以下、本発明のインダクタ部品について説明する。なお、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更されてもよい。また、以下において記載する個々の好ましい構成を複数組み合わせたものもまた本発明である。
以下に示す各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示す構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。実施形態2以降では、実施形態1と共通の事項についての記載は省略し、異なる点を主に説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎に逐次言及しない。
以下の説明において、各実施形態を特に区別しない場合、単に「本発明のインダクタ部品」と言う。
以下に示す図面は模式図であり、その寸法、縦横比の縮尺等は実際の製品と異なる場合がある。
本明細書中、要素間の関係性を示す用語(例えば、「平行」、「垂直」、「直交」等)及び要素の形状を示す用語は、文字通りの厳密な態様のみを意味するだけではなく、実質的に同等な範囲、例えば、数%程度の差異を含む範囲も意味する。
本発明のインダクタ部品は、長さ方向に相対する一対の端面と、高さ方向に相対する天面及び底面と、幅方向に相対する一対の側面と、を含む直方体状の素体と、上記素体内部に設けられ、コイル軸方向に沿って螺旋状に巻回されたコイルを含む内部配線と、上記内部配線の一方端部に電気的に接続され、かつ、上記一対の端面の一方に設けられた第1外部電極と、上記内部配線の他方端部に電気的に接続され、かつ、上記一対の端面の他方に設けられた第2外部電極と、を備え、上記コイル軸方向に平行な断面であって上記内部配線の延在する方向に直交する断面において、上記内部配線は4つの隅部を有し、上記内部配線のうち、上記コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する上記内部配線は、上記素体の角部に隣接する上記隅部の形状が、残り3つの上記隅部の形状と異なるものを含む、ことを特徴とする。
[実施形態1]
本発明のインダクタ部品の一例を、本発明の実施形態1のインダクタ部品として以下に説明する。
図1は、本発明の実施形態1のインダクタ部品の一例を示す斜視模式図である。
図1に示すインダクタ部品1Aは、素体10と、コイル20を含む内部配線25と、第1外部電極30aと、第2外部電極30bと、を有している。
本明細書中、長さ方向、高さ方向、及び、幅方向を、図1等に示すように、各々、L、T、及び、Wで定められる方向とする。ここで、長さ方向Lと高さ方向Tと幅方向Wとは、互いに直交している。
図1に示すように、インダクタ部品1Aにおいて、素体10の表面は、長さ方向Lに相対する一対の端面11a及び端面11bと、高さ方向Tに相対する天面12a及び底面12bと、幅方向Wに相対する一対の側面13a及び側面13bと、を含んでいる。インダクタ部品1Aにおいて、幅方向Wは、コイル20のコイル軸方向に平行である。つまり、インダクタ部品1Aにおいて、素体10の表面は、コイル軸方向に平行な底面12bと、コイル軸方向に直交する高さ方向Tにおいて底面12bに相対する天面12aと、を含んでいる。
インダクタ部品1Aにおいて、素体10の底面12bは、実装面である。より具体的には、素体10の底面12bは、インダクタ部品1Aの実装時に実装対象物(例えば、基板)に対向する実装面である。よって、インダクタ部品1Aでは、素体10の実装面、すなわち、素体10の底面12bがコイル軸方向に平行である。
素体10の表面のうちの少なくとも1つの面、すなわち、端面11a、端面11b、天面12a、底面12b、側面13a、及び、側面13bの少なくとも1つの面には、各面を識別しやすくするためのマーキングが施されていてもよい。
素体10の端面11a及び端面11bは、長さ方向Lに厳密に直交している必要はない。また、素体10の天面12a及び底面12bは、高さ方向Tに厳密に直交している必要はない。更に、素体10の側面13a及び側面13bは、幅方向Wに厳密に直交している必要はない。
図1に示すように、素体10は、直方体状である。
本明細書中、直方体状は、実質的に直方体状と言える形状であればよく、例えば、後述するように角部及び稜線部に丸みが付けられている略直方体状を含む。
素体10は、角部及び稜線部に丸みが付けられていることが好ましい。素体10の角部は、素体10を立体的にとらえた場合は、素体10の3面が交わる部分であり、後述するように素体10を断面で見た場合は、素体10の2辺が交わる部分である。素体10の稜線部は、素体10の2面が交わる部分である。
素体10は、絶縁層を含んでおり、素体10は、複数の絶縁層がコイル軸方向に積層されてなるが、実際にはこれらの境界が明瞭に現れないため、図1では絶縁層を図示していない。
絶縁層を構成する絶縁材料としては、例えば、硼珪酸ガラスを主成分とするガラス材料、セラミックス材料、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリマー樹脂等の有機材料、ガラスエポキシ樹脂等の複合材料等が挙げられる。絶縁材料としては、特に、誘電率及び誘電損失が小さい材料が好ましい。
複数の絶縁層を構成する絶縁材料は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよいし、一部で異なっていてもよい。
複数の絶縁層のコイル軸方向における寸法は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよいし、一部で異なっていてもよい。
図1に示すように、コイル20は、素体10の内部に設けられ、かつ、コイル軸方向に沿って螺旋状に巻回されている。
コイル20のコイル軸方向は、コイル20のコイル軸Cが延びる方向であり、上述したように素体10の実装面である底面12bに平行である。
コイル20は、素体10の内部に設けられた内部配線25の少なくとも一部がコイル軸方向に積層されつつ電気的に接続されることにより、螺旋状に巻回された状態で構成されている。
内部配線25は、複数の内部配線、具体的には、第1内部配線25a及び第2内部配線25bを含んでいる。すなわち、本実施形態において、内部配線25の積層数は2である。
第1内部配線25aは、複数の内部配線25のうち、コイル軸方向に平行な方向における一方の最も端に位置する内部配線であり、内部配線25において、コイル軸方向における素体10の側面13a側の最外位置に存在している。
第1内部配線25aは、第1外部電極30aに接続されている。
第2内部配線25bは、複数の内部配線25のうち、コイル軸方向に平行な方向における他方の最も端に位置する内部配線であり、内部配線25において、コイル軸方向における素体10の側面13b側の最外位置に存在している。
第2内部配線25bは、第2外部電極30bに接続されている。
なお、後述する実施形態2のように、コイル軸方向における第1内部配線25aと第2内部配線25bとの間には、少なくとも1つの内部配線が存在していてもよい。
第1内部配線25aは、第1コイル配線21aと、第1引出配線22aと、を含んでいる。
第2内部配線25bは、第2コイル配線21bと、第2引出配線22bと、を含んでいる。
コイル20は、内部配線25の少なくとも一部、より具体的には、第1コイル配線21a及び第2コイル配線21bを含む複数のコイル配線がコイル軸方向に積層されつつ電気的に接続されてなる。つまり、第1コイル配線21a及び第2コイル配線21bは、各々、コイル20を構成している。
第1コイル配線21aは、単層構造を有していてもよいが、製造の容易性の観点からは複層構造を有していることが好ましい。
第2コイル配線21bは、単層構造を有していてもよいが、製造の容易性の観点からは複層構造を有していることが好ましい。
なお、コイル軸方向における第1コイル配線21aと第2コイル配線21bとの間には、少なくとも1つのコイル配線が存在していてもよい。
コイル配線を構成する導電材料としては、例えば、Ag、Au、Cu、Pd、Ni、Al、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等が挙げられる。
複数のコイル配線を構成する導電材料は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよいし、一部で異なっていてもよい。
複数のコイル配線のコイル軸方向における寸法は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよいし、一部で異なっていてもよい。
複数のコイル配線について、コイル軸方向から見たときのコイル配線が延びる方向に直交する方向における寸法、つまり、コイル軸方向から見たときの幅は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよいし、一部で異なっていてもよい。
複数のコイル配線のうち、コイル軸方向に隣り合うコイル配線は、その隣り合うコイル配線間の絶縁層をコイル軸方向に貫通する接続導体(ビア)を介して電気的に接続されていてもよい。図1に示す例では、コイル20は、コイル軸方向に積層された第1コイル配線21aと第2コイル配線21bが接続導体60を介して電気的に接続されてなっている。
接続導体は、単層構造を有していてもよいし、複層構造を有していてもよい。
接続導体を構成する導電材料としては、例えば、Ag、Au、Cu、Pd、Ni、Al、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等が挙げられる。
コイル軸方向から見たとき、コイル20は、直線部のみで構成される形状であってもよいし、曲線部のみで構成される形状であってもよいし、直線部及び曲線部で構成される形状であってもよい。例えば、コイル軸方向から見たとき、コイル20は、例えば、円形状であってもよいし、楕円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。
図1に示すように、第1外部電極30aは、内部配線25(ここでは第1内部配線25a)の一方端部に電気的に接続されている。より具体的には、図1に示すように、コイル20を構成する第1コイル配線21aは、第1引出配線22aを介して、第1外部電極30aに電気的に接続されている。つまり、第1引出配線22aは、第1コイル配線21a及び第1外部電極30aを接続している。
第1引出配線22aは、単層構造を有していてもよいし、複層構造を有していてもよい。
図1に示すように、第2外部電極30bは、内部配線25(ここでは第2内部配線25b)の他方端部に電気的に接続されている。より具体的には、図1に示すように、コイル20を構成する第2コイル配線21bは、第2引出配線22bを介して、第2外部電極30bに電気的に接続されている。つまり、第2引出配線22bは、第2コイル配線21b及び第2外部電極30bを接続している。
第2引出配線22bは、単層構造を有していてもよいし、複層構造を有していてもよい。
引出配線を構成する導電材料としては、例えば、Ag、Au、Cu、Pd、Ni、Al、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等が挙げられる。
第1引出配線22a及び第2引出配線22bを構成する導電材料は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
本明細書中、コイル軸方向から見たときにコイルの周回部に重なっていない(コイルの周回部からはみ出している)配線を引出配線とする(例えば、図1に示す例)。
図1に示すように、第1外部電極30aは、素体10の端面11aに設けられている。つまり、図1に示す例において、第1外部電極30aは、少なくとも素体10の端面11aに露出している。
図1に示すように、第1外部電極30aは、素体10の底面12bに露出していることが好ましい。
図1に示す例において、第1外部電極30aは、素体10の端面11aの一部から底面12bの一部にわたって延びている。つまり、図1に示す例において、第1外部電極30aは、素体10の端面11aの一部に加えて、素体10の底面12bの一部にも露出している。
なお、第1外部電極30aは、素体10の端面11aのみに露出していてもよい。
図1に示すように、第2外部電極30bは、素体10の端面11bに設けられている。つまり、図1に示す例において、第2外部電極30bは、少なくとも素体10の端面11bに露出している。
図1に示すように、第2外部電極30bは、素体10の底面12bに露出していることが好ましい。
図1に示す例において、第2外部電極30bは、素体10の端面11bの一部から底面12bの一部にわたって延びている。つまり、図1に示す例において、第2外部電極30bは、素体10の端面11bの一部に加えて、素体10の底面12bの一部にも露出している。
なお、第2外部電極30bは、素体10の端面11bのみに露出していてもよい。
以上のように、第1外部電極30a及び第2外部電極30bは、コイル軸方向に直交する方向(ここでは、長さ方向L)に互いに離れるように設けられている。
また、第1外部電極30a及び第2外部電極30bが、各々、実装面である素体10の底面12bに露出していると、インダクタ部品1Aの実装性が向上しやすくなる。
図1に示す例において、第1外部電極30aのコイル軸方向における寸法は、素体10のコイル軸方向における寸法よりも小さい。
なお、第1外部電極30aのコイル軸方向における寸法は、素体10のコイル軸方向における寸法と同じであってもよい。
図1に示す例において、第2外部電極30bのコイル軸方向における寸法は、素体10のコイル軸方向における寸法よりも小さい。
なお、第2外部電極30bのコイル軸方向における寸法は、素体10のコイル軸方向における寸法と同じであってもよい。
外部電極を構成する導電材料としては、例えば、Ag、Au、Cu、Pd、Ni、Al、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等が挙げられる。
第1外部電極30a及び第2外部電極30bを構成する導電材料は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
第1外部電極30aは、単層構造を有していてもよいし、複層構造を有していてもよい。
第1外部電極30aは、コイル20側から順に、上述した導電材料(例えば、Ag)を含む下地電極と、Niめっき電極と、Snめっき電極と、を有していてもよい。この場合、第1外部電極30aでは、下地電極が素体10の表面(図1では、素体10の端面11a及び底面12b)と一体の面をなし、Niめっき電極及びSnめっき電極が下地電極を覆うように素体10の表面(図1では、素体10の端面11a及び底面12b)から盛り上がっていてもよい。
第2外部電極30bは、単層構造を有していてもよいし、複層構造を有していてもよい。
第2外部電極30bは、コイル20側から順に、上述した導電材料(例えば、Ag)を含む下地電極と、Niめっき電極と、Snめっき電極と、を有していてもよい。この場合、第2外部電極30bでは、下地電極が素体10の表面(図1では、素体10の端面11b及び底面12b)と一体の面をなし、Niめっき電極及びSnめっき電極が下地電極を覆うように素体10の表面(図1では、素体10の端面11b及び底面12b)から盛り上がっていてもよい。
図2は、図1に示すインダクタ部品の線分a1-a2に沿う断面の一例を示す断面模式図である。図3は、図1に示すインダクタ部品の線分b1-b2に沿う断面の一例を示す断面模式図である。図2及び図3はいずれも、コイル軸方向に平行な断面であって内部配線25の延在する方向に直交する断面を示している。このような断面を、以下、単に「垂直断面」と言う。より具体的には、図2は、図1に示すインダクタ部品1Aの長さ方向L及び幅方向Wに沿う垂直断面、すなわちLW面のうち、第1コイル配線21a及び第2コイル配線21bを含む垂直断面を示している。図3は、図1に示すインダクタ部品1Aの幅方向W及び高さ方向Tに沿う垂直断面、すなわちWT面のうち、第1コイル配線21a及び第2コイル配線21bを含む垂直断面を示している。
図2に示すように、垂直断面(LW面)において、各内部配線25は、4つの隅部40a~40dを有しており、コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する内部配線25は、素体10の角部14に隣接する隅部40aの形状が、残り3つの隅部40b~40dの形状と異なっている。
これにより、隅部40aの形状を素体10の角部14から露出し難いような形状(例えば、図2に示す切り欠き形状等)としつつ、残り3つの隅部40b~40dの形状を内部配線25の断面積を大きくできる形状(例えば、図2に示す直角形状等)とすることが可能である。すなわち、Rdcを低減することができる。そのため、素体10の稜線部、具体的には角部14を含む稜線部に、最も端に位置する内部配線25が露出することを抑えながら、インダクタ部品1AのQ値、特に低周波でのQ値を向上することが可能である。
図2に示す例では、垂直断面(LW面)において、コイル軸方向に平行な方向における一方の最も端に位置する第1内部配線25aの第1コイル配線21aは、素体10の2つの角部14に隣接して2つの配線部23aをそれぞれ有しており、各配線部23aにおいて、4つの隅部41a~41dのうち、素体10の角部14に隣接する隅部41aの形状が、残り3つの隅部41b~41dの形状と異なっている。
図2に示す例では、垂直断面(LW面)において、コイル軸方向に平行な方向における他方の最も端に位置する第2内部配線25bの第2コイル配線21bは、素体10の2つの角部14に隣接して2つの配線部23bをそれぞれ有しており、各配線部23bにおいて、4つの隅部42a~42dのうち、素体10の角部14に隣接する隅部42aの形状が、残り3つの隅部42b~42dの形状と異なっている。
また、図3に示すように、垂直断面(WT面)においても、各内部配線25は、隅部40a~40dを有しており、コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する内部配線25は、素体10の角部14に隣接する隅部40aの形状が、残り3つの隅部40b~40dの形状と異なっている。
これによっても、図2に示した場合と同様に、隅部40aの形状を素体10の角部14から露出し難いような形状(例えば、図3に示す切り欠き形状等)としつつ、残り3つの隅部40b~40dの形状を内部配線25の断面積を大きくできる形状(例えば、図3に示す直角形状等)とすることが可能である。すなわち、Rdcを低減することができる。そのため、素体10の稜線部、具体的には角部14を含む稜線部に、最も端に位置する内部配線25が露出することを抑えながら、インダクタ部品1AのQ値、特に低周波でのQ値を向上することが可能である。
図3に示す例では、垂直断面(WT面)において、コイル軸方向に平行な方向における一方の最も端に位置する第1内部配線25aの第1コイル配線21aは、素体10の1つの角部14に隣接して1つの配線部23aを有しており、配線部23aにおいて、4つの隅部41a~41dのうち、素体10の角部14に隣接する隅部41aの形状が、残り3つの隅部41b~41dの形状と異なっている。
図3に示す例では、垂直断面(WT面)において、コイル軸方向に平行な方向における他方の最も端に位置する第2内部配線25bの第2コイル配線21bは、素体10の2つの角部14に隣接して2つの配線部23bをそれぞれ有しており、各配線部23bにおいて、4つの隅部42a~42dのうち、素体10の角部14に隣接する隅部42aの形状が、残り3つの隅部42b~42dの形状と異なっている。
なお、図2及び図3に示すように、LW面及びWT面のいずれの垂直断面においても、素体10の角部14に隣接する隅部40aの形状が、残り3つの隅部40b~40dの形状と異なっていることが好ましいが、LW面及びWT面のいずれ一方の垂直断面のみにおいて、この関係を満たしていてもよい。
本実施形態では、少なくともWT面において、この関係を満たしていることが好ましい。
ただし、本発明のインダクタ部品では、少なくとも1つの垂直断面において、この関係を満たしていればよい。
垂直断面において、各内部配線25は、4つの隅部40a~40dを有しており、角部14に隣接する隅部40aは、隅部40cと対向する位置に配置されており、隅部40bは、隅部40dと対向する位置に配置されている。隅部40aは、素体10の角部14付近に配置されている。隅部40b及び40dは、素体10の平面部付近に配置されている。隅部40cは、4つの隅部40a~40dのうち、最も素体10の中心の近くに配置されている。
図2及び図3に示すように、垂直断面において、素体10の角部14に隣接する隅部40aの形状は、切り欠き形状であってもよい。
本明細書中、「切り欠き形状」とは、垂直断面において、内部配線の中心に向かって1つの凹部が設けられた形状であり、図2及び図3に示すように、段差が1段の階段状であってもよい。
垂直断面において、残り3つの隅部40b~40dの形状は、特に限定されないが、図2及び図3に示すように、直角形状であってもよい。
ここで、「直角形状」は、角の頂点に丸み(R)が付けられていてもよい。
図4は、図2又は図3に示すインダクタ部品において素体の角部とその近傍の一例を示す断面模式図である。なお、図4中、破線は、製品のサイドギャップの位置を示す。すなわち、素体10の外形からサイドギャップ分だけオフセットした位置を示す。他方、図2及び図3中の破線は、素体10の外形から20μm分だけオフセットした位置を示す。
垂直断面において、素体10の角部14に隣接する、内部配線25の隅部40aは、素体10の角部14との間の距離d(図4参照)が、製品のサイドギャップ以下(図4参照)、又は、20μm以下(図2及び図3参照)、となる角部50を、少なくとも1つ有することが好ましく、少なくとも2つ有することがより好ましい。これにより、内部配線25の断面積をより大きくすることができるため、インダクタ部品1AのQ値をより向上することが可能である。
図2に示す例では、垂直断面(LW面)において、素体10の角部14との間の距離が20μm以下となる内部配線25の角部50が2箇所×4隅(合計8箇所)存在している。
図3に示す例では、垂直断面(WT面)において、素体10の角部14との間の距離が20μm以下となる内部配線25の角部50が2箇所×3隅(合計6箇所)存在している。
図4に示す例では、垂直断面において、1つの角部14当たり、サイドギャップからはみ出る内部配線25の角部50が2つ存在している。
本明細書中、製品のサイドギャップとは、長さ方向L、幅方向W及び高さ方向Tを問わず、内部配線から素体の表面(平面のみ)までの距離とする。より詳細には、図4に示すように、走査電子顕微鏡等で撮像した垂直断面の画像において、角部14の湾曲に接続部16を介して接続される素体10の平面部15の平均的な位置を通る直線を算出し、その直線と平行な直線であって、平面部15に対向する内部配線25の平均的な位置を通る直線を算出し、これら2直線間の距離を測定し、製品のサイドギャップとする。
サイドギャップの下限値は、耐衝撃性、耐めっき性及び耐圧の観点から、少なくとも2~3μm程度、好ましくは、5μm程度は必要と考えられる。また、20μm程度のサイドギャップ設計であっても、加工ばらつきが3μm程度であれば、Cpk=1.67となる最小サイドギャップは5μmとなる。
このような観点からは、素体10の角部14と、角部14に隣接する隅部40aの角部50との距離dは、2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることがさらに好ましい。
インダクタ部品1Aは、例えば、フォトリソグラフィ法により製造される。すなわち、まず、絶縁ペースト層のフォトリソグラフィ法によるパターニングと、導体層のフォトリソグラフィ法によるパターニングとを繰り返すことにより、絶縁ペースト層、コイル導体層、接続導体層、及び、外部導体層を所定の積層構造になるように形成し、マザー積層体を作製する。
絶縁ペースト層のパターニングは、例えば、以下の方法で行うことができる。まず、硼珪酸ガラスを主成分とするガラス材料等を含む感光性絶縁ペーストをスクリーン印刷等で塗工することにより絶縁ペースト層を形成し、形成された絶縁ペースト層にフォトマスクを介して紫外線等を照射した後、アルカリ溶液等で現像することにより、絶縁ペースト層にビアホールや開口等を形成する。
導体層のパターニングは、例えば、以下の方法で行うことができる。まず、Ag等を金属主成分とする感光性導電ペーストをスクリーン印刷等で塗工することにより導電ペースト層を形成し、形成された導電ペースト層にフォトマスクを介して紫外線等を照射した後、アルカリ溶液等で現像することにより、コイル導体層や外部導体層、コイル導体層及び外部導体層に接続された引出導体層等を形成する。
このとき、パターンの外形を変化させながら複数の導体パターンを多段形成(積層)することにより、垂直断面において、コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する内部配線25の隅部40cを切り欠き形状や後述する階段形状に形成することができる。
なお、フォトマスクを用いた露光に代えて、例えば、フォトマスクを用いないDI露光(ダイレクトイメージ露光又は直接描画とも呼ばれる)を行ってもよい。
コイル導体層、引出導体層、接続導体層、及び、外部導体層の導体パターンを形成する方法は、上述したフォトリソグラフィ法に限定されず、例えば、導体パターンの形状に開口が設けられたスクリーン印刷版を用いて導電ペーストを印刷積層する方法であってもよいし、スパッタ法、蒸着法、箔を圧着する方法等で導体膜を形成した後、導体パターンの形状になるように導体膜をエッチングする方法であってもよいし、セミアディティブ法でネガパターンを形成してからめっき膜を形成した後、導体パターンの形状になるようにめっき膜の不要部をエッチング等で除去する方法であってもよい。
導体パターンを多段形成する方法は、特に限定されず、例えば、上述したようにフォトリソグラフィ法を用いた工程を繰り返すことで導体パターンを繰り返し重ねる方法であってもよいし、セミアディティブ法で形成された導体パターンを繰り返し重ねる方法であってもよいし、セミアディティブ法で形成された導体パターンと、別途めっき成長させためっき膜をエッチングすることで形成された導体パターンとを順不同で重ねる方法であってもよいし、セミアディティブ法で形成されためっき膜を更にめっき成長させる方法であってもよい。
コイル導体層、引出導体層、接続導体層、及び、外部導体層の導体パターンを構成する導電材料は、上述したAg等を金属主成分とする感光性導電ペーストに限定されず、例えば、スパッタ法、蒸着法、箔を圧着する方法、めっき法等で形成されるAg、Au、Cu等の金属を含む導体であってもよい。
絶縁ペースト層を形成する方法は、上述したフォトリソグラフィ法に限定されず、例えば、絶縁材料からなるシートを圧着する方法であってもよいし、絶縁材料をスピンコートする方法であってもよいし、絶縁材料をスプレーコートする方法であってもよい。
ビアホール及び開口が設けられた絶縁ペースト層を形成する方法は、上述したフォトリソグラフィ法に限定されず、例えば、絶縁材料からなるシートを圧着する、絶縁材料をスピンコートする、絶縁材料をスプレーコートする等の方法で絶縁膜を形成した後、絶縁膜にレーザー加工、ドリル加工等を行うことによりビアホール及び開口を設ける方法であってもよい。
絶縁ペースト層を構成する絶縁材料は、上述した硼珪酸ガラスを主成分とするガラス材料に限定されず、例えば、セラミックス材料、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリマー樹脂等の有機材料、ガラスエポキシ樹脂等の複合材料等であってもよい。絶縁材料としては、特に、誘電率及び誘電損失が小さい材料が好ましい。
その後、マザー積層体をダイシング等で切断することにより、複数の未焼成の積層体に個片化する。
未焼成の積層体は、絶縁ペースト層が積層されてなる絶縁ペースト積層部と、隣り合うコイル導体層が接続導体層を介して電気的に接続されるようにコイル導体層が積層されてなるコイル導体積層部と、外部導体層が積層されてなる外部導体積層部と、を有している。
未焼成の積層体に個片化する際、未焼成の積層体の切断面に含まれる少なくとも絶縁ペースト積層部の側面に、外部導体積層部を2箇所で露出させる。
次に、未焼成の積層体を焼成することにより、積層体を作製する。
未焼成の積層体を焼成すると、絶縁ペースト層が絶縁層となることにより、絶縁ペースト積層部は素体10となる。また、未焼成の積層体を焼成すると、コイル導体層がコイル配線となることにより、コイル導体積層部はコイル20となる。更に、未焼成の積層体を焼成すると、2つの外部導体積層部は、一方が第1外部電極30aの一部となり、他方が第2外部電極30bの一部となる。
次に、得られた積層体に対して、例えば、バレル研磨処理を施すことにより、素体10の角部及び稜線部に丸みを付けてもよい。
最後に、焼成後の2つの外部導体積層部を下地電極として、めっき処理により、各々の下地電極の表面上にNiめっき電極及びSnめっき電極を順に形成する。Niめっき電極及びSnめっき電極の厚みについては、各々、例えば、2μm以上、10μm以下とする。
このようにして、下地電極、Niめっき電極、及び、Snめっき電極を素体10の表面側から順に有する第1外部電極30a及び第2外部電極30bを形成する。この場合、第1外部電極30aでは、下地電極が素体10の表面(図1では、素体10の端面11a及び底面12b)と一体の面をなし、Niめっき電極及びSnめっき電極が下地電極を覆うように素体10の表面(図1では、素体10の端面11a及び底面12b)から盛り上がっていてもよい。また、第2外部電極30bでは、下地電極が素体10の表面(図1では、素体10の端面11b及び底面12b)と一体の面をなし、Niめっき電極及びSnめっき電極が下地電極を覆うように素体10の表面(図1では、素体10の端面11b及び底面12b)から盛り上がっていてもよい。
外部電極を形成する方法は、上述したように未焼成の積層体の切断面(少なくとも絶縁ペースト積層部の側面)に露出させた外部導体積層部にめっき処理を施す方法に限定されず、例えば、上述したように未焼成の積層体の切断面(少なくとも絶縁ペースト積層部の側面)に外部導体積層部を露出させてから、外部導体積層部の露出部分を導電ペーストに浸漬(ディップ)したり、外部導体積層部の露出部分にスパッタ法で導電ペーストを成膜したりした後、めっき処理を施す方法であってもよい。
以上により、インダクタ部品1Aが製造される。
インダクタ部品1Aは、例えば、0402(0.4mm×0.2mm×0.2mm)サイズとして製造される。インダクタ部品1Aのサイズは、0402(0.4mm×0.2mm×0.2mm)サイズに限定されない。
[実施形態2]
本発明の実施形態2のインダクタ部品において、内部配線の積層数は3である。本発明の実施形態2のインダクタ部品は、この点以外、本発明の実施形態1のインダクタ部品と同様である。
図5は、本発明の実施形態2のインダクタ部品の一例を示す斜視模式図である。
図5に示すインダクタ部品1Bにおいて、内部配線25は、第1内部配線25a及び第2内部配線25bに加えて、第3内部配線25cを含んでいる。すなわち、内部配線25は、コイル軸方向に平行な方向において、一方の端に位置する第1内部配線25aと、他方の端に位置する第2内部配線25bと、第1内部配線25aと第2内部配線25bとの間に位置する第3内部配線25cとを含んでいる。
第3内部配線25cは、コイル軸方向に平行な方向における最も端に位置しない内部配線25であり、内部配線25において、コイル軸方向における中央位置に存在している。
第3内部配線25cは、コイル軸方向における第1コイル配線21aと第2コイル配線21bとの間に、第3コイル配線21cを含んでいる。
本実施形態では、コイル20は、第1コイル配線21a、第2コイル配線21b及び第3コイル配線21cを含む複数のコイル配線がコイル軸方向に積層されつつ電気的に接続されてなる。つまり、第1コイル配線21a、第2コイル配線21b及び第3コイル配線21cは、各々、コイル20を構成している。
第3コイル配線21cは、単層構造を有していてもよいし、複層構造を有していてもよい。
図6は、図5に示すインダクタ部品の線分a1-a2に沿う断面の一例を示す断面模式図である。図7は、図5に示すインダクタ部品の線分b1-b2に沿う断面の一例を示す断面模式図である。図6及び図7はいずれも、垂直断面を示している。より具体的には、図6は、図5に示すインダクタ部品1Bの長さ方向L及び幅方向Wに沿う垂直断面、すなわちLW面のうち、第1コイル配線21a、第2コイル配線21b及び第3コイル配線21cを含む垂直断面を示している。図7は、図5に示すインダクタ部品1Bの幅方向W及び高さ方向Tに沿う垂直断面、すなわちWT面のうち、第1コイル配線21a、第2コイル配線21b及び第3コイル配線21cを含む垂直断面を示している。
また、図6及び図7中の破線は、素体10の外形から20μm分だけオフセットした位置を示す。
図6及び図7に示すように、実施形態1と同様に、垂直断面において、コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する内部配線25は、素体10の角部14に隣接する隅部40aの形状が、残り3つの隅部40b~40dの形状と異なっており、切り欠き形状である。
他方、本実施形態では、コイル軸方向に平行な方向における最も端に位置しない内部配線25である第3内部配線25c、特に第3コイル配線21cの隅部43の形状は、垂直断面において、切り欠き形状や後述する階段形状や湾曲形状を含まない。このため、第3内部配線25cの形状を第3内部配線25cの断面積を大きくできる形状(例えば、矩形状等)とすることが可能である。そのため、インダクタ部品1AのQ値をより向上することが可能である。
なお、第3内部配線25cは、素体10の平面部に対向する位置に存在するため、切り欠き形状等の形状を有さなくとも、素体10の角部14から露出することはない。
第3内部配線25cは、4つの隅部43を有しており、第3内部配線25cの全ての隅部43の形状は、互いに同じ形状であり、例えば、図6及び図7に示す直角形状である。
本実施形態でも実施形態1と同様に、垂直断面において、素体10の角部14に隣接する、最も端に位置する内部配線25の隅部40aは、素体10の角部14との間の距離が、製品のサイドギャップ以下、又は、20μm以下(図6及び図7参照)、となる角部50を、少なくとも1つ有することが好ましく、少なくとも2つ有することがより好ましい。
図6に示す例では、垂直断面(LW面)において、素体10の角部14との間の距離が20μm以下となる内部配線25の角部50が2箇所×4隅(合計8箇所)存在している。
図7に示す例では、垂直断面(WT面)において、素体10の角部14との間の距離が20μm以下となる内部配線25の角部50が2箇所×3隅(合計6箇所)存在している。
[実施形態3]
本発明の実施形態3のインダクタ部品では、コイルのコイル軸方向が高さ方向Tと平行であり、垂直断面において、コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する内部配線は、素体の角部に隣接する隅部の形状が階段形状である内部配線を含む。本発明の実施形態3のインダクタ部品は、この点以外、本発明の実施形態2のインダクタ部品と同様である。
図8は、本発明の実施形態3のインダクタ部品の一例を示す斜視模式図である。
図8に示すインダクタ部品1Cにおいて、高さ方向Tは、コイル20のコイル軸方向に平行である。つまり、インダクタ部品1Cにおいて、素体10の表面は、コイル軸方向に直交する底面12bと、コイル軸方向と平行な高さ方向Tにおいて底面12bに相対する天面12aと、を含んでいる。
インダクタ部品1Cにおいても、素体10の底面12bは、実装面である。よって、インダクタ部品1Cでは、素体10の実装面、すなわち、素体10の底面12bがコイル軸方向に直交する。
コイル20のコイル軸方向は、コイル20のコイル軸Cが延びる方向であり、上述したように素体10の実装面である底面12bに直交する。
図8に示すインダクタ部品1Cにおいて、内部配線25は、第1内部配線25a、第2内部配線25b及び第3内部配線25cを含んでいる。すなわち、本実施形態において、内部配線25の積層数は3である。内部配線25は、コイル軸方向に平行な方向において、一方の端に位置する第1内部配線25aと、他方の端に位置する第2内部配線25bと、第1内部配線25aと第2内部配線25bとの間に位置する第3内部配線25cとを含んでいる。
第1内部配線25aは、複数の内部配線25のうち、コイル軸方向に平行な方向における一方の最も端に位置する内部配線内部配線25であり、内部配線25において、コイル軸方向における素体10の底面12b側の最外位置に存在している。
第1内部配線25aは、第1外部電極30aに接続されている。
第2内部配線25bは、複数の内部配線25のうち、コイル軸方向に平行な方向における他方の最も端に位置する内部配線内部配線25であり、内部配線25において、コイル軸方向における素体10の天面12a側の最外位置に存在している。
第2内部配線25bは、第2外部電極30bに接続されている。
第3内部配線25cは、コイル軸方向に平行な方向における最も端に位置しない内部配線25であり、内部配線25において、コイル軸方向における中央位置に存在している。
本実施形態でも、コイル20は、第1コイル配線21a、第2コイル配線21b及び第3コイル配線21cを含む複数のコイル配線がコイル軸方向に積層されつつ電気的に接続されてなる。つまり、第1コイル配線21a、第2コイル配線21b及び第3コイル配線21cは、各々、コイル20を構成している。
図9は、図8に示すインダクタ部品の線分a1-a2に沿う断面の一例を示す断面模式図である。図10は、図9に示すインダクタ部品の線分b1-b2に沿う断面の一例を示す断面模式図である。図9及び図10はいずれも、垂直断面を示している。より具体的には、図9は、図8に示すインダクタ部品1Cの長さ方向L及び高さ方向Tに沿う垂直断面、すなわちLT面のうち、第1コイル配線21a、第2コイル配線21b及び第3コイル配線21cを含む垂直断面を示している。図10は、図8に示すインダクタ部品1Cの幅方向W及び高さ方向Tに沿う垂直断面、すなわちWT面のうち、第1コイル配線21a、第2コイル配線21b及び第3コイル配線21cを含む垂直断面を示している。
また、図9及び図10中の破線は、素体10の外形から20μm分だけオフセットした位置を示す。
図9及び図10に示すように、実施形態1及び2と同様に、垂直断面において、コイル軸方向に平行な方向における他方の最も端に位置する第2内部配線25b、特に第2コイル配線21bは、素体10の角部14に隣接する隅部42aの形状が、残り3つの隅部42b~42dの形状と異なっている。
他方、垂直断面において、コイル軸方向に平行な方向における一方の最も端に位置する第1内部配線25a、特に第1コイル配線21aの形状は、切り欠き形状や後述する階段形状や湾曲形状を含まない。
また、本実施形態では、素体10の角部14に隣接する、第2内部配線25bの隅部42aの形状が、階段形状である。このため、切り欠き形状に比べて、最も端に位置する内部配線25の断面積をより大きくすることができるため、Rdcをより低減することができる。したがって、インダクタ部品1AのQ値、特に低周波でのQ値をより向上することが可能である。
ここで、「階段形状」とは、図9及び図10に示すように、段差が2段以上の階段状を意味し、段差が1段の階段状は含まないものとする。
なお、図9及び図10に示す例では、隅部42aの階段形状は、段差が2段であるが、3段以上であってもよい。
本実施形態でも実施形態1と同様に、垂直断面において、素体10の角部14に隣接する、最も端に位置する内部配線25の隅部40aは、素体10の角部14との間の距離が、製品のサイドギャップ以下、又は、20μm以下(図9及び図10参照)、となる角部50を、少なくとも1つ有することが好ましく、少なくとも2つ有することがより好ましい。
図9に示す例では、垂直断面(LT面)において、素体10の角部14との間の距離が20μm以下となる内部配線25の角部50が3箇所×2隅+1箇所(合計7箇所)存在している。
図10に示す例では、垂直断面(WT面)において、素体10の角部14との間の距離が20μm以下となる内部配線25の角部50が3箇所×2隅+1箇所(合計7箇所)存在している。
[実施形態4]
本発明の実施形態4のインダクタ部品では、垂直断面において、コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する内部配線は、素体の角部に隣接する隅部の形状が湾曲状である。本発明の実施形態4のインダクタ部品は、この点以外、本発明の実施形態2のインダクタ部品と同様である。
図11は、本発明の実施形態4のインダクタ部品の一例を示す断面模式図である。図11は、図5に示すインダクタ部品の線分a1-a2に沿う断面に対応する。すなわち、図11は、垂直断面を示している。より具体的には、図11は、インダクタ部品の長さ方向L及び幅方向Wに沿う垂直断面、すなわちLW面のうち、第1コイル配線、第2コイル配線及び第3コイル配線を含む垂直断面を示している。
図11に示すインダクタ部品1Dでは、実施形態1~3と同様に、垂直断面において、コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する内部配線25は、素体10の角部14に隣接する隅部40aの形状が、残り3つの隅部40b~40dの形状と異なっている。
他方、本実施形態では、素体10の角部14に隣接する隅部40aの形状が、湾曲状である。このため、切り欠き形状や階段形状に比べて、最も端に位置する内部配線25の断面積をより大きくすることができるため、Rdcをさらに低減することができる。したがって、インダクタ部品1AのQ値、特に低周波でのQ値をさらに向上することが可能である。
図12は、図11に示すインダクタ部品において素体の角部とその近傍の一例を示す断面模式図である。なお、図11及び図12中、破線は、素体10の外形から20μm分だけオフセットした位置を示す。
本実施形態でも実施形態1と同様に、垂直断面において、素体10の角部14に隣接する、最も端に位置する内部配線25の隅部40aは、素体10の角部14との間の距離d(図12参照)が、製品のサイドギャップ以下、又は、20μm以下(図11及び図12参照)、となる角部50を、少なくとも1つ有することが好ましく、少なくとも2つ有することがより好ましい。
図11に示す例では、垂直断面(LW面)において、素体10の角部14との間の距離が20μm以下となる内部配線25の角部50が1箇所×4隅(合計4箇所)存在している。
インダクタ部品1Dは、例えば、実施形態1と同様に、フォトリソグラフィ法により製造される。
本実施形態では、導体層のパターニングにおいて、パターンの外形を少しずつ変化させながら複数の導体パターンを多段形成(積層)することにより、垂直断面において、最も端に位置する内部配線25の隅部40cを湾曲状に形成することができる。
なお、上述した実施形態2~4では、内部配線の積層数が3である場合について説明したが、本発明のインダクタ部品において、内部配線の積層数は、4以上であってもよい。その場合、コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する内部配線以外の全ての内部配線は、垂直断面において、切り欠き形状、階段形状及び湾曲形状のいずれの形状もなく、4つの隅部の形状は同じ形状(例えば直角形状)となっていることが好ましい。
本明細書には、以下の内容が開示されている。
<1>
長さ方向に相対する一対の端面と、高さ方向に相対する天面及び底面と、幅方向に相対する一対の側面と、を含む直方体状の素体と、
前記素体内部に設けられ、コイル軸方向に沿って螺旋状に巻回されたコイルを含む内部配線と、
前記内部配線の一方端部に電気的に接続され、かつ、前記一対の端面の一方に設けられた第1外部電極と、
前記内部配線の他方端部に電気的に接続され、かつ、前記一対の端面の他方に設けられた第2外部電極と、を備え、
前記コイル軸方向に平行な断面であって前記内部配線の延在する方向に直交する断面において、前記内部配線は4つの隅部を有し、前記内部配線のうち、前記コイル軸方向に平行な方向におけるいずれか一方の最も端に位置する前記内部配線は、前記素体の角部に隣接する前記隅部の形状が、残り3つの前記隅部の形状と異なるものを含む、ことを特徴とするインダクタ部品。
<2>
前記断面において、前記素体の角部に隣接する前記隅部の形状は、切り欠き形状、階段形状又は湾曲状である、<1>に記載のインダクタ部品。
<3>
前記内部配線は、前記コイル軸方向に平行な方向において、一方の端に位置する第1内部配線と、他方の端に位置する第2内部配線と、前記第1内部配線と前記第2内部配線との間に位置する第3内部配線とを備え、
前記断面において、前記第3内部電極における前記隅部の形状は、切り欠き形状、階段形状及び湾曲状のいずれの形状も含まない、<1>又は<2>に記載のインダクタ部品。
<4>
前記断面において、前記素体の角部に隣接する前記隅部は、前記素体の角部との間の距離が製品のサイドギャップ以下又は20μm以下となる少なくとも1つの角部を有する、<1>~<3>のいずれかに記載のインダクタ部品。
<5>
前記断面において、前記素体の角部に隣接する前記隅部は、前記素体の角部との間の距離が製品のサイドギャップ以下又は20μm以下となる前記角部を、その素体の角部1つ当たり少なくとも2つ有する、<4>に記載のインダクタ部品。