JPH0111477Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 この考案は回転軸の両端に設けられ印字用紙を
送る印字機の紙送り装置に関する。

ロ 従来技術 ラインプリンター等の印字機には印字用紙の両
端に開口した送り孔と係合し印字用紙を送るため
の送り装置が具備されている。

この紙送り装置は、第１図に示すように断面四
角状の回転軸１に軸方向に移動可能に配置した一
対の支持体２，２と支持体２，２の先端に形成し
た斜面を有するカム部４と支持体２，２に遊嵌し
常にはスプリングＳの作用力によりカム部４を押
圧し支持体２を回転軸１に圧接するスプロケツト
５とより構成されている。そしてこの送り装置は
回転軸１の両端に設けてあり、スプロケツト５の
突起５ａが印字用紙の孔と係合して回転し印字用
紙を送るようになつている。そして用紙の幅が異
なるとスプロケツト５をスプリングＳに抗して右
方向に移動してスプロケツト５をカム部４から離
し、これによつて支持体２の回転軸１への挟止力
を解除してスプロケツト５の軸上の位置をづらし
用紙の幅に調節している。

しかしながら、この装置はスプリングＳにより
スプロケツトが右方向へ移動しやすくなり、この
ため支持体２と回転軸１との挟止力が緩みスプロ
ケツトが移動して印字用紙が送ることができない
事があるという欠点があつた。

ハ 考案の目的 この考案は、このような欠点に着目してなされ
たもので、その目的とするところは紙送り中でも
スプロケツトが移動せずしかも簡単にスプロケツ
トの回転軸上の位置を調節することのできる印字
機の紙送り装置を提供するにある。

ニ 実施例の構成 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。第２図、第３図において、１０は断面四
角形状の紙送り用の回転軸、１１は回転軸１０の
上Γ下面に軸方向に沿つて配置し一端に第１斜面
カム１１Ａ、他端に第１斜面カム１１Ａと同方向
に傾斜した第２斜面カム１１Ｂを形成した一対の
第１支持体である。

１２は第１支持体１１の回転軸１０に直交する
線分を中心として対称に回転軸１０の上下面に軸
方向に沿つて配置した第２支持体で、一端には第
２斜面カム１１Ｂと対向する第３斜面カム１２Ａ
他端には第４斜面カム１２Ｂが形成してある。

１３は軸受部１３Ａを第１支持体１１の第１斜
面カム１１Ａ及び第２支持体１２の第４斜面カム
１２Ｂ上に支持し周面に印字用紙の両縁に開口し
た送り孔と嵌合する複数の突起１３ａを設けたス
プロケツトである。

１６，１６は前記第２斜面カム１１Ｂ、第３斜
面カム１２Ａと対向するスプロケツト１３の筒周
壁に開口した長孔、１７はスプロケツト１３に遊
嵌した弾性部材よりなる環状リングでこの環状リ
ング１７の内周面には前記長孔１６，１６を通つ
て第２、第３斜面カム１１Ｂ，１２Ａと係合、離
隔する遮断カム１８，１８が固定支持してある。

そして、この遮断カム１８，１８は常には環状
リング１７の弾性復元力により第１，２支持体１
１，１２の第２、第３斜面カム１１Ｂ，１２Ａか
ら離隔しており、これによつて第１、第２支持体
１１，１２が軸方向に互いに近づき第１支持体１
１、第２支持体１２の第１、第４斜面カム１１
Ａ，１２Ｂがスプロケツト１３の軸受部１３Ａと
押圧接触すると共に、第１、第２支持体１１，１
２が回転軸１０方向に押圧挟止され、回転軸１０
を挟止してスプロケツト１３が回転軸１０と連動
する。

また、遮断カム１８，１８を環状リング１７の
弾性復元力に抗して押圧することにより遮断カム
１８，１８が第１、第２支持体１１，１２の第
２、第３斜面カム１１Ｂ，１２Ａに接触してこれ
を押圧し、これによつて第１、第２支持体１１，
１２が軸方向に互いに離隔し、第１支持体１１、
第２支持体１２の第１、第４斜面カム１１Ａ，１
２Ｂがスプロケツト１３及び筒状体１４と離れ、
又第１、第２支持体１１，１２の回転軸１０への
押圧挟止が解除され、スプロケツト１３と回転軸
１０との連動が解除される。

尚Ｓは常には第１支持体１１、第２支持体１２
を軸方向に近づけるように作用するスプリングで
ある。

ホ 実施例の作用 通常は第１、第２支持体１１，１２はスプリン
グＳによつて互いに軸方向に沿つて近づきこれに
よつて第１斜面カム１１Ａ、第４斜面カム１２Ｂ
がスプロケツト１３の軸受部１３Ａの周縁を押圧
している。このため第１、第２支持体１１，１２
は回転軸１０を挟止すると共にスプロケツト１３
の軸受部１３Ａと押圧接触し、回転軸１０の伝動
力をスプロケツト１３に伝えている。そしてスプ
ロケツト１３が回転中に右方向へ移動しようとす
ると右側の軸受部１３Ａの周縁が第４斜面カム１
２Ｂを更に強く押圧するため第２支持体１２と回
転軸１０との挟止力が強まりスプロケツト１３の
移動が阻止される。また左方向へ移動しようとし
ても同様にスプロケツト１３の左側の軸受部１３
Ａの周縁が第１斜面カム１１Ａを更に強く押圧す
るため第１支持体１１と回転軸１０との挟止力が
強まりスプロケツト１３の移動が阻止される。次
に、印字用紙を巾が異なつたものに変える時には
遮断カム１８，１８を環状リング１７の弾性復元
力に抗して押圧することにより遮断カム１８，１
８が第１、第２支持体１１，１２の第２、第３斜
面カム１１Ｂ，１２Ａに接触してこれを押圧しこ
れによつて第１、第２支持体１１，１２が軸方向
に互いに離隔し、第１支持体１１、第２支持体１
２の第１、第４斜面カム１１Ａ，１２Ｂがスプロ
ケツト１３及び筒状体１４と離れ、又第１、第２
支持体１１，１２の回転軸１０への押圧挟止が解
除されスプロケツト１３と回転軸１０との連動が
解除される。そして遮断カム１８，１８を押圧し
た状態でスプロケツト１３を軸方向に移動し印字
用紙の巾に調節し、遮断カム１８，１８の押圧操
作を解除すればスプロケツト１３は回転軸１０上
に回転軸１０と連動した状態で固定保持される。

以上述べたようにこの考案によれば、第１、第
２支持体に形成した第１、第４斜面カムにスプロ
ケツト及びこれに連結する筒状体を回動可能に支
持したのでスプロケツトは回転中において回転軸
方向に移動せず常に定位置を保持することができ
従つてスプロケツトの移動によつて移送中の印字
用紙に「しわ」が生じ印字が美麗に行なわれなか
つたり、印字用紙がスプロケツトからはずれたり
して印字用紙の送りが不可能になつたりするおそ
れを完全に防止することができるという効果を奏
する。

また、遮断カムの押圧操作だけでスプロケツト
を回転軸上の左右どちらの位置にも簡単に移動調
節することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の断面図、第２図はこの考案
に係る装置の斜視図、第３図は第２図に示す装置
の縦断面図である。 １１……第１支持体、１２……第２支持体、１
３……スプロケツト、Ｓ……スプリング、１８…
…遮断カム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 回転軸の周面に軸方向に沿つて配置し一端に第
   １斜面カムを他端に第２斜面カムを形成した第１
   支持体と、 回転軸の周面に軸方向に沿つて配置し、第２斜
   面カム側の一端に第３斜面カム、他端に第４針面
   カムを形成した第２支持体と、 第１支持体及び第２支持体の第１斜面カム、第
   ４斜面カムに軸受部を支持し周面に複数の突起を
   有するスプロケツトと、 常には第１支持体と第２支持体の第１、第４斜
   面カムをスプロケツトの軸受部に押圧し回転軸と
   スプロケツトを連結するように作用するスプリン
   グと、 常には第１、第２支持体の第２、第３斜面カム
   から離れ押圧操作により第２、第３斜面カムと接
   触し第１、第２支持体を軸方向に移動して第１、
   第４斜面カムのスプロケツトの軸受部への押圧を
   解除し回転軸とスプロケツトとの連結を解除する
   遮断カムと よりなる印字機の紙送り装置。