JP7843363B2 - シクロアルケンおよびシクロアルカンのα,ω-ジカルボン酸またはケトカルボン酸およびシクロアルカノン化合物への電気化学的酸化 - Google Patents

シクロアルケンおよびシクロアルカンのα,ω-ジカルボン酸またはケトカルボン酸およびシクロアルカノン化合物への電気化学的酸化

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Description

本発明は、酸素が存在する反応媒体中の電解セルにおいて、無機または有機硝酸塩の存在下で、非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンと、非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素とを電気化学的に酸化することにより、非置換または少なくとも一置換のα、ω-ジカルボン酸またはケトカルボン酸と、非置換または少なくとも一置換のシクロアルカノンとを製造する方法に関する。
α,ω-ジカルボン酸とケトカルボン酸とシクロアルカノン化合物とは、有機合成化学の重要な基質であり、ポリマー合成のモノマー成分であるため、工業用途に非常に関連している。シクロアルカンおよびシクロアルケンからこれらの基質を得るための従来の方法は、基本的に遷移金属触媒反応と化学酸化剤の使用とである。
シクロアルカンを対応するケトンに電気化学的に酸化する方法は、まだ説明されていない。シクロオクテンおよびシクロドデセンの電気化学的酸化二重結合開裂により、ジカルボン酸/そのメチルエステルを生成する例は、数例知られているのみである(U.Baumer、Electrochimica Acta 2003年、4、489~495頁;U.-St.Baumer、H.J.Schafer、J.Appl.Electrochem.2005年、35、1283~1292頁;D.D.Davis、D.L.Sullivan、ドデカン二酸の製造方法、1991年および米国特許出願公開第5026461号明細書)。酸化二重結合開裂によるジカルボン酸の合成は、純粋なシクロアルケンから開始される。
さらに、これらの従来技術のプロセスでは、合成によって対応するカルボン酸エステルが得られることが多いため、遊離カルボン酸の生成には、しばしば、さらなる時間とリソースを必要とする加水分解の追加工程が必要になる。
材料投入量の増加により、高価な遷移金属を電気触媒または電極材料として使用したり、化学酸化剤を使用したりすると、試薬廃棄物が発生し、場合によっては高価で複雑な廃棄または再生が必要になる。さらに、これらのプロセスでは、複雑な電解質系と追加の酸化剤の使用により、全体で大量の材料投入が必要となり、コストバランスとプロセスの経済性に悪影響を及す。
米国特許出願公開第5026461号明細書
本発明の目的は、α,ω-ジカルボン酸およびシクロアルカノンの製造を可能にする持続可能で省資源の方法を提供することである。
この目的は、特許請求の範囲の主題事項および明細書によって達成された。
本発明は、電気化学的酸化により、非置換または少なくとも一置換のα,ω-ジカルボン酸またはケトカルボン酸と非置換または少なくとも一置換のシクロアルカノンとを製造する方法であり、
(a-1)少なくとも1つの非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンを準備する工程、
(a-2)少なくとも1つの非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素を準備する工程、
(b)少なくとも1つの無機または有機硝酸塩を準備する工程と、
(c)酸素が存在する反応媒体中の電解セルにおいて、工程(a-1)で準備された非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンと、工程(a-2)で準備された非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素とを、工程(b)で準備された無機または有機硝酸塩の存在下で、電気化学的に酸化する工程
を含む方法を提供する。
驚くべきことだが、本発明による方法により、同じ環サイズの環状アルカンの存在下で、環状アルケンを電気化学的に酸化して、α,ω-ジカルボン酸/ケトカルボン酸を得られることがわかった。
本発明の方法により、工業的に得られるシクロアルケン(多くの場合、一定割合の脂環式炭化水素を含む)を、α,ω-ジカルボン酸に転化することができ、その際に、工業用途で同様に使用され得る環状ケトンがさらなる生成物として得られる。
本発明の方法により、工業的に重要なプロセスを簡素化することができ、さらに、持続可能性の観点からプロセスを最適化できる。
本発明により、環境に有害な遷移金属および酸化剤の使用を大幅に回避しながら、供給原料化学物質の省資源かつ合成的に重要なオキソ官能化を達成することができる。所望の生成物への選択的転化と、導電性塩およびメディエーターの二重機能での有効利用とにより、高価な試薬廃棄物の発生が大幅に減少される。本発明は、両方の電極反応が合成に有用である効果的な集中電気分解による、脂肪族α、ω-カルボン酸、ケトカルボン酸およびシクロアルカノンの電気化学的合成ルートを可能にする。
本発明の方法は、高い選択性、少量の補助化学物質の使用、酸化剤としての電流の使用、およびそれに伴う少量の廃棄物生成という特別な特徴を有する。
さらに驚くべきことだが、本発明の方法は、常圧および常温で実施できることがわかった。これはエネルギー効率、ひいては環境適合性にも同様に有利である。
本発明の方法は、単環式または二環式の非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンを使用し得る。非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和の単環式シクロアルケンを使用することが好ましく、非置換または少なくとも一置換の一不飽和の単環式シクロアルケンが特に好ましい。不飽和結合の位置は、環内または環外であってよく、環内不飽和結合が好ましい。
本発明の方法で使用される非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和の単環式シクロアルケンは、環系中に、好ましくは5~12個の炭素原子、特に好ましくは6~12個の炭素原子、非常に特に好ましくは8~12個の炭素原子を有し得る。これらのシクロアルケンは、一不飽和または多不飽和であってよく、一不飽和シクロアルケンが好ましい。これらのシクロアルケンはそれぞれ、置換されていないか、または一置換もしくは多置換されていてよい。一置換または多置換されている場合、メチル、フェニルまたはベンジルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個、2個、3個、4個または5個の置換基で置換されていることが好ましい。フェニルまたはベンジル置換基自体はそれぞれ、置換されていないか、またはF、Cl、Br、およびNOからなる群からそれぞれ独立して選択される1個、2個、または3個の置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい。
本発明の方法で使用される非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和の二環式シクロアルケンは、環系中に、好ましくは7~18個の炭素原子、特に好ましくは7~12個の炭素原子、非常に特に好ましくは7~10個の炭素原子を有し得る。これらのシクロアルケンは、一不飽和または多価不飽和であってもよく、一不飽和シクロアルケンが好ましい。これらのシクロアルケンはそれぞれ、置換されていないか、または一置換もしくは多置換されていてもよい。一置換または多置換されている場合、メチル、フェニルまたはベンジルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個、2個、3個、4個または5個の置換基で置換されていることが好ましい。フェニルまたはベンジル置換基自体はそれぞれ、置換されていないか、またはF、Cl、BrおよびNOからなる群からそれぞれ独立して選択される1個、2個または3個の置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい。
本発明に従って使用される単環式または二環式シクロアルケン、またはその置換基が側鎖に1個を超える炭素原子を有するアルキルラジカルを含む場合、本発明の方法の実施により、これらの置換基に望ましくない副反応が生じる可能性がある。
単環式シクロアルケンは、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロウンデセン、シクロドデセンおよび1-フェニルシクロヘキサ-1-エンからなる群から選択されることが特に好ましい。特に好ましい二環式シクロアルケンは、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、α-ピネンおよびカレンからなる群から選択され得る。
本発明の方法は、単環式または二環式の、好ましくは二環式の、非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素を使用し得る。本発明の方法において、単環式脂環式炭化水素を使用することが特に好ましい。
本発明の方法で使用される単環式または多環式の、特に単環式または二環式の飽和脂環式炭化水素は、好ましくは、環系中に、5~18個の炭素原子を有し得る。これらの脂環式炭化水素はそれぞれ、置換されていないか、または一置換もしくは多置換されていてもよい。一置換または多置換されている場合、メチル、フェニルまたはベンジルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個、2個、3個、4個または5個の置換基で置換されていることが好ましい。フェニルまたはベンジル置換基自体はそれぞれ、置換されていないか、またはF、Cl、BrおよびNOからなる群からそれぞれ独立して選択される1個、2個または3個の置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい。本発明に従って使用される脂環式炭化水素、またはその置換基が、側鎖に1個を超える炭素原子を有するアルキルラジカルを含む場合、本発明の方法の実施により、これらの置換基で望ましくない副反応が生じる可能性がある。
本発明による方法は、特に好ましくは、非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素として、環内に6~12個の炭素原子、好ましくは環内に8~12個の炭素原子を有し、置換されていないか、またはメチル、フェニルまたはベンジルからなる群からそれぞれ独立して選択される1個、2個、3個、4個または5個の置換基で一置換もしくは多置換されている単環式飽和炭化水素を使用する。本発明の方法は、極めて特に好ましくは、環内に8~12個の炭素原子を有し、置換されていないか、またはメチル基により一置換もしくは二置換もしくは三置換されている単環式飽和炭化水素を使用する。
飽和単環式炭化水素は、極めて特に好ましくは、置換されておらず、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカンおよびシクロドデカンからなる群から選択され、さらにより好ましくはシクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカンおよびシクロドデカンからなる群から選択され、最も好ましくはシクロドデカンである。
シクロアルケンがシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロウンデセン、シクロドデセン、1-フェニルシクロヘキサ-1-エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、α-ピネンおよびカレンからなる群から選択され、飽和脂環式炭化水素がシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカンおよびシクロドデカンからなる群から選択される場合が特に好ましい。
シクロアルケンがシクロドデセンであり、飽和脂環式炭化水素がシクロドデカンである場合が特に好ましい。
本発明の方法において、工程(a-1)による少なくとも1つの非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンの準備と、工程(a-2)による少なくとも1つの非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素の準備とは、好ましくは組み合わせて行われ、特に好ましくは混合物として行われ得る。したがって、例えば、これら2つの成分を含む、工業規模プロセスからの前駆体生成物は、本発明による方法において直接使用され得る。
本発明による方法における、非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンと、非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素との量比は、広範囲にわたって変化してもよい。
非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンのモル比は、いずれの場合も、使用される非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンと非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素との総量に対し、40~95モル%、好ましくは45~55モル%、特に好ましくは47~53モル%であるのが好ましい。
同様に、非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンのモル比は、いずれの場合も、使用される非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンと非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素との総量に対し、60モル%を超え、好ましくは65モル%を超え、特に好ましくは70モル%を超えるのが好ましい。
シクロデセンおよびシクロデカンの総量に対し、シクロアルケンとしてシクロドデセンを90~95モル%、飽和脂環式炭化水素としてシクロドデカンを 5~10モル%の量で使用することが非常に特に好ましい。
本発明による方法の工程(b)は、少なくとも1つの無機または有機硝酸塩の準備を含む。この硝酸塩は、導電性塩と、本発明による電気化学的酸化プロセスのメディエーターと、の両方として機能する。一般式[陽イオン][NO ]の無機塩または有機塩を使用するのが好ましい。
[陽イオン]は、Na、K、ならびに
一般構造[R](式中、R、R、RおよびRは、C~C16アルキル、特に直鎖または分岐鎖C~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。)を有するアンモニウムイオン、
一般構造(I):
(式中、RおよびRは、直鎖または分岐鎖C~C18アルキル、特に直鎖または分岐鎖C~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、Rは、Hおよび直鎖または分岐鎖C~C18アルキル、特にHおよび直鎖または分岐鎖C~Cアルキルからなる群から選択される。)
のイミダゾリウム陽イオン、
一般構造(II):
(式中、Rは、C~C18アルキル、特に直鎖または分岐鎖C~Cアルキルからなる群から選択され、R、RおよびRは、Hおよび直鎖または分岐鎖C~C18アルキル、特にHおよび直鎖または分岐鎖C~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。)
のピリジニウム陽イオン、および
一般構造[R1a2a3a4a](式中、R1a、R2a、R3a、R4aは、C~C16アルキル、特に直鎖または分岐鎖C~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。)のホスホニウムイオン
からなる群から選択される。
イミダゾリウム陽イオンをベースとする有機硝酸塩が本発明の方法で使用される場合、一般式(I)の陽イオンが好ましく、式中、RおよびRは、直鎖または分岐鎖C~C18アルキル、特に直鎖または分岐鎖C~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、Rは水素である。特に好ましいのは、一般式(I)のイミダゾリウム陽イオンであり、式中、Rはメチルであり、Rはエチルであるか、またはRはメチルであり、Rはメチルであるか、またはRはメチルであり、Rはブチルであり、Rはいずれの場合も水素である。
ピリジニウム陽イオンをベースとする硝酸塩が本発明の方法で使用される場合、一般式(II)の陽イオンが好ましく、式中、Rは、直鎖または分岐鎖C~C18アルキル、特に直鎖または分岐鎖C~Cアルキルである。特に好ましいのは、一般式(II)のピリジニウム陽イオンであり、式中、Rは、直鎖または分岐鎖C~C18アルキル、特に直鎖または分岐鎖C~Cアルキルであり、ラジカルR、RおよびRは、直鎖または分岐鎖C~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、2位、3位または4位での一置換、2,4位、2,5位または2,6位での二置換、または2,4,6位での三置換が好ましい。
本発明の方法において、原則として、上記の硝酸塩を2つ以上使用することもできる。本発明による硝酸塩、特に組成[R][NO ]の有機硝酸アンモニウム塩、または組成[R1a2a3a4a][NO ]の有機ホスホニウム塩を使用することが好ましく、特に組成[R][NO ]の有機硝酸アンモニウム塩が好ましい。
有機硝酸アンモニウム塩がテトラ-n-ブチルアンモニウム硝酸塩またはメチルトリ-n-オクチルアンモニウム硝酸塩である場合が特に好ましい。有機ホスホニウム硝酸塩は、テトラ-n-ブチルホスホニウム硝酸塩またはメチルトリ-n-オクチルホスホニウム硝酸塩であることが特に好ましい。有機イミダゾリウム硝酸塩は、好ましくは1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム硝酸塩である。
本発明による方法で使用される有機硝酸塩は、最も好ましくはテトラ-n-ブチルアンモニウム硝酸塩またはメチルトリ-n-オクチルアンモニウム硝酸塩である。
本発明による方法で使用される成分が準備される順序は、個々の成分が互いにまたはそれぞれの反応媒体と接触させられる順序と同様に、変化してもよい。
本発明による方法の一実施形態では、非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンと、非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素とを最初に投入し、反応媒体と合わせ、好ましくは部分的にまたは完全に反応媒体に溶解させるか、またはそれに混ぜ、その後、無機または有機硝酸塩を添加する。
本発明による方法の別の実施形態では、無機または有機硝酸塩を最初に投入し、反応媒体と合わせ、好ましくは部分的にまたは完全に反応媒体に溶解させるか、または反応媒体に混ぜ、その後、非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンと非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素とを、好ましくは組み合わせて、添加する。
同様に、非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンと、非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素と、無機または有機硝酸塩とを最初に投入し、その後、反応媒体に合わせ、好ましくは少なくとも部分的にまたは完全に反応媒体に溶解させるか、または反応媒体に混ぜることも可能である。さらに、本発明の方法において、非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多不飽和シクロアルケンと、非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素と、無機または有機硝酸塩とを反応媒体に添加し、同時にまたは連続的に、好ましくは少なくとも部分的にまたは完全に反応媒体に溶解させるか、または反応媒体に混ぜることも可能である。
本発明の方法で使用される反応媒体は、方法が実施される条件下では液体であり、使用成分、すなわち、特に非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素と無機または有機硝酸塩とを部分的にまたは完全に溶解することができる。これらの成分の少なくとも1つが液体の形態で使用される場合、反応媒体は、好ましくは、上記成分と容易に混和する。
本発明の方法は、電気化学的酸化のために極性の非プロトン性反応媒体を使用する。これは、無水形態、乾燥形態、または水と合わせて使用され得る。
無機硝酸塩、特に硝酸カリウムまたは硝酸ナトリウムが本発明の方法で使用される場合、反応媒体は、有利には水を含み、水と合わせた非プロトン性反応媒体が好ましい。反応媒体中の含水量は、変動し得る。含水量は、いずれの場合も、反応媒体の総量に対し、好ましくは最大20体積%、特に好ましくは最大15体積%、非常に特に好ましくは最大10体積%、さらにより好ましくは最大5体積%である。
極性の非プロトン性反応媒体は、好ましくは、脂肪族ニトリル、脂肪族ケトン、脂環式ケトン、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、ラクトン、脂肪族ニトロアルカン、ジメチルスルホキシド、エステルおよびエーテル、またはこれらの成分の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される。
反応媒体は、アセトニトリル、イソブチロニトリル、アジポニトリル、アセトン、ジメチルカーボネート、メチルエチルケトン、3-ペンタノン、シクロヘキサノン、ニトロメタン、ニトロプロパン、tert-ブチルメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトンおよびε-カプロラクトン、またはこれらの成分のうち少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択されることが特に好ましい。
反応媒体は、アセトニトリル、イソブチロニトリル、アジポニトリル、ジメチルカーボネートおよびアセトン、またはこれらの成分のうち少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択されることが非常に特に好ましい。
反応媒体は、乾燥形態または無水形態のアセトニトリル、イソブチロニトリルまたはアジポニトリルであることが非常に特に好ましい。
反応媒体は、同様に、必要に応じて水と合わせたアセトニトリル、イソブチロニトリルまたはアジポニトリルであることが非常に特に好ましい。
反応媒体において、1つまたは複数の上記成分が水と合わせて使用される場合、含水量は、いずれの場合も反応媒体の総量に対し、好ましくは最大20体積%、特に好ましくは最大15体積%、特に好ましくは最大10体積%、さらにより好ましくは最大5体積%である。
本発明による方法を実施するには、反応媒体にさらなる可溶化成分を加えることが有利であり得る。適切な有利な成分は、溶解挙動の簡単な予備試験によって特定され得る。
可溶化成分の例として、第一級アルコール、第二級アルコール、モノケトンもしくはジアルキルカーボネート、またはこれらの成分の少なくとも2つの混合物が挙げられ、必要に応じて水と合わせて使用される。本発明の方法は、好ましくは、C1-6アルコールを使用し得る。特に好ましい可溶化成分は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2-メチル-2-ブタノール、またはこれらの成分の少なくとも2つの混合物からなる群から選択され、必要に応じて水と合わせて使用される。
使用される反応媒体は、特に有利には、ジメチルカーボネートであり、必要に応じて少なくとも1つのC1-6アルコール、特にメタノール、エタノール、イソプロパノールおよび2-メチル-2-ブタノールからなる群から選択されるものと合わせ、必要に応じて水と合わせて使用され得る。
これらの可溶化成分の1つまたは複数を水と合わせて使用する場合、含水量は、いずれの場合も可溶化成分および水の総量に対し、好ましくは最大20体積%、特に好ましくは最大15体積%、非常に特に好ましくは最大10体積%、さらにより好ましくは最大5体積%である。
可溶化成分は、いずれの場合も反応媒体の総量に対し、好ましくは50体積%未満、特に好ましくは30体積%未満、非常に特に好ましくは10体積%未満の量で添加され得る。
本発明による方法における無機または有機硝酸塩は、好ましくは、使用される非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンの量に対し、0.1~2.0当量、好ましくは0.2~1.0当量、特に好ましくは0.3~0.8当量、非常に好ましくは0.4~0.8当量で、使用される非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素の量に対し、0.8~10.0当量、好ましくは2.5~10.0当量、特に好ましくは3.0~10.0当量、非常に好ましくは5.0~10.0当量で使用される。
本発明によれば、非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素の電気化学的酸化は、酸素が存在する反応媒体中の電解セルにおいて、無機または有機硝酸塩の存在下で行われる。
このため、酸素を含むガス雰囲気が、有利には、反応媒体と空間的に連通して提供される。
ガス雰囲気中の酸素の割合は、変動し得る。ガス雰囲気中の酸素の割合は、好ましくは10体積%~100体積%、特に好ましくは15体積%~30体積%、特に好ましくは15体積%~25体積%、特に好ましくは18体積%~22体積%である。
一実施形態では、ガス雰囲気中の酸素の割合は、10体積%~100体積%、特に好ましくは15体積%~100体積%、特に好ましくは20体積%~100体積%であり得る。
ガス雰囲気が空気である場合が特に有利である。
ガス雰囲気と反応媒体との間のガス交換は、好ましくはガス雰囲気を反応媒体に導入するか、またはガス雰囲気の存在下で液相を撹拌することにより行われる場合が有利である。
ガス雰囲気と反応媒体との間のガス交換、特に撹拌は、例えば撹拌機の形状または撹拌機の速度により、電気化学的酸化を制御するために使用され得る。
反応媒体に溶解した酸素の量は、反応媒体1Lあたり、好ましくは少なくとも1ミリモル、特に好ましくは少なくとも5ミリモルである。
同様に、反応媒体に溶解した酸素の量は、反応媒体1Lあたり、少なくとも 10ミリモルであるのが好ましい。
酸素が存在する反応媒体中の電解セルにおいて、無機または有機硝酸塩の存在下で、非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンと非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素との電気化学的酸化により、非置換または少なくとも一置換のα,ω-ジカルボン酸またはケトカルボン酸と、非置換または少なくとも一置換のシクロアルカノンとを製造する本発明の方法は、分割電解セルまたは非分割電解セルのいずれかで実施されてよく、非分割電解セルで実施することが好ましい。
本発明に従って好ましく使用される非分割電解セルは、少なくとも2つの電極を備える。この目的のために、慣用の材料で作られた陽極および陰極、例えばガラス状炭素、ホウ素ドープダイヤモンド(BDD)、またはグラファイトで作られた陽極および陰極が使用され得る。ガラス状炭素電極の使用が好ましい。
非分割電解セルは、少なくとも1つのガラス状炭素陽極または少なくとも1つのガラス状炭素陰極を備えることが好ましい。陽極と陰極の両方がガラス状炭素電極である場合が好ましい。
電極間の距離は、特定の範囲にわたって変動し得る。距離は、好ましくは0.1mm~2.0cm、特に好ましくは0.1mm~1.0cm、特に好ましくは0.1 mm~0.5 cmである。
本発明による方法は、さらに、好ましくは非分割フロースルー電解セル内で、バッチ式または連続式で実施され得る。
本発明による方法は、いずれの場合も、使用される非置換または少なくとも一置換の一不飽和または多価不飽和シクロアルケンおよび非置換または少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素1ミリモルに対して、少なくとも190C(2F)~970C(10F)、好ましくは290C(3F)~870C(9F)、特に好ましくは330C(3.5F)~820C(8.5F)、極めて特に好ましくは380C(4F)~775C(8F)、最も好ましくは380C(4F)~580C(6F)の電荷量で実施されることが好ましい。
本発明による方法における電気化学的酸化は、好ましくは、定電流で実施される。
本発明による方法を実施する電流密度は、好ましくは少なくとも5mA/cm、または少なくとも10mA/cm、または少なくとも15mA/cm、または少なくとも20mA/cm、または20mA/cm~50mA/cmであり、報告される表面積は、電極の幾何学的面積を表す。
本発明による方法の重要な利点は、使用される酸化剤が電流であり、それが再生可能な資源、すなわち、特にバイオマス、太陽熱エネルギー、地熱エネルギー、水力発電、風力発電、または特に太陽光発電から得られる場合、特に環境に優しい作用剤であるという点にある。
本発明による方法は、広い温度範囲、例えば、0℃~60℃、好ましくは5℃~50℃、特に好ましくは10℃~40℃、極めて特に好ましくは15℃~30℃の温度で実施され得る。
本発明による方法は、高圧または減圧で実施され得る。本発明による方法が高圧で実施される場合、16バールまでの圧力が好ましく、6バールまでの圧力が特に好ましい。
本発明による方法は、同様に、好ましくは大気圧で実施され得る。
本発明の方法によって製造される生成物は、当業者に知られている通常の方法、特に抽出、結晶化、遠心分離、沈殿、蒸留、蒸発またはクロマトグラフィーによって単離/精製され得る。
本発明による方法は、好ましくは、触媒を添加せずに、特に遷移金属触媒を添加せずに実施される。
同様に、本発明による方法は、酸素または大気中の酸素を除いて、さらなる酸化剤が添加されることなく実施されることが好ましい。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
一般情報および方法
分析的品質の化学物質は、一般的に利用される供給元(TCI社、Aldrich社、Acros社など)から入手して使用した。酸素は、ドイツ、デュッセルドルフのNippon Gases Deutschland GmbH社から2.5品質で入手し、そのまま使用した。
使用した電極材料は、ガラス状炭素(Sigradur(登録商標)G、ドイツ、ティーアーハウプテンのHTW Hochtemperatur Werkstoffe GmbH社製)であった。
高性能液体クロマトグラフィーを、SIL 20A HTオートサンプラー、CTO-20ACカラムオーブン、溶離液勾配調整用の2個のLC-20ADポンプモジュール、SPD-M20Aダイオードアレイ検出器、CBM-20Aシステムコントローラ、およびEurospher II 100-5 C18カラム(150×4mm、ベルリンのKnauer社)を備えたShimadzu HPLC-MS装置で実施した。溶離液:アセトニトリル(ACN)/水/ギ酸(1体積%)(10分で10%ACNから90%ACNまで+10分で100%ACN)。日本のShimadzu社製のLCMS-2020装置で質量分析測定を実施した。
H-NMRおよび13C-NMRスペクトルを、Bruker Advance II 400装置(400MHz、Z勾配およびATM付き5mm BBFOプローブ、SampleXPress60オートサンプラー、ドイツ、カールスルーエのAnalytische Messtechnik社、)を使用して25℃で記録した。
ガスクロマトグラフィー分析を、HP 5MSカラム(カリフォルニア州サンタクララのAgilent Technologies社、長さ:30m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、キャリアガス:水素)を取り付けたShimadzu GC-2025装置(日本のShimadzu社)を使用して実施した。GC-MS測定を、HP-1カラム(カリフォルニア州サンタクララのAgilent Technologies社、長さ:30m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、キャリアガス:ヘリウム)を取り付けたShimadzu GC-2010装置(日本のShimadzu社)を使用して実施した。GC分析用の試料調製は、シリカゲル60M(0.04~0.063mm、ドイツ、デューレンのMacherey-Nagel GmbH & Co.KG社)を通したカラム濾過により行った。
電気分解に使用した非分割テフロン(登録商標)セルについては、文献に記載されている(a)C.Gutz、B.Klockner、S.R.Waldvogel、Org.Process Res.Dev.2016年、20、26~32頁;b)A.Kirste、G.Schnakenburg、F.Stecker、A.Fischer、S.R.Waldvogel、Angew.Chem.Int.Ed.2010年、49、971~975頁;Angew.Chem.2010年、122、983~987頁(SIを参照))。これらのセルのフルレンジは、IKAスクリーニングシステム(ドイツ、シュタウフェンのIKA-Werke GmbH & Co.KG社)としても市販されている。電極の寸法は、7cm×1cm×0.3cmであった。
ガスは、オランダ、ヴィーネンダールのBrooks Instrument B.V.社製のツーモデルの5850Sマスフローコントローラ(MFC)により、制御された方法で導入した。これは、酸素導入用に一方のコントローラを使用し、窒素導入用に他方のコントローラを使用して行った。コントローラは、Smart DDEおよびMatlab R2017bソフトウェアによって制御した。体積流量は、デュイスブルクのKrohne Messtechnik GmbH社製のDK800フロート原理流量計によってさらに監視した。実施したすべての実験において、全体の体積流量は20mL/分で一定であった。これは、使用したMFCによって制限されているが、達成可能な最大体積流量でもある。2つのガスの体積流量の割合は、MFCとそのソフトウェアを使用して調整した。次の供給元のガスボンベを使用した:酸素2.5(デュッセルドルフのNippon Gases Deutschland GmbH社製)、および窒素4.8(ミュンスターのWestfalen AG社製)、または窒素5.0(デュッセルドルフのNippon Gases Deutschland GmbH社製)。電解セルのガス分配器とガス入口カバーについては、文献(M.Dorr、D.Waldmann、S.R.Waldvogel、GIT Labor-Fachz、2021年、7~8頁、26~28頁)に記載されており、IKA(ドイツ、シュタウフェンのIKA-Werke GmbH & Co.KG社)から購入した。
一般手順 GP1
5mL容量の非分割テフロン(登録商標)ポットセルに、シクロアルカン(0.1~0.5ミリモル)と、シクロアルケン(0.5~0.9ミリモル、アルカンとアルケンの合計が1ミリモル)と、テトラブチルアンモニウム硝酸塩(0.5当量)と、を最初に投入し、アセトニトリルまたはイソブチロニトリル(5mL)に溶解させた。セルには、0.5cm間隔でガラス状炭素電極が取り付けられていた。電極の浸漬表面積は、1.8cmであった。セルをステンレス鋼ブロックに固定した後、22℃、電流密度10mA/cmで定電流電解を行った。
使用した電荷量は、両成分の比率に応じて、両成分の酸化のための理論的電荷量に基づいていた(アルカン/アルケン= 0.1/0.9:7.6F、0.25/0.75:7.0F、0.5/0.5:6.0F)。電気分解後、1,3,5-トリメトキシベンゼン(10mg)を内部標準として反応溶液に加えた。3滴を採取し、シリカゲル60M(溶離液:酢酸エチル)で濾過した。濾液をGCバイアルに回収し、GC分析にかけた。残った反応溶液に関し、最初に蒸留により溶媒を除去した。次に、10mLの酢酸エチルと10mLのHCl水溶液(0.1M)を使用して抽出することにより、導電性塩を除去した。有機相の溶媒を蒸留によって除去し、残留物をNaOH水溶液(1M、10mL)に入れた。水相を10mLのジエチルエーテルで洗浄した。相分離後、水相をHCl水溶液(1M)でpH1に調整し、この相を2×10mLの酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸留除去した後、ジカルボン酸生成物を高真空下で乾燥させた。
電荷量の使用後、内部標準として、10mgの1,3,5-トリメトキシベンゼンを反応溶液に加えた。反応溶液3滴を採取し、ガスクロマトグラフィーによる分析と生成物の定量化を行った。これらは、酢酸エチルを使用して、約330mgのシリカゲル60Mで溶出した。約1.5mLの濾液をGCバイアルに回収し、GC-FIDおよびGC-MSで酸化生成物を調べた。定量化は、ガスクロマトグラフの事前較正によって行った。
実験例1
以下の共電解をGP1に従って行った(スキーム1、表1)。
n=3の場合、アセトニトリルを溶媒として使用し、n=7の場合、イソブチロニトリルを溶媒として使用した。AおよびBに関する累積電荷量:a)7.6F;b)7.0F;c)6.0F;d)外部GC較正による測定(内部標準:1,3,5-トリメトキシベンゼン);e)単離後の収率。すべての収率は、特定の反応物の使用されたモル量に関連している。

Claims (43)

  1. 電気化学的酸化により、非置換もしくは少なくとも一置換のα,ω-ジカルボン酸または非置換もしくは少なくとも一置換のケトカルボン酸と非置換もしくは少なくとも一置換のシクロアルカノンとを製造する方法であり、
    (a-1)少なくとも1つの非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンを準備する工程、
    (a-2)少なくとも1つの非置換もしくは少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素を準備する工程、
    前記一不飽和または多価不飽和シクロアルケンの置換基と、前記飽和脂環式炭化水素の置換基とは、メチル、フェニル、またはベンジルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
    前記フェニルまたはベンジル置換基自体はそれぞれ、置換されていないか、またはF、Cl、BrおよびNOからなる群からそれぞれ独立してから選択される置換基で一置換もしくは多置換されており、
    前記工程(a-1)による前記シクロアルケンと前記工程(a-2)による前記脂環式炭化水素との環員数は一致しており、
    (b)少なくとも1つの無機または有機硝酸塩を準備する工程と、
    前記工程(b)の前記硝酸塩は、一般式[陽イオン][NO ]の硝酸塩として存在し、
    前記一般式の[陽イオン]は、Na、K、ならびに一般構造[R](式中、R、R、RおよびRは、C~C16アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。)を有するアンモニウムイオン、
    一般構造(I):
    (式中、RおよびRは、直鎖または分岐鎖C~C18アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、Rは、Hおよび直鎖または分岐鎖C~C18アルキルからなる群から選択される。)
    のイミダゾリウム陽イオン、
    一般構造(II):
    (式中、Rは、C~C18アルキルからなる群から選択され、R、RおよびRは、Hおよび直鎖または分岐鎖C~C18アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。)のピリジニウム陽イオン、および一般構造[R1a2a3a4a](式中、R1a、R2a、R3a、R4aは、C~C16アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。)のホスホニウムイオンからなる群から選択され、
    (c)酸素が存在する反応媒体中の電解セルにおいて、前記工程(a-1)で準備された前記非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンと、前記工程(a-2)で準備された前記非置換もしくは少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素とを、前記工程(b)で準備された前記無機または有機硝酸塩の存在下で、電気化学的に酸化する工程
    を含む、方法。
  2. 前記非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンは、単環式または二環式であり、
    前記非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和単環式シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和単環式シクロアルケンは、置換されていないか、またはメチル、フェニルまたはベンジルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で一置換もしくは多置換されており、前記フェニルまたはベンジル置換基自体はそれぞれ、置換されていないか、またはF、Cl、BrおよびNOからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で一置換もしくは多置換されており、および/または
    前記非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和二環式シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和二環式シクロアルケンは、環系中に、7~18個の炭素原子を有し、置換されていないか、またはメチル、フェニルまたはベンジルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で一置換もしくは多置換されており、前記フェニルまたはベンジル置換基自体はそれぞれ、置換されていないか、またはF、Cl、BrおよびNOからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で一置換もしくは多置換されている、請求項1記載の方法。
  3. 前記非置換もしくは少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素は、単環式または二環式であり、
    前記単環式または二環式の飽和脂環式炭化水素は、環系中に、5~18個の炭素原子を有し、置換されていないか、またはメチル、フェニルまたはベンジルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で一置換もしくは多置換されており、前記フェニルまたはベンジルはそれぞれ、置換されていないか、またはF、Cl、BrおよびNOからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で一置換もしくは多置換されていてもよい、請求項1記載の方法。
  4. 前記非置換もしくは少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素は、
    環内に6~12個の炭素原子を有する単環式飽和炭化水素であり、置換されていないか、またはメチル、フェニルまたはベンジルからなる群からそれぞれ独立して選択される置換基で一置換もしくは多置換されている、請求項1記載の方法。
  5. 前記シクロアルケンは、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロウンデセン、シクロドデセン、1-フェニルシクロヘキサ-1-エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、α-ピネンおよびカレンからなる群から選択され、前記飽和脂環式炭化水素は、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカンおよびシクロドデカンからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  6. 前記工程(a-1)による少なくとも1つの非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンの準備と、前記工程(a-2)による少なくとも1つの非置換もしくは少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素の提供とは、組み合わせて行われる、請求項1記載の方法。
  7. 前記非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンのモル比は、いずれの場合も、使用される非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンと非置換もしくは少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素との総量に対し、40~95モル%である、請求項1記載の方法。
  8. 前記非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンのモル比は、いずれの場合も、使用される非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンと非置換もしくは少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素との総量に対し、60モル%を超える、請求項1記載の方法。
  9. 前記一般式(I)の前記イミダゾリウム陽イオンにおいて、ラジカルR1およびR2は、直鎖または分岐鎖C1~C18アルキルからなる群から選択され、R3は水素である、請求項1記載の方法。
  10. 前記一般式(II)の前記ピリジニウム陽イオンにおいて、ラジカルRは、直鎖または分岐鎖C~C18アルキルであり、ラジカルR、RおよびRは、直鎖または分岐鎖C~Cアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項1記載の方法。
  11. 前記有機硝酸塩は、テトラ-n-ブチルアンモニウム硝酸塩、メチルトリ-n-オクチルアンモニウム硝酸塩、テトラ-n-ブチルホスホニウム硝酸塩、メチルトリ-n-オクチルホスホニウム硝酸塩、および1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム硝酸塩からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  12. 前記反応媒体は、水と混合された、極性の非プロトン性反応媒体であり、前記極性の非プロトン性反応媒体は、脂肪族ニトリル、脂肪族ケトン、脂環式ケトン、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、ラクトン、脂肪族ニトロアルカン、ジメチルスルホキシド、エステルおよびエーテル、またはこれらの成分の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  13. 前記反応媒体は、水と混合された、極性の非プロトン性反応媒体であり、含水量は、いずれの場合も反応媒体の総量に対し、最大20体積%である、請求項1記載の方法。
  14. 前記反応媒体は、アセトニトリル、イソブチロニトリル、アジポニトリル、アセトン、ジメチルカーボネート、メチルエチルケトン、3-ペンタノン、シクロヘキサノン、ニトロメタン、ニトロプロパン、tert-ブチルメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトンおよびε-カプロラクトン、またはこれらの成分の少なくとも2つの組み合わせからなる群から選択される極性の非プロトン性反応媒体であり、いずれの場合も、水と混合されて存在する、請求項1記載の方法。
  15. 前記反応媒体は、1つまたは複数の他の物質が溶解することを可能にする可溶化成分を含む、請求項1記載の方法。
  16. 前記可溶化成分は、第一級アルコール、第二級アルコール、モノケトンもしくはジアルキルカーボネート、またはこれらの成分の少なくとも2つの混合物であり、水と混合されて存在する、請求項15記載の方法。
  17. 脂肪族C1-6アルコールが1つまたは複数の可溶化成分として存在し、水と混合されている、請求項15記載の方法。
  18. 前記反応媒体は、ジメチルカーボネートであり、少なくとも1つのC1-6アルコールと混合されて存在する、請求項1記載の方法。
  19. 前記反応媒体が水を含む、請求項18記載の方法。
  20. 1つまたは複数の可溶化成分は、前記反応媒体の総量に対し、50体積%未満の量で存在する、請求項15記載の方法。
  21. 前記無機または有機硝酸塩は、使用される非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンの量に対し、0.1~2.0当量で使用されるか、または使用される非置換もしくは少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素の量に対し、0.8~10.0当量で使用される、請求項1記載の方法。
  22. 酸素を含むガス雰囲気が、前記反応媒体と空間的に連通して提供される、請求項1記載の方法。
  23. 前記ガス雰囲気が空気である、請求項1記載の方法。
  24. 前記ガス雰囲気を前記反応媒体に導入することにより、または前記ガス雰囲気の存在下で反応媒体を攪拌することにより、前記ガス雰囲気と前記反応媒体との間のガス交換が行われる、請求項1記載の方法。
  25. 前記反応媒体を撹拌することは、前記電気化学的酸化を制御するために用いられる、請求項24記載の方法。
  26. 前記反応媒体中に溶解した酸素の量は、少なくとも1ミリモル/Lである、請求項1記載の方法。
  27. 酸素または大気中の酸素を除き、さらなる酸化剤を添加しない、請求項1記載の方法。
  28. 前記電解セルが陽極と陰極とが分割されずに同じ区画に配置されている非分割セルである、請求項1記載の方法。
  29. 前記電解セルがガラス状炭素陽極、グラファイト陽極、またはBDD陽極を備える、請求項1記載の方法。
  30. 前記電解セルがガラス状炭素陰極、グラファイト陰極、またはBDD陰極を備える、請求項1記載の方法。
  31. 前記電解セル内の電極間の距離が0.1mm~2.0cmである、請求項1記載の方法。
  32. 前記電気化学的酸化に使用される電荷量は、使用される非置換もしくは少なくとも一置換の一不飽和シクロアルケンまたは非置換もしくは少なくとも一置換の多価不飽和シクロアルケンおよび非置換もしくは少なくとも一置換の飽和脂環式炭化水素1ミリモルに対して、少なくとも190C(2F(F:ファラデー定数))~970C(10F(F:ファラデー定数))である、請求項1記載の方法。
  33. 前記電気化学的酸化が定電流で行われる、請求項1記載の方法。
  34. 電流密度は、少なくとも5mA/cmであり、表面積は、電極の幾何学的面積を表す、請求項1記載の方法。
  35. 電流密度は、少なくとも20mA/cm~50mA/cmであり、表面積は、電極の幾何学的面積を表す、請求項1記載の方法。
  36. 前記電気化学的酸化に使用される電流は、再生可能な資源から得られる、請求項1記載の方法。
  37. 前記電気化学的酸化は、0℃~60℃の範囲の温度で行われる、請求項1記載の方法。
  38. 大気圧下で行われる、請求項1記載の方法。
  39. 大気圧よりも低い圧力の減圧下で行われる、請求項1記載の方法。
  40. 大気圧よりも高い圧力の高圧下で行われる、請求項1記載の方法。
  41. バッチ式で行われる、請求項1記載の方法。
  42. 触媒を添加することなく行われる、請求項1記載の方法。
  43. 非分割フロースルー電解セル内で連続的に行われる、請求項1記載の方法。
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