以下、下記実施の形態に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明は、表面に突起部を有するバルーンを備えたバルーンカテーテルの製造方法に関するものである。バルーンカテーテルは、主に血管の狭窄部の治療において行われる狭窄部を拡張させる血管形成術(PTA、PTCA等)で用いられる医療器具である。体内で血液が循環するための流路である血管に狭窄が生じ、血液の循環が滞ることにより、様々な疾患が発生することが知られている。特に心臓に血液を供給する冠状動脈に狭窄が生じると、狭心症、心筋梗塞等の重篤な疾病をもたらすおそれがある。血管形成術は、バイパス手術のような開胸術を必要としない低侵襲療法であることから広く行われている。本発明に係るバルーンカテーテルは、バルーンの表面に突起部が設けられており、これによりバルーンにスコアリング機能を付与することができる。そのため、狭窄部においてバルーンを拡張させた際に、バルーンの突起部を狭窄部に食い込ませて狭窄部に亀裂を入れることが可能となり、狭窄部を効果的に拡張させることができる。
本発明のバルーンカテーテルの製造方法の説明に先立ち、本発明の製造方法によって製造することができるバルーンカテーテルの構成についてまず説明する。なお、本発明の製造方法によって製造されるバルーンカテーテルは、図面に示したものに限定されるものではない。
図1~図4には、本発明の製造方法によって製造することができるバルーンカテーテルの構成例を示した。図1は、バルーンカテーテルの側面図を表し、図2は、図1に示したバルーンカテーテルに備えられたバルーンの斜視図を表し、図3は、図1に示したバルーンカテーテルのIII-III断面図を表し、図4は、図1に示したバルーンカテーテルのIV-IV断面図を表す。図1にはラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテルの構成例が示されている。
バルーンカテーテル1は、シャフト2と、シャフト2の外側に設けられたバルーン10とを有する。バルーンカテーテル1は近位側と遠位側を有し、シャフト2の遠位部にバルーン10が設けられる。バルーンカテーテル1の近位側とは、バルーンカテーテル1の延在方向に対して使用者(術者)の手元側の方向を指し、遠位側とは近位側の反対方向、すなわち処置対象側の方向を指す。また、バルーンカテーテル1の近位側から遠位側への方向を長手方向と称する。
バルーンカテーテル1は、シャフト2を通じてバルーンの内部に流体が供給されるように構成され、インデフレーター(バルーン用加減圧器)を用いてバルーン10の拡張および収縮を制御することができる。流体は、ポンプ等により加圧された加圧流体であってもよい。以下、バルーン10の内部に供給される流体を「バルーン拡張流体」と称する。
シャフト2は、例えば、インナーシャフト3とアウターシャフト4とから構成される。インナーシャフト3はアウターシャフト4の内腔に配置される。インナーシャフト3はシャフト2の進行をガイドするガイドワイヤの挿通路として機能させることができ、バルーンカテーテル1の使用の際、インナーシャフト3の内腔にガイドワイヤが挿通される。インナーシャフト3とアウターシャフト4の間の空間は、バルーン拡張流体の流路として機能させることができる。
ラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテル1では、シャフト2の遠位側から近位側に至る途中にガイドワイヤポート7が設けられ、インナーシャフト3の近位端がガイドワイヤポート7に接続し、インナーシャフトの遠位端がシャフト2の遠位部まで延在することにより、ガイドワイヤポート7からシャフト2の遠位部まで延在するガイドワイヤ挿通路が形成される。
アウターシャフト4は近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bを有していてもよく、この場合、遠位側アウターシャフト4Bの内腔にインナーシャフト3が配置されることが好ましい。近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bは同じ材料から構成されていてもよく、互いに異なる材料から構成されていてもよい。例えば、近位側アウターシャフト4Aは樹脂または金属から構成され、遠位側アウターシャフト4Bは樹脂から構成されることが好ましい。なお、アウターシャフト4は近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bに区分されず、1つの部材から構成されていてもよく、近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bがさらに複数のチューブ部材から構成されていてもよい。
シャフト2の近位側にはハブ5が設けられることが好ましい。ハブ5は、シャフト2のバルーン拡張流体の流路と連通した流体注入部6を有することが好ましい。バルーン10、シャフト2(インナーシャフト3、アウターシャフト4)、ハブ5の接合は、接着剤や熱溶着など従来公知の接合手段を用いて行うことができる。
なお、図面に示されていないが、バルーンカテーテルは、インナーシャフトがシャフトの遠位部から近位部まで延び、シャフトの遠位側から近位側にわたってガイドワイヤの挿通路が形成されたオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルであってもよい。この場合、シャフトに設けられたバルーン拡張流体の流路とガイドワイヤの挿通路がハブまで延在し、ハブは、バルーン拡張流体の流路と連通した流体注入部と、ガイドワイヤの挿通路と連通した処置部とを有するように構成されることが好ましい。ハブは二又に分岐した構造を有し、二又に分岐した一方に流体注入部が設けられ、他方に処置部が設けられることが好ましい。
シャフト2の外面はコーティングが施されていることが好ましい。ラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテル1では、近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bの一方または両方の外面にコーティングが施されていることが好ましく、近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bの両方の外面にコーティングが施されていることがより好ましい。オーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルでは、アウターシャフトの外面に適宜コーティングが施されていることが好ましい。
コーティングは、目的に応じて親水性コーティングまたは疎水性コーティングとすることができる。シャフト2を親水性コーティング剤または疎水性コーティング剤に浸漬したり、シャフト2の外面に親水性コーティング剤または疎水性コーティング剤を塗布したり、シャフト2の外面を親水性コーティング剤または疎水性コーティング剤で被覆したりすることにより、シャフト2の外面にコーティングを施すことができる。コーティング剤は、薬剤や添加剤を含んでいてもよい。
親水性コーティング剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体などの親水性ポリマーや、これらが任意の組み合わせで作られた親水性コーティング剤等が挙げられる。
疎水性コーティング剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、シリコーンオイル、疎水性ウレタン樹脂、カーボンコート、ダイヤモンドコート、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コート、セラミックコート、アルキル基やパーフルオロアルキル基で終端された表面自由エネルギーが小さい物質等が挙げられる。
バルーンカテーテル1の遠位端部には先端チップ8が設けられていることが好ましい。先端チップ8は、インナーシャフト3の遠位端よりも遠位側にインナーシャフト3とは別部材として設けられてもよく、インナーシャフト3がバルーン10の遠位端よりも遠位側まで延在することにより、インナーシャフト3の遠位端部が先端チップ8として機能してもよい。
シャフト2には、バルーン10の位置をX線透視下で確認することを可能にするために、長手方向に対してバルーン10が位置する部分にX線不透過マーカー9が配置されていてもよい。X線不透過マーカー9は、例えば、バルーン10の内部に配置されたインナーシャフト3上に配置することができ、バルーン10の直管部の両端に相当する位置に配されることが好ましく、バルーン10の直管部の中央に相当する位置に配されてもよい。
バルーン10は、長手方向と径方向を有し、近位側と遠位側に開口を有する筒状に形成されている(図2を参照)。バルーン10の径方向とは、長手方向に垂直な方向であって、バルーン10の中心から放射方向に向かって延びる方向を意味する。バルーン10はまた、バルーン10の長手方向の垂直断面において、拡張状態のバルーン10の外周に沿った方向として、周方向を有する。
バルーン10は、長手方向に対して、近位側スリーブ部11と近位側テーパー部12と直管部13と遠位側テーパー部14と遠位側スリーブ部15を有する。直管部13は長手方向に延びる略円筒形に形成され、バルーン10において径方向の長さ(外径)が最も大きく形成される。近位側テーパー部12は直管部13の近位側に位置し、直管部13の近位端に接続する。近位側テーパー部12は、直管部13から離れるに従って外径が小さくなるように形成されている。近位側スリーブ部11は近位側テーパー部12の近位側に位置し、近位側スリーブ部11の近位端に接続する。近位側スリーブ部11は略円筒形に形成されている。遠位側テーパー部14は直管部13の遠位側に位置し、直管部13の遠位端に接続する。遠位側テーパー部14は、直管部13から離れるに従って外径が小さくなるように形成されている。遠位側スリーブ部15は遠位側テーパー部14の遠位側に位置し、遠位側スリーブ部15の遠位端に接続する。遠位側スリーブ部15は略円筒形に形成されている。
上記のようにバルーン10が構成されることにより、バルーン10を狭窄部等の病変部において拡張させた際に直管部13が病変部に十分に接触して、病変部の拡張等の治療を行いやすくなる。また、バルーン10が近位側テーパー部12と遠位側テーパー部14を有することにより、バルーン10を収縮させた際にバルーン10の近位端部と遠位端部の外径を小さくしてシャフト2とバルーン10との段差を小さくすることができ、バルーン10を体腔内や内視鏡の鉗子チャネル内を挿通しやすくすることができる。
シャフト2の遠位部において、インナーシャフト3がアウターシャフト4の遠位端から遠位側に延出し、インナーシャフト3がバルーン10の内部空間を近位側スリーブ部11から遠位側スリーブ部15にかけて延在することが好ましい。そして、インナーシャフト3がバルーン10の遠位側スリーブ部15の内面に接合し、アウターシャフト4がバルーン10の近位側スリーブ部11の内面に接合することが好ましい。このようにシャフト2の遠位部が構成されることにより、バルーン拡張流体を、インナーシャフト3とアウターシャフト4の間の空間を通ってバルーン10の内部空間に供給することができる。
バルーン10は樹脂から構成され、具体的には熱可塑性樹脂から構成される。バルーン10を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマー等のポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー等のポリウレタン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー等のポリアミド樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ラテックスゴム等の天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好適に用いられる。特に、バルーン10の薄膜化や柔軟性の点から、エラストマー樹脂を用いることが好ましい。例えばポリアミド樹脂の中でバルーン10に好適な材料として、ナイロン12、ナイロン11等が挙げられ、ブロー成形する際に比較的容易に成形可能である点から、ナイロン12が好適に用いられる。また、バルーン10の薄膜化や柔軟性の点から、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、ポリアミドエーテルエラストマー等のポリアミドエラストマーが好ましく用いられる。なかでも、降伏強度が高く、バルーン10の寸法安定性が良好な点から、ポリエーテルエステルアミドエラストマーが好ましく用いられる。
バルーン10は、直管部13の外面に突起部16を有する。直管部13の外面に突起部16が設けられることにより、バルーン10はスコアリング機能を有するものとなり、バルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に食い込んで、狭窄部に亀裂を入れたりすることが可能となる。そのため、血管内膜の解離を抑えながら狭窄部を拡張させることができる。また、バルーン10の高強度化や加圧時の過拡張の抑制も可能となる。
突起部16は、近位側テーパー部12および/または遠位側テーパー部14の外面にも設けられてもよいが、近位側テーパー部12と遠位側テーパー部14では直管部13から遠い側には突起部16が設けられないことが好ましい。例えば近位側テーパー部12では、突起部16は、近位側テーパー部12の近位側1/2の範囲に設けられないことが好ましく、近位側2/3の範囲に設けられないことがより好ましく、近位側3/4の範囲に設けられないことがさらに好ましい。遠位側テーパー部14では、突起部16は、遠位側テーパー部14の遠位側1/2の範囲に設けられないことが好ましく、遠位側2/3の範囲に設けられないことがより好ましく、遠位側3/4の範囲に設けられないことがさらに好ましい。これにより、バルーン10を収縮させた状態でバルーン10をきちんと折り畳むことが容易になり、例えば突起部16が露出しないようにバルーン10を折り畳むことができる。そのため、体腔内や内視鏡の鉗子チャネル内でのバルーン10の挿通性を高めることができる。近位側スリーブ部11と遠位側スリーブ部15には突起部16は設けられないことが好ましい。
突起部16は、バルーン10の外面において径方向に突出して形成されている。突起部16は、例えば、直管部13の外面に線状に設けられたり、点状に設けられる。前者の場合、突起部16は凸条として設けられる。後者の場合、点状の突起部16が複数設けられることが好ましく、複数の点状の突起部16が並んで設けられることがより好ましい。このように突起部16が設けられることにより、狭窄部に亀裂が入る方向を制御しやすくなる。線状の突起部16の延在方向または複数の点状の突起部16の配列方向は、例えば、バルーン10の長手方向であってもよく、長手方向にらせん状に延びる方向であってもよく、周方向であってもよい。なお、突起部16を有するバルーン10の製造容易性の点から、線状の突起部16の延在方向または複数の点状の突起部16の配列方向は、バルーン10の長手方向であることが好ましい。
突起部16は、バルーン10の直管部13において、周方向の異なる位置に複数設けられることが好ましい。すなわち突起部16は、バルーン10の周方向の複数箇所に設けられることが好ましい。この場合、突起部16は、バルーン10の直管部13の周方向に略等間隔に配置されることが好ましい。これにより、バルーン10を拡張させた際に、狭窄部の複数の箇所に亀裂を入れることが可能となる。例えば、長手方向に線状に延びる突起部16が、バルーン10の周方向の複数箇所に設けられたり、長手方向に配列された複数の点状の突起部16が突起部群を形成し、突起部群がバルーン10の周方向の複数箇所に設けられることが好ましい。後者の場合、突起部群の周方向の間隔は、1つの突起部群に含まれる複数の突起部16の長手方向の間隔よりも広いことが好ましい。突起部16は、バルーン10の周方向に対して2箇所以上の位置に設けられることが好ましく、3箇所以上がより好ましく、また8箇所以下が好ましく、6箇所以下がより好ましい。また、この場合の突起部16の周方向の間隔は、1つの突起部16の周方向の長さよりも長いことが好ましい。図2および図4では、長手方向に線状に延びる突起部16が、バルーン10の直管部13の周方向の3箇所に設けられている。
バルーン10の直管部13において、突起部16は、直管部13の長手方向の1/2以上の範囲に設けられることが好ましく、2/3以上の範囲に設けられることがより好ましく、3/4以上の範囲に設けられることがさらに好ましい。これにより、バルーン10を拡張させた際に、狭窄部の広い範囲に亀裂を入れることが可能となる。
突起部16の断面形状は特に限定されない。例えば、突起部16の長手方向に垂直な断面形状としては、三角形、四角形等の多角形、半円形、扇形等の円形の部分形状、略円形、楔型、凸形、紡錘形、不定形等が挙げられる。多角形には、角部の頂点が明確であって辺が直線であるものの他に、角部が丸みを帯びている角丸多角形や、辺の少なくとも一部が曲線となっているものも含まれる。なお、突起部16は、先端に向かって幅狭になるように形成されていることが好ましく、特に長手方向の垂直断面において、そのように形成されていることが好ましい。
バルーン10の直管部13において、突起部16が設けられた部分の肉厚は、突起部16が設けられない部分の肉厚よりも厚く形成されていることが好ましい。これにより、突起部16によるスコアリング機能を高めることができる。バルーン10の直管部13の突起部16が設けられた部分における肉厚は、例えば、バルーン10の直管部13の突起部16が設けられない部分の肉厚の1.5倍以上であることが好ましく、2.0倍以上がより好ましく、2.5倍以上がさらに好ましい。バルーン10の直管部13の突起部16が設けられた部分における肉厚の上限は特に限定されず、例えば、バルーン10の直管部13の突起部16が設けられない部分の肉厚の30倍以下、20倍以下または10倍以下であってもよい。
バルーン10は、バルーン10の内面において径方向の内方に向かって突出している内側突起部を有していてもよい(図示せず)。突起部16と内側突起部はバルーン10の長手方向や周方向に対して同じ位置に配置されていてもよく、これらは一体成形されていることが好ましく、これによりバルーン10の一部が肉厚に形成されていてもよい。
本発明は、上記のように表面に突起部が設けられたバルーンを備えたバルーンカテーテルを好適に製造する方法を提供するものであり、本発明の製造方法は次の工程を有する。すなわち、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの製造方法は、表面に突起を有する樹脂管状体を準備する工程(以下、「樹脂管状体準備工程」と称する)と、樹脂管状体に設けられた突起の一部を切除する突起除去工程と、突起除去工程の後、樹脂管状体を加熱して樹脂管状体の一部区間を長手方向に延伸する延伸工程と、軸方向に延びるバルーン形状を有する内腔を有する金型であって、当該内腔を形成する内壁面に凹部が形成された金型を準備する工程(以下、「金型準備工程」と称する)と、延伸工程の後、樹脂管状体の突起が設けられた区間を含む一部区間を金型の内腔に配置する工程(以下、「成形前工程」と称する)と、金型内で樹脂管状体を膨張させるとともに樹脂管状体の表面に設けられた突起を金型の内壁面の凹部に入り込ませる成形工程とを有するものである。本発明の製造方法によれば、バルーンを拡張させた際に大きく膨らむ部分であるバルーンの直管部の表面に突起部が設けられたバルーンカテーテルを容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの製造方法について、図5~図16を参照して詳しく説明する。図5は、バルーンカテーテルの製造方法の全体工程の概略図を表し、図6および図7は、樹脂管状体準備工程に供される樹脂管状体の斜視図および径方向断面図(長手方向に対する垂直断面図)を表し、図8~図16は、各工程の概略図を表す。図5では、樹脂管状体を中心にバルーンカテーテルの製造方法の全体工程が示されており、樹脂管状体の長手方向に沿った断面図が示されている。図8~図16では、各工程における金型と樹脂管状体の長手方向に沿った断面図または長手方向に対する垂直断面図が示されている。
図5~図16において、樹脂管状体準備工程が図5(A)に示され、突起除去工程が図5(A)~(B)と図8に示され、延伸工程が図5(B)~(C)と図9に示され、金型準備工程が図10に示され、成形前工程が図13に示され、成形工程が図5(D)~(E)と図15に示されている。本発明の製造方法では、工程の進行に伴い樹脂管状体の形状が変化するが、図5~図16では樹脂管状体の形状に応じて樹脂管状体に符号A~Dが付されている。下記の説明においても同様に、各工程の樹脂管状体の形状に応じて樹脂管状体に符号A~Dが付されているが、形状に関わらず共通した樹脂管状体の説明では樹脂管状体に符号A~Dは付されていない。
樹脂管状体準備工程では、表面に突起23を有する樹脂管状体21(21A)を準備する(図6および図7を参照)。樹脂管状体21Aは樹脂から構成された管状物であり、長手方向に延びる内腔を有する。樹脂管状体21Aを構成する樹脂としては、上記のバルーン10を構成する樹脂の説明が参照される。
樹脂管状体21は、長手方向と径方向を有する。樹脂管状体21において、長手方向は樹脂管状体21の延在方向に相当し、径方向は、長手方向に垂直な方向であって、樹脂管状体21の長手方向の垂直断面において、樹脂管状体21の中心から放射方向に向かって延びる方向を意味する。樹脂管状体21はまた、樹脂管状体21の長手方向の垂直断面において、樹脂管状体21の外周に沿った方向として、周方向を有する。樹脂管状体21の長手方向と径方向と周方向は、バルーン10の長手方向と径方向と周方向にそれぞれ対応する。
樹脂管状体21Aは、押出成形、射出成形等によって製造することができ、好ましくは押出成形により製造される。これにより、樹脂管状体21Aの大量生産が容易になり、バルーンカテーテルの生産効率を高めることができる。樹脂管状体21Aは、ブロー成形に用いられるパリソンの前駆体とすることができる。
図5および図8に示すように、樹脂管状体21は、長手方向の一方側から第1区間24と第2区間25と第3区間26と第4区間27と第5区間28とを有する。樹脂管状体準備工程に供される樹脂管状体21Aは、第1区間24から第5区間28までの各区間の表面に突起23を有することが好ましい。樹脂管状体21において、第1区間24と第5区間28は、突起除去工程で突起23が切除され、延伸工程で長手方向に延伸される区間とすることができ、第2区間25と第4区間27は、突起除去工程で突起23が切除され、延伸工程で長手方向に延伸されない区間とすることができ、第3区間26は、突起除去工程で突起23が切除されず、延伸工程で長手方向に延伸されない区間とすることができる。本発明の製造方法では、樹脂管状体21Aの第2区間25と第3区間26と第4区間27からバルーン10が形成される。各区間の長さは、製造条件や得られるバルーン10の大きさに応じて適宜設定すればよい。
図6に示すように、樹脂管状体21Aは、円筒の外表面に突起23が設けられた形状を有することが好ましい。突起23は、円筒の外表面から径方向の外方に突出するように設けられる。突起23の断面形状は上記のバルーン10の突起部16の断面形状の説明が参照され、好ましくは、突起23は、先端に向かって幅狭になるように形成されている。これにより得られるバルーン10のスコアリング機能を高めることが容易になる。樹脂管状体21Aはまた、突起23が設けられた部分で、それ以外の部分よりも肉厚に形成されていることが好ましい。以下、樹脂管状体21Aの円筒形状の部分、すなわち突起23を除いた部分を、「円筒部分」と称する。
樹脂管状体準備工程で準備する樹脂管状体21Aの外径や突起23の大きさは、製造するバルーン10の所望する大きさや形状に応じて適宜設定すればよい。樹脂管状体21Aの円筒部分22の外径、すなわち樹脂管状体21Aの突起23を除いた外径は、0.1mm~5.0mm程度とすればよい。樹脂管状体21Aの円筒部分22の肉厚、すなわち樹脂管状体21Aの突起23が設けられた部分以外での肉厚は、0.03mm~2.0mm程度とすればよい。樹脂管状体21Aの突起23の高さ(径方向の長さ)、すなわち樹脂管状体21Aの円筒部分22の外表面を基準とした突起23の高さは、0.03mm~2.0mm程度とすればよい。
樹脂管状体21Aは、突起23の高さL1が円筒部分22の外径の0.05倍以上であることが好ましく、0.1倍以上がより好ましく、0.2倍以上がさらに好ましく、また1.0倍以下が好ましく、0.8倍以下がより好ましく、0.5倍以下がさらに好ましい。このように樹脂管状体21Aが形成されていれば、突起除去工程において樹脂管状体21Aから突起23を切除することが容易になる。
樹脂管状体21Aにおいて、突起23の高さL1は突起23の基部の幅L2の0.5倍以上であることが好ましく、0.7倍以上がより好ましく、0.9倍以上がさらに好ましく、また3.0倍以下が好ましく、2.5倍以下がより好ましく、2.0倍以下がさらに好ましい。このように突起23が形成されていれば、突起除去工程において樹脂管状体21Aから突起23を切除することが容易になる。得られるバルーン10の突起部16をより先鋭に形成する観点からは、突起23の高さL1は突起23の基部の幅L2の1.0倍以上が好ましく、1.1倍以上がより好ましく、1.2倍以上がさらに好ましい。なお、突起23の高さL1とは、円筒部分22の外表面を基準として突起23が径方向に突出した長さを意味し、突起23の基部の幅L2とは、突起23が円筒部分22の外表面と接する部分の、樹脂管状体21Aの周方向における長さを意味する。
樹脂管状体21Aにおいて、突起23は円筒部分22と同じ樹脂から構成されていることが好ましく、突起23と円筒部分22とが一体成形されていることが好ましい。樹脂管状体21Aの円筒部分22は内層と外層を有していてもよく、この場合、突起23は円筒部分22の外層と同じ樹脂から構成されていることが好ましい。これにより、バルーンの製造の際に、突起23が意図せず脱落することを防ぐことができる。あるいは、突起23を構成する樹脂と円筒部分22を構成する樹脂とがある程度の相溶性があれば、突起23と円筒部分22は互いに異なる樹脂から構成されていてもよい。
樹脂管状体21Aにおいて、突起23は長手方向に延びるように設けられることが好ましい。すなわち、突起23は長手方向に延びる凸条として設けられることが好ましい。これにより、表面に突起23を有する樹脂管状体21Aの製造が容易になるとともに、後段の成形工程において、樹脂管状体21Cを膨張させた際に突起23を金型31の内壁面33の凹部39に入り込ませることが容易になる。突起23は、第1区間24から第5区間28まで長手方向に断続的に延びるように設けられてもよいが、樹脂管状体21Aの第1区間24から第5区間28まで長手方向に連続的に延びるように設けられることが好ましい。また、樹脂管状体21Aは、第1区間24から第5区間28において、長手方向に垂直な断面形状が長手方向に略均一であることが好ましい。
樹脂管状体21Aにおいて、突起23は、周方向の異なる位置に複数設けられることが好ましい。この場合、突起23は、樹脂管状体21Aの周方向に略等間隔に配置されることが好ましい。突起23は、樹脂管状体21Aの周方向に対して2箇所以上の位置に設けられることが好ましく、3箇所以上がより好ましく、また8箇所以下が好ましく、6箇所以下がより好ましい。図6および図7では、突起23は長手方向に延びるように設けられ、突起23が樹脂管状体21Aの周方向の3箇所に設けられている。
樹脂管状体21Aの長手方向の垂直断面において、突起23は先端にいくほど幅が狭くなるように形成されていることが好ましい。すなわち、樹脂管状体21Aの周方向における突起23の長さは、突起23の先端にいくほど短くなるように形成されていることが好ましい。この場合、突起23は、先端に向かって幅が変わらない部分を有していてもよい。このように突起23が形成されることにより、得られるバルーン10のスコアリング機能を高めることができる。
突起除去工程では、図8に示すように、樹脂管状体21Aの第1区間24、第2区間25、第4区間27および第5区間28に設けられた突起23を切除する。延伸工程と成形工程に先立って突起除去工程を行うことにより、樹脂管状体21の突起23を切除することが容易になる。
突起除去工程では、樹脂管状体21Aの第1区間24と第2区間25と第4区間27と第5区間28の各区間に設けられた突起23の少なくとも一部を切除すればよいが、第2区間25と第4区間27に設けられた突起23の全部を切除することが好ましく、第1区間24と第5区間28については、第1区間24と第5区間28に設けられた突起23のうち、後段の成形前工程において金型31内に配置される突起23の全部を切除することが好ましい。突起除去工程により、第1区間24と第2区間25と第4区間27と第5区間28に設けられた突起23が切除された樹脂管状体21(21B)が得られる。
突起除去工程では、カッター、レーザー光、熱線等の公知の切断手段により突起23を切除すればよい。第1区間24と第2区間25と第4区間27と第5区間28において、カッター等の切断手段を樹脂管状体21Aに当て、切断手段を樹脂管状体21Aに対して長手方向に移動させることにより、樹脂管状体21Aの表面に設けられた突起23を容易に切除することができる。突起除去工程では、樹脂管状体21Aの位置を固定し、カッター等の切断手段を樹脂管状体21Aの長手方向に移動させることにより、突起23を切除してもよく、カッター等の切断手段を固定して設置し、樹脂管状体21Aを長手方向に移動させることにより、突起23を切除してもよい。また、樹脂管状体21Aを長手方向の一方向に移動させながら、カッター等の切断手段を樹脂管状体21Aの長手方向の他方向に移動させることにより、突起23を切除してもよい。
突起除去工程では、突起23の高さ方向(すなわち樹脂管状体21Aの径方向)の全部を切除してもよく、突起23の高さ方向の一部のみを切除してもよい。なお、突起23は、高さ方向の1/3以上が切除されることが好ましく、1/2以上が切除されることがより好ましく、2/3以上が切除されることがさらに好ましい。これにより、後段の成形工程において、高さ方向の一部が切除された突起23が金型31の内壁面33に押し当てられた際、当該突起23が押し潰されて、第3区間26以外の区間の表面を平滑に形成することが容易になる。なおこの場合、第3区間26以外の区間に直管部13の突起部16よりも高さが低い平滑な突起部が形成されるとともに、長手方向や周方向に対して同じ位置に内側突起部が形成されてもよい。
突起除去工程の後、延伸工程を行う。延伸工程では、樹脂管状体21Bを加熱して第1区間24と第5区間28を長手方向に延伸する(図9を参照)。延伸工程により、第1区間24と第5区間28が長手方向に延伸された樹脂管状体21(21C)が得られる。
本発明の製造方法では、第1区間24と第5区間28はバルーン10を形成しない区間となる。この際、第1区間24と第5区間28の長手方向の単位長さ当たりの樹脂量を減らすことで、バルーン10を製造する際の樹脂使用量を減らすことができるが、延伸工程を設けることによりそれを実現することができる。そのため、バルーン10を製造する際の製造コストを下げることができる。
第1区間24と第5区間28は、後段の成形工程において、金型31内に配置した樹脂管状体21Cを金型31の軸方向の外方側から保持する部分とすることができる(図13を参照)。成形前工程において樹脂管状体21Cを金型31内に配置した際、第2区間25と第3区間26と第4区間27が金型31の内腔32に配置され、第1区間24と第5区間28が金型31より軸方向の外方側に配置され、固定具で保持される。これにより、樹脂管状体21Cを金型31内で所望の位置にセットすることが容易になる。
延伸工程では、樹脂管状体21Bの第1区間24と第5区間28を、樹脂管状体21の構成樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、第2区間25と第3区間26と第4区間27は加熱しない、または樹脂管状体21の構成樹脂のガラス転移温度未満で加熱することにより、第1区間24と第5区間28を選択的に長手方向に延伸することができる。本発明では、延伸工程で長手方向に延伸された区間を第1区間24と第5区間28とすることができる。樹脂管状体21を加熱し、樹脂管状体21Bを長手方向の一方側または両側から引っ張ることにより、第1区間24と第5区間28を長手方向に延伸する。樹脂管状体21Bの加熱は、ヒーターや熱風等の公知の加熱手段により行えばよい。第1区間24と第5区間28を選択的に加熱する点からは、樹脂管状体21Bを外側から加熱することが好ましい。
延伸工程で得られる樹脂管状体21Cは、第2区間25と第3区間26と第4区間27の外径が第1区間24と第5区間28の外径よりも大きくなることが好ましい。これにより、成形工程において、第2区間25、第3区間26および第4区間27をブロー成形することが容易になる。樹脂管状体21Cにおいて、第2区間25と第3区間26と第4区間27の外径は、例えば、第1区間24と第5区間28の外径の1.2倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好ましく、また5.0倍以下が好ましく、4.0倍以下がより好ましい。なお、ここで説明した外径は、樹脂管状体21Cの長手方向の垂直断面において、内腔の外縁の図心を通る最大外径を意味する。
金型準備工程では、成形工程において樹脂管状体21Cをバルーン形状に成形するための金型31を準備する(図10を参照)。金型31は、バルーン10の外形に対応した内腔32を有しており、内腔32を形成する内壁面33に凹部39が形成されている。具体的には、金型31は軸方向に延びる内腔32を有し、当該内腔32を形成する内壁面33が、軸方向の一方側から第1スリーブ形成部34と第1テーパー形成部35と直管形成部36と第2テーパー形成部37と第2スリーブ形成部38とを有し、第1テーパー形成部35と第2テーパー形成部37が直管形成部36から離れるに従って内径が小さくなるように形成され、直管形成部36の内壁面33に凹部39が形成されている。金型31において、直管形成部36がバルーン10の直管部13を形成する部分となり、第1テーパー形成部35と第2テーパー形成部37がそれぞれバルーン10の近位側テーパー部12と遠位側テーパー部14を形成する部分となり、第1スリーブ形成部34と第2スリーブ形成部38がそれぞれバルーン10の近位側スリーブ部11と遠位側スリーブ部15を形成する部分となる。金型31の軸方向は樹脂管状体21とバルーン10の長手方向に対応する。金型31はまた、樹脂管状体21とバルーン10の径方向と周方向にそれぞれ対応した径方向と周方向を有する。
金型31は、直管形成部36における内壁面33が略円筒形の内部空間を形成し、直管形成部36において内径が最も大きく形成されることが好ましい。金型31は、第1テーパー形成部35と第2テーパー形成部37における内壁面33が切頂円錐形の内部空間を形成することが好ましく、直管形成部36から離れるに従って内径が小さくなるように形成される。金型31は、第1スリーブ形成部34と第2スリーブ形成部38における内壁面33が略円筒形の内部空間を形成することが好ましい。第1スリーブ形成部34における内径は第1スリーブ形成部34と第1テーパー形成部35との接続部における内径と実質同一であることが好ましく、第2スリーブ形成部38における内径は第2スリーブ形成部38と第2テーパー形成部37との接続部における内径と実質同一であることが好ましい。
金型31は金属から構成されることが好ましい。金型31を構成する金属としては、鉄、銅、アルミニウム、およびこれらの合金(例えば、ステンレス、真鍮、ジュラルミン等)が挙げられる。金型31が金属から構成されていれば、成形工程において、金型31を外側から加熱することにより、金型31の内腔32に配置した樹脂管状体21Cを均一に加熱しやすくなり、樹脂管状体21Cを金型31の内腔32の形状に合わせて成形することが容易になる。金型31は、ヒーター、熱風、電磁誘導加熱等の公知の加熱手段により加熱すればよい。
金型31は複数のセグメントから構成されていることが好ましい。すなわち、複数の金型セグメントが組み合わさって金型31を形成することが好ましい。これにより、金型31の内腔32に樹脂管状体21Cを配置したり、また樹脂管状体21Cを金型31内で膨張させてバルーン形状に成形した後、バルーン形状に成形した樹脂管状体21Dを金型31から取り出すことが容易になる。
金型31は、周方向に複数に分割されていてもよく、軸方向に複数に分割されていてもよい。すなわち、金型31は、周方向に複数の金型セグメントが配置されて形成されていてもよく、軸方向に複数の金型セグメントが配置されて形成されていてもよい。前者の場合、例えばハーフパイプ状の金型セグメントを周方向に複数配置して、金型31の軸方向の少なくとも一部を形成することができる。後者の場合、例えば図10に示すように、第1スリーブ形成部34を与える金型セグメント31Aと、第1テーパー形成部35を与える金型セグメント31Bと、直管形成部36を与える金型セグメント31Cと、第2テーパー形成部37を与える金型セグメント31Dと、第2スリーブ形成部38を与える金型セグメント31Eをこの順番で軸方向に並べて、金型31を形成することができる。このように金型31を構成することにより、各金型セグメントを取り替えることによって、目的に応じた様々な形状のバルーン10を製造することができる。金型31は、周方向に複数の金型セグメントが配置され、かつ、軸方向に複数の金型セグメントが配置されて形成されてもよい。
金型31は、直管形成部36の内壁面33に凹部39が形成されており、直管形成部36の内壁面33は、凹部39において、径方向の外方に窪んで形成されている。凹部39は、成形工程において樹脂管状体21Cを膨張させた際に、樹脂管状体21Cの第3区間26に設けられた突起23を凹部39に入り込ませるために設けられている。これにより、樹脂管状体21Cを金型31内で膨張させた際に、第3区間26に設けられた突起23が金型31の内壁面33によって潰されず、直管部13の外面に突起部16を有するバルーン10を形成することができる。
直管形成部36において、凹部39は、金型31の軸方向に延びる凹溝として設けられることが好ましい。これにより、成形工程において樹脂管状体21Cを膨張させた際に、第3区間26に設けられた突起23を凹部39に入り込ませることが容易になる。詳細には、成形前工程において、樹脂管状体21Cの第3区間26の表面に設けられた突起23の位置と、金型31の直管形成部36に形成された凹部39の位置を、周方向に対して合わせる。そして、その状態で成形工程で樹脂管状体21Cを膨張させることにより、樹脂管状体21Cが長手方向に伸長しても、樹脂管状体21Cの第3区間26の表面に設けられた突起23を、金型31の直管形成部36の凹部39に入り込ませることが容易になる。凹部39が軸方向に延びる凹溝として設けられる場合、凹部39(凹溝)の軸方向の長さは、直管形成部36の軸方向の長さの1/2以上となることが好ましく、2/3以上がより好ましく、3/4以上がさらに好ましい。凹部39(凹溝)は、直管形成部36の軸方向の全体にわたって延びるように設けられることが特に好ましい。
凹部39の断面形状は特に限定されないが、凹部39は径方向の外方に向かって幅が狭くなっている部分を有することが好ましい。そのような凹部39の断面形状として、V字形状やU字形状が挙げられる。凹部39が凹溝として形成される場合は、凹部39はV字溝やU字溝として形成される。図11および図12には図10に示した金型31のXI-XI断面図の例を示したが、図11には断面U字形状の凹部39が設けられた例が示され、図12には断面V字形状の凹部39が設けられた例が示されている。このように凹部39が形成されることにより、外面に先鋭な突起部16を有するバルーン10を形成することが容易になる。
図11に示すように、凹部39は、凹部39の入口付近に、径方向の外方に向かって幅が変わらないか幅が広がる部分を有することが好ましい。例えば、凹部39は、凹部39の径方向の内方側1/2の領域の少なくとも一部に、径方向の外方に向かって幅が変わらないか幅が広がる部分を有することが好ましい。これにより、成形工程において樹脂管状体21Cに設けられた突起23を凹部39に入り込ませた際に突起23が凹部39に当たりにくくなり、突起23が変形したり割れたりすることを防ぐことができる。好ましくは、凹部39は、凹部39の径方向の内方側1/2の領域の少なくとも一部に、径方向の外方に向かって幅が変わらないか幅が広がる部分を有するとともに、径方向の外方に向かって幅が変わらないか幅が広がる部分が、凹部39の径方向の1/3以上の長さで形成される。
直管形成部36の内壁面33において、凹部39は、周方向の異なる位置に複数設けられることが好ましい。この場合、凹部39は、直管形成部36の内壁面33において、周方向に略等間隔に配置されることが好ましい。凹部39は、直管形成部36の内壁面33において、周方向に対して2箇所以上の位置に設けられることが好ましく、3箇所以上がより好ましく、また8箇所以下が好ましく、6箇所以下がより好ましい。また直管形成部36の軸方向の垂直断面において、周方向に複数配置された凹部39の間隔(内壁面33に沿った離隔長さ)は、凹部39の周方向の最大長さよりも長いことが好ましい。図11および図12では、凹部39は、直管形成部36の内壁面33において、周方向の3箇所に設けられている。これは樹脂管状体21Cの表面に樹脂管状体21Cの周方向に対して設けられた突起23の数に対応する。
凹部39の深さL3、すなわち金型31の内壁面33を基準とした凹部39の底部までの径方向の長さは、樹脂管状体21Cの表面に設けられた突起23の高さL1、すなわち樹脂管状体21Cの突起23の径方向の長さよりも、長いことが好ましい(図7、図11、図12を参照)。これにより、成形工程において樹脂管状体21Cに設けられた突起23を凹部39に入り込ませた際に、突起23の先端が凹部39の底部に当たることを防ぐことができる。また、突起23が凹部39の底部に当たって割れたりすることを防ぐことができる。その結果、外面に先鋭な突起部16を有するバルーン10を形成することが容易になる。凹部39の深さL3は、例えば、突起23の高さL1の1.1倍以上が好ましく、1.2倍以上がより好ましく、1.3倍以上がさらに好ましく、また3.0倍以下が好ましく、2.5倍以下がより好ましく、2.0倍以下がさらに好ましい。なお、凹部39の底部とは、凹部39のうち金型31の径方向の外方部分を意味する。
金型31の軸方向に垂直な断面における凹部39の入口の幅L4(周方向における長さ)は、樹脂管状体21Cの長手方向に垂直な断面における突起23の基部の幅L2と同じか、それよりも長いことが好ましい(図7、図11、図12を参照)。凹部39の入口の幅L4は、例えば、突起23の基部の幅L2の1.0倍以上が好ましく、1.05倍以上がより好ましく、1.1倍以上がさらに好ましく、また2.0倍以下が好ましく、1.8倍以下がより好ましく、1.5倍以下がさらに好ましい。これにより、成形工程において樹脂管状体21Cに設けられた突起23を凹部39に入り込ませやすくなる。
金型31には、第1テーパー形成部35および/または第2テーパー形成部37にも凹部39が設けられてもよいが、第1テーパー形成部35の内壁面33と第2テーパー形成部37の内壁面33には凹部39が設けられないことが好ましい。これにより、得られるバルーン10の近位側テーパー部12と遠位側テーパー部14の表面を平滑に形成することが容易になる。また、第1スリーブ形成部34の内壁面33と第2スリーブ形成部38の内壁面33には凹部39が設けられないことが好ましい。
延伸工程と金型準備工程の後、成形前工程を行う。成形前工程では、図13に示すように、金型準備工程で準備した金型31の内腔32に、樹脂管状体21Cの第2区間25と第3区間26と第4区間27を配置する。金型31の内腔32には、樹脂管状体21Cの第1区間24の一部と第5区間28の一部が配置されてもよい。樹脂管状体21Cの第1区間24の少なくとも一部と第5区間28の少なくとも一部は金型31の内腔32の外に配置され、第1区間24と第5区間28が金型31の外において固定具で保持されることが好ましい。これにより、図14に示すように、金型31の軸方向の垂直断面において、樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27を金型31の内腔32の略中心に配置することができ、成形工程において樹脂管状体21Cを径方向に均一に膨らませることが容易になる。なお、図14には、図11に示した金型31の内腔32に樹脂管状体21Cが配置された例が示されている。
樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27は、金型31の軸方向に対して、金型31の第1テーパー形成部35から第2テーパー形成部37の範囲に配置されることが好ましい。樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27は、金型31の軸方向に対して、金型31の直管形成部36のみに配置されてもよい。これにより、樹脂管状体21Cを金型31の内腔32に配置することが容易になる。樹脂管状体21Cの第3区間26の外径は、金型31の直管形成部36の内径よりも小さいことが好ましい。樹脂管状体21Cの第2区間25の外径は、金型31の第1テーパー形成部35の内径よりも小さいことが好ましい。樹脂管状体21Cの第4区間27の外径は、第2テーパー形成部37の内径よりも小さいことが好ましい。
樹脂管状体21Cの第1区間24は、金型31の軸方向に対して、第1スリーブ形成部34と第1テーパー形成部35に配置されることが好ましく、さらに直管形成部36に配置されてもよい。樹脂管状体21Cの第5区間28は、金型31の軸方向に対して、第2スリーブ形成部38と第2テーパー形成部37に配置されることが好ましく、さらに直管形成部36に配置されてもよい。樹脂管状体21Cの第1区間24の外径は、金型31の第1スリーブ形成部34の内径よりも小さいことが好ましい。樹脂管状体21Cの第5区間28の外径は、金型31の第2スリーブ形成部38の内径よりも小さいことが好ましい。
樹脂管状体21Cの第1区間24から第5区間28までの長手方向の長さは、金型31の内腔32の軸方向の長さの1.1倍以上であることが好ましく、1.2倍以上がより好ましく、1.3倍以上がさらに好ましい。これにより、樹脂管状体21Cの第1区間24と第5区間28を、金型31の内腔32の外で保持することが容易になる。樹脂管状体21Cの第1区間24から第5区間28までの長手方向の長さの上限は特に限定されないが、バルーン10を製造する際の樹脂使用量を減らす観点から、金型31の内腔32の軸方向の長さの10倍以下が好ましく、8倍以下がより好ましく、5倍以下がさらに好ましい。
成形前工程の後、成形工程を行う。成形工程では、図15に示すように、金型31内で、樹脂管状体21Cの第2区間25と第3区間26と第4区間27を膨張させ、第3区間26を直管形成部36に当接させ、第2区間25を第1テーパー形成部35と第1スリーブ形成部34に当接させ、第4区間27を第2テーパー形成部37と第2スリーブ形成部38に当接させ、第3区間26に設けられた突起23を金型31の凹部39に入り込ませる。成形工程により、直管部の表面に突起23を有するバルーン形状に形成された樹脂管状体21(21D)が得られる。成形工程では、樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27を、金型31の第1スリーブ形成部34、第1テーパー形成部35、直管形成部36、第2テーパー形成部37および第2スリーブ形成部38に押し当てて成形することにより、バルーン10の近位側スリーブ部11、近位側テーパー部12、直管部13、遠位側テーパー部14および遠位側スリーブ部15を形成することができる。
成形工程では、樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27を加熱し、樹脂管状体21Cの内腔に流体を導入することにより、樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27を膨張させることが好ましい。樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27を金型31の内腔32に配置した状態で金型31を加熱することで、樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27を加熱することができる。
加熱は、樹脂管状体21を構成する樹脂のガラス転移温度以上とすることが好ましい。金型31が、軸方向に配置された複数の金型セグメント31から形成される場合は、樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27が配置された金型セグメント31をより高温で加熱してもよく、これにより樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27を優先的に加熱することが容易になる。例えば図15に示した例では、樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27が配置された金型セグメント31Cを金型セグメント31A、31B、31D、31Eよりも高温で加熱することが好ましい。あるいは、金型セグメント31B~31Dが金型セグメント31A、31Eよりも高温となるように、金型31を加熱してもよい。
樹脂管状体21Cの内腔に導入する流体は、空気や窒素ガス等のガスであってもよく、水等の液体であってもよい。樹脂管状体21Cの内腔に流体を導入することにより、樹脂管状体21Cの内部が加圧され、樹脂管状体21Cを膨張させることができ、いわゆるブロー成形することができる。樹脂管状体21Cの内部の加圧は、例えば、樹脂管状体21Cの長手方向の一方側の端部を閉じ、他方側の端部から流体を導入することにより行ったり、樹脂管状体21Cの長手方向の両端部から流体を導入することにより行うことができる。
樹脂管状体21Cを金型31内で膨張させる際の樹脂管状体21Cの内腔の圧力は、ゲージ圧として、例えば1.0MPa以上が好ましく、1.5MPa以上がより好ましく、2.0MPa以上がさらに好ましく、また6.0MPa以下が好ましく、5.5MPa以下がより好ましい。
成形工程では、樹脂管状体21Cを膨張させた際に、第2区間25を金型31の少なくとも第1テーパー形成部35と第1スリーブ形成部34に当接させ、第3区間26を金型31の少なくとも直管形成部36に当接させ、第4区間27を金型31の少なくとも第2テーパー形成部37と第2スリーブ形成部38に当接させる。第2区間25は直管形成部36にも当接してもよい。第3区間26は第1テーパー形成部35と第2テーパー形成部37の一方または両方に当接してもよい。第4区間27は直管形成部36にも当接してもよい。成形工程では、樹脂管状体21Cの内腔に流体を導入することにより、第1区間24の一部および/または第5区間28の一部が膨張してもよい。
成形工程では、第2区間25と第4区間27の少なくとも一方を金型31の直管形成部36に当接させることが好ましく、第2区間25と第4区間27の両方を金型31の直管形成部36に当接させることがより好ましい。この場合、表面に突起23が設けられた第3区間26は、金型31の軸方向に対して、直管形成部36の一部のみに当接することとなる。そのため、得られるバルーン10は、近位側テーパー部12と遠位側テーパー部14の表面に突起部16が設けられないとともに、直管部13においては、近位側テーパー部12との境界付近および/または遠位側テーパー部14との境界付近に突起部16が設けられないものとなる。これにより、バルーン10を収縮させた状態で体腔内や内視鏡の鉗子チャネル内を移動させる際に、バルーン10の突起部が体腔の内壁や内視鏡の鉗子チャネルの内壁に引っ掛かりにくくなり、バルーン10の挿通性が高まる。成形工程では、樹脂管状体21Cの第3区間26は、金型31の軸方向に対して、直管形成部36の1/2以上の範囲に当接することが好ましく、2/3以上の範囲がより好ましく、3/4以上の範囲がさらに好ましい。
成形工程では、樹脂管状体21Cの第2区間25、第3区間26および第4区間27を長手方向と径方向に膨張させることが好ましい。これにより、樹脂管状体21Cを膨張させた際に、樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27を、金型31の第1スリーブ形成部34、第1テーパー形成部35、直管形成部36、第2テーパー形成部37および第2スリーブ形成部38に当接させ、金型31の内腔32の形状に合わせて成形することが容易になる。樹脂管状体21Cの第2区間25~第4区間27を長手方向に膨張させるために、樹脂管状体21Cを長手方向に引っ張りながら、樹脂管状体21Cの内腔に流体を導入し、樹脂管状体21Cを膨張させることが好ましい。
成形工程では、金型31内で樹脂管状体21Cの第3区間26を長手方向に延伸した後、樹脂管状体21Cの第2区間25、第3区間26および第4区間27を長手方向と径方向に膨張させてもよい。これにより、樹脂管状体21Cの第2区間25を金型31の第1スリーブ形成部34に当接させ、樹脂管状体21Cの第4区間27を金型31の第2スリーブ形成部38に当接させることが容易になる。また、このようにして成形されたバルーン10は、直管部13において、樹脂を構成する高分子の配向方向が、長手方向に向きやすいものとなる。すなわち、直管部13において、樹脂を構成する高分子の配向方向は長手方向の成分がより多いものとなる。この場合、バルーン10が破壊したときに、バルーン10は直管部13において周方向に沿って割れるよりも長手方向に沿って割れやすくなる。そのため、バルーン10を使用の際に仮に過加圧等によりバルーン10が破壊したとしても、バルーン10が安全に割れて、バルーン10の破断片が体腔の内壁を損傷することが起こりにくくなる。
成形工程では、金型31内で樹脂管状体21Cを膨張させることにより、第3区間26を直管形成部36に当接させるとともに、第3区間26の表面に設けられた突起23を直管形成部36の凹部39に入り込ませる。この際、図16に示すように、第3区間26の表面に設けられた突起23は、直管形成部36の凹部39の底部に当たらないようにすることが好ましく、これにより、ブロー成形後の樹脂管状体21Dの突起23が意図せず歪んだり潰れたりすることが起こりにくくなる。そのため、外面に先鋭な突起部16を有するバルーン10を形成することが容易になる。なお、図16には、図11に示した金型31を用いてブロー成形して樹脂管状体21Dを形成した例が示されている。
成形工程の後、バルーン形状に形成された樹脂管状体21Dを金型31から外す工程(以下、「金型取り外し工程」と称する)を設けることが好ましい。金型取り外し工程では、樹脂管状体21Dを固定した状態で樹脂管状体21Dから金型31を外してもよく、金型31を固定した状態で金型31から樹脂管状体21Dを外してもよい。金型取り外し工程では、金型31の温度を、樹脂管状体21を構成する樹脂のガラス転移温度よりも下げた後に、樹脂管状体21Dを金型31から外すことが好ましい。
金型取り外し工程では、突起23が金型31の凹部39の底部に到達するより前に、樹脂管状体21Dを金型31から外すことが好ましい。これにより、ブロー成形後の樹脂管状体21Dの突起23が意図せず歪んだり潰れたりすることが起こりにくくなる。そのため、得られるバルーン10は直管部の外面に先鋭な突起部16を有するものとなり、血管形成術においてバルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に食い込んで、狭窄部に亀裂を入れたりすることが容易になる。
金型取り外し工程の後、樹脂管状体21Dを、第1区間24と第2区間25との境界または第2区間25で切断するとともに、第4区間27と第5区間28との境界または第4区間27で切断する切断工程を設けることが好ましい(図5(E)~(F)を参照)。これにより、表面に突起部16を有するバルーン10を得ることができる。樹脂管状体21Dは、樹脂管状体21Dの長手方向に対して略垂直に切断することが好ましい。樹脂管状体21Dの切断は、カッター等の公知の切断手段により行えばよい。
本発明の製造方法では、切断工程で得られたバルーン10をシャフト2の遠位部に取り付けることにより、バルーンカテーテル1を製造することができる。従って、本発明の製造方法は、切断工程で得られたバルーン10をシャフト2の遠位部に取り付ける工程を有することが好ましい。
本発明の製造方法は、突起表面研磨工程、突起表面粗化工程、突起先鋭化工程の1つまたは複数をさらに有していてもよい。これらの工程は、樹脂管状体準備工程より後かつ成形前工程より前のいずれかのタイミングで行ってもよく、金型取り外し工程の後に行ってもよいが、金型取り外し工程の後に行うことが好ましい。
突起表面研磨工程では、突起23の表面を研磨機等により研磨する。これにより、得られるバルーン10の突起部16の表面を滑らかにすることができ、バルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に切れ込みを入れやすくなる。
突起表面粗化工程では、突起23の表面をヤスリ等で粗化する。これにより、得られるバルーン10の突起部16の表面の抵抗摩擦力を高めることができ、バルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に突起部16が滑らずに食い込みやすくなる。
突起先鋭化工程では、突起23の先端をカッターやレーザー光等の切削手段で削って鋭利にする。これにより、得られるバルーン10の突起部16の先端を鋭利に形成することができ、バルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に切れ込みを入れやすくなる。
本発明の製造方法は、突起分割工程をさらに有していてもよい。突起分割工程では、凸条として設けられた突起23に切れ込みを入れて複数に分割する。切れ込みの深さは、突起23の高さよりも浅ければよい。これにより、複数の点状の突起部16が並んで設けられたバルーン10を形成することができる。突起分割工程は、樹脂管状体準備工程より後かつ成形前工程より前のいずれかのタイミングで行ってもよく、金型取り外し工程の後に行ってもよい。