JP3659568B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、相手方コネクタとの嵌合に必要な操作力をカム作用により低減するようにしたコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、相手方コネクタとの嵌合に必要な操作力を低減させる機能をもったコネクタとして、例えば特開平10−21992号公報に示されるものが知られている。
【0003】
このコネクタは、端子を保持するハウジングと、これをスライド可能に保持するホルダとを備え、これらハウジングとホルダとの間にカム部材である揺動レバーが介在している。この揺動レバーは、前記ハウジングに揺動可能に取付けられるとともに、相手方コネクタに設けられたピンに係合するカム溝と、前記ホルダに設けられた案内溝に嵌まり込む係合ピンとを有している。そして、この揺動レバーのカム溝が前記相手方コネクタのピンに係合し、かつ、係合ピンが前記ホルダの案内溝に係合された状態で、前記ホルダに対してハウジングが相対的にスライド運動するのに伴い、当該ハウジングに対して前記揺動レバーが揺動し、その揺動によってコネクタ同士を嵌合するための嵌合力が生成されるように、前記カム溝及び案内溝の形状が設定されている。
【0004】
すなわち、このコネクタは、ハウジングとホルダ(スライダ)との相対的なスライド運動を前記揺動レバーのカム作用によってコネクタ同士を嵌合させる嵌合力に変換し、低いスライド操作力で大きな嵌合力が得られるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記コネクタを組み上げるためには、まずハウジングに揺動レバーを揺動可能に取付けておき、この揺動レバーを当該レバーが勝手に揺動しないように所定の回動角度位置に指等で保持しながら、当該揺動レバーの係合ピンと前記ホルダの案内溝との係合を行わなければならない。かかる作業は煩雑で面倒であり、生産効率向上の妨げとなる。さらに、かかる組み上げ作業の前にハウジングに端子及びこれにつながる電線を装着してしまうと、当該電線等が邪魔になって前記組み上げ作業がますます困難となる関係上、当該組み上げ作業が終わってから前記端子等の装着を行わざるを得ず、従ってこの端子装着作業も煩雑なものとなる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、カム作用によって低操作力でのコネクタ嵌合を可能にしながら、コネクタ全体の組立作業を容易にしてその生産効率の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、相手方コネクタと嵌合する端子を保持するハウジングと、このハウジングに相対的にスライド可能となるように取付けられるスライダと、前記ハウジングに回動可能に取付けられ、かつ、前記相手方コネクタに設けられたカム構成要素と係合可能な第1カム部及び前記スライダに設けられたカム構成要素と係合可能な第2カム部を有するカム部材とを備え、前記第1カム部が前記相手方コネクタのカム構成要素に係合され、かつ、前記第2カム部が前記スライダのカム構成要素に係合された状態で前記スライダがハウジングに対して相対的にスライドすることにより、そのスライド力が前記カム部材のカム作用によって当該スライド力よりも大きなコネクタ同士の嵌合力に変換されるように前記第1カム部及び第2カム部の形状が設定されるとともに、前記ハウジングに、前記カム部材をその第2カム部が前記スライダと係合可能な回動角度位置に係脱可能に係止する係止部が設けられているものである。
【0008】
この構成によれば、ハウジングに設けられた係止部によりカム部材を所定の回動角度位置に係止しておくことにより、その係止状態のまま、前記ハウジングに難なくスライダを装着することができる。そして、その装着時あるいは装着後に前記係止部によるカム部材の係止を解除することにより、相手方コネクタとの嵌合時にカム部材のカム作用を発揮させることができる。すなわち、比較的低い操作力でハウジングとスライダとを相対的にスライドさせるだけで、このコネクタと相手方コネクタとを十分な力で嵌合させることができる。
【0009】
ここで、前記カム部材の係止の解除は、例えば指で直接係止部を操作することにより行うようにしてもよいが、前記スライダに、当該スライダが前記第2カム部に係合される際に前記係止部による前記カム部材の係止を強制解除する係止解除部が設けられた構成とすれば、当該スライダの装着の際(すなわち第2カム部に係合される際)にその係止解除部がカム部材の係止を自動的に解除するため、組立作業がより簡略化される。
【0010】
具体的に、前記係止を解除させるための構成としては、前記ハウジングに前記スライダに対して接離する方向に撓み変形可能な撓み部が設けられ、この撓み部に前記係止部が設けられており、前記スライダの係止解除部は、当該スライダが前記第2カム部に係合される際に前記撓み部を撓み変形させて当該撓み部の係止部を変位させることにより前記係止を強制解除するものが好適である。
【0011】
この構成によれば、前記撓み部の撓み変形(弾性変形)を利用して、この撓み部に設けられた係止部によるカム部材の係止及び係止解除の切換を容易に行うことができる。
【0012】
この場合、前記係止解除部としては、例えば、前記撓み部に向かう方向へ突出する係止解除用突起であって、前記撓み部を押圧して撓み変形させるものが好適である。
【0013】
また、前記第2カム部及びこれに係合するスライダのカム構成要素として、前記第2カム部はスライダ側に突出するカム用突起であり、当該カム用突起が嵌まり込むカム溝が前記スライダの側壁に設けられるとともに、前記カム用突起がカム溝に嵌まり込む位置へスライダが到達するまでの間に当該カム溝が設けられているスライダの側壁が撓み変形しながら前記カム用突起上に乗り上げるように構成されているものが、好適である。この構成によれば、予めカム部材がハウジング側に取付けられた状態にあっても、このカム部材に設けられたカム用突起をスライダの側壁が撓みながら乗り上げることにより、当該スライダの側壁に設けられたカム溝に前記カム用突起が嵌まり込む位置(装着位置)までスライダを容易に至らせることができる。
【0014】
以上記したように、本発明にかかるコネクタでは、カム部材をハウジング側に所定の回動角度位置で係止したままスライダの装着を容易に行うことができるため、例えば、当該スライダの装着前にハウジングに電線付端子を装着しておくことも可能である。従って、従来のようにスライダを装着してから電線付端子を装着しなければならない場合と異なり、前記スライダを、前記ハウジングに保持される端子に接続された電線を後方から覆う形状にすることも可能であり、これによって、スライダを電線カバーとして兼用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明にかかるコネクタC1と、その相手方コネクタC2とを示したものである。
【0017】
相手方コネクタC2は、前後に延びる多数本の端子40と、これら端子40を保持する樹脂製のハウジング41とを備え、このハウジング41には前記各端子40を外側から包囲するフード42が形成されている。さらに、このフード42の外周面には、上下一対のカム用ピン44と、同じく上下一対の操作用突起46とが形成されている。
【0018】
一方、本発明にかかるコネクタC1は、ハウジング10と、上下一対のカム板(カム部材)20と、スライダ30とを備えている。
【0019】
ハウジング10は、全体が例えば樹脂のように弾性をもつ絶縁材料で一体に形成されており、ブロック状の端子保持部11と、その周囲を覆うフード12とを有している。
【0020】
端子保持部11には、これを前後に貫通する多数の端子収容室11aが設けられ、各端子収容室11a内に図略のコネクタ端子が保持されるとともに、このコネクタ端子につながる電線がハウジング10の後側(後述のスライダ30が位置する側)に導出されるようになっている。
【0021】
端子保持部11の上下面において、その後端よりの位置には、支軸部13が突設されるとともに、撓み片(撓み部)14が形成されている。
【0022】
支軸部13は、前記各カム板20の回動支点となるもので、詳しくは図3(a)(b)に示すような形状を有している。すなわち、支軸部13は、大略円柱状をなし、その先端側部分(図3では上側部分)に180°間隔で一対の耳部13aが径方向外側に突設されている。
【0023】
撓み片14は、その先端側部分(ハウジング10の後側部分;図2では下側部分)がハウジング10の内側向きに撓み変形できる形状を有している。詳しくは、図7〜図9に示すように、端子保持部11の周縁部分にこの部分を後側(図7では下側)から切り込むスリット18が形成され、このスリット18よりも外側の部分が前記撓み片14とされている。従って、この撓み片14は、前記スリット18の厚み分だけ内向きに撓み変形できるようになっている。この撓み片14の外側面には、前記カム板20を係止する(回動規制する)ための係止突起(係止部)14aが形成されるとともに、この係止突起14aよりも後端側(図7では下端側)の位置に、別の被押圧突起14bが形成されている。
【0024】
なお、図7〜図9において15は、相手方コネクタC2との嵌合時に当該相手方コネクタC2と接触する防水用のシール部材である。
【0025】
前記端子保持部11とフード12との間の領域においては、前後一対の撓み片16が形成されている。これらの撓み片16は、図7〜図9に示すように、フード12の前端(同図では上端)から端子保持部11よりも外側の領域で後方に反転する片持ち梁状をなし、その自由端(後端)が外向き(フード12に近づく向き)に撓むことが可能となっている。そして、この撓み片16の内側面(端子保持部11に対向する側の面)にストッパ用突起16aが形成されるとともに、このストッパ用突起16aよりも前端側の位置に被押圧突起16bが形成されている。
【0026】
また、フード12の後端部には、前記撓み片16の後端部(自由端部)16cを外方に露出させる切欠17が形成され、この切欠17を通じて撓み片16の後端部16cを押圧操作することも可能となっている。
【0027】
各カム板20は、薄板状をなし、カム溝(第1カム部)21と、カム用突起(第2カム部)22と、軸孔23とを有している。
【0028】
カム溝21は、カム板20をその板厚方向に貫通し、かつ、なだらかな曲線状をなしており、カム用突起22はカム溝21とほぼ対角の位置でハウジング10の外側向きに突出している。そして、前記カム溝21内に前記相手方コネクタC2のカム用ピン44が侵入し、かつ、カム用突起22がスライダ30側の後記カム溝33に嵌まり込んだ状態で、両コネクタC1,C2の結合時に後述のカム作用が得られるように、前記カム溝21及びカム用突起22の形状や位置が設定されている。
【0029】
軸孔23は、前記支軸部13が嵌入される孔であり、詳しくは図3(a)(b)に示すような形状を有している。すなわち、軸孔23は、前記支軸部13の両突起13aが侵入可能な直径をもつ円形状をなすが、カム板20の板厚方向内側部分(図3では下側部分)には、前記両突起13aが侵入可能な一対の隙間23bを残して円弧状の突条23aが軸孔23の内周面から径方向内側に突出している。
【0030】
従って、前記隙間23bと突起13aとが合致する角度位置で当該隙間23bに突起13を侵入させるようにして軸孔23内に支軸部13を嵌入することができるとともに(図3(a))、その嵌入後に支軸部13回りにカム板20を回動させて前記突起13aを前記突条23aに乗り上げさせることにより(同図(b))、支軸部13からのカム板20の抜けを阻止できるようになっている。すなわち、このカム板20が支軸部13回りに回動可能となるように当該カム板20をハウジング10側に取付けることができるようになっている。
【0031】
なお、本発明において、ハウジングにカム部材を取付けるための具体的な構造は特に問わず、例えばカム部材とは別の止め輪などを用いるようにしてもよい。要はハウジングに対してカム部材が回動可能となっていればよい。
【0032】
さらに、前記カム用突起22の裏側には、前記ハウジング10側の係止突起14aと略同形状の凹部(被係止部)24が形成されている。そして、この凹部24に前記突起14aが嵌まり込むことにより、その回動角度位置にカム板20が係止されるようになっている。この係止角度位置は、図2に示すように、カム板20のカム用突起22がハウジング10の後端(同図では下端)に丁度位置するような角度位置に設定されている。
【0033】
スライダ30も、前記ハウジング10と同様、全体が例えば樹脂のように弾性をもつ絶縁材料で一体に形成されており、前記ハウジング10をその後方から覆うカバー状をなしている。詳しくは、最も後方に位置する背壁31と、この背壁31の周縁から前方に延びる周壁とを一体に有しており、さらに、後者の周壁は、上下一対の平板状側壁32Aと、左右側壁32Bとに分割されている。
【0034】
各平板状側壁32Aは、その前端部がスライダ30の内外方向に撓み変形できるように構成されており、その前端側部分に前記カム溝33が形成されている。各カム溝33は、左右方向に延び、図例では各平板状側壁32Aをその肉厚方向に貫通している。また、各平板状側壁32Aの前端側部分には、その内側面から内方に突出する係止解除用突起34が形成されており、このスライダ30を前記ハウジング10に装着する際に各係止解除用突起34が図9のごとく前記各撓み片14の被押圧突起14bを外側から押圧するように、各係止解除用突起34の位置が設定されている。
【0035】
一方、スライダ30の左右側壁32Bには、前記撓み片16と対応する位置に、当該左右側壁32Bのコーナー部分から周方向に突出する被係止突起36が形成されている。そして、この被係止突起36が図10(a)(b)に示すように前記撓み片16のストッパ用突起16aに後方から突き当たることにより、その突き当たり位置よりも前方にスライダ30が移動することが規制されるようになっている。
【0036】
また、左右側壁32Bのうちの一方には、前記ハウジング10の各端子につながる電線群D(図4〜図6及び図12(b)参照)をスライダ30の外側に導出するための電線逃がし溝35が形成されている。
【0037】
次に、このコネクタC1の組立要領及び組立後の相手方コネクタC2との結合要領を説明する。ただし、本発明にかかるコネクタの組立方法はこれに限られるものではない。
【0038】
1)カム板20の取付
前記図3(a)(b)に示した要領で、カム板20を当該カム板20が支軸部13回りに回動可能となるようにハウジング10に取付ける。さらに、カム板20の裏面の凹部24にハウジング10側の係止突起14aを嵌め込んでカム板20を所定の回動角度位置に係止する。この係止により、従来のように前記カム板20を指などで保持しなくてもその後の工程を円滑に行うことができる。
【0039】
2)端子装着
電線の端末に固定された端子を各端子収容室11a内に挿入し、固定する。この工程により、各端子につながる電線群D(図4〜図6)がハウジング10から後方に延びる状態となる。この2)の工程は、1)の工程と前後してもよい。
【0040】
3)スライダ30の取付
ハウジング10の外側に当該ハウジング10の後方からスライダ30を装着する(図4〜図6)。その装着の際、スライダ30の両平板状側壁32Aは、図5に示すように外側に撓み変形してカム板20のカム用突起22上に乗り上げ、最終的にカム溝33にカム用突起22が嵌まり込む装着位置(図6)に到達する。この装着位置では、図10に示すようにスライダ30の被係止突起36がハウジング10側の撓み片16のストッパ用突起16aに後方から突き当たるため、当該装着位置よりも前方にスライダ30が移動することが規制される。
【0041】
さらに、このスライダ30が前記装着位置に到達した時点で、図9に示すように、当該スライダ30に設けられた係止解除用突起34が撓み片14に形成された被押圧突起14bを外側から押圧し、当該撓み片14を内方へ撓ませるため、この撓み片14に形成されている係止突起14aがカム板20の凹部24から内方に離脱する。すなわち、係止突起14aによるカム板20の係止が自動的に解除されてカム板20のカム機能が発揮され得る。
【0042】
換言すれば、この係止解除時までカム板20は係止突起14aにより回動規制されるため、当該カム板20を指等で把持しながらスライダ30の装着作業をする必要がなく、当該装着作業は非常に容易化される。従って、前記2)の工程でハウジング10に装着された端子から電線群Dが導出されていても、スライダ30の装着を難なく行うことができる。このように、端子装着工程の後にスライダ30を装着することを可能にした結果、図示のようにスライダ30を電線群Dのカバーとして兼用することが可能となるのである。
【0043】
すなわち、ハウジング10にスライダ30が装着されることにより、コネクタC1が完成するとともに、当該スライダ30が前記ハウジング10から後方に延びる電線群D(図4〜図6)を後方から覆う状態となる。このとき、スライダ30と電線群Dとの干渉は当該スライダ30の側壁32Bに設けられた電線逃がし溝35によって回避される。
【0044】
4)相手方コネクタC2との結合(図10〜図12)
前記スライダ30を装着した状態で、当該スライダ30によるカム板20の係止(回動規制)は解除されるが、このカム板20は、そのカム用突起22とカム溝33との係合によってスライダ30側に拘束されているため、図10に示すようにカム溝21の開口端が前方すなわち相手方コネクタC2側に開口する方向を向く角度位置に保持される。
【0045】
そこで、前記コネクタC1のスライダ30を指等で把持し、前記カム溝21の開口端に相手方コネクタC1のカム用ピン44を侵入させ、かつ、コネクタC1の端子保持部11とフード12とで囲まれた空間内に相手方コネクタC2のフード42を挿入するようにして、両コネクタC1,C2の嵌合を進める。この嵌合時の作用は次のとおりである。
【0046】
まず、前記フード42が前記空間内に挿入される際、このフード42の外側面に形成された操作用突起46が図11に示すように撓み片16の被押圧突起16bを内側から外側に向けて押圧し、当該撓み片16を外向きに撓み変形させるため、この撓み片16に形成されたストッパ用突起16aがスライダ30の被係止突起36から外側へ自動的に外れ、スライダ30の前進(ハウジング10に対する相対的なスライド運動)が許容される状態になる。
【0047】
そこで、この時点からそのままスライダ30をスライド前進させると、このスライダ30のカム溝33とカム用突起22とのカム作用によりカム板20が回動を開始し、このカム板20のカム溝21とカム用ピン44とのカム作用によって両コネクタC1,C2同士を嵌合させるための大きな嵌合力が生成される。すなわち、スライダ30をスライドさせる操作力が前記カム作用によりコネクタ嵌合力として倍加され、低い操作力でコネクタC1,C2同士を嵌合させることが可能となる。
【0048】
なお、本発明の実施形態は前記のものに限定されず、例として次のような形態をとることも可能である。
【0049】
(1) 前記実施形態では、カム板20の第1カム部としてカム溝21を設け、これに係合するカム構成要素として相手方コネクタC2側にカム用ピン44を設けたが、逆に、カム板20の第1カム部としてカム板20から突出する突出部を設け、この突出部が案内されるカム溝を相手方コネクタC2側に設けるようにしてもよい。同様に、カム板20の第2カム部としてカム溝を形成し、これに嵌まり込むカム用突起をスライダ30側に設けるといったことも可能である。
【0050】
(2) 前記実施形態では、スライダ30の装着時に当該スライダ30の係止解除用突起34が撓み片14を押圧することにより当該撓み片14の係止突起14aによるカム板20の係止が自動的に解除されるものを示したが、例えば前記係止突起14aとカム板20の凹部24とが指等を用いて手動で係脱されるような構成にしてもよい。また、カム板20をはじめとするカム部材の具体的な係止構造も問わず、例えばカム部材側に被係止部として突起を設け、この突起が嵌まり込む凹部をハウジング側に設けるようにしてもよいし、ハウジング側に設けた係止突起がカム部材の例えば外周面と当接することにより当該カム部材の回動を規制するようにしてもよい。
【0051】
(3) 本発明では、スライダ30の具体的な形状や構造も問わず、ハウジング10に対して相対的にスライド可能となるように取付けられるものであればよい。例えば、前記背壁31をもたない筒状のものとしてもよく、この場合には、従来と同様、スライダ30をハウジング10に装着した後に端子装着作業を行うことも可能である。ただし、スライダ30の装着前に端子の装着を行うことにより、当該端子装着作業がより容易になるとともに、上述のようにスライダ30の形状を電線群Dを後方から覆う形状とすることによって当該スライダ30を電線カバーとして兼用できる利点も得られる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明は、ハウジングとスライダとの相対的なスライド運動とカム部材のカム作用とにより相手方コネクタとの嵌合力を生成するようにしたコネクタにおいて、前記ハウジングに、前記カム部材を前記スライダと係合可能な回動角度位置に係脱可能に係止する係止部を設け、その係止状態のままスライダの装着作業ができるようにしたものであるので、前記カム作用によって低操作力でのコネクタ嵌合を可能にしながら、コネクタ全体の組立作業を容易にしてその生産効率の向上を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるコネクタ及びその相手方コネクタを示す斜視図である。
【図2】前記コネクタのハウジングにスライダが装着される前の状態を示す平面図である。
【図3】(a)は前記ハウジングの支軸部にカム板を装着する前の状態を示す破断斜視図、(b)は同カム板を装着した後の状態を示す破断斜視図である。
【図4】前記ハウジングにスライダを装着する前の状態を示す断面側面図である。
【図5】前記ハウジングにスライダを装着し始めた状態を示す断面側面図である。
【図6】前記ハウジングにスライダを装着した後の状態を示す断面側面図である。
【図7】図2のA−A線断面図である。
【図8】前記ハウジングにスライダを装着し始めた状態を示す図7相当の断面図である。
【図9】前記ハウジングにスライダを装着した後の状態を示す図7相当の断面図である。
【図10】(a)は前記コネクタを相手方コネクタに嵌合する前の状態を示す断面側面図、(b)は同状態を示す平面図である。
【図11】(a)は前記コネクタと相手方コネクタとの嵌合を開始した状態を示す断面側面図、(b)は同状態を示す平面図である。
【図12】(a)は前記コネクタと相手方コネクタとの嵌合が完了した状態を示す断面側面図、(b)は同状態を示す平面図である。
【符号の説明】
C1 本発明にかかるコネクタ
C2 相手方コネクタ
10 ハウジング
13 支軸部
14 撓み片(撓み部)
14a 係止突起(係止部)
20 カム板(カム部材)
21 カム溝(第1カム部)
22 カム用突起(第2カム部)
30 スライダ
32A 平板状側壁
33 カム溝(カム構成要素)
34 係止解除用突起
44 カム用ピン(カム構成要素)
Claims (6)
- 相手方コネクタと嵌合する端子を保持するハウジングと、このハウジングに相対的にスライド可能となるように取付けられるスライダと、前記ハウジングに回動可能に取付けられ、かつ、前記相手方コネクタに設けられたカム構成要素と係合可能な第1カム部及び前記スライダに設けられたカム構成要素と係合可能な第2カム部を有するカム部材とを備え、前記第1カム部が前記相手方コネクタのカム構成要素に係合され、かつ、前記第2カム部が前記スライダのカム構成要素に係合された状態で前記スライダがハウジングに対して相対的にスライドすることにより、そのスライド力が前記カム部材のカム作用によって当該スライド力よりも大きなコネクタ同士の嵌合力に変換されるように前記第1カム部及び第2カム部の形状が設定されるとともに、前記ハウジングに、前記カム部材をその第2カム部が前記スライダと係合可能な回動角度位置に係脱可能に係止する係止部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
- 請求項1記載のコネクタにおいて、前記スライダに、当該スライダが前記第2カム部に係合される際に前記係止部による前記カム部材の係止を強制解除する係止解除部が設けられていることを特徴とするコネクタ。
- 請求項2記載のコネクタにおいて、前記ハウジングに前記スライダに対して接離する方向に撓み変形可能な撓み部が設けられ、この撓み部に前記係止部が設けられており、前記スライダの係止解除部は、当該スライダが前記第2カム部に係合される際に前記撓み部を撓み変形させて当該撓み部の係止部を変位させることにより前記係止を強制解除するものであることを特徴とするコネクタ。
- 請求項3記載のコネクタにおいて、前記係止解除部は、前記撓み部に向かう方向へ突出する係止解除用突起であり、この係止解除用突起が前記撓み部を押圧して撓み変形させることを特徴とするコネクタ。
- 請求項2〜4のいずれかに記載のコネクタにおいて、前記第2カム部はスライダ側に突出するカム用突起であり、当該カム用突起が嵌まり込むカム溝が前記スライダの側壁に設けられるとともに、前記カム用突起がカム溝に嵌まり込む位置へスライダが到達するまでの間に当該カム溝が設けられているスライダの側壁が撓み変形しながら前記カム用突起上に乗り上げるように構成されていることを特徴とするコネクタ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のコネクタにおいて、前記スライダは、前記ハウジングに保持される端子に接続された電線を後方から覆う形状を有することを特徴とするコネクタ。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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