JPH0111624Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フアクシミリ、複写機、プリンター
および紙幣送り等の紙を確実に送るべく合成樹脂
製ハウジングの内周に一方向クラツチを有すると
共にすべり軸受部が形成され、ハウジング外周フ
ランジ間には弾力性にとむ送り部材が装着されて
いる給紙ローラに関する。

従来の給紙ローラは第１図に示す如く両端にフ
ランジ部２，２を形成したスチール製ハウジング
１の内側に一方向クラツチ３が組込まれ、外側に
は弾力性にとむゴムローラ４が装着されており、
そして前記一方向クラツチ３の両側には含油焼結
合金のすべり軸受５，５が嵌挿されてなる。

該給紙ローラのすべり軸受５，５にはシヤフト
（図示せず）が挿通され、該すべり軸受５，５を
介して給紙ローラが保持されている。

従つて、給紙ローラの空廻りするときに多少の
すべりラジアル荷重をすべり軸受が受ける。

ところが、該給紙ローラのハウジングは鋼材よ
り切削加工をへて両端フランジ部が形成されるた
め、その製作コストは比較的高くなり、製品のコ
スト高要因の１つになつている。

又、鋼製フランジを使用するため給紙ローラ自
体が重くなり、給紙ローラを組込む諸機械の軽量
化のニーズに適合しない欠点を有する。

本考案の技術的課題は、給紙ローラの軽量化に
対処すべくハウジングを可塑材料すなわちエンジ
ニヤリングプラスチツク材料にて射出成形すると
共に成形後の型抜きを容易にすべく左右フランジ
部が対峙しない位置、すなわち軸方向からみて円
周方向に重なり合うことのないように形成する。

上記技術的課題を解決する本考案の技術的構成
すなわち技術的手段は次の通りである。

一方向クラツチを内蔵する合成樹脂製ハウジン
グと、該合成樹脂製ハウジングの外周端部に軸方
向からみて円周方向に重なり合わない位置に形成
される外向き部分フランジと、前記合成樹脂製ハ
ウジングの内周には前記一方向クラツチを収容す
るクラツチ用中空部と、該クラツチ用中空部に隣
接する軸受用中空部と、前記合成樹脂製ハウジン
グの外向き部分フランジ間に装着されるゴム製送
り部材とから構成される一方向クラツチを内蔵し
た給紙ローラにある。

上記技術的手段により、給紙ローラの軽量化が
達成されると共にハウジングが合成樹脂材料を用
い、射出成形機等にて該ハウジングの端部にフラ
ンジが一体的に形成されるので、量産の増大に比
例してコストは低減する。

又、円筒形状ハウジングの端部に形成される略
扇形状フランジは軸方向からみて円周方向に重な
り合わない位置に形成されているので、金型の
雄、雌が軸方向に移動可能になり、製品を抜取る
ことが容易にできる本考案特有の効果を奏する。

又、該給紙ローラを支持するシヤフトはハウジ
ング内に収容される一方向クラツチの空回りのさ
いはハウジングの一方、若しくは左右に形成され
るすべり軸受部を介して適確に支持される機能を
有する。

以下図に基いて本考案の実施例について説明す
る。

第２図は本考案一方向クラツチを内蔵した給紙
ローラの縦断面図で、第３図は第２図より送り部
材と一方向クラツチを取除いたハウジングの斜視
図である。

１０はポリエステル、ナイロン、ポリイミド等
の如き合成樹脂材料を用いて成形した合成樹脂製
ハウジングで、該合成樹脂製ハウジング１０の端
部外周の向つて右側に外向き部分フランジ１１，
１２と左側に同じく外向き部分フランジ１３，１
４が一体的に形成され、又ハウジング１０の内周
には一方向クラツチ１５を収容することのできる
クラツチ用中空部１６が左右何れか一方の端部側
に形成され、該クラツチ用中空部１６に連続し、
かつ該クラツチ用中空部１６の内径よりも径小の
すべり軸受として機能を有するすべり軸受用中空
部１７が形成される。

前記左右の外向き部分フランジ１１，１２と１
３，１４は対峙しない位置すなわち軸方向よりみ
て円周方向に重なり合わないように形成される。
１８はゴム製若しくは合成樹脂製送り部材で前記
合成樹脂製ハウジング１０の両端部に形成された
外向き部分フランジ１１，１２と外向き部分フラ
ンジ１３，１４間に装着される。

１９はクラツチ用中空部１６の内周面に所要間
隔をおいて形成されたクリープ防止用凸部で、該
クリープ防止用凸部１９に一致する溝が一方向ク
ラツチ１５の外輪２０外周に形成される。

２１は複数のローラ２２を案内する一方向クラ
ツチ１５の保持器である。

前記一方向クラツチはハウジングの中空部に圧
入し組込まれる。

尚一方向クラツチの軸方向の動きを防止するた
めにストツプリング（図示せず）をハウジングの
端部に形成する周溝（図示せず）に嵌挿すること
もできる。

第４図乃至第７図は本考案一方向クラツチを内
蔵する合成樹脂製ハウジングの他の実施例で、前
記実施例と同一部品については同一符号を付して
その説明を省略する。

合成樹脂製ハウジング１０の外周に形成される
フランジ１１，１２とフランジ１３，１４の内、
フランジ１１，１２の内周方向端面に段部２３，
２３…がそれぞれ形成される。（第５図参照） ２５はハウジング１０のクラツチ用中空部１６
に嵌合する合成樹脂製係止部付きハウジングで、
該係止部付きハウジング２５の外周端部に外向き
部分フランジ２６，２７が一体的に形成され、該
外向き部分フランジ２６，２７の周方向端面に凸
部２８，２８…が形成される。

該外向き部分フランジ２６，２７は前記ハウジ
ング１０の外向き部分フランジ１１，１２に円周
方向で対応しない部分に位置するように形成され
る。

２９はすべり軸受用中空部１７と同一内径を有
し、すべり軸受用中空部でラジアルすべり軸受を
構成する。

従つて、ハウジング１０のクラツチ用中空部１
６に一方向クラツチ１５を圧入し、しかるのち係
止部付きハウジング２５を嵌込み、該ハウジング
２５のフランジ１１，１２間に係止部付きハウジ
ング２５のフランジ２６，２７を圧入し、凸部２
８，２８を段部２３，２３に掛止せしむる。

上記せる如く、本考案給紙ローラのハウジング
は合成樹脂材料をもつてフランジと一体成形する
ため、一方向クラツチ並びに送り部材の組込みが
比較的容易にでき、かつ給紙ローラの軽量化が可
能になつた。

第４図に示すようにハウジングの一方端部には
フランジが環状に形成されるため、送り部材の移
動を防ぎ給紙ローラの回転がスムーズになり、紙
送りが確実に行うことができる。

本考案における軸受用中空部の内径はクラツチ
用中空部の内径より小さいのがシヤフトを挿通す
る上からも好しいが、これに限定されるものでな
く、前記クラツチ用中空部の内径に等しいかある
いはそれよりも稍大きい径で形成されても作用効
果に何等差がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の給紙ローラの縦断面図、第２図
は本考案給紙ローラの縦断面図、第３図は本考案
給紙ローラーの要部合成樹脂製ハウジングの斜視
図、第４図は本考案給紙ローラの他の実施例の縦
断面図、第５図は第４図の合成樹脂製ハウジング
の斜視図、第６図は第５図の合成樹脂製ハウジン
グに嵌込まれる係止部付きハウジングの斜視図、
第７図はハウジングに係止部付きハウジングを嵌
込まれた状態を示す一部省略斜視図である。 １０……合成樹脂製ハウジング、１１，１２，
１３，１４……フランジ、１５……一方向クラツ
チ、１６……中空部、１７……すべり軸受部、２
５……係止部付きハウジング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一方向クラツチを内蔵する合成樹脂製ハウジ
   ング１０と、該合成樹脂製ハウジング１０の外
   周両端部に軸方向からみて円周方向に重なり合
   わない位置に形成される外向き部分フランジ１
   １，１２，１３，１４と、前記合成樹脂製ハウ
   ジング１０の内周には前記一方向クラツチを収
   容するクラツチ用中空部１６と、該クラツチ用
   中空部１６に隣接する軸受用中空部１７と、前
   記合成樹脂製ハウジング１０の外向き部分フラ
   ンジ１１，１２，１３，１４間に装着される送
   り部材１８とから構成されることを特徴とする
   一方向クラツチを内蔵した給紙ローラ。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の一方向
   クラツチを内蔵した給紙ローラにおいて、ハウ
   ジング１０の外周端部に形成される外向き部分
   フランジ１１，１２，１３，１４が略扇形であ
   るもの。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の一方向
   クラツチを内蔵した給紙ローラにおいて、軸受
   中空部１７がクラツチ用中空部１６に連続し、
   かつ該中空部の内径より径小であるもの。 (4) 実用新案登録請求の範囲第１記載の一方向ク
   ラツチを内蔵した給紙ローラにおいて、クラツ
   チ用中空部１６がハウジングの左右何れか一方
   の端部に形成されているもの。 (5) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の一方向
   クラツチを内蔵した給紙ローラにおいて、クラ
   ツチ用中空部１６がハウジングの略中央に形成
   されているもの。