JPH01106825A - 血液保存液組成物 - Google Patents

血液保存液組成物

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JPH01106825A
JPH01106825A JP62263694A JP26369487A JPH01106825A JP H01106825 A JPH01106825 A JP H01106825A JP 62263694 A JP62263694 A JP 62263694A JP 26369487 A JP26369487 A JP 26369487A JP H01106825 A JPH01106825 A JP H01106825A
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JP
Japan
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ether
blood
preservation solution
blood preservation
solution composition
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Application number
JP62263694A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nagai
永井 博史
Yoshiki Kubota
窪田 好記
Yoko Tamura
容子 田村
Akio Kimura
昭雄 木村
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Terumo Corp
Kao Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は血液保存液組成物に関するものである。
詳しく述べると本発明は特に赤血球の保存性に優れる安
全性の高い血液保存液組成物に関するものである。
(従来の技術) 血液は流出してから10〜20分以内に凝固が明瞭にな
る。この除土じる血餅はフィブリノーゲンがフィブリン
へと転換するまでの一連の化学反応の最終産物である。
フィブリンは相互に連結し、その過程で血餅中には赤血
球が捕捉される。従って、輸血用の血液は液状のままで
あるように、正常の唾液凝固反応を阻止する方法を講じ
つつ採血されなければならず、従来、採血された血液に
血液保存液として抗凝固液を添加することが行なわれて
いる。今日使用されている抗凝固液は、凝固の過程で重
要な因子であるカルシウムを結合して凝固を阻止するも
のである。
ところで、このようにして採血された血液は、必要に応
じて成分分離された後、使用に供するまで血液バッグ等
に入れられて保存されるが、全血もしくは赤血球濃厚液
(CRC)などの成分血液を長期間保存すると、赤血球
膜が破壊されヘモグロビンが外界に遊離するいわゆる溶
血現象が生じる。溶血の生じる主な要因としては、血液
中のイオン組成の差から生じる浸透圧の変化、ヘモグロ
ビンなどのタンパク質成分によるコロイド浸透圧の差異
、赤血球の膜タンパク質および脂質の変化、Na+やに
+の能動輸送の障害、薬剤や毒物の作用などが挙げられ
るが、最も重要な要因は使用される抗凝固液にある。こ
のため、従来より抗凝固液の改良に多くの努力が費やさ
れ、今日使用されているすべての抗凝固液は、抗凝固作
用を有すると共に赤血球保護作用を有するものとされて
いる。
しかしながら、このような抗凝固液における赤血球保護
作用は未だ十分であるとは言い難いものであった。
ところで最近、塩化ビニル樹脂用可塑剤とじて汎用され
るジー 2−エチルへキシルフタレート(DOP>には
溶血抑制効果があることが明らかにされた(ブラッド6
461270〜(1984)  [Blo。
d 6461270−(1984)])。しかしながら
、これは、医療用塩化ビニル樹脂組成物として従来用い
られているジー 2−エチルへキシルフタレート可塑化
塩化ビニル樹脂製の保存容器で血液を保存すると、血液
中に溶出したジー 2−エチルへキシルフタレートによ
り血小板の凝集能が抑制されることが報告され(日本輸
血学会雑誌、28(3)282 (1981) )、ジ
ー 2−エチルへキシルフタレ−1・が輸血の際に保存
血と共に体内に入る事が血小板への影響の面から問題が
あり好ましくなく、この問題を解決するために保存容器
をジー 2−エチルへキシルフタレ−1・を含まない材
質に代えたところ、保存中における赤血球の溶血が著し
く発生したことからつきとめられたものである。
したがって、このような現象に対する対応策として、可
塑剤が溶出しない(もしくは可塑剤を含まない)材質よ
りなる保存容器に保存した血液に、ジー 2−エチルへ
キシルフタレートを添加して溶血を抑制するといった矛
盾した方法(米国特許第6326025号)が提案され
ているものの、ジー 2−エチルへキシルフタレートを
血液保存液ないしは抗凝固液に配合して使用することは
、生理学的安全性の面で好ましいこととは言えないもの
であった。
(発明が解決しようとする間厘点) 従って、本発明は新規な血液保存液組成物を提供するこ
とを目的とする。本発明はまた赤血球の保存性に優れか
つ安全性の高い血液保存液組成物を提供することを目的
とする。本発明はまた血小板″a集能を低下させる恐れ
のない血液保存液組成物を提供することを目的とする。
本発明はさらに長期間の血液の保存を可能とする血液保
存液組成物を提供することを目的とする。本発明はまた
抗凝固液およびアディッティブ システム[Addit
ive System ]における保存液組成物として
使用することができる血液保存液組成物を提供すること
を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記諸口的は、少なくとも1個のエーテル結合を有しか
つエーテル酸素と結合した1価の炭化水素基がそれぞれ
炭素3〜20の鎖式炭化水素基である分子n 1’ 0
00以下のエーテル化合物からなる溶血防止剤と、他の
血液保存液成分が配合されていることを特徴とする血液
保存液組成物により達成される。
本発明はまた、血液保存液が抗凝固保存液である血液保
存液組成物を示すものである。本発明はさらに、他の血
液保存液成分として、クエン酸ナトリウム、クエン酸、
ブドウ糖、リン酸一ナトリウム、アデニン、塩化ナトリ
ウム、マンニトール、マルトース、マルチトール、ソル
ビトール、ショ糖および乳糖からなる群から選ばれた少
なくとも1種の化合物を含有するものである血液保存液
組成物を示すものである。本発明はまた、ACD液、C
PD液、CPDA−1液、CPDA−2液、SAG液、
およびマンニトール、マルトース、マルチトール、ソル
ビトール、ショ糖または乳糖を添加してなるSAG液か
らなる群から選ばれた基本液に上記エーテル化合物を配
合するものである血液保存液組成物を示すものである。
本発明はさらに、上記エーテル化合物のエーテル酸素と
結合した1価の炭化水素基の少なくとも1つが分岐構造
を有するものである血液保存液を示すものである。
本発明はさらにまた、上記エーテル化合物が2個以上の
エーテル結合を有するものである血液保存液組成物を示
すものである。本発明はさらに、エーテル酸素と結合し
た1価の炭化水素基の少なくとも2つは互いに鎖長の異
なるものである血液保存液組成物を示すものである。本
発明はさらに、上記エーテル化合物が一般式(III’
)CH2−0−R1 HOH CH2−0−R2 (但し、式中、R1およびR2はそれぞれ炭素数3〜2
0の鎖式炭化水素基である。)で表わされるグリセリン
ジエーテルである血液保存液組成物を示すものである。
本発明はまた、一般式(III’)で表わされるグリセ
リンジエーテルがグリセリン= 1−ブチル−3−イン
ステアリルエーテルまたはグリセリン−1,3−ビス(
2−エチルヘキシル〉エーテルである血液保存液組成物
を示すものである。本発明はまた、上記エーテル化合物
が、最終濃度で100μM〜10mMとなるように配合
されてなる血液保存液組成物を示すものである。本発明
はさらに、上記エーテル化合物が、最終濃度で400μ
M〜4mMとなるように配合されてなる血液保存液組成
物を示すものである。
(作用) しかして、本発明の血液保存液組成物は、少なくとも1
個のエーテル結合を有しかつエーテル酸素と結合した1
価の炭化水素基がそれぞれ炭素3〜20の鎖式炭化水素
基である分子量1000以下のエーテル化合物を配合さ
れていることを最大の特徴とする。驚くべきことに上記
のごときエーテル化合物は、ジー 2−エチルへキシル
フタレートと同様な赤血球溶血防止作用を有し、また一
方、ジー 2−エチルへキシルフタレートとは異なり、
血小板′a集能を抑制する作用は認められないことが見
い出された。さらに上記のエーテル化合物は、血液成分
に対して悪影響を与えない適当な界面活性剤あるいはα
−シクロデキストリンなどを用いることによって水溶液
中に分散させることが可能であり、このような形態にお
いても上記のごとき赤血球溶血防止作用を有することか
ら、該エーテル化合物を血液保存液組成物に配合すれば
、生体に対する安全性に優れかつ赤血球に対する保護作
用に優れたものとなるものである。このなめ本発明の血
液保存液組成物を全血あるいは赤血球濃厚液等の赤血球
懸濁液中に添加することによって、長期間大部分の赤血
球が採血直後と同じ状態を維持できるものであり、保存
血輸血における問題を解消できるものとなる。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
本発明の血液保存液組成物には、少なくとも1個のエー
テル結合を有しかつエーテル酸素と結合した1価の炭化
水素基がそれぞれ炭素数3〜20の、より好ましくは4
〜18の鎖式炭化水素基である分子H1000以下のエ
ーテル化合物が配合されている。このエーテル化合物は
本発明の血液保存液組成物において赤血球保護作用をも
たらすものである。
このエーテル化合物において、エーテル酸素と結合した
1価の炭化水素基をそれぞれ炭素数3〜20の鎖式炭化
水素基とするのは、炭素数が3未満の鎖式炭化水素基を
有するものであると溶血抑制作用を有せず、一方の炭素
数が20を越える鎖式炭化水素基を有するものであると
該エーテル化合物が全血、赤血球濃厚液などの赤血球懸
濁液の保存温度域において固体となり赤血球懸濁液中に
うまく分散することが困難となるために赤血球保護作用
が望めないものとなるためである。さらにこのエーテル
化合物において分子311000以下とするのは、分子
量が1000を越えるものであると同様に固体状となり
赤血球懸濁液中にうまく分散することが困難となるため
に赤血球保護作用が望めないものとなるためである。ま
たこのエーテル化合物においてエーテル酸素と結合した
1価の炭化水素基の少なくと1つが分岐構造をとること
が溶血抑制効果を高める上からより好ましい。
また、このエーテル化合物は2個以上のエーテル結合を
有することが、さらには、このように2個以上のエーテ
ル結合を有する場合においてエーテル酸素と結合した1
価の炭化水素基の少なくとも2つは互いに鎖長の異なる
ものであることが、より優れた溶血抑制を示す上から望
ましい。なお、このエーテル化合物においてエーテル酸
素と結合した1価の炭化水素基はそれぞれ飽和鎖式炭化
水素基であってもまた不飽和鎖式炭化水素基であっても
よい。本発明の血液保存液組成物において配合されるこ
のようなエーテル化合物としては、例えば一般式(I) R+ −0−R2(I > (但し、式中R1およびR2はそれぞれ炭素数3〜20
鎖式炭化水素基である。)、 一般式(II) R1−0+R40+ R2(II> (但し、式中R1およびR2は炭素数3〜20の鎖式炭
化水素基、R4は炭素数1〜3の直鎖まなは分岐状飽和
炭化水素基であり、nは1〜5の整数である。)、 および一般式(III ) ! R6−C−0−R1 R7−C−0−R3(III) R8−C−0−R2 (但し、式中R1〜R3はそれぞれ炭素数3〜20の鎖
式炭化水素基または水素であり、またR5−R9はそれ
ぞれメチル基または水素であるが、R1−R3のうち2
つ以上が同時に水素となることはない。)で表わされる
ものがその代表的ならのとして挙げられるが、もちろん
これらに限定されるものではない。より具体的には、一
般式(I>で表わされる化合物としては、例えば2−エ
チルヘキシル イソプロピルエーテル、ジー 2−エチ
ルヘキシルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジイソ
ラウリルエーテル、ジイソミリスチルエーテル、シイソ
バルミチルエーテル、ジイソステアリルエーテルなどが
あり、また、−8式(II )で表わされる化合物とし
ては例えばエチレングリコールニジ(2−エチルヘキシ
ル)エーテル、エチレングリコール=2−エチルへキシ
ル−イソプロピルエーテル、エチレングリコール=イソ
ペンチル−イソプロピルエーテル、エチレングリコール
=イソベンチループデルエーテル、エチレングリコール
=イソラウリル−イソプロピルエーテル、エチレングリ
コール=イソラウリル=ブチルエーテル、エチレングリ
コールにイソミリスチル−イソプロピルエーテル、エチ
レングリコール=イソミリスチルニブチルエーテル、エ
チレングリコール=イソパルミチル=イソプロピルエー
テル、エチレングリコール=イソパルミチル=ブチルエ
ーテル、エチレングリコール−インステアリル=イソブ
チルエーテル、エチレングリコール=イソステアリル=
ブチルエーテル等のエチレングリコールジエーテル類、
ジエチレングリコールニジ(2−エチルヘキシル)エー
テル、ジエチレングリコール;2−エチルへキシル=イ
ソプロピルエーテル、ジエチレングリコール=イソペン
チル=イソプロピルエーテル、ジエチレングリコール=
イソペンチル=ブチルエーテル、ジエレングリコール=
イソラウリル=イソプロピルエーテル、ジエチレングリ
コール=イソラウリル−ブチルエーテル、ジエチレング
リコール=イソミリスチル=イソプロピルエーテル、ジ
エチレングリコール−イソミリスチルニブチルエーテル
、ジエチレングリコール=イソパルミチル=イソ10ピ
ルエーテル、ジエチレングリコール=イソパルミチルー
プチルエーテル、ジエチレングリコール−イソステアリ
ル−イソプロピルエーテル、ジエチレングリコール=イ
ソステアリル=ブチルエーテル等のジエチレングリコー
ルジエーテル類、プロピレングリコールニジ(2−エチ
ルヘキシル)エーテル、プロピレングリコール−2−エ
チルへキシル=イソプロピルエーテル、プロピレングリ
コール=イソペンチルニイソプロピルエーテル、プロピ
レングリコール=イソペンチル−ブチルエーテル、プロ
ピレングリコール−イソラウリル−イソプロとルエーテ
ル、プロピレングリコールコインラウリル−ブチルエー
テル、プロピレングリ−コル=イソミリスチル=イソプ
ロピルエーテル、プロピレングリコール−イソミリスチ
ルニブチルエーテル、プロピレングリコール=イソパル
ミチル=イソプロピルエーテル、プロピレングリコール
=イソパルミチル=ブチルエーテル、プロピレングリコ
ール=イソステアリル=イソグロピルエーテル、プロピ
レングリコール−イソステアリルニブチルエーテル等の
プロピレングリコールジエーテル類ならびに同様のトリ
エチレングリコールジエーテル類、ジエチレングリコー
ルジエーテル類、ブチレングリコールジエーテル類など
あり、さらに一般式(JII )で表わされる化合物と
しては、グリセリン−1,3−ビス(2−エチルヘキシ
ル)エーテル、グリセリン−1−イソプロピル−3−(
2−エチルヘキシル)エーテル、グリセリン−1−イソ
プロピル−3−イソペンチルエーテル、グリセリン−1
−ブチル−3−イソペンチルエーテル、グリセリン−1
−イソプロピル−3−イソラウリルエーテル、グリセリ
ン−1−ブチル−3−インラウリルエーテル、グリセリ
ン−1−イソプロピル−3−インミリスチルエーテル、
グリセリン−1−ブチル−3−インミリスチルエーテル
、グリセリン−1−イソプロピル−3−インパルミチル
エーテル、グリセリン−1−ブチル−3−イソパルミチ
ルエーテル、グリセリン−1−イソプロピル−3−イソ
ステアリルエーテル、グリセリン−1−ブチル−イソス
テアリルエーテルなどのグリセリンジエーテル類、グリ
セリントリイソプロピルエーテル、グリセリントリイソ
ブチルエーテル、グリセリントリイソペンチルエーテル
、 1.3−ジイソプロポキシ−2−(2−エチルへキ
シロキシ)プロパン、1.3−ビス(エチルへキシロキ
シ)−2−インプロポキシプロパン、1,3−ジブトキ
シ−2−(2−エチルへキシロキシ)プロパン、1.3
−ビス(2−エチルへキシロキシ)−2−ブトキシプロ
パン、1,3−ジイソプロポキシ−2−イソペンチロキ
シプロパン、1,3−ジイソペンチロキシ−2−ブトキ
シプロパンなどのグリセリントリエーテル類などが挙げ
られる。
これらのエーテル化合物のうち、特に好ましくは、一般
式(IIII CH2−0−R1 HOH CH2−〇−R2 (但し、式中、RIおよびR2はそれぞれ炭素数3〜2
0の鎖式炭化水素基である。)で表わされるグリセリン
ジエーテルであり、さらに好ましくはグリセリン−1−
ブチル−3−インステアリルエーテルおよびグリセリン
−1,3−ビス(2−エチルヘキシル)エーテルである
上記のごときエーテル化合物を本発明の血液保存液組成
物中に均一に分散させて配合するには、血液成分に対し
て悪影響を与えない界面活性剤、例えばポリオキシエチ
レンソルビタンモノラウレート・(丁ween20)、
ポリオキシエチレンツルビタミンモノパルミテート レンソルビタンモノステアレート(丁Weien60)
、ポリオキシエチレンソlレビタンモノオレエート(丁
Ween80)などのポリオキシエチレンソルビクンモ
ノエステル類(丁weenシリーズなと゛)、ポリオキ
シエチレンピリオキシプロピレンブロックコポリマー類
(Pluradot HA.−430 13ASF社な
ど)、ソルビタンモノアシルラウレート(Span20
) 、ソルビタンモノアシルパルミテート(Span4
0)、ソルビタンモノアシルステアレート(Span6
0) 、ソルビタンモノアシルオレエート( Span
80)などのソルビタンモノアシルエステル類( Sp
anルミnシリーズ等あるいは硬化ひまし油などを用い
てエマルジョンの形態とする、またはαーシクロデキス
t・リンなどを用いて包接化合物の形態とすることなど
により好適に行なわれ得る。もちろんこれらの界面活性
剤あるいはα−シクロデキストリンなどの添加量は生理
的安全性の面から最小濃度とされることが望ましい。驚
くべきことに上記のごときエーテル化合物はこのような
形態においても赤血球保護作用を有するものである。
本発明の血液保存液組成物において該エーテル化合物は
、その種類によっても異なるが、この血液保存液が添加
される保存血液中において最終濃度で100μM〜10
mM、より好ましくは400μM〜4 mMとなるよう
に配合されることがより高い赤血球保護作用をもたらす
上から望まれる。
本発明の血液保存液組成物中に含まれるその他の成分と
しては、例えば採血された全血に添加される抗凝固保存
液、あるいはアディッティブ システノ、において赤血
球濃厚液に添加される血球保存液組成物等として従来公
知の血液保存液組成物中に含まれるものと同様の成分、
例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸、ブドウ糖、リ
ン酸一すトリウム、アデニン、塩化ナトリウム、マンニ
トール、マルトース、マルチトール、ソルビトール、シ
ョ糖、乳糖などが含まれ得る。具体的には、本発明の血
液保存液組成物は、ACD液(ACid Citrat
e deXtrOse anticOagUlant 
SOIUtiOn) 、C PD液(Citrare 
phosphate dextrose antico
agulant solution ) 、CPDA 
− 1i (Citrate phosphate d
extrose(1.25 xCPD) plus O
.25n+H adenine) 、CPDA−2液(
Citrate phosphate dextros
e(1.75 XCPD) I)IUS 0.50m)
l adenine)などの抗凝固液、あるいはSAG
液(Saline−adenine−gIucose 
Solution >もしくはマンニトール、マルトー
ス、マルチトール、ソルビト・−ル、ショPiたは1L
糖を添加してなるSAG液(特開昭56−139419
号)などの血球保存液等を基本液として、これに上記の
ごときエーテル化合物を配合したものとして調製される
ことが望ましい。しかしながら本発明の血液保存液組成
物はもちろんこれらの組成に何ら限定されるものではな
く、上記エーテル化合物が配合されかつ生理的に安全な
組成のものであればいがなるものであってもよい。
なお、本発明に係わる血液保存液組成物は、血液に直接
添加する場合の他に、予め、血液バッグ等の医療用具に
収納しておいて採血時に混合するようにしてもよい。
(実施例) 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例l 5AG液(140mMN aCl、1.25 mM ア
デニン、50mM  ブドウ糖)に、トウイーン80(
和光純薬(体製、特級)を600μg/m1となるよう
に溶解し、この溶液にグリセリン−1−ブチル−3−イ
ソステアリルエーテル12mMを添加し、均一に分散さ
せてエマルジョンとした。このようにして調製されたエ
マルジョン溶液1、Omlをヘマトクリット値約70%
に調整したヒト赤血球濃厚液2.Omlに加え栓付きポ
リプロピレン製チューブを用いて4°Cで静置保存した
5週間経過後、血漿中の遊離ヘモグロビン濃度をT M
 B法(クリニカル ケミストリー 23749〜(1
977) [Cl1n、 Chem、 23749− 
(1977)1)で測定した。結果を第1表に示す。
実施例2 グリセリン−1−ブチル−3−インステアリルエーテル
の添加量を1.2mMとする以外は実施例1と同様にし
て血液保存液を調製し、実施例1と同様にして血漿中の
遊離ヘモグロビン濃度の変化を調べた。結果を第1表に
示す。
実施例3 グリセリン−1−ブチル−3−インステアリルエーテル
に代えてグリセリン−1,3−ジオクチルエーテルを用
いる以外は実施例1と同様にして血液保存液を調製し、
実施例1と同様にして血漿中の遊離ヘモグロビン濃度の
変化を調べた。結果を第1表に示す。
実施例4 グリセリン−1,3−ジオクチルエーテルの添加量を1
.2mMとする以外は実施例3と同様にして血液保存液
を調製し、実施例1と同様にして血漿中の遊離ヘモグロ
ビン濃度の変化を調べた。
結果を第1表に示す。
比較例1 比較のために本発明の範囲外のエーテル化合物であるグ
リセリンモノオクチルエーテルを、グリセリン−1−ブ
チル−3−インステアリルエーテルに代えて用いる以外
は実施例1と同様にして血液保存液を調製し、実施例1
と同様にして血漿中の遊離ヘモグロビン濃度の変化を調
べた。結果を第1表に示す。
比較例2 グリセリンモノオクチルエーテルの添加量を1゜2mM
とする以外は比較例1と同様にして血液保存液を調製し
、比較例1と同様にして血漿中の遊離ヘモグロビン濃度
の変化を調べた。結果を第1表に示す。
比較例3 比較のために溶血防止作用を有する公知の化合物である
ジー2−エチルへキシルフタレートを、グ刃セリンー1
−ブチルー3−イソステアリルエーテルに代えて用いる
以外は実施例1と同様にして血液保存液を調製し、実施
例1と同様にして血漿中の遊離ヘモグロビン濃度の変化
を調べた。結果を第1表に示す。
比較例4 ジー2−エチルへキシルフタレートの添加量を1.2m
Mとする以外は比較例3と同様にして血液保存液を調製
し、比較例3と同様にして血漿中の遊離ヘモグロビン濃
度の変化を調べた。結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように本発明に係わるエーテル化合
物を配合した血液保存液(実施例1〜4)は、ジー2−
エチルへキシルフタレ−1・を配合したもの(比較例3
〜4)と同様に溶血抑制作用を発揮しているが、本発明
の範囲外のエーテル化合物であるグリセリンモノオクチ
ルエーテルを配合したもの(比較例1〜2)は逆に溶血
を引き起こすものであった。
参考実験 グリセリン−1−ブチル−3−イソステアリルエーテル
の40mMメタノール溶液(参考例)、ジー2−エチル
へキシルフタレートの40mMメタノール溶液(対照例
1)または何も添加していないメタノール(対照例2)
を、ヒト多血小板血漿(血小板数約30万7mm3 )
に1/100量加え、室温で2時間放置後アゲリコーダ
ー(京都第一科学((3)製)を用いて血小板2fi集
能を測定した。
なお、多血小板血漿溶液のみ(ブランク)の光の最大透
過率に対する各試料添加多血小板血漿溶液の光透過率の
百分率を凝集率として表した。また凝集惹起物質には5
μMADP(アデノシンニリン酸)と5μg/mlコラ
ーゲンを用いた。得られた結果を第2表に示す。
第2表に示すようにジー 2−エチルへキシルフタレー
トには血小板の凝集能回復に対する抑制作用がみられる
。これはジー 2〜エチルへキシルフタレ−1・が体内
に入った時に血小板機能を阻害する可能性があることを
示唆するものであり、血液保存液組成物に配合すること
が適当でないことを示すものである。これに対し、グリ
セリン−1−ブチル−3−インステアリルエーテルには
このような抑制作用は認められず、より安全性の高い物
笛であるといえることから、本発明に係る血液保存液組
成物が血小板に与える影響も少ないことがわかる。
〈発明の効果) 以上述べたように本発明は、少なくとも1個のエーテル
結合を有しかつエーテル酸素と結合しな1価の炭化水素
基がそれぞれ炭素3〜20の鎖式炭化水素基である分子
fA 1000以下のエーテル化合物からなる溶血防止
剤と、他の血液保存液成分が配合されていることを特徴
とする血液保存液組成物であるから、赤血球に対する保
護作用に優れ、かつその他の血液成分に対する悪影響も
少ないものであることから、赤血球の保存性に優れかつ
生理的安全性の高い血液保存液組成物であるということ
ができ、全血、赤血球濃厚液等に添加された際において
、長期間にわたり多くの赤血球を採血直後と同じ状態に
維持できることとなり、血液保存において大きな利点を
もたらす乙のである。
さらに本発明の血液保存液組成物(、こおいて、血液保
存液が抗凝固保存液である場合、さらに、他の血液保存
液成分として、クエン酸ナトリウム、クエン酸、ブドウ
糖、リン酸一すL・リウノ1、アデニン、塩化ナトリウ
ム、マンニトール、マルトース、マルチトール、ソルビ
トール、ショ糖および乳糖からなる群から選ばhな少な
くとも1種の化合物を含有するものである場合、またA
CD液、CPD液、CPDA−1液、CPDA−2液、
SAG液、およびマンニトール、マルトース、マルチト
ール、ソルビt・−ル、ショ糖まなは乳糖を添加してな
るSAG液からなる群がら選ばhを基本液に上記エーテ
ル化合物が配合される場合、また上記エーテル化合物の
エーテル酸素と結合した1価の炭化水素基の少なくとも
1つが分岐構造を有するものである、より望ましくは、
上記エーテル化合物が2個以上のエーテル結合を有する
ものである、さらに好ましくは、エーテル酸素と結合し
た1価の炭化水素基の少なくとも2つは互いに鎖長の異
なるものであり、また上記エーテル化合物が一般式(I
II’)で表わされるグリセリンジエーテル、特に、グ
リセリン−1−ブチル−3〜インステアリルエーテルま
たはグリセリン−1,3−ビス(2−エチルヘキシル)
エーテルであり、さらに上記エーテル化合物が、最終濃
度で100.uM〜1゜mM、より好ましくは400μ
M〜4mMとなるように配合されてなるものであると、
赤血球に対する保護作用および生理的安全性はさらに優
れたものとなり、より一層の効果が期待できるものとな
る。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)少なくとも1個のエーテル結合を有しかつエーテ
    ル酸素と結合した1価の炭化水素基がそれぞれ炭素3〜
    20の鎖式炭化水素基である分子量1000以下のエー
    テル化合物からなる溶血防止剤と、他の血液保存液成分
    が配合されていることを特徴とする血液保存液組成物。
  2. (2)血液保存液が抗凝固保存液である特許請求の範囲
    第1項に記載の血液保存液組成物。
  3. (3)他の血液保存液成分として、クエン酸ナトリウム
    、クエン酸、ブドウ糖、リン酸一ナトリウム、アデニン
    、塩化ナトリウム、マンニトール、マルトース、マルチ
    トール、ソルビトール、ショ糖および乳糖からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するものであ
    る特許請求の範囲第1項または第2項に記載の血液保存
    液組成物。
  4. (4)ACD液、CPD液、CPDA−1液、CPDA
    −2液、SAG液、およびマンニトール、マルトース、
    マルチトール、ソルビトール、ショ糖または乳糖を添加
    してなるSAG液からなる群から選ばれた基本液に上記
    エーテル化合物を配合するものである特許請求の範囲第
    1項に記載の血液保存液組成物。
  5. (5)上記エーテル化合物のエーテル酸素と結合した1
    価の炭化水素基の少なくとも1つが分岐構造を有するも
    のである特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記
    載の血液保存液組成物。
  6. (6)上記エーテル化合物が2個以上のエーテル結合を
    有するものである特許請求の範囲第1項〜第5項のいず
    れかに記載の血液保存液組成物。
  7. (7)エーテル酸素と結合した1価の炭化水素基の少な
    くとも2つは互いに鎖長の異なるものである特許請求の
    範囲第6項に記載の血液保存液組成物。
  8. (8)上記エーテル化合物が一般式(III′)▲数式、
    化学式、表等があります▼ (但し、式中、R^1およびR^2はそれぞれ炭素数3
    〜20の鎖式炭化水素基である。)で表わされるグリセ
    リンジエーテルである特許請求の範囲第1項〜第7項の
    いずれかに記載の血液保存液組成物。
  9. (9)一般式(III′)で表わされるグリセリンジエー
    テルがグリセリン−1−ブチル−3−イソステアリルエ
    ーテルまたはグリセリン−1,3−ビス(2−エチルヘ
    キシル)エーテルである特許請求の範囲第8項に記載の
    血液保存液組成物。
  10. (10)上記エーテル化合物が、最終濃度で100μM
    〜10mMとなるように配合されてなる特許請求の範囲
    第1項〜第9項のいずれかに記載の血液保存液組成物。
  11. (11)上記エーテル化合物が、最終濃度で400μM
    〜4mMとなるように配合されてなる特許請求の範囲第
    10項に記載の血液保存液組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2729050A1 (fr) * 1995-02-23 1996-07-12 Oreal Compositions resistant a la degradation microbienne
WO2002049653A1 (en) * 2000-12-21 2002-06-27 Metabolic Engineering Laboratories Co., Ltd. Compositions for preservation of organs and blood

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