JP2024034137A - バルーンカテーテルの製造方法 - Google Patents

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一輝 松藤
Kazuki Matsufuji
良紀 中野
Yoshiki Nakano
真弘 小嶋
Masahiro Kojima
昌人 杖田
Masato Tsueta
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Abstract

Figure 2024034137000001
【課題】バルーンの表面であって、バルーンを拡張させた際に比較的大きく膨らむ部分の表面に突起部が設けられたバルーンカテーテルの製造方法を提供する。
【解決手段】表面に突起23を有する樹脂管状体21を準備する工程(A)と、バルーン形状の内腔を有し、内壁面に凹部が形成された第1金型を準備する工程と、第1金型内で樹脂管状体21を膨張させるとともに樹脂管状体21の突起23を第1金型の内壁面の凹部に入り込ませ、表面に突起23を有する中間成形体41を得る第1成形工程(B)と、中間成形体41の突起23の一部を切除する工程(C)と、バルーン形状の内腔を有し、内壁面に凹部が形成された第2金型を準備する工程と、第2金型内で中間成形体41を膨張させるとともに中間成形体41の突起23を第2金型の内壁面の凹部に入り込ませる第2成形工程(D)とを有するバルーンカテーテルの製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、バルーンカテーテルの製造方法に関するものであり、詳細には、表面に突起部を有するバルーンを備えたバルーンカテーテルの製造方法に関するものである。
体内で血液が循環するための流路である血管に狭窄が生じ、血液の循環が滞ることにより、様々な疾患が発生することが知られている。特に心臓に血液を供給する冠状動脈に狭窄が生じると、狭心症、心筋梗塞等の重篤な疾病をもたらすおそれがある。このような血管の狭窄部を治療する方法の一つとして、バルーンカテーテルを用いて狭窄部を拡張させる血管形成術(PTA、PTCA等)がある。バルーンカテーテルにはバルーンの表面に突起部が設けられたものが知られており、このようなバルーンカテーテルを用いれば、バルーンを拡張させた際に、バルーンの突起部を狭窄部に食い込ませて狭窄部に亀裂を入れて、狭窄部を効果的に拡張させることができる。バルーンの表面に突起部が設けられたバルーンカテーテルの製造方法として、例えば特許文献1には、内壁面に溝が形成されている金型の内腔に樹脂製のパリソンを挿入する工程と、金型内でパリソンを膨張させて金型の溝に樹脂を入り込ませる工程と、パリソンの樹脂が溝の底部に到達する前にパリソンを金型外す工程を有する製造方法が開示されている。
国際公開第2020/250611号
バルーンの表面に突起部が設けられたバルーンカテーテルでは、バルーンを拡張させた際に大きく膨らむ部分に突起部が設けられ、大きく膨らまない部分には突起部が設けられないことが好ましい。これにより、バルーンを拡張させた際に狭窄部を効果的に拡張することができるとともに、バルーンが収縮した状態では、バルーンをきちんと折り畳むことが容易になり、体腔内や内視鏡の鉗子チャネル内でのバルーンの挿通性を高めることができる。本発明はこのようなバルーンカテーテルを製造する方法を提供するものであり、バルーンの表面であって、バルーンを拡張させた際に比較的大きく膨らむ部分の表面に突起部が設けられたバルーンカテーテルの製造方法を提供することにある。
本発明は、以下のバルーンカテーテルの製造方法を含む。
[1] 長手方向と径方向を有し、表面に突起を有する樹脂管状体を準備する工程と、
近位側から遠位側へ第1軸方向に延びる内腔を有する第1金型であって、前記内腔を形成する内壁面が、第1直管形成部と、前記第1直管形成部の近位側に位置し、前記第1直管形成部から離れるに従って内径が小さくなる第1近位側テーパー形成部と、前記第1近位側テーパー形成部の近位側に位置する第1近位側スリーブ形成部と、前記第1直管形成部の遠位側に位置し、前記第1直管形成部から離れるに従って内径が小さくなる第1遠位側テーパー形成部と、前記第1遠位側テーパー形成部の遠位側に位置する第1遠位側スリーブ形成部とを有し、前記第1直管形成部と前記第1近位側テーパー形成部と前記第1遠位側テーパー形成部と前記第1近位側スリーブ形成部と前記第1遠位側スリーブ形成部の内壁面に凹部が形成されている第1金型を準備する工程と、
前記第1金型の内腔に前記樹脂管状体を配置し、前記樹脂管状体を膨張させて前記第1金型の内壁面に当接させるとともに、前記突起を前記凹部に入り込ませ、前記第1直管形成部に当接した直管部と、前記第1近位側テーパー形成部に当接した近位側テーパー部と、前記第1近位側スリーブ形成部に当接した近位側スリーブ部と、前記第1遠位側テーパー形成部に当接した遠位側テーパー部と、前記第1遠位側スリーブ形成部に当接した遠位側スリーブ部とを有する中間成形体であって、表面に前記突起を有する中間成形体を得る第1成形工程と、
前記中間成形体の前記近位側スリーブ部と前記遠位側スリーブ部に存在する前記突起を切除する突起除去工程と、
近位側から遠位側へ第2軸方向に延びる内腔を有する第2金型であって、前記内腔を形成する内壁面が、第2直管形成部と、前記第2直管形成部の近位側に位置し、前記第2直管形成部から離れるに従って内径が小さくなる第2近位側テーパー形成部と、前記第2近位側テーパー形成部の近位側に位置する第2近位側スリーブ形成部と、前記第2直管形成部の遠位側に位置し、前記第2直管形成部から離れるに従って内径が小さくなる第2遠位側テーパー形成部と、前記第2遠位側テーパー形成部の遠位側に位置する第2遠位側スリーブ形成部とを有し、前記第2直管形成部の前記第2軸方向の長さが前記第1直管形成部の前記第1軸方向の長さよりも長く形成され、前記第2直管形成部の内径が前記第1直管形成部の内径よりも大きく形成され、前記第2直管形成部の内壁面に凹部が形成されている第2金型を準備する工程と、
前記突起除去工程で得られた前記突起の一部が切除された前記中間成形体を前記第2金型の内腔に配置し、前記中間成形体を膨張させて前記第2金型の内壁面に当接させるとともに、前記突起を前記凹部に入り込ませる第2成形工程と
を有するバルーンカテーテルの製造方法。
[2] 前記第1成形工程において、前記樹脂管状体を長手方向に引っ張りながら前記樹脂管状体を膨張させる[1]に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
[3] 前記第2成形工程において、前記中間成形体を長手方向に引っ張らずに前記樹脂管状体を膨張させる[1]または[2]に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
[4] 前記中間成形体の近位側テーパー部の近位端から遠位側テーパー部の遠位端までの長さが、前記第2金型の第2近位側テーパー形成部の近位端と遠位端の中間点から第2遠位側テーパー形成部の近位端と遠位端と中間点までの長さよりも短い[1]~[3]のいずれかに記載のバルーンカテーテルの製造方法。
[5] 前記中間成形体の近位側テーパー部の近位端から遠位側テーパー部の遠位端までの長さが、前記第2金型の第2直管形成部の第2軸方向の長さよりも短い[1]~[3]のいずれかに記載のバルーンカテーテルの製造方法。
[6] 前記樹脂管状体は長手方向の一部に拡径部を有し、前記第1成形工程において、前記樹脂管状体の前記拡径部を含む部分を前記第1金型の内腔に配置する[1]~[5]のいずれかに記載のバルーンカテーテルの製造方法。
[7] 前記樹脂管状体を準備する工程は、長手方向の一方側から第1区間と第2区間と第3区間を有し、表面に突起を有する直管状の樹脂管状体を準備する工程と、前記直管状の樹脂管状体を加熱して前記第1区間と前記第3区間を長手方向に延伸し、前記第2区間に拡径部を有する樹脂管状体を得る工程を含む[1]~[6]のいずれかに記載のバルーンカテーテルの製造方法。
本発明によれば、バルーンを拡張させた際に大きく膨らむ部分であるバルーンの直管部の表面に突起部が設けられたバルーンカテーテルを容易に製造することができる。
本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの構成例を表し、バルーンカテーテルの側面図を表す。 図1に示したバルーンカテーテルに備えられたバルーンの斜視図を表す。 図1に示したバルーンカテーテルのIII-III断面図を表す。 図1に示したバルーンカテーテルのIV-IV断面図を表す。 本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの製造方法の全体工程の概略図を表す。 図5に示した製造方法の樹脂管状体準備工程に供する樹脂管状体の斜視図を表す。 図6および図9に示した樹脂管状体のVII-VII断面図を表す。 直管状樹脂管状体準備工程と延伸工程の概略図を表す。 直管状樹脂管状体準備工程に供する樹脂管状体の斜視図を表す。 第1金型準備工程で用いる第1金型の一例を表し、第1金型の軸方向断面図を表す。 図10に示した第1金型のXI-XI断面図(金型の凹部周りの部分拡大図を含む)の一例を表す。 図10に示した第1金型のXI-XI断面図(金型の凹部周りの部分拡大図を含む)の他の一例を表す。 第1成形工程の概略図を表す。 図13に示した金型と樹脂管状体のXIV-XIV断面図の一例を表す。 図13に示した金型と樹脂管状体のXV-XV断面図(金型の凹部と中間成形体の突起周りの部分拡大図を含む)の一例を表す。 突起除去工程の概略図を表す。 図16に示した中間成形体のXVII-XVII断面図を表す。 第2金型準備工程で用いる第2金型の一例を表し、第2金型の軸方向断面図を表す。 図18に示した第2金型のXIX-XIX断面図(金型の凹部周りの部分拡大図を含む)の一例を表す。 第2成形工程の概略図を表す。 図20に示した金型と樹脂管状体のXXI-XXI断面図(金型の凹部とバルーン成形体の突起周りの部分拡大図を含む)の一例を表す。
以下、下記実施の形態に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明は、表面に突起部を有するバルーンを備えたバルーンカテーテルの製造方法に関するものである。バルーンカテーテルは、主に血管の狭窄部の治療において行われる狭窄部を拡張させる血管形成術(PTA、PTCA等)で用いられる医療器具である。体内で血液が循環するための流路である血管に狭窄が生じ、血液の循環が滞ることにより、様々な疾患が発生することが知られている。特に心臓に血液を供給する冠状動脈に狭窄が生じると、狭心症、心筋梗塞等の重篤な疾病をもたらすおそれがある。血管形成術は、バイパス手術のような開胸術を必要としない低侵襲療法であることから広く行われている。本発明に係るバルーンカテーテルは、バルーンの表面に突起部が設けられており、これによりバルーンにスコアリング機能を付与することができる。そのため、狭窄部においてバルーンを拡張させた際に、バルーンの突起部を狭窄部に食い込ませて狭窄部に亀裂を入れることが可能となり、狭窄部を効果的に拡張させることができる。
本発明のバルーンカテーテルの製造方法の説明に先立ち、本発明の製造方法によって製造することができるバルーンカテーテルの構成についてまず説明する。なお、本発明の製造方法によって製造されるバルーンカテーテルは、図面に示したものに限定されるものではない。
図1~図4には、本発明の製造方法によって製造することができるバルーンカテーテルの構成例を示した。図1は、バルーンカテーテルの側面図を表し、図2は、図1に示したバルーンカテーテルに備えられたバルーンの斜視図を表し、図3は、図1に示したバルーンカテーテルのIII-III断面図を表し、図4は、図1に示したバルーンカテーテルのIV-IV断面図を表す。図1にはラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテルの構成例が示されている。
バルーンカテーテル1は、シャフト2と、シャフト2の外側に設けられたバルーン10とを有する。バルーンカテーテル1は近位側と遠位側を有し、シャフト2の遠位部にバルーン10が設けられる。バルーンカテーテル1の近位側とは、バルーンカテーテル1の延在方向に対して使用者(術者)の手元側の方向を指し、遠位側とは近位側の反対方向、すなわち処置対象側の方向を指す。また、バルーンカテーテル1の近位側から遠位側への方向を長手方向と称する。
バルーンカテーテル1は、シャフト2を通じてバルーンの内部に流体が供給されるように構成され、インデフレーター(バルーン用加減圧器)を用いてバルーン10の拡張および収縮を制御することができる。流体は、ポンプ等により加圧された加圧流体であってもよい。以下、バルーン10の内部に供給される流体を「バルーン拡張流体」と称する。
シャフト2は、例えば、インナーシャフト3とアウターシャフト4とから構成される。インナーシャフト3はアウターシャフト4の内腔に配置される。インナーシャフト3はシャフト2の進行をガイドするガイドワイヤの挿通路として機能させることができ、バルーンカテーテル1の使用の際、インナーシャフト3の内腔にガイドワイヤが挿通される。インナーシャフト3とアウターシャフト4の間の空間は、バルーン拡張流体の流路として機能させることができる。
ラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテル1では、シャフト2の遠位側から近位側に至る途中にガイドワイヤポート7が設けられ、インナーシャフト3の近位端がガイドワイヤポート7に接続し、インナーシャフトの遠位端がシャフト2の遠位部まで延在することにより、ガイドワイヤポート7からシャフト2の遠位部まで延在するガイドワイヤ挿通路が形成される。
アウターシャフト4は近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bを有していてもよく、この場合、遠位側アウターシャフト4Bの内腔にインナーシャフト3が配置されることが好ましい。近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bは同じ材料から構成されていてもよく、互いに異なる材料から構成されていてもよい。例えば、近位側アウターシャフト4Aは樹脂または金属から構成され、遠位側アウターシャフト4Bは樹脂から構成されることが好ましい。なお、アウターシャフト4は近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bに区分されず、1つの部材から構成されていてもよく、近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bがさらに複数のチューブ部材から構成されていてもよい。
シャフト2の近位側にはハブ5が設けられることが好ましい。ハブ5は、シャフト2のバルーン拡張流体の流路と連通した流体注入部6を有することが好ましい。バルーン10、シャフト2(インナーシャフト3、アウターシャフト4)、ハブ5の接合は、接着剤や熱溶着など従来公知の接合手段を用いて行うことができる。
なお、図面に示されていないが、バルーンカテーテルは、インナーシャフトがシャフトの遠位部から近位部まで延び、シャフトの遠位側から近位側にわたってガイドワイヤの挿通路が形成されたオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルであってもよい。この場合、シャフトに設けられたバルーン拡張流体の流路とガイドワイヤの挿通路がハブまで延在し、ハブは、バルーン拡張流体の流路と連通した流体注入部と、ガイドワイヤの挿通路と連通した処置部とを有するように構成されることが好ましい。ハブは二又に分岐した構造を有し、二又に分岐した一方に流体注入部が設けられ、他方に処置部が設けられることが好ましい。
シャフト2の外面はコーティングが施されていることが好ましい。ラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテル1では、近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bの一方または両方の外面にコーティングが施されていることが好ましく、近位側アウターシャフト4Aと遠位側アウターシャフト4Bの両方の外面にコーティングが施されていることがより好ましい。オーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルでは、アウターシャフトの外面に適宜コーティングが施されていることが好ましい。
コーティングは、目的に応じて親水性コーティングまたは疎水性コーティングとすることができる。シャフト2を親水性コーティング剤または疎水性コーティング剤に浸漬したり、シャフト2の外面に親水性コーティング剤または疎水性コーティング剤を塗布したり、シャフト2の外面を親水性コーティング剤または疎水性コーティング剤で被覆したりすることにより、シャフト2の外面にコーティングを施すことができる。コーティング剤は、薬剤や添加剤を含んでいてもよい。
親水性コーティング剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体などの親水性ポリマーや、これらが任意の組み合わせで作られた親水性コーティング剤等が挙げられる。
疎水性コーティング剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、シリコーンオイル、疎水性ウレタン樹脂、カーボンコート、ダイヤモンドコート、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コート、セラミックコート、アルキル基やパーフルオロアルキル基で終端された表面自由エネルギーが小さい物質等が挙げられる。
バルーンカテーテル1の遠位端部には先端チップ8が設けられていることが好ましい。先端チップ8は、インナーシャフト3の遠位端よりも遠位側にインナーシャフト3とは別部材として設けられてもよく、インナーシャフト3がバルーン10の遠位端よりも遠位側まで延在することにより、インナーシャフト3の遠位端部が先端チップ8として機能してもよい。
シャフト2には、バルーン10の位置をX線透視下で確認することを可能にするために、長手方向に対してバルーン10が位置する部分にX線不透過マーカー9が配置されていてもよい。X線不透過マーカー9は、例えば、バルーン10の内部に配置されたインナーシャフト3上に配置することができ、バルーン10の直管部の両端に相当する位置に配されることが好ましく、バルーン10の直管部の中央に相当する位置に配されてもよい。
バルーン10は、長手方向と径方向を有し、近位側と遠位側に開口を有する筒状に形成されている(図2を参照)。バルーン10の径方向とは、長手方向に垂直な方向であって、バルーン10の中心から放射方向に向かって延びる方向を意味する。バルーン10はまた、バルーン10の長手方向の垂直断面において、拡張状態のバルーン10の外周に沿った方向として、周方向を有する。
バルーン10は、長手方向に対して、近位側スリーブ部11と近位側テーパー部12と直管部13と遠位側テーパー部14と遠位側スリーブ部15を有する。直管部13は長手方向に延びる略円筒形に形成され、バルーン10において径方向の長さ(外径)が最も大きく形成される。近位側テーパー部12は直管部13の近位側に位置し、直管部13の近位端に接続する。近位側テーパー部12は、直管部13から離れるに従って外径が小さくなるように形成されている。近位側スリーブ部11は近位側テーパー部12の近位側に位置し、近位側スリーブ部11の近位端に接続する。近位側スリーブ部11は略円筒形に形成されている。遠位側テーパー部14は直管部13の遠位側に位置し、直管部13の遠位端に接続する。遠位側テーパー部14は、直管部13から離れるに従って外径が小さくなるように形成されている。遠位側スリーブ部15は遠位側テーパー部14の遠位側に位置し、遠位側スリーブ部15の遠位端に接続する。遠位側スリーブ部15は略円筒形に形成されている。
上記のようにバルーン10が構成されることにより、バルーン10を狭窄部等の病変部において拡張させた際に直管部13が病変部に十分に接触して、病変部の拡張等の治療を行いやすくなる。また、バルーン10が近位側テーパー部12と遠位側テーパー部14を有することにより、バルーン10を収縮させた際にバルーン10の近位端部と遠位端部の外径を小さくしてシャフト2とバルーン10との段差を小さくすることができ、バルーン10を体腔内や内視鏡の鉗子チャネル内を挿通しやすくすることができる。
シャフト2の遠位部において、インナーシャフト3がアウターシャフト4の遠位端から遠位側に延出し、インナーシャフト3がバルーン10の内部空間を近位側スリーブ部11から遠位側スリーブ部15にかけて延在することが好ましい。そして、インナーシャフト3がバルーン10の遠位側スリーブ部15の内面に接合し、アウターシャフト4がバルーン10の近位側スリーブ部11の内面に接合することが好ましい。このようにシャフト2の遠位部が構成されることにより、バルーン拡張流体を、インナーシャフト3とアウターシャフト4の間の空間を通ってバルーン10の内部空間に供給することができる。
バルーン10は樹脂から構成され、具体的には熱可塑性樹脂から構成される。バルーン10を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマー等のポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー等のポリウレタン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー等のポリアミド樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ラテックスゴム等の天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好適に用いられる。特に、バルーン10の薄膜化や柔軟性の点から、エラストマー樹脂を用いることが好ましい。例えばポリアミド樹脂の中でバルーン10に好適な材料として、ナイロン12、ナイロン11等が挙げられ、ブロー成形する際に比較的容易に成形可能である点から、ナイロン12が好適に用いられる。また、バルーン10の薄膜化や柔軟性の点から、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、ポリアミドエーテルエラストマー等のポリアミドエラストマーが好ましく用いられる。なかでも、降伏強度が高く、バルーン10の寸法安定性が良好な点から、ポリエーテルエステルアミドエラストマーが好ましく用いられる。
バルーン10は、直管部13の外面に突起部16を有する。直管部13の外面に突起部16が設けられることにより、バルーン10はスコアリング機能を有するものとなり、バルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に食い込んで、狭窄部に亀裂を入れたりすることが可能となる。そのため、血管内膜の解離を抑えながら狭窄部を拡張させることができる。また、バルーン10の高強度化や加圧時の過拡張の抑制も可能となる。
突起部16は、近位側テーパー部12および/または遠位側テーパー部14の外面にも設けられてもよいが、近位側テーパー部12と遠位側テーパー部14では直管部13から遠い側には突起部16が設けられないことが好ましい。例えば近位側テーパー部12では、突起部16は、近位側テーパー部12の近位側1/2の範囲に設けられないことが好ましく、近位側2/3の範囲に設けられないことがより好ましく、近位側3/4の範囲に設けられないことがさらに好ましい。遠位側テーパー部14では、突起部16は、遠位側テーパー部14の遠位側1/2の範囲に設けられないことが好ましく、遠位側2/3の範囲に設けられないことがより好ましく、遠位側3/4の範囲に設けられないことがさらに好ましい。これにより、バルーン10を収縮させた状態でバルーン10をきちんと折り畳むことが容易になり、例えば突起部16が露出しないようにバルーン10を折り畳むことができる。そのため、体腔内や内視鏡の鉗子チャネル内でのバルーン10の挿通性を高めることができる。近位側スリーブ部11と遠位側スリーブ部15には突起部16は設けられないことが好ましい。
突起部16は、バルーン10の外面において径方向に突出して形成されている。突起部16は、例えば、直管部13の外面に線状に設けられたり、点状に設けられる。前者の場合、突起部16は凸条として設けられる。後者の場合、点状の突起部16が複数設けられることが好ましく、複数の点状の突起部16が並んで設けられることがより好ましい。このように突起部16が設けられることにより、狭窄部に亀裂が入る方向を制御しやすくなる。線状の突起部16の延在方向または複数の点状の突起部16の配列方向は、例えば、バルーン10の長手方向であってもよく、長手方向にらせん状に延びる方向であってもよく、周方向であってもよい。なお、突起部16を有するバルーン10の製造容易性の点から、線状の突起部16の延在方向または複数の点状の突起部16の配列方向は、バルーン10の長手方向であることが好ましい。
突起部16は、バルーン10の直管部13において、周方向の異なる位置に複数設けられることが好ましい。すなわち突起部16は、バルーン10の周方向の複数箇所に設けられることが好ましい。この場合、突起部16は、バルーン10の直管部13の周方向に略等間隔に配置されることが好ましい。これにより、バルーン10を拡張させた際に、狭窄部の複数の箇所に亀裂を入れることが可能となる。例えば、長手方向に線状に延びる突起部16が、バルーン10の周方向の複数箇所に設けられたり、長手方向に配列された複数の点状の突起部16が突起部群を形成し、突起部群がバルーン10の周方向の複数箇所に設けられることが好ましい。後者の場合、突起部群の周方向の間隔は、1つの突起部群に含まれる複数の突起部16の長手方向の間隔よりも広いことが好ましい。突起部16は、バルーン10の周方向に対して2箇所以上の位置に設けられることが好ましく、3箇所以上がより好ましく、また8箇所以下が好ましく、6箇所以下がより好ましい。また、この場合の突起部16の周方向の間隔は、1つの突起部16の周方向の長さよりも長いことが好ましい。図2および図4では、長手方向に線状に延びる突起部16が、バルーン10の直管部13の周方向の3箇所に設けられている。
バルーン10の直管部13において、突起部16は、直管部13の長手方向の1/2以上の範囲に設けられることが好ましく、2/3以上の範囲に設けられることがより好ましく、3/4以上の範囲に設けられることがさらに好ましい。これにより、バルーン10を拡張させた際に、狭窄部の広い範囲に亀裂を入れることが可能となる。
突起部16の断面形状は特に限定されない。例えば、突起部16の長手方向に垂直な断面形状としては、三角形、四角形等の多角形、半円形、扇形等の円形の部分形状、略円形、楔型、凸形、紡錘形、不定形等が挙げられる。多角形には、角部の頂点が明確であって辺が直線であるものの他に、角部が丸みを帯びている角丸多角形や、辺の少なくとも一部が曲線となっているものも含まれる。なお、突起部16は、先端に向かって幅狭になるように形成されていることが好ましく、特に長手方向の垂直断面において、そのように形成されていることが好ましい。
バルーン10の直管部13において、突起部16が設けられた部分の肉厚は、突起部16が設けられない部分の肉厚よりも厚く形成されていることが好ましい。これにより、突起部16によるスコアリング機能を高めることができる。バルーン10の直管部13の突起部16が設けられた部分における肉厚は、例えば、バルーン10の直管部13の突起部16が設けられない部分の肉厚の1.5倍以上であることが好ましく、2.0倍以上がより好ましく、2.5倍以上がさらに好ましい。バルーン10の直管部13の突起部16が設けられた部分における肉厚の上限は特に限定されず、例えば、バルーン10の直管部13の突起部16が設けられない部分の肉厚の30倍以下、20倍以下または10倍以下であってもよい。
バルーン10は、バルーン10の内面において径方向の内方に向かって突出している内側突起部を有していてもよい(図示せず)。突起部16と内側突起部はバルーン10の長手方向や周方向に対して同じ位置に配置されていてもよく、これらは一体成形されていることが好ましく、これによりバルーン10の一部が肉厚に形成されていてもよい。
本発明は、上記のように表面に突起部が設けられたバルーンを備えたバルーンカテーテルを好適に製造する方法を提供するものであり、本発明の製造方法は次の工程を有する。すなわち、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの製造方法は、表面に突起を有する樹脂管状体を準備する工程(以下、「樹脂管状体準備工程」と称する)と、バルーン形状を有する内腔を有する第1金型であって、当該内腔を形成する内壁面に凹部が形成された第1金型を準備する工程(以下、「第1金型準備工程」と称する)と、第1金型の内腔に樹脂管状体を配置し、第1金型内で樹脂管状体を膨張させるとともに樹脂管状体の表面に設けられた突起を第1金型の内壁面の凹部に入り込ませ、バルーン状に形成され表面に突起を有する中間成形体を得る第1成形工程と、中間成形体の突起の一部を切除する突起除去工程と、バルーン形状を有する内腔を有する第2金型であって、当該内腔を形成する内壁面に凹部が形成された第2金型を準備する工程(以下、「第2金型準備工程」と称する)と、第2金型の内腔に中間成形体を配置し、第2金型内で中間成形体を膨張させるとともに中間成形体の表面に設けられた突起を第2金型の内壁面の凹部に入り込ませる第2成形工程とを有するものである。本発明の製造方法によれば、バルーンを拡張させた際に大きく膨らむ部分であるバルーンの直管部の表面に突起部が設けられたバルーンカテーテルを容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るバルーンカテーテルの製造方法について、図5~図21を参照して詳しく説明する。図5は、バルーンカテーテルの製造方法の全体工程の概略図を表し、図6~図9は、樹脂管状体準備工程の概略図とそこに供される樹脂管状体の斜視図および径方向断面図(長手方向に対する垂直断面図)を表し、図10~図21は、第1金型準備工程から第2成形工程までの各工程の概略図を表す。図5では、樹脂管状体を中心にバルーンカテーテルの製造方法の全体工程が示されており、樹脂管状体の長手方向に沿った断面図が示されている。図7、図8および図10~図21では、各工程における金型と樹脂管状体の長手方向に沿った断面図または長手方向に対する垂直断面図が示されている。
樹脂管状体準備工程では、表面に突起23を有する樹脂管状体21(21A)を準備する(図5(A)、図6および図7を参照)。樹脂管状体21Aは樹脂から構成された管状物であり、長手方向に延びる内腔を有する。樹脂管状体21Aを構成する樹脂としては、上記のバルーン10を構成する樹脂の説明が参照される。図7には、図6に示した樹脂管状体21Aの拡径部24における長手方向の垂直断面図が示されている。
樹脂管状体21は、長手方向と径方向を有する。樹脂管状体21において、長手方向は樹脂管状体21の延在方向に相当し、径方向は、長手方向に垂直な方向であって、樹脂管状体21の長手方向の垂直断面において、樹脂管状体21の中心から放射方向に向かって延びる方向を意味する。樹脂管状体21はまた、樹脂管状体21の長手方向の垂直断面において、樹脂管状体21の外周に沿った方向として、周方向を有する。樹脂管状体21の長手方向と径方向と周方向は、バルーン10の長手方向と径方向と周方向にそれぞれ対応する。
樹脂管状体21Aは、円筒部分22の外表面に突起23が設けられていることが好ましい(図7を参照)。突起23は、円筒部分22の外表面から径方向の外方に突出するように設けられる。突起23の断面形状は上記のバルーン10の突起部16の断面形状の説明が参照され、好ましくは、突起23は、先端に向かって幅狭になるように形成されている。これにより得られるバルーン10のスコアリング機能を高めることが容易になる。樹脂管状体21Aの長手方向の垂直断面において、樹脂管状体21Aは、突起23が設けられた部分で、それ以外の部分よりも肉厚に形成されていることが好ましい。
樹脂管状体21Aにおいて、突起23は円筒部分22と同じ樹脂から構成されていることが好ましく、突起23と円筒部分22とが一体成形されていることが好ましい。樹脂管状体21Aの円筒部分22は内層と外層を有していてもよく、この場合、突起23は円筒部分22の外層と同じ樹脂から構成されていることが好ましい。これにより、バルーン10の製造の際に、突起23が意図せず脱落することを防ぐことができる。あるいは、突起23を構成する樹脂と円筒部分22を構成する樹脂とがある程度の相溶性があれば、突起23と円筒部分22は互いに異なる樹脂から構成されていてもよい。
樹脂管状体21Aにおいて、突起23は長手方向に延びるように設けられることが好ましい。すなわち、突起23は長手方向に延びる凸条として設けられることが好ましい。これにより、表面に突起23を有する樹脂管状体21Aの製造が容易になるとともに、後段の第1成形工程において、樹脂管状体21Aを膨張させた際に突起23を金型31の内壁面33の凹部39に入り込ませることが容易になる。
樹脂管状体21Aにおいて、突起23は、周方向の異なる位置に複数設けられることが好ましい。この場合、突起23は、樹脂管状体21Aの周方向に略等間隔に配置されることが好ましい。突起23は、樹脂管状体21Aの周方向に対して2箇所以上の位置に設けられることが好ましく、3箇所以上がより好ましく、また8箇所以下が好ましく、6箇所以下がより好ましい。図6および図7では、突起23は長手方向に延びるように設けられ、突起23が樹脂管状体21Aの周方向の3箇所に設けられている。
樹脂管状体21Aの長手方向の垂直断面において、突起23は先端にいくほど幅が狭くなるように形成されていることが好ましい。すなわち、樹脂管状体21Aの周方向における突起23の長さは、突起23の先端にいくほど短くなるように形成されていることが好ましい。この場合、突起23は、先端に向かって幅が変わらない部分を有していてもよい。このように突起23が形成されることにより、得られるバルーン10のスコアリング機能を高めることができる。
樹脂管状体21Aは長手方向の一部に拡径部24を有することが好ましい。これにより後段の第1成形工程において、樹脂管状体21Aを拡径部24を中心にブロー成形することが容易になる。樹脂管状体21Aにおいて、拡径部24における外径は、それ以外の部分における外径の1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上がより好ましく、また5.0倍以下が好ましく、4.0倍以下がより好ましい。なお、ここで説明した外径は、樹脂管状体21Aの長手方向の垂直断面において、内腔の外縁の図心を通る最大外径を意味する。
樹脂管状体21Aは、拡径部24の表面に突起23を有するとともに、拡径部24以外の部分の表面にも突起23を有することが好ましい。より好ましくは、図5(A)に示すように、樹脂管状体21Aは長手方向の一方側から第1区間25と第2区間26と第3区間27を有し、拡径部24が第2区間26に形成され、突起23が第1区間25と第2区間26と第3区間27に設けられる。
長手方向の一部に拡径部24を有する樹脂管状体21Aを形成するために、図8に示すように、樹脂管状体準備工程は、長手方向の一方側から第1区間25と第2区間26と第3区間27を有し、表面に突起23を有する直管状の樹脂管状体21(21P)を準備する工程(以下、「直管状樹脂管状体準備工程」と称する)と、直管状の樹脂管状体21Pを加熱して第1区間25と第3区間27を長手方向に延伸し、第2区間26に拡径部24を有する樹脂管状体21Aを得る工程(以下、「延伸工程」と称する)を含むことが好ましい。図9には、直管状の樹脂管状体21Pの斜視図が示されており、直管状の樹脂管状体21Pの長手方向の垂直断面図は、図7に示した樹脂管状体21Aの拡径部24における長手方向の垂直断面図と同じものとなる。
樹脂管状体21Pは長手方向に延びる内腔を有する。樹脂管状体21Pは、押出成形、射出成形等によって製造することができ、好ましくは押出成形により製造される。これにより、樹脂管状体21Pの大量生産が容易になり、バルーンカテーテルの生産効率を高めることができる。樹脂管状体21Pは、ブロー成形に用いられるパリソンの前駆体とすることができる。樹脂管状体21Pは、突起23が設けられた部分で、それ以外の部分よりも肉厚に形成されていることが好ましい。
樹脂管状体21Pの外径や突起23の大きさは、製造するバルーン10の所望する大きさや形状に応じて適宜設定すればよい。樹脂管状体21Pは、樹脂管状体21Aと同様、円筒部分22の外表面に突起23が設けられて構成されることが好ましい。樹脂管状体21Pの円筒部分22の外径、すなわち樹脂管状体21Pの突起23を除いた外径は、0.1mm~5.0mm程度とすればよい。樹脂管状体21Pの円筒部分22の肉厚、すなわち樹脂管状体21Pの突起23が設けられた部分以外での肉厚は、0.03mm~2.0mm程度とすればよい。樹脂管状体21Pの突起23の高さ(径方向の長さ)、すなわち樹脂管状体21Pの円筒部分22の外表面を基準とした突起23の高さは、0.03mm~2.0mm程度とすればよい。
図7に示すように、樹脂管状体21Pは、突起23の高さL1が円筒部分22の外径の0.05倍以上であることが好ましく、0.1倍以上がより好ましく、0.2倍以上がさらに好ましく、また1.0倍以下が好ましく、0.8倍以下がより好ましく、0.5倍以下がさらに好ましい。このように樹脂管状体21Pが形成されていれば、後段の第1成形工程において突起23を有する中間成形体41を成形することが容易になるとともに、突起除去工程において中間成形体41から突起23を切除することが容易になる。
突起23の高さL1は突起23の基部の幅L2の0.5倍以上であることが好ましく、0.7倍以上がより好ましく、0.9倍以上がさらに好ましく、また3.0倍以下が好ましく、2.5倍以下がより好ましく、2.0倍以下がさらに好ましい。このように突起23が形成されていれば、第1成形工程において突起23を有する中間成形体41を成形することが容易になるとともに、突起除去工程において中間成形体41から突起23を切除することが容易になる。得られるバルーン10の突起部16をより先鋭に形成する観点からは、突起23の高さL1は突起23の基部の幅L2の1.0倍以上が好ましく、1.1倍以上がより好ましく、1.2倍以上がさらに好ましい。なお、突起23の高さL1とは、円筒部分22の外表面を基準として突起23が径方向に突出した長さを意味し、突起23の基部の幅L2とは、突起23が円筒部分22の外表面と接する部分の、樹脂管状体21Pの周方向における長さを意味する。
上記に説明した樹脂管状体21Pの外径や突起23の大きさの説明は、樹脂管状体21Aの拡径部24の外径や突起23に対しても適用することができる。また、樹脂管状体21Aの突起23の形状や配置の説明は、樹脂管状体21Pの突起23に対しても適用される。
樹脂管状体21Pは、第1区間25から第3区間27までの各区間の表面に突起23を有することが好ましい。樹脂管状体21Pにおいて、第1区間25と第3区間27は延伸工程で長手方向に延伸される区間とすることができ、第2区間26は延伸工程で長手方向に延伸されない区間とすることができる。各区間の長さは、製造条件や得られるバルーン10の大きさに応じて適宜設定すればよい。
突起23は、第1区間25から第3区間27まで長手方向に断続的に延びるように設けられてもよいが、樹脂管状体21Pの第1区間25から第3区間27まで長手方向に連続的に延びていることが好ましい。また、樹脂管状体21Pは、第1区間25から第3区間27において、長手方向に垂直な断面形状が長手方向に略均一であることが好ましい。
延伸工程では、樹脂管状体21Pの第1区間25と第3区間27を、樹脂管状体21Pの構成樹脂のガラス転移温度以上に加熱し、第2区間26は加熱しない、または樹脂管状体21Pの構成樹脂のガラス転移温度未満で加熱することにより、第1区間25と第3区間27を選択的に長手方向に延伸することができる。樹脂管状体21Pを加熱し、樹脂管状体21Pを長手方向の一方側または両側から引っ張ることにより、第1区間25と第3区間27を長手方向に延伸する。樹脂管状体21Pの加熱は、ヒーターや熱風等の公知の加熱手段により行えばよい。第1区間25と第3区間27を選択的に加熱する点からは、樹脂管状体21Pを外側から加熱することが好ましい。延伸工程において樹脂管状体21Pの第1区間25と第3区間27を長手方向に延伸することにより、得られる樹脂管状体21Aは、第2区間26の外径が第1区間25と第3区間27の外径よりも大きいものとなり、第2区間26に拡径部24を形成することができる。
第1金型準備工程では、第1成形工程において樹脂管状体21Aをバルーン形状にプレ成形するための第1金型31を準備する(図10を参照)。第1金型31は、軸方向に延びるバルーン形状の内腔32を有しており、内腔32を形成する内壁面33に凹部39が形成されている。第1金型31は、軸方向の一方側を近位側と称し、他方側を遠位側と称する。第1金型31の軸方向は樹脂管状体21の長手方向に対応する。第1金型31はまた、樹脂管状体21の径方向と周方向にそれぞれ対応した径方向と周方向を有する。以下、第1金型31の軸方向を「第1軸方向」と称する。
第1金型31は第1軸方向に延びる内腔32を有し、内腔32を形成する内壁面33が、第1直管形成部36と、第1直管形成部36の近位側に位置し、第1直管形成部36から離れるに従って内径が小さくなる第1近位側テーパー形成部35と、第1近位側テーパー形成部35の近位側に位置する第1近位側スリーブ形成部34と、第1直管形成部36の遠位側に位置し、第1直管形成部36から離れるに従って内径が小さくなる第1遠位側テーパー形成部37と、第1遠位側テーパー形成部37の遠位側に位置する第1遠位側スリーブ形成部38とを有し、第1直管形成部36と第1近位側テーパー形成部35と第1遠位側テーパー形成部37と第1近位側スリーブ形成部34と第1遠位側スリーブ形成部38の内壁面33に凹部39が形成されている。以下、第1金型31の内壁面33に形成された凹部を「第1凹部」と称する。
第1金型31は、第1直管形成部36における内壁面33が略円筒形の内部空間を形成し、第1直管形成部36において内径が最も大きく形成されることが好ましい。第1近位側テーパー形成部35は第1直管形成部36の近位端に接続し、第1直管形成部36から離れるに従って内径が小さくなるように形成され、第1近位側テーパー形成部35における内壁面33が切頂円錐形の内部空間を形成することが好ましい。第1遠位側テーパー形成部37は第1直管形成部36の遠位端に接続し、第1直管形成部36から離れるに従って内径が小さくなるように形成され、第1遠位側テーパー形成部37における内壁面33が切頂円錐形の内部空間を形成することが好ましい。第1近位側スリーブ形成部34は第1近位側テーパー形成部35の近位端に接続し、第1近位側スリーブ形成部34における内壁面33が略円筒形の内部空間を形成することが好ましい。第1近位側スリーブ形成部34における内径は、第1近位側スリーブ形成部34と第1近位側テーパー形成部35との接続部における内径と実質同一であることが好ましい。第1遠位側スリーブ形成部38は第1遠位側テーパー形成部37の遠位端に接続し、第1遠位側スリーブ形成部38における内壁面33が略円筒形の内部空間を形成することが好ましい。第1遠位側スリーブ形成部38における内径は、第1遠位側スリーブ形成部38と第1遠位側テーパー形成部37との接続部における内径と実質同一であることが好ましい。
第1金型31は金属から構成されることが好ましい。第1金型31を構成する金属としては、鉄、銅、アルミニウム、およびこれらの合金(例えば、ステンレス、真鍮、ジュラルミン等)が挙げられる。第1金型31が金属から構成されていれば、第1成形工程において、第1金型31を外側から加熱することにより、第1金型31の内腔32に配置した樹脂管状体21Aを均一に加熱しやすくなり、樹脂管状体21Aを第1金型31の内腔32の形状に合わせて成形することが容易になる。第1金型31は、ヒーター、熱風、電磁誘導加熱等の公知の加熱手段により加熱すればよい。
第1金型31は複数のセグメントから構成されていることが好ましい。すなわち、複数の金型セグメントが組み合わさって第1金型31を形成することが好ましい。これにより、第1金型31の内腔32に樹脂管状体21Aを配置したり、また第1成形工程において樹脂管状体21Aを第1金型31内で膨張させて中間成形体41を形成した後、中間成形体41を第1金型31から取り出すことが容易になる。
第1金型31は、周方向に複数に分割されていてもよく、第1軸方向に複数に分割されていてもよい。すなわち、第1金型31は、周方向に複数の金型セグメントが配置されて形成されていてもよく、第1軸方向に複数の金型セグメントが配置されて形成されていてもよい。前者の場合、例えばハーフパイプ状の金型セグメントを周方向に複数配置して、第1金型31の第1軸方向の少なくとも一部を形成することができる。後者の場合、例えば図10に示すように、第1近位側スリーブ形成部34を与える金型セグメント31Aと、第1近位側テーパー形成部35を与える金型セグメント31Bと、第1直管形成部36を与える金型セグメント31Cと、第1遠位側テーパー形成部37を与える金型セグメント31Dと、第1遠位側スリーブ形成部38を与える金型セグメント31Eをこの順番で第1軸方向に並べて、第1金型31を形成することができる。このように第1金型31を構成することにより、各金型セグメントを取り替えることによって、第1成形工程において、様々な形状や大きさの中間成形体41を製造することができる。第1金型31は、周方向に複数の金型セグメントが配置され、かつ、第1軸方向に複数の金型セグメントが配置されて形成されてもよい。
第1金型31は、第1直管形成部36と第1近位側テーパー形成部35と第1遠位側テーパー形成部37と第1近位側スリーブ形成部34と第1遠位側スリーブ形成部38の内壁面33に第1凹部39を有し、第1直管形成部36の内壁面33は、第1凹部39において、径方向の外方に窪んで形成されている。第1凹部39は、第1成形工程において樹脂管状体21Aを膨張させた際に、樹脂管状体21Aの表面に設けられた突起23を第1凹部39に入り込ませるために設けられている。これにより、樹脂管状体21Aを第1金型31内で膨張させた際に、樹脂管状体21Aの表面に設けられた突起23が第1金型31の内壁面33によって潰されて変形することが抑えられ、後段の突起除去工程において、中間成形体51の突起23の一部を切除することが容易になる。
第1直管形成部36において、第1凹部39は、第1金型31の第1軸方向に延びる凹溝として設けられることが好ましい。これにより、第1成形工程において樹脂管状体21Aを膨張させた際に、突起23を第1凹部39に入り込ませることが容易になる。詳細には、第1成形工程において、樹脂管状体21Aの表面に設けられた突起23の位置と、第1金型31の第1直管形成部36に形成された第1凹部39の位置を、周方向に対して合わせ、その状態で樹脂管状体21Aを膨張させることにより、樹脂管状体21Aが長手方向に伸長しても、樹脂管状体21Aの表面に設けられた突起23を、第1金型31の第1凹部39に入り込ませることが容易になる。第1凹部39は、第1近位側スリーブ形成部34から第1遠位側スリーブ部形成部38にかけて、第1軸方向に連続的に延びるように設けられることが好ましい。
第1凹部39の断面形状は特に限定されないが、第1凹部39は径方向の外方に向かって幅が狭くなっている部分を有することが好ましい。そのような第1凹部39の断面形状として、V字形状やU字形状が挙げられる。第1凹部39が凹溝として形成される場合は、第1凹部39はV字溝やU字溝として形成される。図11および図12には、図10に示した第1金型31のXI-XI断面図の例を示したが、図11には断面U字形状の第1凹部39が設けられた例が示され、図12には断面V字形状の第1凹部39が設けられた例が示されている。このように第1凹部39が形成されることにより、外面に先鋭な突起部16を有するバルーン10を形成することが容易になる。
図11に示すように、第1凹部39は、第1凹部39の入口付近に、径方向の外方に向かって幅が変わらないか幅が広がる部分を有することが好ましい。例えば、第1凹部39は、第1凹部39の径方向の内方側1/2の領域の少なくとも一部に、径方向の外方に向かって幅が変わらないか幅が広がる部分を有することが好ましい。これにより、第1成形工程において樹脂管状体21Aに設けられた突起23を第1凹部39に入り込ませた際に突起23が第1凹部39に当たりにくくなり、突起23が変形したり割れたりすることを防ぐことができる。好ましくは、第1凹部39は、第1凹部39の径方向の内方側1/2の領域の少なくとも一部に、径方向の外方に向かって幅が変わらないか幅が広がる部分を有するとともに、径方向の外方に向かって幅が変わらないか幅が広がる部分が、第1凹部39の径方向の1/3以上の長さで形成される。
第1金型31の内壁面33において、第1凹部39は、周方向の異なる位置に複数設けられることが好ましい。この場合、第1凹部39は、第1金型31の内壁面33において、周方向に略等間隔に配置されることが好ましい。第1凹部39は、第1金型31の内壁面33において、周方向に対して2箇所以上の位置に設けられることが好ましく、3箇所以上がより好ましく、また8箇所以下が好ましく、6箇所以下がより好ましい。また第1直管形成部36の第1軸方向の垂直断面において、周方向に複数配置された第1凹部39の間隔(内壁面33に沿った離隔長さ)は、第1凹部39の周方向の最大長さよりも長いことが好ましい。図11および図12では、第1凹部39は、第1金型31の内壁面33において、周方向の3箇所に設けられており、これは樹脂管状体21Aの表面に樹脂管状体21Aの周方向に対して設けられた突起23の数に対応する。
第1凹部39の深さL3、すなわち第1金型31の内壁面33を基準とした第1凹部39の底部までの径方向の長さは、樹脂管状体21Aの表面に設けられた突起23の高さL1、すなわち樹脂管状体21Aの突起23の径方向の長さよりも、長いことが好ましい(図7、図11、図12を参照)。これにより、第1成形工程において樹脂管状体21Aに設けられた突起23を第1凹部39に入り込ませた際に、突起23の先端が第1凹部39の底部に当たることを防ぐことができる。また、突起23が第1凹部39の底部に当たって割れたりすることを防ぐことができる。その結果、外面に先鋭な突起部16を有するバルーン10を形成することが容易になる。第1凹部39の深さL3は、例えば、突起23の高さL1の1.1倍以上が好ましく、1.2倍以上がより好ましく、1.3倍以上がさらに好ましく、また3.0倍以下が好ましく、2.5倍以下がより好ましく、2.0倍以下がさらに好ましい。なお、第1凹部39の底部とは、第1凹部39のうち第1金型31の径方向の外方部分を意味する。
第1金型31の第1軸方向に垂直な断面における第1凹部39の入口の幅L4(周方向における長さ)は、樹脂管状体21Aの長手方向に垂直な断面における突起23の基部の幅L2と同じか、それよりも長いことが好ましい(図7、図11、図12を参照)。第1凹部39の入口の幅L4は、例えば、樹脂管状体21Aの突起23の基部の幅L2の1.0倍以上が好ましく、1.05倍以上がより好ましく、1.1倍以上がさらに好ましく、また2.0倍以下が好ましく、1.8倍以下がより好ましく、1.5倍以下がさらに好ましい。これにより、第1成形工程において樹脂管状体21Aに設けられた突起23を第1凹部39に入り込ませやすくなる。
第1成形工程では、図13に示すように、第1金型31の内腔32に樹脂管状体21Aを配置し、樹脂管状体21Aを膨張させることにより、バルーン形状を有し表面に突起23が設けられた中間成形体41を得る。中間成形体41は、長手方向の一方側から近位側スリーブ部42と近位側テーパー部43と直管部44と遠位側テーパー部45と遠位側スリーブ部46を有し、近位側テーパー部43と遠位側テーパー部45が直管部44から離れるに従って外径が小さくなるように形成されている。中間成形体41の長手方向は樹脂管状体21の長手方向に対応する。中間成形体41はまた、樹脂管状体21の径方向と周方向にそれぞれ対応した径方向と周方向を有する。
第1金型31の内腔32に樹脂管状体21Aを配置する際、樹脂管状体21Aは、樹脂管状体21Aの拡径部24を含む部分を第1金型31の内腔32に配置することが好ましい。これにより、樹脂管状体21Aを第1金型31Aの内腔32の形状に合わせて成形することが容易になる。具体的には、第1金型31の第1軸方向に対して、拡径部24すなわち第2区間26が、第1金型31の第1近位側テーパー形成部35から第1遠位側テーパー形成部37の範囲に配置されることが好ましく、第1金型31の第1直管形成部36のみに配置されることがより好ましい。樹脂管状体21Aの第1区間25は、第1金型31の第1軸方向に対して、第1近位側スリーブ形成部34と第1近位側テーパー形成部35に配置されることが好ましく、第1近位側スリーブ形成部34と第1近位側テーパー形成部35と第1直管形成部36に配置されることがより好ましい。樹脂管状体21Aの第3区間27は、第1金型31の第1軸方向に対して、第1遠位側スリーブ形成部38と第1遠位側テーパー形成部37に配置されることが好ましく、第1遠位側スリーブ形成部38と第1遠位側テーパー形成部37と第1直管形成部36に配置されることがより好ましい。また、樹脂管状体21Aの拡径部24の外径すなわち第2区間26の外径は、第1金型31の第1直管形成部36の内径よりも小さいことが好ましく、樹脂管状体21Aの第1区間25の外径は、第1金型31の第1近位側スリーブ形成部34と第1近位側テーパー形成部35の内径よりも小さいことが好ましく、樹脂管状体21Aの第3区間27の外径は、第1金型31の第1遠位側スリーブ形成部38と第1遠位側テーパー形成部37の内径よりも小さいことが好ましい。
樹脂管状体21Aの第1区間25の一部と第3区間27の一部は第1金型31の内腔32の外に配置され、第1区間25と第3区間27が第1金型31の外において固定具で保持されることが好ましい。これにより、図14に示すように、第1金型31の第1軸方向の垂直断面において、樹脂管状体21Aを第1金型31の内腔32の略中心に配置することができ、第1成形工程において樹脂管状体21Aを径方向に均一に膨らませることが容易になる。なお、図14には、図11に示した第1金型31の内腔32に樹脂管状体21Aが配置された例が示されている。
第1成形工程に供する樹脂管状体21Aの第1区間25から第3区間27までの長手方向の長さは、第1金型31の内腔32の第1軸方向の長さの1.1倍以上であることが好ましく、1.2倍以上がより好ましく、1.3倍以上がさらに好ましい。これにより、樹脂管状体21Aの第1区間25の一部と第3区間27の一部を、第1金型31の内腔32の外で保持することが容易になる。第1成形工程に供する樹脂管状体21Aの第1区間25から第3区間27までの長手方向の長さの上限は特に限定されないが、バルーン10を製造する際の樹脂使用量を減らす観点から、第1金型31の内腔32の第1軸方向の長さの10倍以下が好ましく、8倍以下がより好ましく、5倍以下がさらに好ましい。
樹脂管状体21Aを第1金型31の内腔32に配置した後、樹脂管状体21Aを膨張させて第1金型31の内壁面33に当接させ、第1直管形成部36に当接した直管部44と、第1近位側テーパー形成部35に当接した近位側テーパー部43と、第1近位側スリーブ形成部34に当接した近位側スリーブ部42と、第1遠位側テーパー形成部37に当接した遠位側テーパー部45と、第1遠位側スリーブ形成部38に当接した遠位側スリーブ部46とを有する中間成形体41(41A)を得る。この際、樹脂管状体21Aの表面に設けられた突起23を第1金型31の第1凹部39に入り込ませ、これにより、表面に突起23を有するバルーン形状に形成された中間成形体41Aが得られる。
第1成形工程では、樹脂管状体21Aを加熱し、樹脂管状体21Aの内腔に流体を導入することにより、樹脂管状体21Aを膨張させることが好ましい。樹脂管状体21Aを第1金型31の内腔32に配置した状態で第1金型31を加熱することで、樹脂管状体21Aを加熱することができる。
加熱は、樹脂管状体21Aを構成する樹脂のガラス転移温度以上とすることが好ましい。第1金型31が、第1軸方向に配置された複数の金型セグメントから形成される場合は、例えば樹脂管状体21Aの第2区間26が配置された金型セグメントをより高温で加熱してもよく、これにより樹脂管状体21Aの第2区間26を優先的に加熱し膨張させることができる。例えば図13に示した例では、樹脂管状体21Aの第2区間26が配置された金型セグメント31Cを金型セグメント31A、31B、31D、31Eよりも高温で加熱してもよく、あるいは、金型セグメント31B~31Dを金型セグメント31A、31Eよりも高温で加熱してもよい。
樹脂管状体21Aの内腔に導入する流体は、空気や窒素ガス等のガスであってもよく、水等の液体であってもよい。樹脂管状体21Aの内腔に流体を導入することにより、樹脂管状体21Aの内部が加圧され、樹脂管状体21Aを膨張させることができ、いわゆるブロー成形することができる。樹脂管状体21Aの内部の加圧は、例えば、樹脂管状体21Aの長手方向の一方側の端部を閉じ、他方側の端部から流体を導入することにより行ったり、樹脂管状体21Aの長手方向の両端部から流体を導入することにより行うことができる。
樹脂管状体21Aを第1金型31内で膨張させる際の樹脂管状体21Aの内腔の圧力は、ゲージ圧として、例えば1.0MPa以上が好ましく、1.5MPa以上がより好ましく、2.0MPa以上がさらに好ましく、また6.0MPa以下が好ましく、5.5MPa以下がより好ましい。
第1成形工程で樹脂管状体21Aを膨張させた際、樹脂管状体21Aの第2区間26は第1金型31の少なくとも第1近位側テーパー形成部35と第1直管形成部36と第1遠位側テーパー形成部37に当接することが好ましく、第2区間26はさらに第1近位側スリーブ形成部34および/または第1遠位側スリーブ形成部38に当接してもよい。樹脂管状体21Aを膨張させた際、第1近位側スリーブ形成部34には第1区間25が当接してもよく、第1遠位側スリーブ形成部38には第3区間27が当接してもよい。
第1成形工程では、樹脂管状体21Aの第2区間26を長手方向と径方向に膨張させることが好ましい。これにより、樹脂管状体21Aを第1金型31の内腔32の形状に合わせて成形することが容易になる。樹脂管状体21Aの第2区間26を長手方向に膨張させるために、第2区間26を加熱して長手方向に引っ張りながら、樹脂管状体21Aの内腔に流体を導入し、第2区間26を膨張させることが好ましい。第1成形工程では、第2区間26に加え第1区間25と第3区間27を長手方向と径方向に膨張させてもよい。
第1成形工程では、第1金型31内で第2区間26を長手方向に延伸した後、第2区間26を長手方向と径方向に膨張させてもよい。これにより、樹脂管状体21Aの第2区間26を第1金型31の第1近位側スリーブ形成部34と第1遠位側スリーブ形成部38に当接させることが容易になる。また、このようにして得られたバルーン10は、直管部13において、樹脂を構成する高分子の配向方向が、長手方向に向きやすいものとなる。すなわち、直管部13において、樹脂を構成する高分子の配向方向は長手方向の成分がより多いものとなる。この場合、バルーン10が破壊したときに、バルーン10は直管部13において周方向に沿って割れるよりも長手方向に沿って割れやすくなる。そのため、バルーン10を使用の際に仮に過加圧等によりバルーン10が破壊したとしても、バルーン10が安全に割れて、バルーン10の破断片が体腔の内壁を損傷することが起こりにくくなる。
第1成形工程では、第1金型31内で樹脂管状体21Aを膨張させることにより、樹脂管状体21Aの表面に設けられた突起23を第1金型31の第1凹部39に入り込ませる。これにより、表面に突起23を有するバルーン形状に形成された中間成形体41Aが得られる。中間成形体41Aは、近位側スリーブ部42と近位側テーパー部43と直管部44と遠位側テーパー部45と遠位側スリーブ部46のそれぞれの表面に突起23を有することが好ましい。
樹脂管状体21Aを膨張させて突起23を第1金型31の第1凹部39に入り込ませた際、図15に示すように、突起23は第1凹部39の底部に当たらないようにすることが好ましく、これにより、中間成形体41Aの突起23が意図せず歪んだり潰れたりすることが起こりにくくなる。そのため、外面に先鋭な突起23を有する中間成形体41Aを形成することが容易になる。なお、図15には、図11に示した第1金型31を用いてブロー成形して中間成形体41Aを形成した例が示されている。
第1成形工程の後、中間成形体41Aを第1金型31から外す工程(以下、「第1金型取り外し工程」と称する)を設けることが好ましい。第1金型取り外し工程では、中間成形体41Aを固定した状態で中間成形体41Aから第1金型31を外してもよく、第1金型31を固定した状態で第1金型31から中間成形体41Aを外してもよい。第1金型取り外し工程では、第1金型31の温度を、中間成形体41Aを構成する樹脂のガラス転移温度よりも下げた後に、中間成形体41Aを第1金型31から外すことが好ましい。
第1金型取り外し工程では、突起23が第1金型31の第1凹部39の底部に到達するより前に、中間成形体41Aを第1金型31から外すことが好ましい。これにより、ブロー成形後の中間成形体41Aの突起23が意図せず歪んだり潰れたりすることが起こりにくくなる。
上記のようにして得られた中間成形体41Aは、次いで突起除去工程にて、中間成形体41Aの突起23の一部を切除する。突起除去工程は、第1金型取り外し工程の後に行うことが好ましい。突起除去工程では、図16に示すように、中間成形体41Aの近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46に存在する突起23を切除する。近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46は略直管状に形成されているため、カッター等の切断手段を近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46の表面に当てることで、近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46に存在する突起23を容易に切除することができる。突起除去工程により、近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46に存在する突起23が除去された中間成形体41(41B)が得られる。
突起除去工程では、中間成形体41Aの近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46に存在する突起23の少なくとも一部を切除すればよい。好ましくは、近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46に存在する突起23のうち、後段の第2成形工程において第2金型51内に配置される突起23の全部を切除する。一方、直管部44に存在する突起23は突起除去工程において切除されないことが好ましい。近位側テーパー部43と遠位側テーパー部45に存在する突起23も突起除去工程において切除されないことが好ましいが、突起除去工程において、近位側テーパー部43のうち近位側スリーブ部42の近く(例えば、近位側テーパー部43の近位側1/3の範囲)に存在する突起23が切除されることは許容され、遠位側テーパー部46のうち遠位側スリーブ部47の近く(例えば、遠位側テーパー部46の遠位側1/3の範囲)に存在する突起23が切除されることは許容される。
突起除去工程では、カッター、レーザー光、熱線等の公知の切断手段により突起23を切除すればよい。近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46において、カッター等の切断手段を中間成形体41Aに当て、切断手段を中間成形体41Aに対して長手方向に移動させることにより、中間成形体41Aの表面に設けられた突起23を容易に切除することができる。突起除去工程では、中間成形体41Aの位置を固定し、カッター等の切断手段を中間成形体41Aの長手方向に移動させることにより、突起23を切除してもよく、カッター等の切断手段を固定して設置し、中間成形体41Aを長手方向に移動させることにより、突起23を切除してもよい。また、中間成形体41Aを長手方向の一方向に移動させながら、カッター等の切断手段を中間成形体41Aの長手方向の他方向に移動させることにより、突起23を切除してもよい。
突起除去工程では、突起23の高さ方向(すなわち中間成形体41Aの径方向)の全部を切除してもよく、突起23の高さ方向の一部のみを切除してもよい。なお、突起23は、高さ方向の1/3以上が切除されることが好ましく、1/2以上が切除されることがより好ましく、2/3以上が切除されることがさらに好ましい。これにより、後段の第2成形工程において、高さ方向の一部が切除された突起23が第2金型51の内壁面53に押し当てられた際、当該突起23が押し潰されて、近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46に由来する部分の表面を平滑に形成することが容易になる。なおこの場合、近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46に由来する部分に直管部13の突起部16よりも高さが低い平滑な突起部が形成されるとともに、長手方向や周方向に対して同じ位置に内側突起部が形成されてもよい。
突起除去工程で突起23の一部が切除された中間成形体41Bは、図17に示すように、直管部44における突起23の高さL5が基部の幅L6の0.3倍以上であることが好ましく、0.5倍以上がより好ましく、0.7倍以上がさらに好ましく、また3.0倍以下が好ましく、2.5倍以下がより好ましく、2.0倍以下がさらに好ましい。これにより、第2成形工程において突起23を有するバルーン成形体61を成形することが容易になるとともに、突起23を先鋭なものとすることが容易になる。
突起除去工程で近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46の突起23を切除した中間成形体41Bは、次いで、第2金型準備工程にて、バルーン形状を有する内腔52を有する第2金型51を準備し、第2成形工程にて、第2金型51用いて中間成形体41Bをブロー成形し、バルーン成形体61を得る。
第2金型準備工程では、第2成形工程において中間成形体41Bをバルーン10に合わせたバルーン形状に最終的に成形するための第2金型51を準備する(図18を参照)。第2金型51は、軸方向に延びるバルーン形状の内腔52を有しており、内腔52を形成する内壁面53に凹部59が形成されている。第2金型51は、軸方向の一方側を近位側と称し、他方側を遠位側と称する。第2金型51の軸方向は中間成形体41Bの長手方向に対応する。第2金型51はまた、中間成形体41Bの径方向と周方向にそれぞれ対応した径方向と周方向を有する。以下、第2金型51の軸方向を「第2軸方向」と称する。
第2金型51は第2軸方向に延びる内腔52を有し、内腔52を形成する内壁面53が、第2直管形成部56と、第2直管形成部56の近位側に位置し、第2直管形成部56から離れるに従って内径が小さくなる第2近位側テーパー形成部55と、第2近位側テーパー形成部55の近位側に位置する第2近位側スリーブ形成部54と、第2直管形成部56の遠位側に位置し、第2直管形成部56から離れるに従って内径が小さくなる第2遠位側テーパー形成部57と、第2遠位側テーパー形成部57の遠位側に位置する第2遠位側スリーブ形成部58とを有し、第2直管形成部56の内壁面53に凹部59が形成されている。以下、第2金型51の内壁面53に形成された凹部を「第2凹部」と称する。
第2金型51の構成材料や、第2直管形成部56と第2近位側テーパー形成部55と第2遠位側テーパー形成部57と第2近位側スリーブ形成部54と第2遠位側スリーブ形成部58の形状の詳細は、上記の第1金型31の説明が参照される。第2金型51は複数の金型セグメントから形成されていてもよく、図18に示すように、第2近位側スリーブ形成部54を与える金型セグメント51Aと、第2近位側テーパー形成部55を与える金型セグメント51Bと、第2直管形成部56を与える金型セグメント51Cと、第2遠位側テーパー形成部57を与える金型セグメント51Dと、第2遠位側スリーブ形成部58を与える金型セグメント51Eから形成されていてもよい。第2金型51の金型セグメントの詳細は、上記の第1金型31の説明が参照される。第1金型31の説明の参照において、「第1」を「第2」と読み替えることにより、第2金型51の説明とされる。
第2金型51は、第2直管形成部56の第2軸方向の長さが、第1金型31の第1直管形成部36の第1軸方向の長さよりも長く形成され、第2直管形成部56の内径が、第1金型31の第1直管形成部56の内径よりも大きく形成されている。このように第2金型51が形成されていることにより、中間成形体41Bを第2金型51の内腔52に配置することができる。第2金型51は、第2近位側テーパー形成部55から第2遠位側テーパー形成部57までの第2軸方向の長さが、第1金型31の第1近位側テーパー形成部35から第1遠位側テーパー形成部37までの第1軸方向の長さよりも長く形成されていることが好ましい。また、第2金型51は、第2近位側スリーブ形成部54の内径が、第1金型31の第1近位側スリーブ形成部34の内径よりも大きく形成されていることが好ましく、第2遠位側スリーブ形成部58の内径が、第1金型31の第1遠位側スリーブ形成部38の内径よりも大きく形成されていることが好ましい。
第2金型51は、第2直管形成部56の内壁面53に第2凹部59を有する。第2直管形成部56の内壁面53は、第2凹部59において、径方向の外方に窪んで形成されている。第2凹部59は、第2成形工程において中間成形体41Bを膨張させた際に、中間成形体41Bの表面に設けられた突起23を第2凹部59に入り込ませるために設けられている。これにより、中間成形体41Bを第2金型51内で膨張させた際に、中間成形体41Bの表面に設けられた突起23が第2金型51の内壁面53によって潰されず、直管部13の外面に突起部16を有するバルーン10を形成することができる。
第2直管形成部56において、第2凹部59は、第2金型51の第2軸方向に延びる凹溝として設けられることが好ましい。これにより、第2成形工程において中間成形体41Bを膨張させた際に、突起23を第2凹部59に入り込ませることが容易になる。詳細には、第2成形工程において、中間成形体41Bの表面に設けられた突起23の位置と、第2金型51の第2直管形成部56に形成された第2凹部59の位置を、周方向に対して合わせ、その状態で中間成形体41Bを膨張させることにより、中間成形体41Bの表面に設けられた突起23を、第2金型51の第2凹部59に入り込ませることが容易になる。第2凹部59が第2軸方向に延びる凹溝として設けられる場合、第2凹部59(凹溝)の第2軸方向の長さは、第2直管形成部56の第2軸方向の長さの1/2以上となることが好ましく、2/3以上がより好ましく、3/4以上がさらに好ましい。第2凹部59(凹溝)は、第2直管形成部56の第2軸方向の全体にわたって延びるように設けられることが特に好ましい。
第2金型51には、第2テーパー形成部55および/または第2テーパー形成部57にも第2凹部59が設けられてもよいが、第2テーパー形成部55の内壁面53と第2テーパー形成部57の内壁面53には第2凹部59が設けられないことが好ましい。これにより、得られるバルーン10の近位側テーパー部12と遠位側テーパー部14の表面を平滑に形成することが容易になる。また、第2スリーブ形成部54の内壁面53と第2スリーブ形成部58の内壁面53には第2凹部59が設けられないことが好ましい。
第2凹部59の断面形状は特に限定されないが、第2凹部59は径方向の外方に向かって幅が狭くなっている部分を有することが好ましい。そのような第2凹部59の断面形状として、V字形状やU字形状が挙げられる。第2凹部59が凹溝として形成される場合は、第2凹部59はV字溝やU字溝として形成される。図19には、図18に示した第2金型51のXIX-XIX断面図の例を示したが、断面U字形状の第2凹部59が設けられた例が示されている。このように第2凹部59が形成されることにより、外面に先鋭な突起部16を有するバルーン10を形成することが容易になる。第2凹部59の断面形状の詳細は、上記の第1金型31の第1凹部39の説明が参照される。
第2金型51の内壁面53において、第2凹部59は、周方向の異なる位置に複数設けられることが好ましい。この場合、第2凹部59は、第2金型51の内壁面53において、周方向に略等間隔に配置されることが好ましい。第2凹部59は、第2金型51の内壁面53において、周方向に対して2箇所以上の位置に設けられることが好ましく、3箇所以上がより好ましく、また8箇所以下が好ましく、6箇所以下がより好ましい。また第2直管形成部56の第2軸方向の垂直断面において、周方向に複数配置された第2凹部59の間隔(内壁面53に沿った離隔長さ)は、第2凹部59の周方向の最大長さよりも長いことが好ましい。図19では、第2凹部59は、金型51の内壁面53において、周方向の3箇所に設けられており、これは中間成形体41Bの表面に中間成形体41Bの周方向に対して設けられた突起23の数に対応する。
第2凹部59の深さL7、すなわち第2金型51の内壁面53を基準とした第2凹部59の底部までの径方向の長さは、中間成形体41Bの表面に設けられた突起23の高さL5、すなわち中間成形体41Bの突起23の径方向の長さよりも、長いことが好ましい(図17および図19を参照)。これにより、第2成形工程において中間成形体41Bに設けられた突起23を第2凹部59に入り込ませた際に、突起23の先端が第2凹部59の底部に当たることを防ぐことができる。また、突起23が第2凹部59の底部に当たって割れたりすることを防ぐことができる。その結果、外面に先鋭な突起部16を有するバルーン10を形成することが容易になる。第2凹部59の深さL7は、例えば、中間成形体41Bの表面に設けられた突起23の高さL5の1.1倍以上が好ましく、1.2倍以上がより好ましく、1.3倍以上がさらに好ましく、また3.0倍以下が好ましく、2.5倍以下がより好ましく、2.0倍以下がさらに好ましい。なお、第2凹部59の底部とは、第2凹部59のうち第2金型51の径方向の外方部分を意味する。
第2金型51の第2軸方向に垂直な断面における第2凹部59の入口の幅L8(周方向における長さ)は、中間成形体41Bの長手方向に垂直な断面における突起23の基部の幅L6と同じか、それよりも長いことが好ましい(図17および図19を参照)。第2凹部59の入口の幅L8は、例えば、中間成形体41Bの突起23の基部の幅L6の1.0倍以上が好ましく、1.05倍以上がより好ましく、1.1倍以上がさらに好ましく、また2.0倍以下が好ましく、1.8倍以下がより好ましく、1.5倍以下がさらに好ましい。これにより、第2成形工程において中間成形体41Bに設けられた突起23を第2凹部59に入り込ませやすくなる。
第2成形工程では、図20に示すように、突起除去工程で得られた突起23の一部が切除された中間成形体41Bを第2金型51の内腔52に配置し、中間成形体41Bを膨張させることにより、表面に突起23が設けられたバルーン成形体61を得る。バルーン成形体61はバルーン10に対応した形状を有し、バルーン10の近位側スリーブ部11と近位側テーパー部12と直管部13と遠位側テーパー部14と遠位側スリーブ部15にそれぞれ対応した近位側スリーブ部62と近位側テーパー部63と直管部64と遠位側テーパー部65と遠位側スリーブ部66を有する。バルーン成形体61は、中間成形体41Bの長手方向に対応した長手方向を有し、また中間成形体41Bの径方向と周方向にそれぞれ対応した径方向と周方向を有する。
第2金型51の内腔52に中間成形体41Bを配置する際、中間成形体41Bは、近位側スリーブ部42と近位側テーパー部43と直管部44と遠位側テーパー部45と遠位側スリーブ部46を第2金型51の内腔52に配置することが好ましい。詳細には、中間成形体41Bの直管部44は、第2金型51の第2軸方向に対して、第2金型51の第2直管形成部56のみに配置されることが好ましい。中間成形体41Bの近位側テーパー部43と直管部44と遠位側テーパー部45は、第2金型51の第2軸方向に対して、第2金型51の第2近位側テーパー形成部55から第2遠位側テーパー形成部57の範囲に配置されることが好ましく、第2金型51の第2直管形成部56のみに配置されることがより好ましい。これにより、中間成形体41Bを第2金型51の内腔52の形状に合わせて成形することが容易になる。また、中間成形体41Bの直管部44の外径は、第2金型51の第2直管形成部56の内径よりも小さいことが好ましい。中間成形体41Bの近位側テーパー部43と直管部44と遠位側テーパー部45の外径も、第2金型51の第2直管形成部56の内径よりも小さいことが好ましい。
中間成形体41Bの近位側テーパー部43の近位端から遠位側テーパー部45の遠位端までの長さは、第2金型51の第2近位側テーパー形成部55の近位端と遠位端の中間点から第2遠位側テーパー形成部57の近位端と遠位端と中間点までの長さよりも短いことが好ましい。これにより、中間成形体41Bを第2金型51の内腔52の形状に合わせて成形することが容易になる。より好ましくは、中間成形体41Bの近位側テーパー部43の近位端から遠位側テーパー部45の遠位端までの長さは、第2金型51の第2直管形成部56の第2軸方向の長さよりも短い。
中間成形体41Bの近位側スリーブ部42は、第2金型51の第2軸方向に対して、第2近位側スリーブ形成部54と第2近位側テーパー形成部55に配置されることが好ましく、さらに第2直管形成部56に配置されてもよい。中間成形体41Bの遠位側スリーブ部46は、第2金型51の第2軸方向に対して、第2遠位側スリーブ形成部58と第2遠位側テーパー形成部57に配置されることが好ましく、さらに第2直管形成部56に配置されてもよい。また、中間成形体41Bの近位側スリーブ部42の外径は、第2金型51の第2近位側スリーブ形成部54と第2近位側テーパー形成部55の内径よりも小さいことが好ましく、中間成形体41Bの遠位側スリーブ部46の外径は、第2金型51の第2遠位側スリーブ形成部58と第2遠位側テーパー形成部57の内径よりも小さいことが好ましい。
中間成形体41Bの近位側スリーブ部42の一部と遠位側スリーブ部46の一部は第2金型51の内腔52の外に配置され、近位側スリーブ部42と遠位側スリーブ部46が第2金型51の外において固定具で保持されることが好ましい。これにより、第2金型51の第2軸方向の垂直断面において、中間成形体41Bを第2金型51の内腔52の略中心に配置することができ、第2成形工程において中間成形体41Bを径方向に均一に膨らませることが容易になる。
第2成形工程に供する中間成形体41Bの近位側スリーブ部42から遠位側スリーブ部46までの長手方向の長さは、第2金型51の内腔52の第2軸方向の長さの1.1倍以上であることが好ましく、1.2倍以上がより好ましく、1.3倍以上がさらに好ましい。これにより、中間成形体41Bの近位側スリーブ部42の一部と遠位側スリーブ部46の一部を、第2金型51の内腔52の外で保持することが容易になる。第2成形工程に供する中間成形体41Bの近位側スリーブ部42から遠位側スリーブ部46までの長手方向の長さの上限は特に限定されないが、バルーン10を製造する際の樹脂使用量を減らす観点から、第2金型51の内腔52の第2軸方向の長さの10倍以下が好ましく、8倍以下がより好ましく、5倍以下がさらに好ましい。
第2成形工程では、中間成形体41Bを第2金型51の内腔32に配置した後、中間成形体41Bを膨張させて第2金型51の内壁面53に当接させるとともに、中間成形体41Bに設けられた突起23を第2金型41の第2凹部59に入り込ませる。具体的には、中間成形体41Bを膨張させることにより、第2直管形成部56に当接した直管部64と、第2近位側テーパー形成部55に当接した近位側テーパー部63と、第2近位側スリーブ形成部54に当接した近位側スリーブ部62と、第2遠位側テーパー形成部57に当接した遠位側テーパー部65と、第2遠位側スリーブ形成部58に当接した遠位側スリーブ部66とを有するバルーン成形体61が得られ、この際、中間成形体41Bの表面に設けられた突起23を第2金型51の第2凹部59に入り込ませ、これにより、表面に突起23を有するバルーン形状に形成されたバルーン成形体61が得られる。
第2成形工程では、中間成形体41Bを加熱し、中間成形体41Bの内腔に流体を導入することにより、中間成形体41Bを膨張させることが好ましい。中間成形体41Bを第2金型51の内腔52に配置した状態で第2金型51を加熱することで、中間成形体41Bを加熱することができる。第2成形工程における中間成形体41Bの加熱および内部に導入する流体や加圧の説明は、上記の第1成形工程におけるこれらの説明が参照される。
第2成形工程で中間成形体41Bを膨張させた際、中間成形体41Bの直管部44は第2金型51の第2直管形成部56に当接させることが好ましく、中間成形体41Bの近位側テーパー部43と遠位側テーパー部45も第2直管形成部56に当接させることが好ましい。
中間成形体41Bの近位側テーパー部43は第2金型51の第2近位側テーパー形成部55にも当接してもよいが、第2近位側スリーブ形成部54には当接しないことが好ましい。近位側テーパー部43が第2近位側テーパー形成部55に当接する場合は、第2近位側テーパー形成部55のうち遠位側1/2の範囲のみに当接することが好ましく、遠位側1/3の範囲のみがより好ましく、遠位側1/4の範囲のみがさらに好ましい。近位側テーパー部43は、第2近位側テーパー形成部55に当接せず、第2直管形成部56のみに当接することが特に好ましい。これにより、バルーン成形体61の近位側テーパー部63の表面を平滑に形成しやすくなる。
中間成形体41Bの遠位側テーパー部45は第2金型51の第2遠位側テーパー形成部57にも当接してもよいが、第2遠位側スリーブ形成部58には当接しないことが好ましい。遠位側テーパー部45が第2遠位側テーパー形成部57に当接する場合は、第2遠位側テーパー形成部57のうち近位側1/2の範囲のみに当接することが好ましく、近位側1/3の範囲のみがより好ましく、近位側1/4の範囲のみがさらに好ましい。遠位側テーパー部45は、第2遠位側テーパー形成部57に当接せず、第2直管形成部56のみに当接することが特に好ましい。これにより、バルーン成形体61の遠位側テーパー部65の表面を平滑に形成しやすくなる。
第2成形工程で中間成形体41Bを膨張させた際、中間成形体41Bの近位側スリーブ部42は第2金型51の第2近位側スリーブ形成部54に当接することが好ましく、第2近位側テーパー形成部55にも当接することが好ましい。中間成形体41Bの近位側スリーブ部42は第2金型51の第2直管形成部56にも当接してもよい。
第2成形工程で中間成形体41Bを膨張させた際、中間成形体41Bの遠位側スリーブ部46は第2金型51の第2遠位側スリーブ形成部58に当接することが好ましく、第2遠位側テーパー形成部57にも当接することが好ましい。中間成形体41Bの遠位側スリーブ部46は第2金型51の第2直管形成部56にも当接してもよい。
第2成形工程では、中間成形体41Bを少なくとも径方向に膨張させる。中間成形体41Bは長手方向にも膨張させてもよいが、第2成形工程では、中間成形体41Bを長手方向に引っ張らずに樹脂管状体41Bを膨張させることが好ましい。これにより、中間成形体41Bを第2金型51内で膨張させた際に、中間成形体41Bの近位側テーパー部43と直管部44と遠位側テーパー部45に存在する突起23を、第2金型51の第2直管形成部56に形成された第2凹部59に入り込ませることが容易になる。
第2成形工程では、上記のように中間成形体41Bを第2金型51内で膨張させることにより、表面に突起23を有するバルーン成形体61が得られる。バルーン成形体61Aは、直管部64の表面に突起23を有し、近位側スリーブ部42と近位側テーパー部43と遠位側テーパー部45と遠位側スリーブ部46には突起23を有しないことが好ましい。
中間成形体41Bを膨張させて突起23を第2金型51の第2凹部59に入り込ませた際、図21に示すように、突起23は第2凹部59の底部に当たらないようにすることが好ましく、これにより、中間成形体41Aの突起23が意図せず歪んだり潰れたりすることが起こりにくくなる。そのため、外面に先鋭な突起23を有するバルーン成形体61を形成することが容易になる。このように中間成形体41Bを膨張させた際に突起23が第2凹部59の底部に当たらないようにするために、第2成形工程において、中間成形体41Bを第2金型51内で膨張させる際の中間成形体41Bの内腔の圧力は、第1成形工程において、樹脂管状体21Aを第1金型31内で膨張させる際の樹脂管状体21Aの内腔の圧力よりも小さくすることが好ましい。なお、図21には、図19に示した第2金型51を用いてブロー成形してバルーン成形体61を形成した例が示されている。
第2成形工程の後、バルーン成形体61を第2金型51から外す工程(以下、「第2金型取り外し工程」と称する)を設けることが好ましい。第2金型取り外し工程では、バルーン成形体61を固定した状態でバルーン成形体61から第2金型51を外してもよく、第2金型51を固定した状態で第2金型51からバルーン成形体61を外してもよい。第2金型取り外し工程では、第2金型51の温度を、中間成形体41を構成する樹脂のガラス転移温度よりも下げた後に、バルーン成形体61を第2金型51から外すことが好ましい。
第2金型取り外し工程では、突起23が第2金型51の第2凹部59の底部に到達するより前に、バルーン成形体61を第2金型51から外すことが好ましい。これにより、バルーン成形体61の突起23が意図せず歪んだり潰れたりすることが起こりにくくなる。そのため、得られるバルーン10は直管部の外面に先鋭な突起部16を有するものとなり、血管形成術においてバルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に食い込んで、狭窄部に亀裂を入れたりすることが容易になる。
第2金型取り外し工程の後、バルーン成形体61を、近位側スリーブ部62と遠位側スリーブ部66で切断する切断工程を設けることが好ましい(図5(D)~(E)を参照)。これにより、表面に突起部16を有するバルーン10を得ることができる。バルーン成形体61は、バルーン成形体61の長手方向に対して略垂直に切断することが好ましい。バルーン成形体61の切断は、カッター等の公知の切断手段により行えばよい。
本発明の製造方法では、切断工程で得られたバルーン10をシャフト2の遠位部に取り付けることにより、バルーンカテーテル1を製造することができる。従って、本発明の製造方法は、切断工程で得られたバルーン10をシャフト2の遠位部に取り付ける工程を有することが好ましい。
本発明の製造方法は、突起表面研磨工程、突起表面粗化工程、突起先鋭化工程の1つまたは複数をさらに有していてもよい。これらの工程はいずれのタイミングで行ってもよいが、第2金型取り外し工程の後に行うことが好ましい。
突起表面研磨工程では、突起23の表面を研磨機等により研磨する。これにより、得られるバルーン10の突起部16の表面を滑らかにすることができ、バルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に切れ込みを入れやすくなる。
突起表面粗化工程では、突起23の表面をヤスリ等で粗化する。これにより、得られるバルーン10の突起部16の表面の抵抗摩擦力を高めることができ、バルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に突起部16が滑らずに食い込みやすくなる。
突起先鋭化工程では、突起23の先端をカッターやレーザー光等の切削手段で削って鋭利にする。これにより、得られるバルーン10の突起部16の先端を鋭利に形成することができ、バルーン10を拡張させた際に、石灰化した狭窄部に切れ込みを入れやすくなる。
本発明の製造方法は、突起分割工程をさらに有していてもよい。突起分割工程では、凸条として設けられた突起23に切れ込みを入れて複数に分割する。切れ込みの深さは、突起23の高さよりも浅ければよい。これにより、複数の点状の突起部16が並んで設けられたバルーン10を形成することができる。
1:バルーンカテーテル
2:シャフト
5:ハブ
10:バルーン
11:(バルーンの)近位側スリーブ部
12:(バルーンの)近位側テーパー部
13:(バルーンの)直管部
14:(バルーンの)遠位側テーパー部
15:(バルーンの)遠位側スリーブ部
16:突起部
21、21A、21P:樹脂管状体
22:円筒部分
23:突起
24:拡径部
25:第1区間
26:第2区間
27:第3区間
31:第1金型
32:(第1金型の)内腔
33:(第1金型の)内壁面
34:第1近位側スリーブ形成部
35:第1近位側テーパー形成部
36:第1直管形成部
37:第1遠位側テーパー形成部
38:第1遠位側スリーブ形成部
39:(第1金型の)凹部、第1凹部
41、41A、41B:中間成形体
42:(中間成形体の)近位側スリーブ部
43:(中間成形体の)近位側テーパー部
44:(中間成形体の)直管部
45:(中間成形体の)遠位側テーパー部
46:(中間成形体の)遠位側スリーブ部
51:第2金型
52:(第2金型の)内腔
53:(第2金型の)内壁面
54:第2近位側スリーブ形成部
55:第2近位側テーパー形成部
56:第2直管形成部
57:第2遠位側テーパー形成部
58:第2遠位側スリーブ形成部
59:(第2金型の)凹部、第2凹部
61:バルーン成形体
62:(バルーン成形体の)近位側スリーブ部
63:(バルーン成形体の)近位側テーパー部
64:(バルーン成形体の)直管部
65:(バルーン成形体の)遠位側テーパー部
66:(バルーン成形体の)遠位側スリーブ部

Claims (7)

  1. 長手方向と径方向を有し、表面に突起を有する樹脂管状体を準備する工程と、
    近位側から遠位側へ第1軸方向に延びる内腔を有する第1金型であって、前記内腔を形成する内壁面が、第1直管形成部と、前記第1直管形成部の近位側に位置し、前記第1直管形成部から離れるに従って内径が小さくなる第1近位側テーパー形成部と、前記第1近位側テーパー形成部の近位側に位置する第1近位側スリーブ形成部と、前記第1直管形成部の遠位側に位置し、前記第1直管形成部から離れるに従って内径が小さくなる第1遠位側テーパー形成部と、前記第1遠位側テーパー形成部の遠位側に位置する第1遠位側スリーブ形成部とを有し、前記第1直管形成部と前記第1近位側テーパー形成部と前記第1遠位側テーパー形成部と前記第1近位側スリーブ形成部と前記第1遠位側スリーブ形成部の内壁面に凹部が形成されている第1金型を準備する工程と、
    前記第1金型の内腔に前記樹脂管状体を配置し、前記樹脂管状体を膨張させて前記第1金型の内壁面に当接させるとともに、前記突起を前記凹部に入り込ませ、前記第1直管形成部に当接した直管部と、前記第1近位側テーパー形成部に当接した近位側テーパー部と、前記第1近位側スリーブ形成部に当接した近位側スリーブ部と、前記第1遠位側テーパー形成部に当接した遠位側テーパー部と、前記第1遠位側スリーブ形成部に当接した遠位側スリーブ部とを有する中間成形体であって、表面に前記突起を有する中間成形体を得る第1成形工程と、
    前記中間成形体の前記近位側スリーブ部と前記遠位側スリーブ部に存在する前記突起を切除する突起除去工程と、
    近位側から遠位側へ第2軸方向に延びる内腔を有する第2金型であって、前記内腔を形成する内壁面が、第2直管形成部と、前記第2直管形成部の近位側に位置し、前記第2直管形成部から離れるに従って内径が小さくなる第2近位側テーパー形成部と、前記第2近位側テーパー形成部の近位側に位置する第2近位側スリーブ形成部と、前記第2直管形成部の遠位側に位置し、前記第2直管形成部から離れるに従って内径が小さくなる第2遠位側テーパー形成部と、前記第2遠位側テーパー形成部の遠位側に位置する第2遠位側スリーブ形成部とを有し、前記第2直管形成部の前記第2軸方向の長さが前記第1直管形成部の前記第1軸方向の長さよりも長く形成され、前記第2直管形成部の内径が前記第1直管形成部の内径よりも大きく形成され、前記第2直管形成部の内壁面に凹部が形成されている第2金型を準備する工程と、
    前記突起除去工程で得られた前記突起の一部が切除された前記中間成形体を前記第2金型の内腔に配置し、前記中間成形体を膨張させて前記第2金型の内壁面に当接させるとともに、前記突起を前記凹部に入り込ませる第2成形工程と
    を有するバルーンカテーテルの製造方法。
  2. 前記第1成形工程において、前記樹脂管状体を長手方向に引っ張りながら前記樹脂管状体を膨張させる請求項1に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
  3. 前記第2成形工程において、前記中間成形体を長手方向に引っ張らずに前記樹脂管状体を膨張させる請求項1に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
  4. 前記中間成形体の近位側テーパー部の近位端から遠位側テーパー部の遠位端までの長さが、前記第2金型の第2近位側テーパー形成部の近位端と遠位端の中間点から第2遠位側テーパー形成部の近位端と遠位端と中間点までの長さよりも短い請求項1に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
  5. 前記中間成形体の近位側テーパー部の近位端から遠位側テーパー部の遠位端までの長さが、前記第2金型の第2直管形成部の第2軸方向の長さよりも短い請求項1に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
  6. 前記樹脂管状体は長手方向の一部に拡径部を有し、前記第1成形工程において、前記樹脂管状体の前記拡径部を含む部分を前記第1金型の内腔に配置する請求項1に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
  7. 前記樹脂管状体を準備する工程は、
    長手方向の一方側から第1区間と第2区間と第3区間を有し、表面に突起を有する直管状の樹脂管状体を準備する工程と、
    前記直管状の樹脂管状体を加熱して前記第1区間と前記第3区間を長手方向に延伸し、前記第2区間に拡径部を有する樹脂管状体を得る工程
    を含む請求項1に記載のバルーンカテーテルの製造方法。
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