JP2018064025A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気飽和を抑制でき、直流重畳特性に優れるコイル部品を提供すること。
【解決手段】磁性体粉末と樹脂とを有するコア部と、空芯コイル部と、空芯コイルから引き出された引出部と、端子部とを有し、少なくとも空芯コイル部の全体がコア部の内部に埋設されているコイル部品であって、空芯コイル部の巻回軸を含む面に現れる空芯コイル部の一対の断面において、断面の端部が形成する角部のうち、1つ以上の角部が除去されているコイル部品である。
【選択図】図3

Description

本発明は、空芯コイルと、当該空芯コイルが埋設されたコア部とを有するコイル部品に関する。特に電源系回路に実装されて好適なコイル部品に関する。
近年、電子機器の小型化および高性能化に伴い、これら電子機器を駆動するDC/DCコンバータなどの電源回路において、高周波数化および大電流化に対応した小型かつ高性能なコイル部品の要求が強くなっている。
従来、上記の要求を達成し得るコイル部品として、空芯コイルを、磁性粉末と樹脂との混合物を加圧成形した圧粉磁芯(コア)内に埋設したコイル封入型磁性部品が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
小型かつ高性能なコイル部品を得るためには、高いインダクタンスが得られるとともに、大電流領域まで高いインダクタンスを保持できることにより、電源駆動時の磁気飽和を抑制することが重要となる。磁気飽和を抑制した上で、小型化を実現するためには、磁性体から構成される磁芯内において発生する磁束密度の分布を均一に近づけることにより、磁芯全体を有効に活用することが重要となる。なお、磁気飽和特性を表す指標としては、たとえば、直流重畳特性が例示される。
特許文献1には、コイル部品におけるコイルの貫通孔の径およびコイルと外装部の表面との距離を所定の関係とし、磁芯内の磁性体の密度の関係を規定することで磁気飽和を抑制できることが記載されているものの、実際には、磁気飽和の抑制が不十分であるという問題があった。
特許第3654251号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、磁気飽和を抑制でき、直流重畳特性に優れるコイル部品を提供することである。
本発明者らは、空芯コイルの端部では、磁束が密に存在していることに着目し、端部の角部が存在していることにより、磁束の通過する方向が限定され、磁束が角部近傍に集中することを見出した。その結果、コア内部における磁束密度の分布が均一ではなくなり、磁気飽和が生じやすく、直流重畳特性も悪化してしまう。
そこで、本発明者らは、空芯コイルの端部の角部を除去することにより、角部近傍において磁束が集中することを抑制でき、磁気飽和が生じにくくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の態様は、
[1]磁性体粉末と樹脂とを有するコア部と、
空芯コイル部と、空芯コイルから引き出された引出部と、端子部とを有し、
少なくとも空芯コイル部の全体がコア部の内部に埋設されているコイル部品であって、
空芯コイル部の巻回軸を含む面に現れる空芯コイル部の一対の断面において、断面の端部が形成する角部のうち、1つ以上の角部が除去されているコイル部品である。
上記の構造を有するコイル部品は、角部近傍に磁束が集中することを抑制できるため、良好な直流重畳特性を示すことができる。
[2]空芯コイル部の外周側に位置する角部から除去された断面積の平均値よりも空芯コイル部の内周側に位置する角部から除去された断面積の平均値の方が大きい[1]に記載のコイル部品である。
空芯コイル部の内周側の角部をより多く除去することにより、上記の効果をより高めることができる。
[3]角部が除去されていない断面の面積に対して、除去された角部の1箇所当たりの断面積の割合が、0.11%以上5.2%以下である[1]または[2]に記載のコイル部品である。
除去する角部の断面積割合を上記の範囲内とすることにより、上記の効果をより高めることができる。
[4]除去された角部は面取りされた形状である[1]から[3]のいずれかに記載のコイル部品である。
面取りすることにより、角部を容易に除去できる。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るコイル部品の透視斜視図であり、図1(b)は、本発明の第1実施形態に係るコイル部品の透視平面図である。 図2(a)は、従来例に係るコイル部品において、空芯コイル近傍における磁束を示す断面図であり、図2(b)は、空芯コイルの一方の端部近傍における磁束を示す平面図であり、図2(c)は、空芯コイルの他方の端部近傍における磁束を示す平面図である。 図3(a)は、本発明の第1実施形態に係るコイル部品において、角部がR面取りされた形状である空芯コイル部を示す概略断面図であり、図3(b)は、本発明の第1実施形態に係るコイル部品において、角部がC面取りされた形状である空芯コイル部を示す概略断面図である。 図4(a)は、本発明の第2実施形態に係るコイル部品において、角部がR面取りされた形状である空芯コイル部を示す概略断面図であり、図4(b)は、本発明の第2実施形態に係るコイル部品において、角部がC面取りされた形状である空芯コイル部を示す概略断面図である。 図5(a)は、本発明の第3実施形態に係るコイル部品において、角部がR面取りされた形状である空芯コイル部を示す概略断面図であり、図5(b)は、本発明の第3実施形態に係るコイル部品において、角部がC面取りされた形状である空芯コイル部を示す概略断面図である。 図6(a)は、本発明の第4実施形態に係るコイル部品において、角部がR面取りされた形状である空芯コイル部を示す概略断面図であり、図6(b)は、本発明の第4実施形態に係るコイル部品において、角部がC面取りされた形状である空芯コイル部を示す概略断面図である。 図7(a)は、横断面形状が円形であるワイヤが複数回巻回されて構成される空芯コイルの断面図であり、図7(b)は、横断面形状が矩形であるワイヤが複数回巻回されて構成される空芯コイルの断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき、以下の順序で詳細に説明する。
1.コイル部品
1.1 第1実施形態
1.2 第2実施形態
1.3 第3実施形態
1.4 第4実施形態
2.実施形態の効果
3.変形例
(1.コイル部品)
図1(a)および(b)に示すように、第1実施形態に係るコイル部品10は、圧縮成形体としてのコア部2と、空芯コイル部4と、空芯コイル部4から引き出された引出部(図示省略)と、引出部に電気的に接続され、コア部2の外周に設けられた端子部(図示省略)とを有し、空芯コイル部4がコア部2の内部に埋設されている。したがって、実際のコイル部品10においては、空芯コイル部4を外部から観察することはできない。
図1(a)および(b)に示すように、コア部2の外形は、正方形状の第1主面2aおよび第2主面2bが、長方形状の4つの外周面(第1外周面2c、第2外周面2d、第3外周面2e、第4外周面2f)を介して連結されて構成される正四角柱状を有している。
コア部2は、磁性体粉末と、磁性体粉末に含まれる磁性体粒子を結合するバインダとしての樹脂と、を含む顆粒を圧縮成形または射出成形し、必要に応じて熱処理を行い、形成してある。磁性体粉末の材質としては、所定の磁気特性を発揮するものであれば特に限定されないが、たとえば、Fe−Si(鉄−シリコン)、センダスト(Fe−Si−Al;鉄−シリコン−アルミニウム)、Fe−Si−Cr(鉄−シリコン−クロム)、パーマロイ(Fe−Ni)、カルボニル鉄系などの鉄系の金属磁性体が例示される。また、Mn−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn系フェライトなどのフェライトであってもよい。
バインダとしての樹脂は、特に限定されないが、たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、シリコン樹脂、これらを組み合わせたものなどが例示される。
本実施形態では、空芯コイル部4は、リング状の導体で構成されており、換言すれば、導体が1回巻回された構成となっている。また、導体の外周には、必要に応じて、絶縁被覆層が形成される。導体の材質は、たとえば、Cu、Al、Fe、Ag、Au、リン青銅等が例示される。絶縁被覆層は、たとえばポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエステル−イミド、ポリエステル−ナイロンなどで構成してある。
また、空芯コイル部からは少なくとも一対の引出部がコア部の外部に引き出される。引き出された引出部は、コア部の外周面に設けられる一対の端子部に電気的に接続されることとなる。なお、端子部は、特に限定されず、公知の構成を適用することができる。
空芯コイル部では、巻回軸を含み、巻回軸方向に沿った面に現れる断面は、通常、矩形状である。この空芯コイル部を構成する導体に電流が流れると、発生する磁束が合成され、所定の方向に向かう磁束が発生する。このとき、図2(a)に示すように、空芯コイル部4の内部(中空部)においては、磁束MFは中空部を貫通する向きに生じる。空芯コイル部4の一方の端部E1では、磁束MFは空芯コイル部4の外部に向かう方向に曲げられ、図2(b)に示すように、空芯コイル部4の外形状に応じて放射状に広がる。そして、図2(a)に示すように、空芯コイル部4の外周に沿って、空芯コイル部4の一方の端部E1から他方の端部E2に向かう。空芯コイル部4の他方の端部E2では、図2(c)に示すように、磁束MFは空芯コイル部4の内部に向かう方向に曲げられ、空芯コイル部4の外周のあらゆる方向から空芯コイル部4の内部に向かう。
図2(a)における空芯コイル部4の端部E1およびE2に着目すると、空芯コイル部の外部または内部に向かおうとする磁束が、端部E1およびE2の角部近傍で密に存在している。磁束密度は、磁場の方向に垂直な単位面積当たりの磁束の密度を表しており、コア部2を構成する磁性体の透磁率はコア部においてほぼ同じなので、コア部内の各箇所における磁束密度は、磁束が通過する箇所の面積に影響される。すなわち、端部E1およびE2の角部近傍で磁束が密に存在していることは、端部E1およびE2の角部近傍における磁束密度は局所的に大きくなっており、磁束密度の分布が均一ではないことを示している。その結果、磁気飽和が十分に抑制できない。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、空芯コイル部の端部を形成する角部を除去することにより、角部近傍における磁束密度を他の箇所における磁束密度に近づけて、磁束密度の分布の均一化を図っている。
図3(a)および(b)は、空芯コイル部4の巻回軸方向Oを含み、かつ巻回軸Oに平行な面に現れる空芯コイル部4の一対の断面を示しており、空芯コイル部の端部の角部が除去された構成を示している。本実施形態では、角部が除去される前の空芯コイル部の断面形状は矩形状である。
角部を除去する方法は特に制限されないが、図3(a)および(b)に示すように、角部を面取りされた形状にすることが好ましい。図3(a)は、空芯コイル部の端部を形成する角部がR面取りされている構成を示しており、図3(b)は、空芯コイル部の端部を形成する角部がC面取りされている構成を示している。R面取りは、角部が所定の半径を有する曲面で構成されるように角部を除去し、C面取りは、角部を構成する面に対して45°傾いた面で角部を除去する。
どちらの場合であっても、角部を除去することにより、磁束が角部近傍で集中することを抑制し、空芯コイルの端部における磁束密度の局所的な増大を抑制することができる。したがって、コア部2における磁束密度の分布を均一に近づけることができ、良好な直流重畳特性が得られる。
また、空芯コイル部の端部E1およびE2の角部近傍では、空芯コイル部の内周側の角部近傍の方が、外周側の角部近傍よりも磁束が密に存在している。そのため、除去された角部の面積に関して、空芯コイル部の外周側に位置する角部から除去された面積の平均値よりも空芯コイル部の内周側に位置する角部から除去された面積の平均値を大きくすることが好ましい。
すなわち、図3(b)に示すように、内周側の角部において除去された面積をSIおよびSIとし、外周側の角部において除去された面積をSOおよびSOとした場合、内周側の除去された面積SIおよびSIの平均値である(SI+SI)/2は、外周側の除去された面積SOおよびSOの平均値である(SO+SO)/2よりも大きいことが好ましい。このようにすることにより、空芯コイル部の端部近傍における磁束密度の分布をより均一に近づけることができる。
さらに、角部が除去されていない断面の面積に対して、除去された角部の1箇所当たりの面積の割合が、0.11%以上であることが好ましく、0.58%以上であることがより好ましい。なお、コイル部品の直流抵抗の増大、空芯コイル部を流れる電流密度の増大等を考慮すると、角部が除去されていない断面の面積に対する除去された角部の1箇所当たりの面積の割合は、5.2%以下であることが好ましい。
角部が除去されていない断面の面積とは、空芯コイル部の端部の角部が除去されていないと想定した場合に、当該空芯コイル部の断面が示す面積であり、たとえば、図3(b)においては、空芯コイル部4の面積に、SI、SI、SOおよびSOを足し合わせた面積である。
本実施形態に係るコイル部品は、たとえば、パソコンや携帯型電子機器などに搭載されるDC/DCコンバータ等の電源回路、パソコンや携帯型電子機器などに搭載される電源ラインにおけるチョークコイル等の、高周波化および大電流化が求められるコイル部品として好適である。
(1.2 第2実施形態)
図4(a)および(b)に示すように、第2実施形態に係るコイル部品10aは、空芯コイルの内周側に位置する角部の1つが除去されている以外は、第1実施形態のコイル部品10と同様であり、重複する説明は省略する。本実施形態では、内周側の角部において除去された面積SIは0であり、外周側の角部において除去された面積SOおよびSOはどちらも0である。
図4(a)は、角部をR面取りした構成を示しており、図4(b)は、角部をC面取りした構成を示している。磁束が密に存在する角部を除去しているので、本実施形態に係るコイル部品10aも、第1実施形態に係るコイル部品10と同様の作用効果を奏することができる。
(1.3 第3実施形態)
図5(a)および(b)に示すように、第3実施形態に係るコイル部品10bは、空芯コイルの内周側に位置する角部の2つが除去されている以外は、第1実施形態のコイル部品10と同様であり、重複する説明は省略する。本実施形態では、外周側の角部において除去された面積SOおよびSOはどちらも0である。
図5(a)は、角部をR面取りした構成を示しており、図5(b)は、角部をC面取りした構成を示している。磁束が密に存在する角部を除去しているので、本実施形態に係るコイル部品10bも、第1実施形態に係るコイル部品10と同様の作用効果を奏することができる。
(1.4 第4実施形態)
図6(a)および(b)に示すように、第4実施形態に係るコイル部品10cは、空芯コイルの内周側に位置する角部の2つと、外周側に位置する角部の1つと、が除去されている以外は、第1実施形態のコイル部品10と同様であり、重複する説明は省略する。本実施形態では、外周側の角部において除去された面積SOは0である。
図6(a)は、角部をR面取りした構成を示しており、図6(b)は、角部をC面取りした構成を示している。磁束が密に存在する角部を除去しているので、本実施形態に係るコイル部品10cも、第1実施形態に係るコイル部品10と同様の作用効果を奏することができる。
(2.実施形態の効果)
上記の実施形態では、空芯コイルの端部を構成する角部を除去している。このようにすることにより、角部近傍において磁束が密に存在している状態を緩和して、角部近傍における磁束密度の分布を均一に近づけることができる。
その結果、コイル部品の形状、コア部を構成する磁性体の密度分布等を変更することなく、飽和磁化を効果的に抑制することができる。
また、空芯コイルの内周側の角部近傍は、外周側の角部近傍よりも、局所的な磁束密度の増大が大きい。そのため、空芯コイルの外周側に位置する角部が除去された面積の平均値よりも内周側に位置する角部が除去された面積の平均値を大きくすることにより、上述した効果をより高めることができる。
さらに、除去される角部の面積を、空芯コイルの端部に位置する角部が除去されていないと想定した場合の当該空芯コイルの断面積に対する割合を上記の範囲とすることにより、飽和磁化が抑制され、良好な直流重畳特性を示すことができる。また、コイル部品の直流抵抗の増大、空芯コイル部を流れる電流密度の増大等も抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の態様で改変しても良い。
(3.変形例)
上述した実施形態では、空芯コイルは巻き数が1回で構成されるリング状の導体であるが、図7に示すように、空芯コイルは、ワイヤが2回以上の巻き数で巻回されて構成される巻回部であってもよい。ワイヤとしては、上述した実施形態と同様に、導線と、必要に応じて導線の外周を被覆してある絶縁被覆層とで構成すればよい。
図7に示す構成の場合、たとえば、ワイヤの巻回方法を適宜調整することにより、巻回部としての角部が除去された構成となっていればよい。したがって、ワイヤの横断面形状は、特に限定されず、円形、平角形状などが例示される。
図7(a)は、ワイヤの横断面形状が円形である場合の巻回部を示しているが、空芯コイル部の端部に位置する角部が除去されていないと想定した場合の当該空芯コイル部の断面積、および、除去された角部の断面積は、図7(a)に示すように求めればよい。すなわち、空芯コイル部の巻回軸を含む面に現れる空芯コイル部の一対の断面において、空芯コイル部の最外側に位置するワイヤが接する辺から構成される外形を基準にして、空芯コイル部の端部に位置する角部が除去されていないと想定した場合の当該空芯コイル部の断面積、および、除去された角部の断面積を規定すればよい。
図7(b)は、ワイヤの横断面形状が矩形である場合の巻回部を示している。この場合も、図7(b)に示すように、空芯コイル部の巻回軸を含む面に現れる空芯コイル部の一対の断面において、空芯コイル部の最外側に位置するワイヤが接する辺から構成される外形を基準にして、空芯コイル部の端部に位置する角部が除去されていないと想定した場合の当該空芯コイル部の断面積、および、除去された角部の断面積を規定すればよい。
(実験例1)
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
磁性体粉末としての鉄を主成分とした金属磁性材料粉末と、樹脂としてのエポキシ樹脂とを混合し、顆粒状に造粒した。続いて、断面が矩形状の銅線に対し、R面取りを1〜4箇所行って角部を除去した後に絶縁皮膜を形成した絶縁皮膜銅線およびR面取りを行わなかった銅線に絶縁皮膜を形成した絶縁皮膜銅線を用いて作製した空芯コイルと、造粒により得られた顆粒とを、金型内に投入して、所定の圧力により加圧成形を行い、空芯コイルが埋設された成形体を得た。これらの試料について、所定の温度条件で熱処理を行い、コイル部品を得た。なお、実験例1において作製したコイル部品の寸法は、1辺が3mmの正方形状であって、高さが1mmであった。
実験例1では、R面取りを行った箇所が、以下のように配置された空芯コイルを作製した。すなわち、実施例1では、R面取りを行った箇所が空芯コイルの内周側(実施例1a)または外周側(実施例1b)に1箇所あり、実施例2では、R面取りを行った箇所が空芯コイルの内周側(実施例2a)または外周側(実施例2b)に2箇所あり、実施例3aでは、R面取りを行った箇所が空芯コイルの内周側に2箇所、外周側に1箇所あり、実施例3bでは、R面取りを行った箇所が空芯コイルの内周側に1箇所、外周側に2箇所あり、実施例4では、R面取りを行った箇所が空芯コイルの内周側に2箇所、外周側に2箇所ある。なお、実験例1において、角部が除去された各実施例の空芯コイルの断面積と、角部が除去されていない比較例1の空芯コイルの断面積とは同じとした。また、各実施例において、角部が除去されていないと想定した場合の空芯コイルの断面積を100%とした場合に、除去した断面積は、1箇所あたり1.7%とした。
得られたコイル部品の試料に対して、初期インダクタンス値およびインダクタンス値の直流重畳時の飽和特性の評価を行った。インダクタンス値の測定はLCRメータ(アジレント・テクノロジー社製4284A)を用い、直流バイアス電源(アジレント・テクノロジー社製42841A)を用いて直流電流を印加した。
初期インダクタンス値は、直流電流を印加しない状態でのインダクタンス値とし、インダクタンス値の直流重畳時の飽和特性は、1.5Aおよび3.0Aの直流電流を印加したときの各インダクタンス値とした。
初期インダクタンス値が大きいほど、コイル部品としての性能に優れていることを示し、直流重畳時のインダクタンス値が大きいほど、大電流領域まで高いインダクタンス値を保持することができ、磁気飽和特性を表す指標となる直流重畳特性に優れていることを示す。結果を表1に示す。
Figure 2018064025
表1より、実施例1〜4は、比較例1と比較して、初期インダクタンス値、インダクタンス値の直流重畳時の飽和特性のいずれも、比較例1よりも良好であることが確認できた。
また、除去された角部の数が多いほど、初期インダクタンス値およびインダクタンス値の直流重畳時の飽和特性が良好となることが確認できた。
さらに、実施例1aと実施例1bとの比較、実施例2aと実施例2bとの比較、および、実施例3aと実施例3bとの比較により、外周側に位置する角部の除去された面積の平均値よりも、内周側に位置する角部の除去された面積の平均値が大きくした方が初期インダクタンス値およびインダクタンス値の直流重畳時の飽和特性が良好となることが確認できた。
(実験例2)
実験例2では、R面取りを行った箇所を空芯コイルの内周側の2箇所とし、除去された1箇所あたりの面積を変化させた以外は実験例1と同様にして、コイル部品を作製し、実験例1と同様の評価に加えて、直流抵抗の測定を行った。結果を表2に示す。なお、表2において、実施例7は実施例2aと同じであり、比較例2は比較例1と同じである。また、表2では、各試料の直流抵抗は、比較例2の直流抵抗値に対する相対値として評価した。
Figure 2018064025
表2より、除去された1箇所あたりの面積を上述した範囲とすることにより、初期インダクタンス値およびインダクタンス値の直流重畳時の飽和特性が良好となることに加えて、直流抵抗の増大を抑制できることが確認できた。
10、10a、10b、10c…コイル部品
2…コア部
4…空芯コイル
4a…ワイヤ

Claims (4)

  1. 磁性体粉末と樹脂とを有するコア部と、
    空芯コイル部と、前記空芯コイルから引き出された引出部と、端子部とを有し、
    少なくとも前記空芯コイル部の全体が前記コア部の内部に埋設されているコイル部品であって、
    前記空芯コイル部の巻回軸を含む面に現れる前記空芯コイル部の一対の断面において、前記断面の端部が形成する角部のうち、1つ以上の前記角部が除去されているコイル部品。
  2. 前記空芯コイル部の外周側に位置する角部から除去された断面積の平均値よりも前記空芯コイル部の内周側に位置する角部から除去された断面積の平均値の方が大きい請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記角部が除去されていない前記一対の断面の面積に対して、除去された角部の1箇所当たりの断面積の割合が、0.11%以上5.2%以下である請求項1または請求項2に記載のコイル部品。
  4. 除去された前記角部は面取りされた形状である請求項1から3のいずれかに記載のコイル部品。
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