JPH0111051Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、衣服締結に用いるバンドのバツク
ルにおいて、特に模様を施した中央化粧板を回動
できるようにし、該化粧板に時計を取付けてバツ
クルを身体に装着したまゝで時に応じ化粧板を回
動させて時計を見易くしたバツクルの改良に関す
るものである。

〔従来の技術〕

バツクルの化粧板部分に時計を取付け、時刻監
視の用に供したものは既に知られている。しかし
そのような従来のものは、バツクルに時計が固定
的に取付けられていたために、その時計を見るの
に困難があつたのみならず、竜頭巻上げ操作もし
にくいという欠点があつた。

また、実公昭32−1733号公報には、内部に時計
が装着された前蓋をバツクル本体に回動自在に取
付けた時計付きのバンドについて記載されている
が、これは、通常の腕時計を前蓋内に収容するも
のであるため、時計の出し入れや時間調整、電池
の交換などを行う場合の取扱いが面倒であるばか
りでなく、各種形状の腕時計に共通に使用するこ
とが難しく、また、収容した腕時計ががたつき易
いなど、使用性が非常に悪いという欠点を有して
いた。しかも、ブロツク状をなすバツクル本体に
一定深さの凹部を設け、この凹部内に上記前蓋を
嵌合させるようにしているため、バツクル本体と
前蓋との厚さが加算されてバツクル全体の厚さが
非常に厚くなることが避けられず、且つ、時計の
ガラス面が凹部の底に当接して傷や破損を生じ易
い等の欠点も有していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上記従来の時計付きバツクルにおけ
る欠点を改善し、取扱いが簡単で使用性に勝れ、
しかも薄型でガラス面にきずが付くおそれのない
時計付きバツクルを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記課題を解決するため、本考案のバツクル
は、バンドの一端を固定する手段とバンドの自由
端を係止させる手段とを備えたループ状の金属製
枠主体の上辺と下辺との間に、裏面側に時計が嵌
め込まれ、且つ表面側に該時計の裏蓋を兼ねる表
面板が開閉自在に取付けられた化粧板を、前記下
辺に設けた切断部内に化粧板の一端を回動自在に
嵌合、支持させることにより、該化粧板の閉止状
態において主体部分が上辺と下辺との間の空間内
に嵌合するようにかけ渡し、該化粧板の自由端
は、枠主体の上辺にかぶさる溝によつて該上辺に
係脱自在とし、前記枠主体に、化粧板を前記時計
の読み取りが可能な開放位置に回動させたときに
該化粧板に当接して停止させる小片を突設したこ
とを特徴とするものである。

〔実施例〕

添付図面に示す実施例において、バツクルは、
だ円形等のループ状をなす枠主体１の裏側にバン
ドＡの端をかみ止めるかみ止め具２と、バンドの
自由端にあけた貫通孔に挿通係止する止ピン３を
備え、枠主体１のほゞ中央には上下方向にかけ渡
した化粧板４を取付けてできている。

化粧板４は、枠主体１の下辺１０を化粧板４の
巾に切断し、その切口の内面に突設した端軸１１
（点線図）を、化粧板下辺両側面にあけた挿通孔
に挿通係合して枠主体に取付けたもので、したが
つて該短軸１１を支点として第２図の如く回動さ
せることができる。そして、該化粧板は、それが
第１図に示す閉鎖位置にあるときは、その主体部
分が前記枠主体の上辺と下辺との間の空間内に嵌
合するようになつており、これによつて該化粧板
が枠主体と略同じ面内に位置し、該枠主体の前面
に大きく突出することがないため、バツクルを非
常に薄く形成することができる。

上記化粧板４の裏側には時計５が嵌め込まれ、
該時計５の裏蓋は、化粧板４の表面を飾る表面板
５０（第１図参照）によつて兼用され、それに適
宜模様５１が施されている。この表面板５０は、
それを化粧板４から取外せば時計５の内部機構が
露出し、またそれを取出すこともできるもので、
したがつて、そのように内部機構を露出させるこ
とにより、電池式時計の場合は電池の交換をはじ
めその他の補修、点検に、ぜんまい式機械時計の
場合はその機械の補修、点検の用に供することが
できる。

時計５の竜頭、押しボタン類５２は化粧板４の
側面に突出させ、かくして第２図の如く化粧板４
をバツクルの枠主体１から回動させた状態で時刻
確認又は時刻合わせなどの取扱いができるから、
バツクルを身体に装着したまゝでもその取扱いが
容易にできる特長がある。

化粧板４が枠主体１上をぐるぐる回らないよう
にするために、枠主体裏側に取付けたかみ止め具
２の支脚から小片２０を短軸１１と平行する方向
へ突設し、該小片２０で化粧板４が第２図の如く
開いた状態に停止できるようにしてある。またそ
のように停止した状態は、バツクルを身体に装着
したまゝで化粧板裏側にある時計５の時刻を読み
取ることができる。

化粧板４は、通常は第１図の如く枠主体１上に
かけ渡し状に閉じていて、身体に装着したときは
勿論、バンドを使用しないときでもあまりじやま
にならないようにするのが望ましく、このため化
粧板の上辺は、枠主体１の上辺にかぶさる溝５３
を持つており、該溝５３にはさらに小へこみ５４
があつて、該小へこみ５４に枠上辺に突設した小
突子１２が弾性的に落ち込み係止するようにして
ある。なお小突子１２は第２図に特に枠上辺の下
側に取付けた板ばね１３に取付けて、枠主体１を
貫通させ、その上端を枠上辺の上面に突出させた
例を示してあるが、このような機構を用いない
で、単に小突子を枠上辺の上面に突設するだけで
も化粧板４を閉じた状態に停止しておくことがで
きる。

化粧板４の表面板５０は、それを所望の模様５
１を施したものに交換できることは勿論である
が、枠主体１の下辺１０を枠主体１の強弾力に抗
し開いて短軸１１を化粧板４から取外せば、化粧
板４全体を異形態のものと交換できる特長があ
る。

〔考案の効果〕

上述した本考案のバツクルによれば、次に列挙
するような効果を期待することができる。

ａ 化粧板の裏面側に時計を嵌め込むと共に、化
粧板の表面側に該時計の裏蓋を兼ねる表面板を
開閉自在に取付けたので、部品の兼用により構
成部品数を減らして構造の簡略化と時計の薄肉
化とを図ることができ、しかも、上記表面板を
取外すだけで時計の内部機構を露出させること
ができるため、電池の交換や補修、点検等を非
常に容易に行うことができ、冒頭で述べた従来
例のように、時計を化粧板から取出し、更にそ
の裏蓋を取外すというような多重の手間をかけ
る必要がない。

ｂ 枠主体に、化粧板を開放位置に回動させたと
きに該化粧板に当接してそれを停止させる小片
を突設したので、該小片によつて化粧板が必要
以上に回動するのを確実に防止することができ
るばかりでなく、バツクルを身体に装着したま
までも、単に化粧板を上記小片に当接する位置
まで回動させるだけで、該化粧板を時計が見易
い角度に安定的に保持することができる。

ｃ 枠主体の下辺に設けた切断部内に化粧板の一
端を回動自在に嵌合、支持させると共に、化粧
板の自由端を枠主体の上辺にかぶさる溝によつ
て該上辺に係脱自在としたので、該化粧板の閉
止状態において該化粧板を上辺と下辺との間の
空間内に嵌合させて枠主体と略同じ面内に位置
させることができ、これにより、係止板が枠主
体の前面に大きく突出することを防いでバツク
ルを非常に薄く形成することができる。

ｄ 内側が空間となつたループ状の枠主体に化粧
板をかけ渡したので、該化粧板に取付けられた
時計のガラス面が該枠主体体と接触することが
なく、該ガラスが傷付いたり破損するようなこ
とがない。

ｅ 化粧板が枠主体の空間部分を横切るように取
付けられているので、該化粧板の側面に時計操
作用の竜頭や押ボタン等を突出させて取付ける
ことができ、時計操作が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案バツクルの斜視図、第２図は同
化粧板を開いた態様の斜視図である。 １……枠主体、２……かみ止め具、４……化粧
板、５……時計、１０……下辺、２０……小片、
５０……表面板、５３……溝、Ａ……バンド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バンドの一端を固定する手段とバンドの自由端
   を係止させる手段とを備えたループ状の金属製枠
   主体の上辺と下辺との間に、裏面側に時計が嵌め
   込まれ、且つ表面側に該時計の裏蓋を兼ねる表面
   板が開閉自在に取付けられた化粧板を、前記下辺
   に設けた切断部内に化粧板の一端を回動自在に嵌
   合、支持させることにより、該化粧板の閉止状態
   において主体部分が上辺と下辺との間の空間内に
   嵌合するようにかけ渡し、該化粧板の自由端は、
   枠主体の上辺にかぶさる溝によつて該上辺に係脱
   自在とし、前記枠主体に、化粧板を前記時計の読
   み取りが可能な開放位置に回動させたときに該化
   粧板に当接して停止させる小片を突設したことを
   特徴とするバツクル。