JPH01107415A - 細径電線コード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本発明は、カセットテープレコーダやラジオのイヤホー
ンコードあるいは電話コード等に使用される細径電線コ
ードに関し、特に細径で且つ破断強力が大きくしかもは
んだ付は時の作業性等も良好である細径電線コードに関
するものである。

【従来の技術】

イヤホーンコードに代表される細径電線コードに関して
は、その使用状態の特殊性に基づき細径であると共に高
強力であることが要求されており、外径、破断強力、伸
び等の物性について製品規格が定められている。その為
単に導体まわりに被覆を施したに過ぎない通常の電線構
造のコードでは満足し得る物性特に高強力を得ることが
できない。そこで例えばケブラー（商品名、デュポン社
製超高強力アラミド繊維）フィラメントあるいはポリエ
ステルフィラメントを芯糸としてそのまわりに細径銅集
合線を捲回して複合線を形成し、これを常法により塩化
ビニル樹脂等で被覆した細径電線コードが提案されてい
る。 ［発明が解決しようとする問題点］ ところで芯材としてケブラーフィラメントを使用する上
記細径電線コードにおいては、ケブラーフィラメントが
高強力・高弾性繊維である為フィラメントを細くしても
高強力を得ることができるという利点があり、コードの
細径化並びに破断強力の向上については満足できる結果
が得られている。しかるにケブラーフィラメントは熱溶
融性が乏しい為、該ケブラーフィラメント芯コードを機
器側の端子にはんだ付けするに当た９ては芯材が溶融し
ないので、導線端末部の中心位置からケブラーフィラメ
ントが突出するという事態が発生し、はんだ付は性が阻
害され、その結果はんだ付は部に接触不良が起こり易い
という欠点があった。一方芯材としてポリエステルフィ
ラメントを使用した前記細径電線コードについては、ポ
リエステルフィラメントが熱溶融性を有する為はんだ付
は時の熱によってポリエステルフィラメント芯も溶融し
良好なはんだ付けを行なうことができる。しかるにポリ
エステルフィラメントはケブラーフィラメントに比べる
とフィラメントとしての強度が低い為、必要とする破断
強力のコードを製造するにはケブラーフィラメントを使
用した時よりも太デニールのフィラメントを使用しなけ
ればならずコード全体が太くなって細径化の要請に答え
ることができないという欠点が発生する。 そこで本発明者等は、細径電線コードにおける前記課題
、即ちはんだ付は性の改善、コードの細径化並びに高強
力化という課題を同時に満足し得る様な細径電線コード
を提供すべく検討を重ね、先に特許出願した（特願昭６
２−６５２３）。 即ち上記先願の細径電線コードは、高強力・高弾性ポリ
オレフィンフィラメントを芯部フィラメントとして使用
するものであって、高強力・高弾性ポリオレフィンフィ
ラメントがケブラーフィラメントに匹敵する強力及び弾
性を有すると同時に熱溶融性である為、はんだ付は性の
改善を含めた前記課題を一挙に解決することができるも
のであった。 この様に先願の細径電線コードは優れた性能を有するも
のであるが、実用化してみるとここに新たな問題の存在
することが分かった。 即ち先願細径電線コードにおいては、コードにかなり大
きな強力が加わっても芯部フィラメントが高強力である
為コード自体が断線することはないが、通電体である銅
線が芯部フィラメントの回りを滑って引伸され、該銅線
だけが断線して電気的導通の遮断が起こることがあった
。かかる電気的導通遮断の問題は強力やはんだ付は性の
問題と共に細径電線コードにとって致命的な欠陥であり
、現実の電気的導通の遮断は破断強力の規格値限界に近
い強力が加わらない限り起こることがないとはいえ、解
決すべき課題であることには違いない。 本発明はこうした事情に着目してなされたものであって
、はんだ付は性、コード細径化並びに高掻力化に対応し
得ると共に、強力負荷時にも電気的導通の遮断を招くこ
とがない様な細径電線コードを１是供しようとするもの
である。 ［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成した本発明の細径電線コードは、高強力
フィラメントを芯部として該芯部の外周に細径銅線が捲
回され、更にそのまわりが熱可塑性樹脂で被覆されてな
る細径電線コードにおいて、前記高強力フィラメントが
高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントであり、該
高強力・高弾性ポオレフィンフィラメントと前記該細径
銅線間の静摩擦係数（以下μＳという）が０，２以上で
ある点に要旨を有するものである。 ここでμＳを０．２以上にする為の具体的構成としては
、例えば芯部フィラメント及び／又は細径銅線に樹脂被
覆を施した細石電線があげられるが、このとき高強力・
高弾性ポリオレフィンフィラメントだけでなく細径銅線
もポリウレタン樹脂やその他の樹脂で被覆されている場
合には、μＳは該樹脂被覆した細径銅線と樹脂被覆され
た高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントとの間の
μＳを指すものとする。 ［作用］ 本発明細径電線コードにおける芯部フィラメントは、芯
部フィラメントの周囲を捲回する銅線を機器側の端子に
はんだ付けする際に接続端芯部が速やかに溶融し、はん
だ付は性並びにはんだ付は部の健全性を阻害することが
ない様なものでなければならず、その為には芯部フィラ
メントが熱溶融性であることが不可欠である。しかもイ
ヤホーンコード等の用途では前述の通り外、径が規制さ
れ且つ一定以上の破断強力が要求されるので結局のとこ
ろ細径でも高い破断強力を示し、且つ熱溶融性を示すフ
ィラメントが必要となる。本発明においてはこうした要
請を満足する芯部フィラメントとして高強力・高弾性ポ
リオレフィンフィラメントを使用する。該ポリオレフィ
ンフィラメントにおけるポリオレフィンとしては特に制
限はないが、最も好ましいのはポリエチレン及びポリプ
ロピレンであり、中でも超高分子量ポリエチレンを用い
た場合に最も優れた特性を得ることができる。 本発明に係る高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメン
トの太さについては特に制限を設けるものではないが、
該高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントを芯材と
して使用したコードの外径に制約があるので要はコード
を構成する熱可塑性樹脂被覆層厚並びに銅線捲回層厚を
考慮して高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントの
太さを決定すればよい０例えばイヤホーンコードの場合
には製品規格としてコード径がｌｌｌ１１以下であるこ
とが要請されているので、コード径が１ｍｍのときの標
準的な熱可塑性樹脂被覆層厚（０，３０ｍａ＋）及び標
準的な銅線捲回層厚（０，０６−ｍ）を考慮すると、芯
部となる高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントの
太さは直径で、 １−　　（ｏ、３ｏ＋ｏ、ｏ６）ｘ　２−０．２８ａｍ
となる。これらの要求性能にこたえる本発明の細径電線
コードをイヤホーンコードとして使用するときは、芯部
となる高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントの総
デニール（ｄ）は５５０デニール以下、より好ましくは
３００デニール以下とすることが望ましい。尚高強力・
高弾性ポリオレフィンフィラメントは１本あるいは２本
以上のいずれであってもよく要は総デニールが５５０デ
ニール以下であればよい。但し可撓性を高める上からは
多数本の高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントを
束ねて総デニールが５５０デニール以下となる様にする
ことが望まれる。又総デニール（ｄ）が５５０デニール
を超える場合には芯部フィラメントの太さが０．２８ｍ
ｍを超える為イヤホーンコードの外径が［■より太くな
り、規格を満足できなくなる。他方高強力・高弾性ポリ
オレフィンフィラメントの総デニール（ｄ）の下限につ
いては特に制限はないが、１５０デニール、好ましくは
２５０デニ一ル以上が望ましい、即ち芯部となる高強度
・高弾性ポリオレフィンフィラメントには、銅線巻付工
程においである程度の張力をかける必要があり、また張
力をかけなければ均一な銅線巻付ができなくなる。とこ
ろが該張力が高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメン
トの弾性回復の範囲を超える場合、高強力・高弾性ポリ
オレフィンフィラメントに歪（ヒステリシス）が残りて
しまい銅線の巻上状態の不均一な部分が発生する。しか
ながら、銅線巻付工程では高強力・高弾性ポリオレフィ
ンフィラメントにかかる張力をあまり低くできないので
、高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントか細すぎ
る場合は最低限の張力でもヒステリシスが残り、銅線の
不拘−壱部が生じることとなる。即ち、高強力・高弾性
ポリオレフィンフィラメントの総デニールはヒステリシ
スを起こさないだけの太さが必要であり、こうした理由
から高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントの前記
下限が決定される。即ち破断強度が３０ｇ／デニール程
度の高強力ポリエチレン繊維の場合は総デニール数の下
限は１５０デニールであり、より好ましくは２５０デニ
ールである。尚デニール当たりの強力（即ち強度）が高
くなる程総デニールの下限は小さくてもよい。 一方高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントの破断
強度Ｔ（ｇ／ｄ）については、総デニールとの関係から
全体の破断強力が細径電線コードに所定の破断強力を与
えるものであればよいが、例えばイヤホーンコードの場
合コードに要求される破断強力は３５００ｇ以上（コー
ド径が１ｍｍ以下）であるので芯部高強力・高弾性ポリ
オレフィンフィラメントの総デニール（ｄ）との関係か
ら下式が成立する。 ｄ　Ｘ　Ｏ，８７Ｔ≧３５００　Ｃｇ）ｄＴ≧４０００
　（ｇ） （但し０．８７はコード中での芯部フィラメントの強力
利用率） となる。 即ちイヤホーンコードの場合はコード強力ｄＴが４００
０ｇ以上となる様に破断強度（Ｔ）を設計すればよい、
尚ｄＴが４０００ｇ未満の場合は上記説明から明らかな
様にイヤホーンコードの破断強力が３５００ｇ未満とな
って規格を満足することかで鎗ない、又ｄＴは４０００
ｇ以上であればよいが、高強力・高弾性ポリオレフィン
フィラメントの総デニールが３００デニ一ル未満のと籾
はｄＴは５０００ｇ以上であることが望ましく、該総デ
ニールが２００デニ一ル未満のときはｄＴは６０００ｇ
以上とすることが望まれる。 次に高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントと細径
銅線の間のμＳについては０．２０、より好ましくは０
．２３以上とする必要がある。即ち銅線（樹脂被覆され
ていてもよい）と高強力・高弾性ポリオレフィンフィラ
メントとのμＳが０．２以下の場合にあってはコードに
高張力が加わったときに該巻回銅線が該高強力・高弾性
ポリオレフィンフィラメント上で滑るために、芯部の該
高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントが細径電線
コードの補強材の役目を果さず、銅線に張力が作用して
銅線の切断（断線）が起こる。０．２以上のμＳは上記
滑りを防止する要件であフて該高強力・高弾性ポリオレ
フィンフィラメント又は細径銅線を例えば樹脂で被覆す
ることにより達成することができ、双方をポリウレタン
樹脂等で被覆することで達成できる。又銅線の滑りをよ
り確実に防止するには、μＳが０．２３以上であること
がより好ましい、ここで高強力・高弾性ポリオレフィン
フィラメント又は細径銅線を被覆する樹脂は、摩擦係数
の高い樹脂であれば特に制限がなく、熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等が例示される。かかる
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリスルホン。 ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド
、ポリフェニレンサルファイド等をあげる事ができるが
、融点が１５０℃以下の樹脂が好ましい、一方硬化性樹
脂の異体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ボッウレタ
ン樹脂等をあげることができる。かかる硬化性樹脂も、
１５０℃以下で硬化できるものが好ましい。 ［実施例］　　′ 第１表に示す様に、芯部フィラメントとして高強力・高
弾性ポリエチレンフィラメント、ケブラー２９フイラメ
ント、ポリエステルフィラメントを夫々使用し、その上
に銅線を捲回して複合導線とした後樹脂被覆を施してイ
ヤホーンコードを製造した。得られたイヤホーンコード
について夫々はんだ付は性、コード径等を評価した。尚
芯部フィラメントはコードの破断強力が規格を満足する
様な太さに調整した。又高強力・高弾性ポリエチレンに
ついては、樹脂被覆なしのもの他、（＾）室温硬化エポ
キシ樹脂、（Ｂ）熱硬化性ポリウレタン樹脂で夫々被覆
したものを用意した。 第　　１　　表 第１表に示す様にケブラー２９フイラメントを芯部フィ
ラメントとして使用した場合には、複合導線に十分な破
断強力を付与するのに必要な芯部フィラメントの総デニ
ールは２００デニールで十分であり、複合導線径も１９
５μｍを示し規格を満足した。又銅線とケブラー２９フ
イラメントとの滑りもなかった。しかしながらケブラー
２９フイラメントは熱溶融性が乏しい為はんだ付は時に
芯部フィラメントが突出し、はんだ付は不良が多発した
。一方ポリエステルフィラメントを芯部フィラメントと
して使用した場合には、十分な破断強力を得る為に総デ
ニールが７５０デニールの芯部フィラメントが必要とな
り、その結果複合導線が３４０μｍと規格を超えてしま
った。そしてイヤホーンコードとしての直径も１　、１
０ｍｍとなり規格を満足することができなかった。但し
銅線とポリエステルフィラメント間の滑りは問題なかっ
た。 これらに対し、高強力・高弾性ポリエチレンフィラメン
トを使用した本発明イヤホーンコードははんだ付は性も
良好で規格を十分に満足し、銅線と高強力・高弾性ポリ
エチレンフィラメント間の滑りも（Ａ）室温硬化エポキ
シ樹脂被覆（Ｂ）熱硬化性ポリウレタン樹脂被覆したも
のは良好であったが、被覆なしのものは銅線がスリップ
して切断した。 ［発明の効果］ 本発明は以上の様に構成されており、下記の効果を得る
ことができる。 （１）細径で且つ高強力の電線コードを得ることができ
る。 （２）機器側の端子等とのはんだ付は時、はんだの熱に
より芯部フィラメントである高強力・高弾性ポリオレフ
ィンフィラメントが溶融する為良好なはんだ付は性を得
ることができる。特にケブラーフィラメントを使用した
場合の様にはんだ付けの障害となるフィラメント端部を
はさみで切除する必要がなく、はんだ付は工程の作業性
が向上する。 （３）銅線と芯部フィラメント間の滑りが少なく、コー
ドに高強力が加わっても銅線が切断することがないので
、電気的導通を確保することができる。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントを芯
   部として該芯部の外周に細径銅線が捲回され、更にその
   まわりが熱可塑性樹脂で被覆されてなる細径電線コード
   において、 前記芯部フィラメントと細径銅線間の静摩擦係数が０．
   ２０以上であることを特徴とする細径電線コード。
2. （２）高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントが樹
   脂被覆されてなる特許請求の範囲第１項に記載のの細径
   電線コード。
3. （３）細径銅線が樹脂被覆されてなる特許請求の範囲第
   １又は２項に記載の細径電線コード。
4. （４）高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントの総
   デニール（ｄ）が １５０≦ｄ≦５５０ である特許請求の範囲第１〜３項のいずれかに記載の細
   径電線コード。
5. （５）高強力・高弾性ポリオレフィンフィラメントの破
   断強度をＴ（ｇ／ｄ）としたときの強力（ｇ）が ｄ×Ｔ≧４０００ｇ である特許請求の範囲第１〜４項のいずれかに記載の細
   径電線コード。