JP7844510B2 - 関節付きロボット - Google Patents

関節付きロボット

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JP7844510B2
JP7844510B2 JP2023576468A JP2023576468A JP7844510B2 JP 7844510 B2 JP7844510 B2 JP 7844510B2 JP 2023576468 A JP2023576468 A JP 2023576468A JP 2023576468 A JP2023576468 A JP 2023576468A JP 7844510 B2 JP7844510 B2 JP 7844510B2
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Description

本発明は、複数のアームを回転可能に接続する関節部を有するロボットアームを備えた関節付きロボットに関する。
関節部を有するロボットアームは、当該ロボットアームの動力源となるモータや減速機を、前記関節部に設けられた収容部に収容する構造を備える。ロボットアームの組み立て作業性を考慮して、前記収容部には開口が設けられ、当該開口を通して前記動力源が組み付けられる。組み付け後、前記動力源の露出を避けるため、前記開口を塞ぐように前記関節部にカバーが取り付けられる。特許文献1には、ネジ止めによってカバーが関節部に取り付けられるロボットアームが開示されている。
前記カバーは、前記動力源のメンテナンス時等を除いて取り外されることを想定していない。しかし、単純なネジ止め固定でカバーが関節部に取り付けられている場合、ユーザが無用に前記カバーを取り外してしまうことがある。一般工具では脱着が困難な特殊ネジを用いてカバーを関節部に固定したり、封印シールを貼着したりする対策が考えられるが、いずれも完全な対策とは言えない。
特開2019-63940号公報
本発明の目的は、ロボットアームの関節部に取り付けられるカバーの無用な取り外しを抑制できる関節付きロボットを提供することにある。
本発明の一局面に係る関節付きロボットは、複数のアーム要素と、前記複数のアーム要素を回転可能に接続する関節部と、を有するロボットアームと、前記関節部の内部に設けられると共に当該関節部の側方に開口を有し、前記ロボットアームの駆動源となるモータを収容する収容部と、前記収容部の開口を塞ぐカバーと、を備える。前記カバーは係合部を有し、前記収容部は被係合部を有し、前記係合部の前記被係合部への係合により、前記開口を塞ぐように前記カバーが前記収容部に取り付けられる。前記係合部は、前記被係合部への嵌め込みにより係合する一方で、前記被係合部からの係脱が不能な係合爪を有する。
図1は、本発明の実施形態に係る多関節ロボットの斜視図である。 図2(A)は、前記垂直多関節7軸ロボットの一つの関節部の正面図、図2(B)は、前記関節部からカバーを取り外した分解図である。 図3は、関節部の断面図である。 図4は、一つの関節部とカバーの分解斜視図である。 図5(A)は、カバーの平面図、図5(B)は、カバーの斜視図、図5(C)はカバーの係合爪付近の拡大斜視図である。 図6は、シール構造が付加されたカバーの嵌合部分の断面図である。 図7は、被係合部の配置箇所の拡大断面図である。 図8(A)~(E)は、カバーの係合爪の各種実施形態を示す側面図である。 図9(A)は、変形例に係るカバーの平面図、図9(B)は、その斜視図である。 図10(A)は、他の変形例に係るカバーの平面図、図10(B)は、その斜視図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る関節付きロボットは、少なくとも2つのアーム要素と、これらアーム要素を回転可能に接続する関節部とを有するロボットアームを含む。前記アーム要素は、通常のアーム部分の他、基台に対して垂直軸回りに回転する胴部や、ロボットアームの先端の手首ユニット等を含む概念である。前記関節部は、一のアーム要素に対して他のアーム要素が揺動するように回転させる関節部である。典型的には前記関節部は、上手アームの先端に下手アームの基端を接続する関節部であって、下手アームを上下にスイングさせるための関節部である。本実施形態では、複数のアーム要素と複数の関節部とを備えた多関節ロボットを例示する。
[ロボットの全体構成]
図1は、実施形態に係る多関節ロボット1の斜視図である。ここでは、多関節ロボット1として垂直多関節7軸ロボットを例示している。多関節ロボット1は、7つの回転軸;第1軸2A、第2軸2B、第3軸2C、第4軸2D、第5軸2E、第6軸2Fおよび第7軸2Gを有するロボットアーム10を備える。ロボットアーム10は、ベース部11、胴部12(第1アーム要素)、第1アーム13(第2アーム要素)、第2アーム14(第3アーム要素)、第3アーム15およびヘッド部16を含む。
ベース部11は、床面や台座等の上に固定設置される筐体である。胴部12は、ベース部11の上面に、第1回転関節部21を介して接続されている。胴部12は、第1回転関節部21により、鉛直方向に延びる第1軸2Aの軸回りに正逆両方向に回転可能である。第1アーム13は、所定の長さを有し、その基端部が第1揺動関節部22(第1関節部)を介して胴部12に接続されている。第1アーム13は、第1揺動関節部22により、水平方向に延びる第2軸2Bの軸周りに揺動可能である。第1アーム13は、その中間に第2回転関節部23を備える。第1アーム13の先端側ピースは、第2回転関節部23により、アーム軸方向に延びる第3軸2Cの軸回りに回転可能である。
第2アーム14は、第1アーム13の下手に連設されるアームであり、その基端部が第2揺動関節部24(第2関節部)を介して第1アーム13の先端部に接続されている。第2アーム14は、第2揺動関節部24により、水平方向に延びる第4軸2Dの軸周りに揺動可能である。第2アーム14は、その中間に第3回転関節部25を備える。第2アーム14の先端側ピースは、第3回転関節部25により、アーム軸方向に延びる第5軸2Eの軸回りに回転可能である。
第3アーム15は、第2アーム14の下手に連設されるアームであり、その基端部が第3揺動関節部26を介して第2アーム14の先端部に接続されている。第3アーム15は、第3揺動関節部26により、水平方向に延びる第6軸2Fの軸周りに揺動可能である。ヘッド部16は、第3アーム15の先端側に、垂直方向に延びる第7軸2Gの軸周りに回転可能に取り付けられている。
アーム要素を揺動させる3つの関節部、すなわち第1、第2、第3揺動関節部22、24、26の側方には、カバー3が各々取り付けられている。詳しくは、略円筒型のハウジング形状を有する第1揺動関節部22の両側面には第1カバー3Aが、第2揺動関節部24の両側面には第2カバー3Bが、それぞれ取り付けられている。第3揺動関節部26の一方の側面には、第3カバー3Cが取り付けられている。本実施形態では、これらカバー3A、3B、3Cの少なくとも一つが、工具レスで各関節部に取り付けが可能である一方で、元の形状を維持したままでの取り外しを不能とする工夫が施されている。
[関節部の詳細構造]
図2(A)は、図1に示した第1揺動関節部22の正面図、図2(B)は、第1揺動関節部22から第1カバー3Aが取り外された状態を示す図である。図3は、第1揺動関節部22の断面図である。図4は、第1揺動関節部22と第1カバー3Aの分解斜視図である。図1及び図4を参照する。第2揺動関節部24および第2カバー3B、第3揺動関節部26および第3カバー3Cも、第1揺動関節部22および第1カバー3Aと実質的に同一の構造を備える。以下では、第1揺動関節部22を単に関節部22と、第1カバー3Aを単にカバー3と称して説明する。
関節部22には、ロボットアーム10の駆動機構を収容するための収容部4(第1収容部)が備えられている。関節部22は、胴部12のハウジングの上端部分と、第1アーム13の基端側ピース131のハウジングの下端部分とが、水平方向に並ぶ形態で構成され、既述の通り略円筒型の形状を有する。収容部4は、このような略円筒型の関節部22の内部に設けられた、略円筒型の収容空間である。
図3には、収容部4に収容される駆動機構が示されている。ここでは、前記駆動機構として、モータ51(第1モータ)、減速機52、ブレーキ53、トルクセンサ54およびコントローラ基板55を例示している。第2揺動関節部24および第3揺動関節部26にも、同一又は類似の収容部4(第2収容部および第3収容部)が設けられ、モータ51(第2モータおよび第3モータ)を含む駆動機構がそれぞれの収容部4に収容される。なお、第2揺動関節部24および第3揺動関節部26に設けられた収容部4についての説明は、第1揺動関節部22に設けられた収容部4の説明を援用できるため、省略する。
モータ51は、第1アーム13を第2軸2B回りに回転させる駆動源であり、回転力を発生するモータ軸51Sを備える。なお、モータ51は、モータ軸51Sの回転運動を減速・停止する機能を備えていてもよい。減速機52は、モータ軸51Sの回転数を所定の減速比で低減して回転機構に伝達する。ブレーキ53は、モータ51の非通電時において、第1アーム13が自重により回転することを抑止する機能(保持ブレーキ機能)を備えている。トルクセンサ54は、モータ51が第1アーム13に与えている回転トルクを検出する。コントローラ基板55は、機外の制御装置からの指令やトルクセンサ54の検知結果に基づき、モータ51の動作を制御する。
収容部4は、関節部22の両側方に開口4Hを有している。開口4Hは、ロボットアーム10の製造時におけるモータ51他の収容部4への組み付け作業や、メンテナンス等におけるモータ51の収容部4からの取り出しおよび再収容の作業を容易に行わせるための開口である。カバー3は、収容部4の開口4Hを塞ぐ部材である。カバー3の装着により、熱を帯びるモータ51、ギアを含む減速機52、電子部品を搭載するコントローラ基板55などを、外部に露出させずに済む。
カバー3は、収容部4の奥行き方向に延びる係合爪31(係合部)を有している。前記奥行き方向は、図2(B)に示す左方側のカバー3では矢印F1方向、右方側のカバー3では矢印F2方向となる。係合爪31は、収容部4に対して機械的に係合する係合部であって、本実施形態では図4に示す通り、カバー3の環状の外周縁に120度間隔で3箇所に突設されている例を示している。収容部4の開口4H付近の内周壁には、係合爪31の配置に対応させて、被係合部41が設けられている。係合爪31の被係合部41への係合により、開口4Hを塞ぐようにカバー3が収容部4に取り付けられる。
[カバーおよび被係合部の詳細]
続いて、係合爪31を有するカバー3、並びに被係合部41の詳細構造を説明する。図5(A)は、カバー3の平面図、図5(B)は、カバー3の斜視図、図5(C)は係合爪31付近の拡大斜視図である。カバー3は、カバー本体30、嵌合胴部302および係合爪31を含む。カバー3は、係合爪31を含めて樹脂材料製である。一方、収容部4の空間を区画するロボットアーム10のハウジングは、被係合部41を含めて金属材料製である。
カバー本体30は、平面視で円形の形状を有し、収容部4の開口4Hを塞ぐサイズを有している。また、カバー本体30は、収容部4の奥行き方向F1とは反対方向に凸の曲面形状を有している。嵌合胴部302は、カバー本体30の周縁部301付近から奥行き方向F1に延びる円筒状の部分である。図3に示すように、左方側のカバー3の嵌合胴部302は、胴部12の開口4H付近の内壁121に接するように、開口4Hに嵌め込まれている。周縁部301は、嵌合胴部302よりもやや大きい径を有し、胴部12のハウジングの外表面と面一である。
多関節ロボット1においては、カバー3が装着されているとはいえ、外部から収容部4内への塵埃などの異物の侵入を十分に阻止できない場合も想定される。このため、開口4Hの内壁121と嵌合胴部302との間に、シール構造を施与することが望ましい。図6は、シール構造が付加されたカバー3の嵌合部分の断面図であって、図3の左方側のカバー3の上部付近に対応する嵌合部分を示す断面図である。内壁121には、嵌合状態において嵌合胴部302と重なる位置に、開口4Hの周方向に延びる環状溝122が設けられている。環状溝122には、Oリングやリップシールなどのシール材123が収容されている。なお、環状溝122およびシール材123を、嵌合胴部302側に設けても良い。
係合爪31は、延長部32および突出部33を含む。延長部32は、カバー本体30の周縁部301から奥行き方向F1と平行に延びる平板状の部分である。延長部32の根元部321は、周縁部301に繋がっている。突出部33は、延長部32の先端部322に設けられ、当該先端部322からカバー本体30の径方向外側へ突出した部分である。本実施形態の突出部33は、側面視で略直角三角形の形状を有している。係合爪31の両側部には、嵌合胴部302の一部を切り欠いてなるスリット303が設けられている。図面には表れていないが、他の二つの係合爪31も同様である。スリット303は、係合爪31に所要の弾性変形量を発現させる奥行き方向F1の長さを具備させるために設けられている。
延長部32は、カバー本体30の周縁部301から奥行き方向F1に延びる第1当接面34を有する。第1当接面34は、平板状の延長部32における、カバー本体30の径方向外側の平面である。突出部33は、第1当接面34から径方向外側の側方に突出する第2当接面35と、先端部322から斜め後方に延びるテーパ面331とを有する。第2当接面35は、突出部33において奥行き方向F1とは反対側を指向する面であり、被係合部41に対して係合効果を発揮する面である。テーパ面331は、係合爪31の被係合部41に対する嵌め込みを容易とする面である。
図7は、図3における被係合部41の配置箇所の拡大断面図である。図7には、開口4Hにカバー3が嵌め込まれ、被係合部41に係合爪31が係合した状態が示されている。被係合部41は、胴部12のハウジングにおける、収容部4の開口4Hを区画する開口縁124から、奥行き方向F1に延びる小突起である。被係合部41は、係合爪31の第1当接面34が接面する第1受け面42と、第2当接面35が接面する第2受け面43とを含む。第1受け面42は、被係合部41において径方向中心を指向する平面であり、第2受け面43は奥行き方向F1を指向する平面である。
係合爪31は、図7に示すように被係合部41への嵌め込みにより係合する一方で、被係合部41からの係脱が不能な爪である。「係脱が不能」とは、係合爪31を変形または欠損させることなく、係合爪31の被係合部41に対する係合状態を解除することが実質的に不可能であることを意味する。開口4Hへのカバー3の嵌め込みの際には、テーパ面331が第1受け面42の導入部でガイドされることで、係合爪31が根元部321から径方向内側に弾性変形する。そして、突出部33が第1受け面42に摺接しながら、係合爪31は奥行き方向F1に進む。
第1受け面42の先端を通過すると、前記弾性変形が開放され、第2当接面35が第2受け面43に嵌り込む。これにより、係合爪31は被係合部41に係合された状態となり、カバー3が開口4Hに取り付けられた状態となる。係合爪31の延長部32の奥行き方向F1の長さは、突出部33の第1受け面42への摺接の際の前記弾性変形を許容する長さに設定されている。
一方、係合爪31には、被係合部41からの係脱のための機構が施与されていない。一般的なスナップフィットでは、被係合部に係合した係合爪等の前記係合を解除するためのバネ機構が備えられている。これに対し係合爪31は、カバー本体30の周縁部301から単純に奥行き方向F1へ延び出した形状であり、一旦被係合部41に係合した突出部33を、当該被係合部41から取り外す形状的工夫や機構が施されていない。このため、無理矢理にカバー3を開口4Hから取り外そうと、奥行方向F1の反対側に向かって所定以上の力をカバー3に加えた場合、係合爪31は塑性変形もしくは破損する。専ら、応力が集中し易い根元部321がダメージを受け易い。
開口4Hへのカバー3の嵌め込み時には、3つの係合爪31は、各々テーパ面331がガイドされることで略均等に径方向内側に弾性変形する。このため、3つの係合爪31は、奥行き方向F1に所定長だけ進行した後にそれぞれ被係合部41に係合できる。一方、開口4Hからカバー3を取り外す際、上記のように3つの係合爪31を略均等に径方向内側へ弾性変形させることは実質的に不可能である。このため、前記取り外しを実現するには、一つの係合爪31を大幅に変形させるしかない。弾性変形が可能な領域を超えた変形力を一つの係合爪31に与えると、その係合爪31が損傷し、もはやカバー3は開口4Hを塞ぐカバーとしての役目を果たせなくなる。このことが、ユーザにおいて無用なカバー3の取り外しを躊躇させる抑止効果に繋がるものである。
[係合爪の各種実施形態]
続いて、係合爪31の各種実施形態を図8(A)~(E)に基づいて説明する。図8(A)は、図2~図5、図7にも例示した、第1実施形態に係る係合爪31および被係合部41の拡大図である。係合爪31の延長部32が備える第1当接面34と第2当接面35とがなす角θ1は、90度である。このような係合爪31に倣って、被係合部41の第1受け面42と第2受け面43とがなす角も90度である。係合爪31が被係合部41に係合した状態では、第1当接面34が第1受け面42に、第2当接面35が第2受け面43に、それぞれ接面している。
θ1=90度(ないしは90度以下)の係合爪31が被係合部41に係合した係合部では、第2当接面35と第2受け面43との係り合いを容易に解除できない。このため、カバー3の取り外しのための外力を加えると、当該係合爪31の破損が生じ易くなる。つまり、本実施形態の係合爪31は、スナップフィットのように、第2当接面35を第2受け面43に対して相対的に上方へ逃がし、両者の係合を解除させるバネ機構の類いを持たない。従って、両者の係合解除には、外力を与えて係合爪31の根元部321を折損させる、もしくは突出部33を欠落させる等、係合爪31の本来の形状を損なわせるほかない。このように、図8(A)に示す係合爪31によれば、簡易な爪形状で、係脱が不能な係合爪31を実現できる。
図8(B)は、第2実施形態に係る係合爪31Aおよび被係合部41Aを示す図である。係合爪31Aは、第1実施形態と同様に延長部32Aおよび突出部33Aを備え、延長部32Aは第1当接面34Aを有し、突出部33Aは第2当接面35Aを有する。第1実施形態と相違する点は、突出部33Aがいわゆる「返し」の形状を有している点である。「返し」の形状を有するゆえ、第1当接面34Aと第2当接面35Aとがなす角θ2は、90度未満である。ここでは、θ2=60度程度の例を示している。
上記の係合爪31Aに密接係合するように、被係合部41Aも尖った形状を有している。すなわち、被係合部41Aの第1受け面42Aと第2受け面43Aとがなす角も、60度程度に設定されている。係合爪31Aが被係合部41Aに係合した状態では、第1当接面34Aが第1受け面42Aに、第2当接面35Aが第2受け面43Aに、それぞれ接面している。第2実施形態の係合爪31Aによれば、θ2=90度未満に設定されているので、より被係合部41Aから係脱し難い係合爪31Aを実現できる。
図8(C)は、第3実施形態に係る係合爪31Bおよび被係合部41Bを示す図である。係合爪31Bは、第1実施形態と同様な延長部32Bおよび突出部33Bを備え、延長部32Bは第1当接面34Bを有し、突出部33Bは第2当接面35Bを有する。第1当接面34Bと第2当接面35Bとがなす角が90度である点も、第1実施形態と同じである。このような係合爪31Bに倣って、被係合部41Bの第1受け面42Bと第2受け面43Bとがなす角も90度である。
第1実施形態と相違する点は、第2当接面35Bが、その表面の一部が突出した凸部36を有し、第2受け面43Bが、その表面の一部が凹没した凹部44を有する点である。凸部36および凹部44は、カバー3が収容部4に取り付けられた状態、すなわち係合爪31Bが被係合部41Bに係合した状態において、互いに嵌合可能な形状を有する。凸部36と凹部44とは、密に嵌合する態様でも、所定の遊びを持って嵌合する態様であっても良い。第3実施形態によれば、凹部44への凸部36の嵌合により、第2当接面35Bと第2受け面43Bとの間の相対的な滑り移動が規制される。従って、係脱が不能な係止部を容易に実現できる。
図8(D)は、第4実施形態に係る係合爪31Cおよび被係合部41Cを示す図である。第4実施形態は第3実施形態の変形例であり、凹凸の嵌合が逆の例である。係合爪31Cは、延長部32Cおよび突出部33Cを備え、延長部32Cは第1当接面34Cを有し、突出部33Cは第2当接面35Cを有する。係合爪31Cに倣って、被係合部41Cは第1受け面42Cおよび第2受け面43Cを備える。
第2当接面35Cは、その表面の一部が凹没した凹部37を有し、第2受け面43Cは、その表面の一部が突出した凸部45を有している。凹部37および凸部45は、カバー3が収容部4に取り付けられた状態、すなわち係合爪31Cが被係合部41Cに係合した状態において、互いに嵌合可能な形状を有する。第4実施形態によっても、凹部37への凸部45の嵌合により、第2当接面35Cと第2受け面43Cとの間の相対的な滑り移動を規制できる。
図8(E)は、第5実施形態に係る係合爪31Dおよび被係合部41Dを示す図である。係合爪31Dは、延長部32Dと、二つの突出部:第1突出部33D1および第2突出部33D2とを備える。第1突出部33D1と第2突出部33D2とは、収容部4の奥行き方向F1に並ぶように、延長部32Dから突設されている。延長部32Dは第1当接面34Dを有し、第1突出部33D1および第2突出部33D2は、それぞれ第2当接面35D1、35D2を有する。係合爪31Dに倣って、被係合部41Dは第1受け面42Dと、二つの第2受け面43D1、43D2を備える。
係合爪31Dが被係合部41Dに係合した状態では、前方側の第1突出部33D1の第2当接面35D1が、被係合部41Dの先端面である第2受け面43D1と係合し、後方側の第2突出部33D2の第2当接面35D2が、後方側の第2受け面43D2と係合する。後方側の第2受け面43D2は、第1受け面42Dの一部に第2突出部33D2を収容可能な溝部46を形成することで創出された受け面である。第5実施形態によれば、奥行き方向F1に並ぶ第1突出部33D1および第2突出部33D2が、被係合部41Dにそれぞれ係合する。従って、カバー3の取り外しには第1、第2突出部33D1、33D2の双方の係合を解除が必要となり、係脱が不能な係止爪を容易に実現できる。
以上説明した本実施形態に係る関節付きロボットによれば、揺動関節部22、24、26に設けられた開口4Hを有する収容部4に、モータ51を含むロボットアーム10の駆動機構が収容される。このため、作業者は、ロボットアーム10の製造時におけるモータ51の収容部4への組み付けや、当該モータ51のメンテナンスを、開口4Hを通して簡便に行うことができる。
また、開口4Hを塞ぐカバー3は、係合爪31の被係合部41への嵌め込みにより係合できるので、工具レスで容易に収容部4に取り付けることができる。一方、係合爪31は、被係合部41に係合した後は、当該被係合部41からの係脱が不能となる。このため、カバー3を収容部4から取り外すには、係合爪31を破損させるほかない。つまり、カバー3を取り外して開口4Hを曝す行為には、係合爪31の破損を伴う。係合爪31の破損は、カバー3の機能の実質的な消失に繋がることから、ユーザに無用なカバー3の取り外しを躊躇させることができる。
[変形実施形態]
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上述の通り、係合爪31には、スナップフィットのように、被係合部41に対する係合を積極的に解除させる機構が施与されていない。このため、メンテナンス作業者等の、正規の権限を有する作業者等がカバー3を取り外すには、カバー本体30の周縁部301と、開口4Hの縁部との間の隙間に、取り外し工具を差し入れてカバー3をこじ開ける作業が必要となる。この作業においては、係合爪31の近傍に取り外し工具を差し入れ、梃子の原理でカバー3に外力を与えることが望ましいが、外側からは係合爪31の位置を識別できない。
図9(A)は、変形例に係るカバー3Dの平面図、図9(B)は、その斜視図である。カバー3Dは、収容部4に取り付けた状態にある当該カバー3Dに対する取り外し工具の適用位置を示す目印部38を有する。目印部38は、一つの係合爪31の配置位置の近傍において、カバー本体30の周縁部301付近の表面に突設された小突起である。作業者は、目印部38の位置を参照して、マイナスドライバー等の取り外し工具を差し入れることができる。目印部38は、窪み、文字やマークの印字などであってもよい。なお、カバー3を取り外す際に係合爪31は破損するので、作業者はメンテナンス後に新たなカバー3を開口4Hに取り付けることになる。
図10(A)は、他の変形例に係るカバー3Eの平面図、図10(B)は、その斜視図である。カバー3Eは、上述の目印部38に代替する部位として、マイナスドライバーの先端部を挿入可能な切り欠き部39を備えている。切り欠き部39は、一つの係合爪31の配置位置の近傍において、周縁部301の一部を、マイナスドライバーの先端形状に応じて欠落させた部分である。切り欠き部39は、収容部4のハウジング側に設けても良い。これらの変形例によれば、メンテナンス作業者等におけるカバー3の取り外し作業性を良好とすることができる。
(2)カバー3の係合爪31に、多関節ロボット1若しくはロボットアーム10の起動ボタンの押下機能を持たせるようにしても良い。例えば、収容部4のハウジングの内壁に、係合爪31の先端部322で押下される起動ボタンを配置しておく。当然、係合爪31の変形や脱落が生じると前記起動ボタンは押下されず、多関節ロボット1は動作しなくなる。例えば、カバー3の取り外し権限を有さないユーザがカバー3を外したような場合、多関節ロボット1を稼働させられないので、無用なカバー3の取り外しの抑止効果が期待できる。
(3)上記実施形態では、係合爪31を含めてカバー3が樹脂材料製で、被係合部41を含めてロボットアーム10のハウジングが金属材料製である例を示した。これに代えて、係合爪31および被係合部41の双方を樹脂材料製、若しくは金属材料製としても良い。但し、上記実施形態の通り、係合爪31は比較的強度の低い樹脂材料製で、被係合部41は比較的強度が高い金属材料製で形成すれば、両者の強度差により、カバー3を取り外すための力を加えた際に、係合爪31の変形や欠落を生じさせ易くすることができる。
[上記実施形態に含まれる発明]
本発明の一局面に係る関節付きロボットは、複数のアーム要素と、前記複数のアーム要素を回転可能に接続する関節部と、を有するロボットアームと、前記関節部の内部に設けられると共に当該関節部の側方に開口を有し、前記ロボットアームの駆動源となるモータを収容する収容部と、前記収容部の開口を塞ぐカバーと、を備え、前記カバーは係合部を有し、前記収容部は被係合部を有し、前記係合部の前記被係合部への係合により、前記開口を塞ぐように前記カバーが前記収容部に取り付けられ、前記係合部は、前記被係合部への嵌め込みにより係合する一方で、前記被係合部からの係脱が不能な係合爪を有する。
上記のロボットによれば、開口を有する収容部にモータが収容されるので、ロボットアームの製造時における前記モータの収容部への組み付けや、当該モータのメンテナンスを、前記開口を通して簡便に行うことができる。また、前記開口を塞ぐカバーは、係合爪の被係合部への嵌め込みにより係合できるので、工具レスで容易に前記収容部に取り付けることができる。一方、前記収容部の被係合部に係合した後は、前記係合爪は前記被係合部からの係脱が不能となる。このため、前記カバーを前記収容部から取り外すには前記係合爪を破損させるほかない。このような破損は、カバーの機能を実質的に消失させることから、ユーザに無用なカバーの取り外しを躊躇させることができる。
上記の関節付きロボットにおいて、前記ロボットアームは、第1アーム要素と第2アーム要素とを接続する第1関節部と、前記第2アーム要素と第3アーム要素とを接続する第2関節部とを含む多関節ロボットアームであり、前記収容部として、前記第1関節部の内部には第1モータを収容する第1収容部が、前記第2関節部の内部には第2モータを収容する第2収容部が、各々備えられ、前記第1収容部および前記第2収容部の少なくとも一方には、前記係合爪を有する前記カバーが取り付けられていても良い。
このロボットによれば、3以上のアーム要素と2以上の関節部とを有する多関節ロボットアームの前記関節部に、上述の利点を有するカバーを適用することができる。
上記の関節付きロボットにおいて、前記係合爪は、前記カバーの周縁部から前記収容部の奥行き方向に延びる第1当接面を有する延長部と、前記第1当接面から側方に突出する第2当接面を有する突出部と、を含み、前記被係合部は、前記第1当接面が接面する第1受け面と、前記第2当接面が接面する第2受け面と、を含み、前記第1当接面と前記第2当接面とがなす角は、90度以下であることが望ましい。
このロボットによれば、係合爪は、カバーの周縁部から前記収容部の奥行き方向に突出する形態となる。また、第1当接面と第2当接面とがなす角が90度以下である係合爪と、これらの当接面が接面する第1受け面および第2受け面を備える被係合部とで、カバーが収容部に係合する。このような係合形態では、カバーの取り外しのため前記接面の状態を解除させる外力を加えると、当該係合爪の根元部分で折損が生じ易くなる。従って、簡易な爪形状で、係脱が不能な係合爪を実現できる。
上記の関節付きロボットにおいて、前記係合爪は、前記突出部として、前記収容部の奥行き方向に並ぶ第1突出部および第2突出部を含み、前記被係合部は、前記第1突出部および前記第2突出部の各第2当接面が接面する二つの前記第2受け面を含む構成としても良い。
このロボットによれば、収容部の奥行き方向に並ぶ第1突出部および第2突出部が、被係合部にそれぞれ係合する。従って、カバーの取り外しには前記第1、第2突出部の双方の係合を解除が必要となり、係脱が不能な係止爪を容易に実現できる。
上記の関節付きロボットにおいて、前記第2当接面は、その表面の一部が突出した凸部を有し、前記第2受け面は、その表面の一部が凹没した凹部を有し、前記凸部は、前記カバーが前記収容部に取り付けられた状態において、前記凹部に嵌合可能な形状を有していても良い。或いは、前記第2当接面は、その表面の一部が凹没した凹部を有し、前記第2受け面は、その表面の一部が突出した凸部を有し、前記凹部は、前記カバーが前記収容部に取り付けられた状態において、前記凸部を受け入れ可能な形状を有していても良い。
このロボットによれば、凹部と凸部との嵌合により、第2当接面と第2受け面との間の相対的な滑り移動が規制される。従って、係脱が不能な係止爪を容易に実現できる。
上記の関節付きロボットにおいて、前記係合部は樹脂材料製であり、前記被係合部は金属材料製であることが望ましい。
このロボットによれば、係合部は比較的強度の低い樹脂材料製で、被係合部は比較的強度が高い金属材料製で形成される。両者の強度差により、係合爪を維持した状態でのカバーの取り外しをより困難にすることができる。
上記の関節付きロボットにおいて、前記カバーは、前記収容部に取り付けた状態にある当該カバーの取り外し工具の適用位置を示す目印部を有することが望ましい。前記目印部は、マイナスドライバーの先端部を挿入可能な切り欠き部でも良い。
このロボットによれば、メンテナンス作業者等の、本体的にカバーを取り外す権限を有する者の作業性を良好とすることができる。

Claims (9)

  1. 複数のアーム要素と、前記複数のアーム要素を回転可能に接続する関節部と、を有するロボットアームと、
    前記関節部の内部に設けられると共に当該関節部の側方に開口を有し、前記ロボットアームの駆動源となるモータを収容する収容部と、
    前記収容部の開口を塞ぐカバーと、を備え、
    前記カバーは複数の係合爪を有し、前記収容部は被係合部を有し、前記複数の係合爪の前記被係合部への係合により、前記開口を塞ぐように前記カバーが前記収容部に取り付けられ、
    前記複数の係合爪は、
    弾性変形による前記被係合部への嵌め込みにより係合する一方で、損傷以外では前記被係合部からの係脱が不能であって
    前記カバーの前記開口への嵌め込み時には前記係合が可能なように均等に弾性変形し、前記カバーを前記被係合部から取り外す際には均等な弾性変形が不可能なため損傷する、関節付きロボット。
  2. 請求項1に記載の関節付きロボットにおいて、
    前記ロボットアームは、第1アーム要素と第2アーム要素とを接続する第1関節部と、前記第2アーム要素と第3アーム要素とを接続する第2関節部とを含む多関節ロボットアームであり、
    前記収容部として、前記第1関節部の内部には第1モータを収容する第1収容部が、前記第2関節部の内部には第2モータを収容する第2収容部が、各々備えられ、
    前記第1収容部および前記第2収容部の少なくとも一方には、前記係合爪を有する前記カバーが取り付けられている、関節付きロボット。
  3. 請求項1または2に記載の関節付きロボットにおいて、
    前記複数の係合爪は各々、前記カバーの周縁部から前記収容部の奥行き方向に延びる第1当接面を有する延長部と、前記第1当接面から側方に突出する第2当接面を有する突出部と、を含み、
    前記被係合部は、前記第1当接面が接面する第1受け面と、前記第2当接面が接面する第2受け面と、を含み、
    前記第1当接面と前記第2当接面とがなす角は、90度以下である、関節付きロボット。
  4. 請求項3に記載の関節付きロボットにおいて、
    前記複数の係合爪は各々、前記突出部として、前記収容部の奥行き方向に並ぶ第1突出部および第2突出部を含み、
    前記被係合部は、前記第1突出部および前記第2突出部の各第2当接面が接面する二つの前記第2受け面を含む、関節付きロボット。
  5. 請求項3または4に記載の関節付きロボットにおいて、
    前記第2当接面は、その表面の一部が突出した凸部を有し、
    前記第2受け面は、その表面の一部が凹没した凹部を有し、
    前記凸部は、前記カバーが前記収容部に取り付けられた状態において、前記凹部に嵌合可能な形状を有する、関節付きロボット。
  6. 請求項3または4に記載の関節付きロボットにおいて、
    前記第2当接面は、その表面の一部が凹没した凹部を有し、
    前記第2受け面は、その表面の一部が突出した凸部を有し、
    前記凹部は、前記カバーが前記収容部に取り付けられた状態において、前記凸部を受け入れ可能な形状を有する、関節付きロボット。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の関節付きロボットにおいて、
    前記複数の係合爪は樹脂材料製であり、前記被係合部は金属材料製である、関節付きロボット。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の関節付きロボットにおいて、
    前記カバーは、前記収容部に取り付けた状態にある当該カバーの取り外し工具の適用位置を示す目印部を有する、関節付きロボット。
  9. 請求項8に記載の関節付きロボットにおいて、
    前記目印部は、マイナスドライバーの先端部を挿入可能な切り欠き部である、関節付きロボット。
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