JPH01102156A - スラブ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建築物において床を構成するスラブ構造に関
する。

〔従来の技術〕

従来のこの種のスラブ構造においては、電気の配線や給
排水設備の配管を、コンクリート床スラブの上面に敷設
したり、或は、コンクリート床スラブ下に吊りボルト等
を介して吊下げ状態に設けていた（文献を挙げることが
できない）。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、上述の従来技術のうら、コンクリート床スラブ
上に配線・配管を敷設する場合に６才、その配線・配管
の設置スペースの高さが前記コンクリート床スラブ上に
敷設される床仕上げ材の厚さ以下に制限され、その結果
、設置スペースの高さを大きくとれず、設置する配線・
配管の大きさや数に制限があった。また、コンクリート
床スラブに配線・配管を吊下げて設置するばあいには、
そのコンクリート床スラブに吊りボルト等を介して天井
が支持されている関係上、配線・配管を、吊りボルト等
を迂回する状態に設置しなければならないため、施工に
手間取る。

そこで、本出願人は、先に、第９図に示すように、上面
に溝（３ａ”）を有するプレキャストコンクリート版（
１″）上に、前記溝（３ａ”）を塞がない状態にコンク
リート（２゛）を打設して床を構成し、前記溝（３ａ’
）内に配線・配管を設置したスラブ構造を考案した。

そのスラブ構造によるときは、床スラブ内に配線・配管
の設置スペースを専用に形成するため、床スラブ上に敷
設する床仕上げ材や床スラブに吊下げる天井等による設
置の制約がなく、配線・配管を作業性よく設置でき、し
かも、設置スペースとして十分な高さのものを確保して
設置する配線・配管の数や大きさに対する制限を実用上
なくせるものの、次のような問題がある。

つまり、床スラブ内に配線・配管用の設置スペースを形
成することのみを目的として、プレキャストコンクリー
ト版を溝付きの特殊構造のものに作製しなければならな
いため、前述したように配線・配管の設置面では有利で
あるものの、プレキャストコンクリート版のコストが非
常に高くつく。

本発明の目的は、上記実情に鑑み、配線・配管の設置を
施工ならびにスペース面で有利１こ行うことができ、し
かも、安価に作製できるスラブ構造を提供することにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明によるスラブ構造の特徴構成は、平行またはほぼ
平行に並置した複数の梁相当部分と、各梁相当部分の上
端部どうしを連結するコンクリート製の上部床版と、前
記梁相当部分の下端部どうしを連結するコンクリート製
の下部床版とを備え、前記梁相当部分のうち隣合うもの
の間の空間に対する開口を前記上部床版に形成するとと
もに、その開口付空間の内部にその長手方向に沿って配
線又は配管を設置し、前記開口に対する着脱自在な蓋を
設けてある点にある。

その作用・効果は次の通りである。

〔作　用〕

並置する複数の梁相当部分を上部床版と下部床版とで連
結した中空構造であるため、軽量化を図りつつ十分な強
度を確保できる。しかも、そのように中空構造にしたこ
とにより、梁相当部分の隣接間に必然的に形成される空
間に着目して、上部床版に前記空間に対する蓋付きの開
口を形成し、その開口付きの空間を配線・配管用の設置
スペースに利用して配線・配管を設置しであるため、床
スラブ内に配線・配管用の専用の設置スペースを形成し
ながらも、前記の軽量化を図りつつ十分な強度を確保す
るための構成要素をその専用設置スペースを形成するた
めの構成要素とさせる構造の多目的利用化により、設置
スペースを床スラブ内に専用的に形成することによるコ
ストアップを抑制できる。その上、開口付きの空間を設
置スペースとするため、その開口の蓋を開けることによ
り、設置された配線・配管等に対するメンテナンスが行
える。

（発明の効果〕 その結果、本発明は、軽量でありながら十分な強度を備
えるとともに、設置スペースの専用化で配線・配管をス
ペース面および作業面で有利に設置でき、しかも、その
ような高性能および高機能の割には安価に作製できるス
ラブ構造を提供できるようになった。

特に、前記開口を梁相当部分の長手方向に沿って連続し
て形成する場合は、設置スペース内への配線・配管の挿
入作業を非常に容易に行えてより一層、配線・配管の設
置を有利に行えるとともに、メンテナンスも非常に有利
に行える。

〔実施例〕

以下、図面に基づいて、本発明の詳細な説明する。

第１図に示すように、はぼ平行に並置した複数の梁相当
部分（ｌａ）と、各梁相当部分（ｌａ）の下端部どうし
を連結する下部床版（１ｂ）と、各梁相当部分（１ａ）
の上端部どうしを連結する上部床版（２）とを備え、梁
相当部分（１ａ）のうち隣合うものの間の空間（３）の
うちの１個（３ａ）に対する開口（２ａ）を前記上部床
版（２）に形成するとともに、その開口付空間（３ａ）
の内部にその長手方向に沿って配管用ダクト（４）を収
容し、さらに前記開口（２ａ）に対するコンクリート製
の蓋（５）を設けてスラブ構造を構成しである。

各梁相当部分（１ａ）の内部には、その長手方向に沿う
上下の主筋（６ａ）と、その主筋（６ａ）を拘束するス
ターラップ（６ｂ）とからなる内部配筋（６）と、ＰＣ
鋼線（７）とが埋設されている。また、上部床版（２）
および下部床版（１ｂ）の内部には、縦横に配置された
メツシュ筋（８）が埋設されている。

そして、各梁相当部分（１ａ）のうち、開口付空間（３
ａ）の両側に位置するものは、内部配筋をシングル配筋
とし、開口付空間（３ａ）とは反対側の側面に沿って、
Ｃ形鋼からなる補強部材（９）が付設されており、それ
以外の梁相当部分（１ａ）ば、内部配筋がダブル配筋と
しである。

また、前記空間（３）のうち、前述した開口付空間（３
ａ）においては、配管用ダクト（４）以外の部分に砂（
１０）が充填してあり、また、残りの空間（３ｂ）にお
いては、ニスレンツオーム（１１）が充填されている。

なお、図中（１２）は梁相当部分（ｌａ）に形成された
横引き配線配管用の開口である。

次に、このスラブ構造の作成方法を説明する。

上述した各梁相当部分（ｌａ）のうちの下半部と、下部
床版（１ｂ）とは、第３図に示すように、各梁相当部分
（１ａ）の内部配筋（６）の上端部分が露出する状態で
予め工場でコンクリート打設されたプレキャストコンク
リート版（１）となっている。

前述したスラブ構造を作成するにあたって、まず上述の
工場製作のプレキャストコンクリート版（１）を大梁（
１３）どうしに亘って架設し、前記補強部材（９）を付
設し、開口付空間（３ａ）内に前述した配管用ダクト（
４）のような配線や配管を設置するとともに、梁相当部
分（１ａ）の開口（１２）を適宜利用して横引きの配線
や配管を設置したあ、と、前記開口付空間（３ａ）の両
側の壁に上部床版（２）の厚さ以上の高さを有する堰板
を取り付け、それ以外の空間（３ｂ）にニスレンツオー
ム（１１）を充填した後、各梁相当部分（１ａ）の下半
部およびニスレンツオーム（１１）の上に現場打コンク
リートを打設して各梁相当部分（１ａ）の上半部と上部
床版（２）とを作成する。

このとき、各梁相当部分（１ａ）の下半部から上方に露
出した鉄筋（６）が現場打コンクリート中に埋設される
ことによって、各梁相当部分（１ａ）の下半部をその梁
相当部分（１ａ）の上半部ならびに上部床版（２）に強
固に連結するシアーコネクターとして働くことになる。

その後、その現場打コンクリートの硬化を待って堰板を
取り外し、開口付空間（３ａ）内に砂（１０）を充填し
た後、プレキャストコンクリート製の蓋（５）を取り付
けてスラブ構造が完成する。

この状態が第１図および第２図に示される。

なお、第２図において、（１４）は大梁（１３）が取り
付く柱、（１５）は壁、（１６）は配管用ダク１−（４
）が接続される縦管、（１７）はこの縦管（１６）を隠
蔽するために壁（１５）に付設された遮蔽パネル、（１
８）はこの遮蔽パネル（１７）に設けられた点検口、（
１９）は前記蓋（５）に設けられた点検口である。

なお、必要に応じて、このスラブ構造の上に、板貼りゃ
カーペット貼等の床仕上げを施すことで、床が完成する
。

〔別実施例〕

次に、本発明の別の実施例を列記する。

く１〉梁相当部分（１ａ）と下部床版（ｌｂ）とを現場
打設のコンクリートによって形成した後に配管等を行い
、その後、上部床版（２）を現場打設のコンクリートに
よって形成することで本発明のスラブ構造を作成しても
よい。また、配管等を行った後、それらの全てを現場打
設のコンクリートによって同時に形成することで本発明
のスラブ構造を作成してもよい。

〈２〉先の実施例と同様に、梁相当部分（ｌａ）の下半
部と下部床版（１ｂ）とを予め工場で製作したプレキャ
ストコンクリート版（１）としたものを用いる構成の場
合、梁相当空間（１ａ）の内部配筋ならびに上部床版（
１ｂ）との接合性を高めるためのシアコネクターの具体
的構成は適宜変更自在であり、例えば、第４図に示すよ
うに、梁相当部分（１ａ）の内部配筋はその下半部の内
部にだけ設け、その下半部から上方に突出する姿勢のハ
の字状の鉄筋（２０）をシアコネクターとして設ける構
成としたり、或いは、第５図に示すように、梁相当部分
（１ａ）の内部配筋を、側面視においてハの字状を呈す
る鉄筋（２１ａ）の複数を上弦鉄筋（２１ｂ）・下弦鉄
筋（２１ｃ）・腹筋（２１ｄ）を介して接合することで
梁相当部分（１ａ）の長手方向に並ぶ状態に形成し、そ
の内部配筋の上端部を梁相当部分（１ａ）の下半部から
上方に露出させる構成としてもよい。

なお、第５図に示す構成において、ハの字状の鉄筋（２
１ａ）に７字状の鉄筋を重ねて側面視Ｘの字状となるよ
うにしてもよい。

く３〉開口付空間（３ａ）を形成するために、先の実施
例で説明した堰板を用いる方法に替えて、ニスレンツオ
ームや箱型枠を用いる方法を採用してもよい。また、そ
れ以外の空間（３ｂ）を形成するために、先の実施例で
説明したニスレンツオーム（１１）を位置させてコンク
リートの流入を防止する方法に替えて、箱状の捨型枠や
梁相当部分（１ａ）の上端どうしに亘る板状の捨型枠を
用いる方法を採用してもよい。

〈４〉配線・配管用の空間（３ａ）に対する開口（２ａ
）は、先の実施例で説明した梁相当部材（１ａ）の長手
方向に沿って連続する長いものに替えて、点検口（１９
）に相当する寸法の比較的小さいものを、断続的に或い
は１個だけ設けてもよい。

この場合、その間口（２ａ）以外の部分は、捨型枠等を
設けて上部床版（２）と同時に形成すればよい。

〈５〉開口付空間（３ａ）内における配線・配管の具体
的構成は適宜変更自在で、例えば、先の実施例で説明し
た配管用ダクト（４）に替えて、或いはそれに加えて、
配線用のコンジットバイブ等を設けてもよく、また、そ
れら配線や配管を、側壁に取り付けたブラケット上に載
置する状態に設けてもよく、さらに、砂（１０）を充填
することに替えてニスレンツオームやグラスウールを充
填したり、配線や配管以外の部分を空間のまま残してお
いてもよい。

く６〉なお、このスラブ構造が柱（１４）を挟んで対向
配置されている場合、開口付空間（３ａ）と柱（１４）
との取合いは、例えば第６図に示すように開口付空間（
３ａ）の幅を柱（１４）の幅よりも大にしたり、第７図
に示すように柱（１４）の周囲に配線・配管スペース（
３ｘ）を形成したりして配線や配管を柱（１４）を避け
て配置できるように構成してもよく、或いは、第８図に
示すように配線や配管を柱（１４）を貫通させて柱（１
４）に適宜補強を施すように構成してもよい。

く７〉尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利に
する為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面
の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係るスラブ構造の実施例
を示し、第１図は断面図、第２図は斜視図、第３図はプ
レキャストコンクリート部材の斜視図である。第４図な
いし第８図はそれぞれ別の実施例を示し、第４図および
第５図は第３図に相当する斜視図、第６図ないし第８図
は平面図である。第９図は比較例を示す第１図に相当す
る断面図である。 （ｌａ）・・・・・・梁相当部分、（ｌｂ）・・・・・
・下部床版、（２）・・・・・・上部床版、（２ａ）・
・・・・・開口、（３ａ）・・・・・・空間、（５）・
・・・・・蓋、（１９）・・・・・・点検口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、平行またはほぼ平行に並置した複数の梁相当部分（
   １ａ）と、各梁相当部分（１ａ）の上端部どうしを連結
   するコンクリート製の上部床版（２）と、前記梁相当部
   分（１ａ）の下端部どうしを連結するコンクリート製の
   下部床版（１ｂ）とを備え、前記梁相当部分（１ａ）の
   うち隣合うものの間の空間（３ａ）に対する開口（２ａ
   ）を前記上部床版（２）に形成するとともに、その開口
   付空間（３ａ）の内部にその長手方向に沿って配線又は
   配管を設置し、前記開口（２ａ）に対する着脱自在な蓋
   （５）を設けてあるスラブ構造。 ２、前記複数の梁相当部分（１ａ）の下半部と前記下部
   床版（１ｂ）とが予め一体に形成されたプレキャストコ
   ンクリート製であり、前記複数の梁相当部分（１ａ）の
   上半部と前記上部床版（２）とが現場打設されたコンク
   リートである特許請求の範囲第１項に記載のスラブ構造
   。 ３、前記開口（２ａ）が、前記梁相当部分（１ａ）の長
   手方向に沿って連続して形成されたものである特許請求
   の範囲第１項または第２項に記載のスラブ構造。 ４、前記開口（２ａ）が点検口（１９）に相当する寸法
   を有する小さなものである特許請求の範囲第１項または
   第２項に記載のスラブ構造。