JPH01106826A - 血液保存液組成物 - Google Patents

血液保存液組成物

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JPH01106826A
JPH01106826A JP62263695A JP26369587A JPH01106826A JP H01106826 A JPH01106826 A JP H01106826A JP 62263695 A JP62263695 A JP 62263695A JP 26369587 A JP26369587 A JP 26369587A JP H01106826 A JPH01106826 A JP H01106826A
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JP
Japan
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blood
preservation solution
blood preservation
general formula
acid ester
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JP62263695A
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Hiroshi Nagai
永井 博史
Yoshiki Kubota
窪田 好記
Yoko Tamura
容子 田村
Akio Kimura
昭雄 木村
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Terumo Corp
Kao Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は血液保存液組成物に関するものである。
詳しく述べると本発明は特に赤血球の保存性に優れる安
全性の高い血液保存液組成物に関するものである。
(従来の技術) 血液は流出してから10〜20分以内に凝固が明瞭にな
る。この除土じる血餅はフィブリノーゲンがフィブリン
へと転換するまでの一連の化学反応の最終産物である。
フィブリンは相互に連結し、その過程で血餅中には赤血
球が捕捉される。従つて、輸血用の血液は液状のままで
あるように、正常の血液凝固反応を阻止する方法を講じ
つつ採血されなければならず、従来、採血された血液に
血液保存液として抗凝固液を添加することが行なわれて
いる。今日使用されている抗凝固液は、凝固の過程で重
要な因子であるカルシウムを結合して凝固を阻止するも
のである。
ところで、このようにして採血された血液は、必要に応
じて成分分離された後、使用に供するまで血液バッグ等
に入れられて保存されるが、全血もしくは赤血球濃厚液
(CRC)などの成分血液を長期間保存すると、赤血球
膜が破壊されヘモグロビンが外界に遊離するいわゆる溶
血現象が生じる。溶血の生じる主な要因としては、血液
中のイオン組成の差から生じる浸透圧の変化、ヘモグロ
ビンなどのタンパク買成分によるコロイド浸透圧の差異
、赤血球の膜タンパク冒および脂質の変化、Na+やに
+の能動輸送の障害、薬剤や毒物の作用などが挙げられ
るが、最も重要な要因は使用される抗凝固液にある。こ
のため、従来より抗凝固液の改良に多くの努力が費やさ
れ、今日使用されているすべての抗凝固液は、抗凝固作
用を有すると共に赤血球保護作用を有するものとされて
いる。
しかしながら、このような抗凝固液における赤血球保護
作用は未だ十分であるとは言い難いものであった。
ところで最近、塩化ビニル樹脂用可塑剤として汎用され
るジー 2−エチルへキシルフタレート(DOP)には
溶血抑制効果があることが明らかにされたくブラッド6
461270〜(1984)  [Blo。
d 6461270−(1984)])。しかしながら
、これは、医療用塩化ビニル樹脂組成物として従来用い
られているジー 2−エチルへキシルフタレート可塑化
塩化ビニル樹脂製の保存容器で血液を保存すると、血液
中に溶出したジー 2−エチルへキシルフタレートによ
り血小板の凝集能が抑制されることが報告され(日本輸
血学会雑誌、28(3)282(1981))、ジー 
2−エチルへキシルフタレートが輸血の際に保存血と共
に体内に入る事が血小板への影響の面、から問題があり
好ましくなく、この問題を解決するために保存容器をジ
ー 2−エチルへキシルフタレートを含まない材質に代
えたところ、保存中における赤血球の溶血が著しく発生
したことからつきとめられたものである。
したがって、このような現象に対する対応策として、可
塑剤が溶出しない(もしくは可塑剤を含まない)材質よ
りなる保存容器に保存した血液に、ジー 2−エチルへ
キシルフタレートを添加して溶血を抑制するといった矛
盾した方法(米国特許第6326025号〉が提案され
ているものの、シー 2−エチルへキシルフタレートを
血液保存液ないしは抗凝固剤に配合して使用することは
、生理学的安全性の面で好ましいこととは言えないもの
であった。
(発明が解決しようとする問題点) 従って、本発明は新規な血液保存液組成物を提供するこ
とを目的とする。本発明はまた赤血球の保存性に優れか
つ安全性の高い血液保存液組成物を提供することを目的
とする。本発明はまた血小板凝集能を低下させる恐れの
ない血液保存液組成物を提供することを目的とする。本
発明はさらに長期間の血液の保存を可能とする血液保存
液組成物を提供することを目的とする。本発明はまた抗
凝固液およびアディッティブ システb [Add+t
+ve System ]における保存液組成物として
使用することができる血液保存液組成物を提供すること
を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記諸口的は、一般式(I> RCOOR’         (I>(但し式中Rお
よびR′はそれぞれ炭素数3以上の鎖式炭化水素基であ
り、かつRとR′との炭素数の和が11〜30である。
)で表されるモノカルボン酸エステルからなる溶血防止
剤と、他の血液保存液成分が配合されていることを特徴
とする血液保存液組成物により達成される。
本発明はまた、血液保存液が抗凝固保存液である血液保
存液組成物を示すものである。本発明はさらに、他の血
液保存液成分として、クエン酸ナトリウム、クエン酸、
ブドウ糖、リン酸一ナトリウム、アデニン、塩化ナトリ
ウム、マンニトール、マルトース、マルチトール、ソル
ビト−ル、ショ糖および乳糖からなる群から選ばれた少
なくとも1種の化合物を含有するものである血液保存液
組成物を示すものである。本発明はまた、ACD液、C
PD液、CPDA−1液、CPDA−2液、SAG液、
およびマンニトール、マルトース、マルチトール、ソル
ビト・−ル、ショ糖または乳糖を添加してなるSAG液
からなる群から選ばhた基本液に一般式(I>で表され
るモノカルボン酸エステル化合物を配合するものである
血液保存液組成物を示すものである。本発明はさらに、
一般式(I)におけるRまたはR′の少なくとも一方が
分岐構造を有するものである血液保存液組成物を示すも
のである。本発明はさらにまた、一般式(I)で表わさ
れる化合物が、イングヮビルインラウレート、イソプロ
ピルオレエート、2−エチルヘキシルイソステアレート
または2−エチルヘキシル−2−エチルヘキサノエート
である血液保存液組成物を示すものである。本発明はま
た、−般式(I>で表されるモノカルボン酸エステル化
合物が、最終濃度で100μM〜10mMとなるように
配合されてなる血液保存液組成物を示すものである。本
発明はさらに、一般式(I>で表されるモノカルボン酸
エステル化合物が、最終濃度で400μM〜4mMとな
るように配合されてなる血液保存液組成物を示すもので
ある。
(作用) しかして、本発明の血液保存液組成物は、一般式(1) %式%( (但し式中RおよびR′はそれぞれ炭素数3以上の鎖式
炭化水素基であり、がっRとR′との炭素数の和が11
〜30である。)゛で表わされるモノカルボン酸エステ
ルを配合されていることを最大の特徴とする。驚くべき
ことにこの一般式(1)て・表わされるモノカルボン酸
エステルは、ジー 2−エチルへキシルフタレートと同
様な赤血球溶血防止作用を有し、また一方、ジー 2−
エチルへキシルフタレ−1−とは異なり、血小板凝集能
を抑制する作用は認められないことが見い出された。さ
らにこの一般式(I>で表されるモノカルボン酸エステ
ル化合物は、血液成分に対して悪影響を与えない適当な
界面活性剤あるいはα−シクロデキス■・リンなどを用
いることによって水溶液中に分散させることが可能であ
り、このような形態においても上記のごとき赤血球溶血
防止作用を有することから、該モノカルボン酸エステル
を血液保存液組成物に配合すれば、生体に体する安全性
に優れかつ赤血球に対する保護作用に優れたものとなる
ものである。このんぬ本発明の血液保存液組成物を全血
あるいは赤血球濃厚液等の赤血球懸濁液中に添加するこ
とによって、長期間大部分の赤血球が採血直後と同じ状
態を維持できるものであり、保存血輸血における問題を
解消できるものとなる。
以下、本発明を実施懲様に基づきより詳細に説明する。
本発明の血液保存液組成物には、一般式(1)%式%(
) (但し式中RおよびR′はそれぞれ炭素数3以上、好ま
しくは3〜22、最も好ましくは3〜18の鎖式炭化水
素基であり、かつRとR′との炭素数の和が11〜30
、好ましくは11〜21である。
)で表さhるモノカルボン酸エステルが配合されている
。この一般式(1)で表されるモノカルボン酸エステル
化合物は本発明の血液保存液組成物において赤血球保護
作用をもたらすものである。
一般式(I)で表わされるモノカルボン酸エステルにお
いて、RおよびR′の炭素数を3以上とするのは、炭素
数が3未満の頭式炭化水素鎖である場合、化合物の毒性
が生じる虞れがあるため血液保存液組成物中に配合する
ことが適当でなくなるためである。また、一般式(I)
で表わされるモノカルボン酸エステルにおいて、RとR
′との炭素数の和を11〜30とするのは、炭素数の和
が11未満であると溶血防止作用を有せず、一方炭素数
の和が30を越えると該カルボン酸モノエステル化合物
が全血、赤血球濃厚液などの赤血球懸濁液の保存温度域
において固体となり赤血球懸濁液中にうまく分散するこ
とが困難となるために赤血球保護作用が望めないものと
なるためである。
また一般式(I)て゛あるモノカルボン酸エステルにお
いて銅式炭化水素基RおよびR′のうち少なくとも一方
が分岐構造をとることが溶血防止効果を高める上からよ
り好ましい。さらに鎖式炭化水素基RおよびR′は飽和
鎖式炭化水素基であってもまた不飽和鎖式炭化水素基で
あってもよい。−般式(I)で表わされるモノカルボン
酸エステルとしては具体的に、2−エチルへキシルブナ
レート、2−エチルヘキシルイソブチレート、インへプ
チルバレレ−1・、2−エチルへキシルバレレート、イ
ソへブチルピバレート、2−エチルへキシルピバレート
、イソペンチルヘキサノエート、イソへキシルヘキサノ
エート、2−エチルへキシルヘキサノエート、インブチ
ル−2−エチルヘキサノエート、イソペンチル−2−エ
チルヘキサノエート、2−エチルヘキシル−2−エチル
ヘキサノエート、イソプロとルデカノエート、インブチ
ルオレエート、2−エチルへキシルオレエート、イソプ
ロとルラウレート、インブチルラウレート、2−エチル
へキシルラウレート、2−エチルヘキシルイソラウレー
ト、イソプロピルミリステート、インブチルミリステー
ト、2−エチルヘキシルミリステート、イソプロピルパ
ルミテート、インブチルパルミテート、2−エチルへキ
シルパルミテート、イソプロピルステアレー1・、イン
ブチルステアレー1・、2−エチルへキシルステアレー
ト、イソプロピルイソステアレート、インブチルイソス
テアレート、2〜エチルヘキシルイソステアレート、イ
ソプロピルオレエート、インブチルオレエート、2−エ
チルへキシルオレエートなどが挙げられるがもちろんこ
れらに限定されるわけではない。これらの化合物のうち
好ましくは、イソプロピルイソラウレート、イソプロピ
ルオレエート、2−エチルヘキシルイソステアレート、
および2−エチルヘキシル2−エチルヘキサノエートで
あり、最も好ましくはイソプロピルイソラウレートであ
る。
上記のごとき一般式(I>で表されるモノカルボン酸エ
ステル化合物を本発明の血液保存液組成物中に均一に分
散させて配合するには、血液成分に対して悪影響を与え
ない界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタン
モノラウレートへ(丁Ween20)、ポリオキシエチ
レンツルビタミンモノパルミテート・(丁Ween40
)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(
丁ween60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
オレエート(丁veen80)などのポリオキシエチレ
ンソルビタンモノエステル類(hveenシリーズ゛な
ど)、ポリオキシエチレン′ピリオキシプロピレンブロ
ックコボリマーE(PIuradot HA−430B
ASF社など)、ソルビタンモノアシルラウレート(S
pan20) 、ソルビタンモノアシルパルミテート(
Span40) 、ソルビタンモノアシルステアレート
(Span60) 、ソルビタンモノアシルエステルt
−(Span80)などのソルビタンモノアシルエステ
ル1(spanルミnシリーズ等あるいは硬化ひまし油
などを用いてエマルジョンの形態とする、またはα−シ
クロデキストリンなどを用いて包接化合物の形態とする
ことなどにより好適に行なわ)1得る。もちろんこれら
の界面活性剤あるいはα−シクロデキスt・リンなどの
添加量は生理的安全性の面から最小濃度とされることが
望ましい。驚くべきことに一般式(I>で表されるモノ
カルボン酸エステル化合物はこのような形態においても
赤血球保護作用を有するものである。 本発明の血液保
存液組成物において一般式(I>で表されるモノカルボ
ン酸エステル化合物は、該モノカルボン酸エステル化合
物の種類によっても異なるが、この血液保存液組成物が
添加される保存血液中において最終濃度で100μM〜
10mM、より好ましくは400μM〜4 mMとなる
ように配合されることがより高い赤血球保護作用をもな
らす上から望まれる。
本発明の血液保存液組成物中に含まれるその他の成分と
しては、例えば採血された全血に添加される抗凝固液、
あるいはアディッティブ システムにおいて赤血球濃厚
液に添加される血球保存液組成物等として従来公知の血
液保存液組成物中に含まれるものと同様の成分、例えば
クエン酸ナトリウム、クエン酸、ブドウ糖、リン酸一ナ
トリウム、アデニン、塩化ナトリウム、マンニトール、
マルトース、マルチト−ル、ソルビトール、ショ糖、乳
糖などが含まれ得る。具体的には、本発明の血液保存液
組成物は、ACD液(Acid citratedex
trose anticoagulant 5olut
ion) 、CPD液(Citrare phosph
ate deXtrO3e anticOa(JLIl
ant 5olu口on )、CPDA−1液(Cit
rate phosphate dextrose(1
,25xCPD) plus 0.25m)l ade
nine)、CP D A −221(Ci trat
e phosphate dextrose(1,75
xCPD) plus 0.50mt(adenine
>などの抗凝固液、あるいはSAG液(Saline−
adenine−glucosesolution )
もしくはマンニトール、マルt・−ス、マルチトールζ
ソルビトール、ショ糖または乳糖を添加してなるSAG
液(特開昭56−139419号)などの血球保存液組
成物等を基本液として、これに上記のごとき一般式(I
)で表されるモノカルボン酸エステル化合物を配合した
ものとして調製されることが望ましい。しかしながら本
発明の血液保存液組成物はもちろんこれらの組成に何ら
限定されるものではなく、上記一般式(I)で表される
モノカルボン酸エステル化合物が配合されかつ生理的に
安全な組成のものであればいかなるものであってもよい
なお、本発明に係わる血液保存液組成物は、血液に直接
添加する場合の他に、予め、血液バッグ等の医療用具に
収納しておいて採血時に混゛合するようにしてもよい。
(実施例) 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例l 5AG液(140mM  NaC1,1,25mM ア
デニン、50mM  ブドウ糖)に、トウイーン80(
和光純薬(体製、特級)を600μg/m1となるよう
に溶解し、この溶液にイソプロピルイソラウレート12
mMを添加し、均一に分散させてエマルジョンとした。
このようにして調製されたエマルジョン溶液1.011
11をヘマトクリット値約70%に調整したヒト赤血球
濃厚液2、Omlに加え栓付きポリプロピレン製チュー
ブを用いて4℃で静置保存した。5週間経過後、血漿中
の遊離ヘモグロビン濃度をTMB法(クリニカル ケミ
ストリー 23 749〜(1つ77)[Cl1n。
chem、 23749− (1977)])で測定し
た。結果を第1表に示す。
実施例2 イソプロピルイソラウレートの添加量を1.2mMとす
る以外は実施例1と同様にして血液保存液を調製し、実
施例1と同様にして血漿中の遊離ヘモグロビン濃度の変
化を調べた。結果を第1表に示す。
実施例3 イソプロビルイソラウレーに代えて2−エチルヘキシル
イソステアレートを用いる以外は実施例1と同様にして
血液保存液を調製し、実施例1と同様にして血漿中の遊
離ヘモグロビン濃度の変化を調べた。結果を第1表に示
す。
実施例4 2−エチルヘキシルイソステアレートの添加量を1.2
 mMとする以外は実施例3と同様にして血液保存液を
調製し、実施例1と同様にして血漿中の遊離ヘモグロビ
ン濃度の変化を調べな。結果を第1表に示す。
比較例1 比較のために一般式(I>の範囲外のモノカルボン酸エ
ステル化合物であるエチル−2−エチルヘキサノエート
を、イソプロピルインラウレートに代えて用いる以外は
実施例1と同様にして血液保存液を調製し、実施例1と
同様にして血漿中の遊離ヘモグロビン濃度の変化を調べ
た。結果を第1表に示す。
比較例2 エチル−2−エチルヘキサノエートの添加量を1.2 
mMとする以外は比較例1と同様にして血液保存液を調
製し、比較例1と同様にして血漿中のi離ヘモグロビン
濃度の変化を調べた。結果を第1表に示す。
比較例3 比較のために溶血防止作用を有する公知の化合1勿て゛
あるジー2−エチルヘキシルフタレー1−を、イソプロ
ピルイソラウレートに代えて用いる以外は実施例1と同
様にして血液保存液を調製し、実施例1と同様にして血
漿中の遊離ヘモグロビン濃度の変化を調べた。結果を第
1表に示す。
比較例4 ジー2−エチルへキシルフタレートの添加量を12mM
とする以外は比較例3と同様にして血液保存液を調製し
、比較例3と同様にして血漿中の遊離ヘモグロビン濃度
の変化を調べた。結果を第1表に示す。
11K %  憾 %  ##六 ミ  さ第1表から
明らかなように本発明に係わる一般式<I>で表わされ
るモノカルボン酸エステル化合物を配合した血液保存液
組成物(実施例1〜4)は、ジー2−エチルへキシルフ
タレートを配合したもの(比較例3〜4)と同様に溶血
抑制作用を発揮しているが、本発明の範囲外のモノカル
ボン酸エステル化合物であるエチル−2−エチルヘキノ
エー1−を配合したもの(比較例コ−〜2)はほとんど
溶血抑制作用がないがあるいは逆に溶血を引き起こすも
のであった。
参考実験 イソプロピルイソラウレートの40mMメタノール溶液
(参考例)、ジー2−エチルへキシルフタレートの40
mMメタノール溶液(対照例1)または何も添加してい
ないメタノール(対照例2〉を、ヒト多能小板血漿(血
小板数約30万/mm3 )に1/100量加え、室温
で2時間放置後アゲリコーダー(京都第一科学((5)
製)を用いて血小板凝集能を測定した。
なお、多血小板血漿溶液のみ(ブランク)の光の最大透
過率に対する各試料添加多血小板血漿溶液の光透過率の
百分率を凝集率として表した。また凝集惹起物貰には5
μMADP(アデノシンニリン酸)と5μg、/mlコ
ラーゲンを用いた。得られた結果を第2表に示す。
第2表に示すようにジー 2−エチルへキシルフタレ−
1・には血小板の凝集能回復に対する抑制作用がみられ
る。これはジー 2−エチルへキシルフタレートが体内
に入った時に血小板機能を阻害する可能性があることを
示唆するものであり、血液保存液組成物に配合すること
が適当でないことを示すものである。これに対し、イソ
プロピルイソラウレートにはこのような抑制作用は認め
られず、より安全性の高い物質であるといえることから
、本発明に係る血液保存液組成物が血小板に与える影響
も少ないことがわかる。
(発明の効果) 以上述べたように本発明は、一般式(I)RCOOR’
         (I >(但し式中RおよびR′は
それぞれ炭素数3以上の鎖式炭化水素基であり、かつR
とR′との炭素数の和が11〜30である。)で表され
るモノカルボン酸エステルからなる溶血防止剤と、他の
血液保存液成分が配合されていることを特徴とする  
1血液保存液組成物であるから、赤血球に対する保  
1護作用に優れ、かつその他の血液成分に対する悪影響
も少ないものであることから、赤血球の保存性に優れか
つ生理的安全性の高い血液保存液組成物であるというこ
とができ、全血、赤血球濃厚液等に添加された際におい
て、長期間にわたり多くの赤血球を採血直後と同じ状態
に維持できることとなり、血液保存において大きな利点
をもならすものである。さらに本発明の血液保存液組成
物において、血液保存液が抗凝固保存液である場合、さ
らに、他の血液保存液成分として、クエン酸すトリウム
、クエン酸、ブドウ糖、リン酸一ナトリウム、アデニン
、塩化ナトリウム、マンニf−−ル、マルトース、マル
チトール、ソルビトール、ショ糖および乳糖からなる群
から選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するもので
ある場合、さらに、ACD液、CPD液、CPDA−1
液、CPDA−2液、SAG液、および゛マンニトール
、マルトース、マルチトール、ソルビトール、ショ糖ま
たは乳糖を添加してなるSAG液からなる群から選ばれ
た基本液に一般式(1)で表されるモノカルボン酸エス
テル化合物が配合される場合、また−般式(I)におけ
るRまたはR′の少なくとも一方が分岐構造を有するも
のである、より望ましくは、イソプロピルイソラウレー
ト、イソプロピルオレエート、2−エチルヘキシルイソ
ステア゛レートまたは2−エチルヘキシル−2−エチル
ヘキサノニーI・であり、さらに一般式(I>で表され
るモノカルボン酸エステル化合物が、最終濃度で100
μM”10m M、より好ましくは400μM〜4mM
となるように配合されてなるものであると、赤血球に対
する保護作用および生理的安全性はさらに優れたものと
なり、より一層の効果が期待できるものとなる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)一般式( I ) RCOOR′( I ) (但し式中RおよびR′はそれぞれ炭素数3以上の鎖式
    炭化水素基であり、かつRとR′との炭素数の和が11
    〜30である。)で表されるモノカルボン酸エステルか
    らなる溶血防止剤と、他の血液保存液成分が配合されて
    いることを特徴とする血液保存液組成物。
  2. (2)血液保存液が抗凝固保存液である特許請求の範囲
    第1項に記載の血液保存液組成物。
  3. (3)他の血液保存液成分として、クエン酸ナトリウム
    、クエン酸、ブドウ糖、リン酸一ナトリウム、アデニン
    、塩化ナトリウム、マンニトール、マルトース、マルチ
    トール、ソルビトール、ショ糖および乳糖からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するものであ
    る特許請求の範囲第1項または第2項に記載の血液保存
    液組成物。
  4. (4)ACD液、CPD液、CPDA−1液、CPDA
    −2液、SAG液、およびマンニトール、マルトース、
    マルチトール、ソルビトール、ショ糖または乳糖を添加
    してなるSAG液からなる群から選ばれた基本液に一般
    式( I )で表されるモノカルボン酸エステル化合物を
    配合するものである特許請求の範囲第1項に記載の血液
    保存液組成物。
  5. (5)一般式( I )におけるRまたはR′の少なくと
    も一方が分岐構造を有するものである特許請求の範囲第
    1項〜第4項のいずれかに記載の血液保存液組成物。
  6. (6)一般式( I )で表わされる化合物が、イソプロ
    ピルイソラウレート、イソプロピルオレエート、2−エ
    チルヘキシルイソステアレートまたは2−エチルヘキシ
    ル−2−エチルヘキサノエートである特許請求の範囲第
    1項〜第5項のいずれかに記載の血液保存液組成物。
  7. (7)一般式( I )で表されるモノカルボン酸エステ
    ル化合物が、最終濃度で100μM〜10mMとなるよ
    うに配合されてなる特許請求の範囲第1項〜第4項のい
    ずれかに記載の血液保存液組成物。
  8. (8)一般式( I )で表されるモノカルボン酸エステ
    ル化合物が、最終濃度で400μM〜4mMとなるよう
    に配合されてなる特許請求の範囲第5項に記載の血液保
    存液組成物。
JP62263695A 1987-10-21 1987-10-21 血液保存液組成物 Pending JPH01106826A (ja)

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