JPH01113309A

JPH01113309A - 抗カビ剤

Info

Publication number: JPH01113309A
Application number: JP27114087A
Authority: JP
Inventors: Atsuko Kishimoto; 岸本　篤子; Haruyuki Date; 伊達　晴行; Yasuhiro Saihara; 康弘才原; Koji Osada; 光司長田
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1987-10-27
Filing date: 1987-10-27
Publication date: 1989-05-02

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔技術分野〕この発明は、安全性が高く、また長期間効果の持続する
抗カビ剤に関する。

〔背景技術〕

従来、カビや細菌などの微生物による病気１食物の腐敗
、各種の工業材料の劣化などを防（ために、様々な防菌
防カビ剤の研究が行われてきている。このうち、重金属
化合物、ハロゲン化物、酸化剤、アルコール類、フェノ
ール類、界面活性剤などの殺菌剤は、抗菌スペクトルは
広いのであるが、毒性が高いという欠点かあ・る。また
、抗生物質は、細菌に対する作用スペクトルは極めて広
いのであるが、他の生物全体にとっては有毒物質である
。さらに、植物を蒸留することにより（−１１られる精
油は、抗菌スペクトルは広いものの、揮発性であるため
、効果を持続させることが難しい。

以上の観点から、安全性の点で問題がなく、効果も長期
間持続し、なおかつカビの生育を抑制する抗カビ剤が熱
望されており、これまでにいくつか提案されているが、
未だ充分に満足できるものは見い出されていないのが現
状である。

〔発明の目的〕

上記の事情に鑑み、この発明は、安全で、しかも効果が
長期間持続し、なおかつ抗カビ作用の優れた抗カビ剤を
提供することを目的とする。

〔発明の開示〕

以上の目的を達成するため、この発明者らは、天然の植
物からの抽出物のうち抗カビ作用を有するものをスクリ
ーニングしてきたが、クワ科イチジク属植物からの抽出
物が、安全性も高く、効果も長期間持続し、抗カビ作用
も優れていることを見出し、この発明を完成するに到っ
た。

すなわち、この発明は、クワ科イチジク屈植物からの抽
出物を有効成分とする抗カビ剤を要旨とするものである
。

以下、この発明にかかる抗カビ剤をさらに詳しく説明す
る。

この発明の抗カビ剤の有効成分を抽出するための出発原
料となるクワ科イチジク属植物としては、イチジク、オ
オヤマイチジク、ギランイヌビワ、ハマイヌビワ、ムク
イヌビワ、イヌビワ、ガジュマル、アコウ、オオバアコ
ウなどが挙げられる。これらの植物からの抽出物を得る
場合、主として葉部から抽出物を得るのが好ましい。こ
れらの中では、イチジク、イヌビワの葉部から抽出物を
得るのが最も好ましい。

上記植物からこの発明にかかる抗カビ剤用の抽出物を得
るには、上記植物を、水および／または親水性有機溶媒
の単独または２種以上の混合物で熱抽出すればよいが、
特にこれに限定されるわけではない。

上記親水性有機溶媒の例としては、メタノール、エタノ
ール、ｎ−プロパツール、イソプロパツール、ｎ−ブタ
ノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トンなどのケトン順などが挙げられるが、これらの中で
は、メタノールが望ましい。

抽出処理温度、抽出処理時間は、特に限定されないが、
３０〜８０℃で３〜１０時間処理するのが好ましい。

この発明にかかる抗カビ剤は、種々の成分により構成さ
れているが、各成分の協力作用によって抗カビ作用が得
られるものと考えられる。

この発明にかかる抗カビ剤は、Ｊ　Ｉ　５−Ｚ−２９１
１に規定されているアスペルギルス・ニゲル、アスペル
ギルス・テレウス、ペニシリウム・シトリナム、クラド
スポリウム・クラドスポリオイデス、ケｌ−ミウム・グ
ロブスム、フザリウム・プロリフエラーツムなどのカヒ
類の生育を抑制することができる。また、ペニシリウム
・フニクロスムにも同様の効果が期待される。

この発明にかかる抗カビ剤は、上記カビ類に対して充分
な抗カビ作用を有するためには、１〜１０ｗｔ％の濃度
で上記抽出物を含有するのが好ましい。

この発明にかかる抗カビ剤は、通常、溶液状態であるが
、ゲル状、ペースト状、あるいは、無機や有機の担体に
含浸させた系など、使用形態は、特に限定されない。

この発明にかかる抗カビ剤は、揮発性でないため、使用
初期に抗カビ効果があれば、その後、外部より菌が入っ
てくることはないので、効果が長期間（はとんど永久に
）持続する。

この発明にかかる抗カビ剤の安全性について調べたとこ
ろ、マウスの経口投与での急性毒性試験はＬＤ５０値が
Ｌｏｇ／ｋｇ以上を示し、家ウサギの皮膚−次刺激性試
験でも刺激反応がなしと認められた。

つぎに、この発明にかかる抗カビ剤について実施例に基
づいてさらに詳しく説明するが、この発明はこれらに限
定されるものではない。

（実施例１）イチジクの葉３０ｇを用い、メタノール２００献で熱抽
出を行った。抽出温度は５０°Ｃ１抽出時間は４時間で
あった。

滅菌溶解させたポテトデキストロース寒天培地（日永製
薬＠ｔＡ）２ｏｓｚをシャーレに添加後、培地に対して
１％、０．３３％、０．１％、０．０３３％の各濃度に
なるようにメタノールで適当に調整した上記抽出物を添
加、分散させた。

閑の接種は白金耳で線状塗布し、２８°Ｃ５９５％で１
週間培養し、菌の生育の有無を調べた。また、ブランク
としてメタノール単独の場合も調べた。

なお、供試菌株として、Ｊ　ｌ５−Ｚ−２９１１に規定
された次の６種のカビを用いた。

■アスペルギルス・ニゲル　ＦＥＲＭ　　Ｓ−１■アス
ペルギルス・テレウス　ＦＥＲＭ　　Ｓ−３■ペニシリ
ウム・シトリナム　Ｆ　Ｅ　ＲＭ　　Ｓ　−５■クラド
スポリウム・クラドスポリオイデスＦＥＲＭ　　Ｓ−８ ■ケトミウム・グロブスム　ＦＥＲＭ　　５−１ｌ■フ
ザリウム・プロリフエラーツムＦＥＲＭ　　５−１２その結果を第１表に示す。

第　　１　　表（注）−二生育せず＋ニブランクと比べて生育弱 −Ｉ＋ニブランクと同程度の生育（実施例２〜４）第２表に示した抽出材料、抽出溶媒（９０％（ｖ　／　
ｖ　）メタノール水溶液）、抽出温度および抽出時間で
、実施例１と同様にして熱処理を行った得られた各抽出
液について、実施例１に示した６種のカビに対し同様の
抗カビ作用の試験をした。ただし、培地に対する濃度は
０．５％とした。その結果を第３表に示す。

第３表（注）−二生育せず＋ニブランクと比べて生育弱（実施例５〜１１）抽出溶媒を第４表に示す溶媒に変えた他は、実施例１と
同様にして熱抽出を行った。

得られた抽出物を、実施例１と同様にして抗カビ作用を
調べたところ、実施例１と同様の結果が得られ、優れた
抗カビ作用を示すことがわかった第　　４　　表以上の結果から、この発明にかかる抗カビ剤が、上記６
種のカビ類のいずれに対しても優れた抗カビ作用を有す
ることがわかる。

〔発明の効果〕

この発明の抗カビ剤は、クワ科イチジク属植物からの抽
出物を有効成分とするので、安全性が優れ、作用が長期
間持続し、しかも抗カビ作用が優れている。

イを埋入　弁理士　　松　本　武　彦

Claims

【特許請求の範囲】

（１）クワ科イチジク属植物からの抽出物を有効成分と
する抗カビ剤。
（２）抽出物が、クワ科イチジク属植物を、水および／
または親水性有機溶媒の単独または２種以上の混合物で
熱抽出することにより得られたものである特許請求の範
囲第１項記載の抗カビ剤。
（３）親水性有機溶媒が、アルコール類およびケトン類
よりなる群から選ばれたものである特許請求の範囲第２
項記載の抗カビ剤。
（４）クワ科イチジク属植物が、イチジク、オオヤマイ
チジク、ギランイヌビワ、ハマイヌビワ、ムクイヌビワ
、イヌビワ、ガジュマル、アコウおよびオオバアコウよ
りなる群から選ばれたものである特許請求の範囲第１項
ないし第３項のいずれかに記載の抗カビ剤。