ
ンプレツサの縦断面図、第２図は、ロータとベー
ンの往動が終了した状態を示す本考案に係るスウ
イング形オイルレス・コンプレツサの縦断面図、
第３図は、ロータとベーンの往動が終了した状態
を示し第２図のロータとベーンが対称位置にある
状態の縦断面図、第４図は、ロータとベーンが往
動中の状態を示す縦断面図である。 １……シリンダ、２，３……吐出通路、４……
弁座、５……吸入口、７，８……吸入通路、９，
１０，１２，１３……弁、１６……隔壁ジヤケツ
ト、１７……外側ジヤケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外側にジヤケツトを有し、内面仕上げされ、中
   心に対して一方側に一対の吐出通路を形成された
   シリンダと； 該シリンダの内壁面でこれら吐出通路に隣接し
   て形成され、中心に向つて狭くなり、且つ中心に
   吸入口と側面に該吸入口と連通する吸入通路とを
   有する断面扇形弁座と； 該シリンダの内壁面で、該扇形弁座と対称位置
   に設けられ、且つ該扇形弁座と対称的形状を有す
   る隔壁ジヤケツトと； 該隔壁ジヤケツトの円周内壁面で両隅に形成さ
   れ、且つ該外側ジヤケツトの通路と連通する通路
   と； 該扇形弁座のかなめ部と該扇形ジヤケツトのか
   なめ部の夫々の内面軸方向に形成された溝内に嵌
   合されたカーボン・シールと； 該扇形弁座の側面で各吸入通路に夫々弁押えを
   介して設けられた吸入弁と； 該シリンダの外側面でこれら吐出通路に弁押え
   を介して設けられた吐出弁と； 該吐出弁の外側に設けられた弁カバーと； 該シリンダの中心で該扇形弁座と該扇形ジヤケ
   ツトの両かなめ部にカーボン・シールを介して揺
   動自在に設けられ、先端のカーボン・シールを介
   して該シリンダ内壁面と摺動密閉自在に揺動する
   一対のベーンを有するロータと； 該ロータの中心を通り、且つ軸方向に位置をず
   らして１個又は２個以上穿設された貫通孔とを有
   し； 対応位置の２室を連通させる事を特徴とするス
   ウイング形オイルレス・コンプレツサ。