JP7841919B2 - 位相変調器 - Google Patents

位相変調器

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Description

本明細書が開示する技術は、光フェーズドアレイ(Optical Phased Array:OPA)に用いられる位相変調器に関する。
特許文献1~3には、光フェーズドアレイに用いられる位相変調器の一例が開示されている。この種の位相変調器は、光導波路を含む半導体基板と、半導体基板に接している電極と、を備えている。電極は、半導体基板に接している第1電極と、前記半導体基板に接しているとともに前記第1電極から離れて配置されている第2電極と、を有している。光導波路は、第1電極と第2電極の間に電圧が印加されたときに、その屈折率又は光吸収率が変化するように構成されている。屈折率又は光吸収率が変化すると、光導波路を伝搬する伝搬光の位相が変化する。
光フェーズドアレイは、このような位相変調器を利用して相互に位相差を有する複数の伝搬光を生成し、その複数の伝搬光の各々を対応する送信アンテナから出射するように構成されている。送信アンテナから出射される複数の伝搬光は、特定の偏向角度を有する光ビームとなる。光ビームの偏向角度は、複数の伝搬光の位相差に依存する。このため、位相変調器を備えた光フェーズドアレイは、半導体基板に印加する電圧を制御することによって出射する光ビームを走査することができる。このように、位相変調器を備えた光フェーズドアレイは、例えば機械的なミラー構造を用いてなくても光ビームの偏向角度を変えることができるという特徴を有している。このような光フェーズドアレイは、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging)装置に搭載され得る。
米国特許公開第2021/0026216号 特開2021-103147号公報 特開2020-166061号公報
送信アンテナから出射される光ビームのスキャン角を広角化するためには、隣り合う光導波路のピッチ間距離を小さくしなければならない。しかしながら、本発明者らの検討によると、隣り合う光導波路のピッチ間距離を小さくすると、光導波路を伝搬する伝搬光の一部が電極で吸収され、光損失が大きくなるという問題が顕在化してくることが分かってきた。本明細書は、位相変調器において、伝搬光が電極で吸収されるのを抑える技術を提供する。
本明細書が開示する位相変調器は、光導波路を含む半導体基板と、前記半導体基板に接している電極と、を備えることができる。前記電極は、前記半導体基板に接している第1電極と、前記半導体基板に接しているとともに、前記第1電極から離れて配置されている第2電極と、を有していてもよい。前記光導波路は、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧が印加されたときに、その屈折率が変化するように構成されていてもよく、光吸収率が変化するように構成されていてもよい。いずれの場合も、前記光導波路は、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧が印加されたときに、伝搬する伝搬光の位相が変化するように構成されている。前記電極の少なくとも一部は、透明電極を含む。前記透明電極は、前記第1電極と前記第2電極の少なくともいずれか一方に設けられている。前記透明電極は、前記第1電極と前記第2電極の各々に設けられていてもよい。この位相変調器によると、前記電極の少なくとも一部が前記透明電極を含むので、伝搬光が前記電極で吸収されるのを抑えることができる。
前記透明電極が前記半導体基板に接していてもよい。前記半導体基板に接する前記電極の部分は、前記光導波路の近くに位置することとなり、前記光導波路を伝搬する伝搬光の分布の範囲内に存在し得る。この位相変調器では、前記半導体基板に接する位置に前記透明電極を設けることにより、伝搬光が前記電極で吸収されるのを抑えることができる。
前記透明電極は、低濃度透明電極と、前記低濃度透明電極に接しており、前記低濃度透明電極よりもキャリア濃度が高い高濃度透明電極と、を有していてもよい。前記高濃度透明電極が、前記半導体基板に接している。この位相変調器によると、伝搬光の吸収の抑制とコンタクト抵抗の増加の抑制を両立することができる。
前記半導体基板は、前記第1電極に接する第1導電型の第1半導体領域と、前記第2電極に接する第2導電型の第2半導体領域と、を有していてもよい。前記光導波路は、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域の間に配置されていてもよい。
前記電極は、前記透明電極を介して前記半導体基板に電気的に接続されている配線電極を含んでいてもよい。前記配線電極は、第1配線電極と、前記第1配線電極と前記透明電極の間に配置されており、前記第1配線電極と前記透明電極の各々に接している第2配線電極と、を有していてもよい。前記第2配線電極の仕事関数は、前記透明電極の仕事関数以上であり、前記第1配線電極の仕事関数よりも小さくてもよい。前記第1配線電極と前記透明電極の間に前記第2配線電極を介在させることにより、前記第1配線電極と前記透明電極の間の接触抵抗を低下させることができる。
前記光導波路は、前記半導体基板の一方の主面から突出する凸部を含んでいてもよい。前記半導体基板の主面に平行な面内において、前記透明電極は、前記凸部に対向するように配置されていてもよい。前記光導波路の前記凸部に対向する位置にある前記電極の部分は、前記光導波路の近くに位置することとなり、前記光導波路を伝搬する伝搬光の分布の範囲内に存在し得る。この位相変調器では、前記光導波路の前記凸部に対向する位置に前記透明電極を設けることにより、伝搬光が前記電極で吸収されるのを抑えることができる。
前記光導波路と前記透明電極の間の距離が、175~2000nmであってもよい。このような距離の範囲内にある前記電極の部分は、前記光導波路の近くに位置することとなり、前記光導波路を伝搬する伝搬光の分布の範囲内に存在し得る。この位相変調器では、このような距離の範囲内に前記透明電極を設けることにより、伝搬光が前記電極で吸収されるのを抑えることができる。
光フェーズドアレイの要部斜視図を模式的に示す図である。 位相変調器の要部断面図を模式的に示す図である。 位相変調器の要部断面図を模式的に示す図であり、光導波路を伝搬する伝搬光の分布を示す図である。 位相変調器の変形例の要部断面図を模式的に示す図である。 位相変調器の変形例の要部断面図を模式的に示す図である。 位相変調器の変形例の要部断面図を模式的に示す図である。 位相変調器の変形例の要部断面図を模式的に示す図である。
(光フェーズドアレイの構成)
図1に示すように、光フェーズドアレイ1は、光導波路4と、分配器6と、位相変調器8と、送信アンテナ9と、を備えている。これら光導波路4と分配器6と位相変調器8と送信アンテナ9は、半導体基板2上に光集積回路として構成されている。
分配器6は、光導波路4が複数に分岐されるように構成されており、光導波路4に入力された伝搬光を同位相の複数の伝搬光に分割する。分割された複数の伝搬光の各々は、位相変調器8で位相変調される。位相変調された複数の伝搬光は、送信アンテナ9に入力される。送信アンテナ9は、複数の光導波路4の各々に対応して設けられた回折格子を備えており、位相変調され複数の伝搬光を外部に向けて光ビームとして出射する。光フェーズドアレイ1の位相変調器8は、複数の伝搬光の位相差を制御し、出射する光ビームの偏向角度を調整することができる。このような光フェーズドアレイ1は、特に限定されるものではないが、例えばLiDAR装置に搭載される。
(位相変調器の構造)
以下、図面を参照して位相変調器8について説明する。図1及び図2に示すように、位相変調器8は、半導体基板2に形成された複数の光導波路4を備えている。複数の光導波路4は、x方向に隣り合うように配置されている。複数の光導波路4の各々は、y方向に沿って分配器6と送信アンテナ9の間を延びている。なお、x方向は半導体基板2の主面2Sに平行な一方向を示し、y方向は半導体基板2の主面2Sに平行であってx方向に直交する方向を示し、z方向は半導体基板2の主面2Sに直交(x方向とy方向の各々に直交)する方向を示す。図2に示されるように、破線で囲まれる部分が位相変調器8を構成する単位ユニット10である。隣り合う光導波路4の間の距離をピッチ間距離10Dという。以下、単位ユニット10を位相変調器8と称して説明する。
位相変調器8は、半導体基板2と、第1電極40と、第2電極50と、を備えている。位相変調器8の半導体基板2の材料は、特に限定されるものではないが、例えばシリコンであってもよい。半導体基板2は、光導波路4と、p型半導体領域20と、n型半導体領域30と、を有している。
光導波路4は、半導体基板2の一方の主面2Sに露出する位置に設けられている。この例では、光導波路4は、半導体基板2の一部として形成されたノンドープの領域である。この例に代えて、光導波路4は、半導体基板2とは異なる半導体材料、例えば窒化シリコンで形成されていてもよい。光導波路4は、z軸方向から見たときに(以下、「半導体基板2を平面視したときに」という)、第1電極40と第2電極50の間に配置されている。また、光導波路4は、半導体基板2を平面視したときに、p型半導体領域20とn型半導体領域30の間に設けられている。光導波路4は、半導体基板2の主面2Sから突出する凸部4Aを有している。半導体基板2の上下主面には、少なくとも光導波路4を挟むように、光導波路4よりも屈折率が小さい材料で構成されているクラッド層(図示省略)が設けられている。クラッド層の材料は、特に限定されるものではないが、例えば酸化シリコン(SiO2)であってもよい。光導波路4に凸部4Aが設けられていると、凸部4Aがクラッド層(図示省略)に覆われて伝搬光が光導波路4内に効果的に閉じ込められる。凸部4Aは、必要に応じて、形成されなくてもよい。
p型半導体領域20は、高濃度p型半導体領域22と、低濃度p型半導体領域24と、を有している。高濃度p型半導体領域22は、半導体基板2の一方の主面2Sに露出する位置に設けられており、低濃度p型半導体領域24よりもp型不純物を高濃度に含む領域である。高濃度p型半導体領域22は、第1電極40と低濃度p型半導体領域24の間に設けられており、第1電極40と低濃度p型半導体領域24の各々に接している。
低濃度p型半導体領域24は、半導体基板2の一方の主面2Sに露出する位置に設けられており、高濃度p型半導体領域22よりもp型不純物を低濃度に含む領域である。低濃度p型半導体領域24は、高濃度p型半導体領域22と光導波路4の間に設けられており、高濃度p型半導体領域22と光導波路4の各々に接している。
n型半導体領域30は、高濃度n型半導体領域32と、低濃度n型半導体領域34と、を有している。高濃度n型半導体領域32は、半導体基板2の一方の主面2Sに露出する位置に設けられており、低濃度n型半導体領域34よりもn型不純物を高濃度に含む領域である。高濃度n型半導体領域32は、第2電極50と低濃度n型半導体領域34の間に設けられており、第2電極50と低濃度n型半導体領域34の各々に接している。
低濃度n型半導体領域34は、半導体基板2の一方の主面2Sに露出する位置に設けられており、高濃度n型半導体領域32よりもn型不純物を低濃度に含む領域である。低濃度n型半導体領域34は、高濃度n型半導体領域32と光導波路4の間に設けられており、高濃度n型半導体領域32と光導波路4の各々に接している。
第1電極40と第2電極50は、光導波路4を間に置いてx軸方向に離れて配置されている。第1電極40は、半導体基板2の主面2S上に設けられており、光導波路4に対して平行に、即ち、y軸方向に沿って延びている。第2電極50も同様に、半導体基板2の主面2S上に設けられており、光導波路4に対して平行に、即ち、y軸方向に沿って延びている。
第1電極40は、透明電極42と、配線電極44と、を有している。第1電極40では、透明電極42が半導体基板2の主面2Sに接しており、配線電極44が透明電極42に積層している。第2電極50も、透明電極52と、配線電極54と、を有している。第2電極50でも、透明電極52が半導体基板2の主面2Sに接しており、配線電極54が透明電極52に積層している。なお、この例に代えて、第1電極40と第2電極50のいずれか一方のみが透明電極を有していてもよい。
第1電極40の透明電極42及び第2電極50の透明電極52は、光導波路4を伝搬する伝搬光に対して透明な材料である。第1電極40の透明電極42及び第2電極50の透明電極52の材料は、特に限定されるものではないが、例えば酸化インジウム系(InO系)、酸化スズ系(SnO系)、および酸化亜鉛系(ZnO系)等の酸化物半導体であってもよい。これら酸化物半導体にドーピングされる不純物は、例えばインジウム(In)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、フッ素(F)、スズ(Sn)、イットリウム(Y)、カドミウム(Cd)、ヒ素(As)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ゲルマニウム(Ge)、モリブテン(Mo)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、テルル(Te)、ホウ素(B)、スカンジウム(Sc)、バナジウム(V)、シリコン(Si)からなる群から選択される少なくとも1つを含んでもよい。
第1電極40の透明電極42は、半導体基板2と配線電極44の間に設けられており、半導体基板2と配線電極44の各々に接している。透明電極42は、半導体基板2の主面2Sに平行な面内において、光導波路4の凸部4Aに対向するように配置されている。換言すると、透明電極42は、光導波路4の凸部4Aと同一高さに配置されている部分を有している。
第1電極40の配線電極44は、光フェーズドアレイ1に設けられた制御端子(図示省略)と透明電極42を電気的に接続するための配線に接続される。第1電極40の配線電極44の材料は、特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)であってもよい。配線電極44は、半導体基板2の主面2Sに平行な面内において、光導波路4の凸部4Aに対向するように配置されていない。換言すると、透明電極42と配線電極44の接合面は、光導波路4の凸部4Aの頂面から積層方向(z軸方向)に離れた位置にある。
第2電極50の透明電極52は、半導体基板2と配線電極54の間に設けられており、半導体基板2と配線電極54の各々に接している。透明電極52は、半導体基板2の主面2Sに平行な面内において、光導波路4の凸部4Aに対向するように配置されている。換言すると、透明電極52は、光導波路4の凸部4Aと同一高さに配置されている部分を有している。
第2電極50の配線電極54は、光フェーズドアレイ1に設けられた制御端子(図示省略)と透明電極52を電気的に接続するための配線に接続される。第2電極50の配線電極54の材料は、特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)であってもよい。配線電極54は、半導体基板2の主面2Sに平行な面内において、光導波路4の凸部4Aに対向するように配置されていない。換言すると、透明電極52と配線電極54の接合面は、光導波路4の凸部4Aの頂面から積層方向(z軸方向)に離れた位置にある。
(位相変調器の動作)
第1電極40に第2電極50よりも正となる電圧が印加されると、第1電極40からp型半導体領域20と光導波路4とn型半導体領域30を経由して第2電極50に電流が流れる。これにより、光導波路4のキャリア濃度が増加し、光導波路4を伝搬する伝搬光の位相が変化する。位相変調器8は、光導波路4を伝搬する伝搬光の位相を調整し、位相変調した伝搬光を送信アンテナ9(図1参照)に出力する。
図3に示すように、光導波路4を伝搬する伝搬光の分布4Bは、光導波路4の周囲を含む範囲である。分布4Bに示されるように、光導波路4を伝搬する伝搬光の一部は、第1電極40の透明電極42及び第2電極50の透明電極52に接触する。例えば、これら接触する部分が不透明な金属電極の場合、伝搬光の一部がその金属電極で吸収され、光損失が増加する。一方、位相変調器8では、これら接触する部分が透明電極42、52で構成されているので、そのような光損失が抑えられる。このため、位相変調器8は、伝搬光の強度を維持したまま伝搬光を送信アンテナ9(図1参照)に出力することができる。この結果、光フェーズドアレイ1(図1参照)がLiDAR装置に搭載された場合、LiDAR装置は長距離の測長が可能となる。
また、光フェーズドアレイ1(図1参照)がLiDAR装置に搭載された場合、送信アンテナ9から出射される光ビームのスキャン角を広角化するためには、隣り合う光導波路4のピッチ間距離10Dを小さくしなければならない。例えば、波長1550nmの光ビームをスキャン角度60°で出射するためには、隣り合う光導波路4のピッチ間距離10Dを1.55μm以下とする必要がある。しかしながら、光導波路4のピッチ間距離10Dを小さくすると、上記したような伝搬光の一部が金属電極で吸収されて光損失が増加するという問題が顕在化してくる。透明電極42、52を有する位相変調器8は、このような光損失の増加を抑えることができる。この結果、位相変調器8を含む光フェーズドアレイ1が搭載されたLiDAR装置は、光損失の増加を抑えながら隣り合う光導波路4のピッチ間距離10Dを小さくすることができるので、スキャン角を広角化することができる。さらに、光導波路4のピッチ間距離10Dを小さくすることができるので、光フェーズドアレイ1を小型化することもできる。
なお、位相変調器8では、光導波路4と第1電極40の透明電極42の間の距離が175~2000nmである。同様に、光導波路4と第2電極50の透明電極52の間の距離が175~2000nmである。ここで、両者間の距離は、xz平面に平行な断面において、光導波路4の幾何学的中心と透明電極42、52の幾何学的中心の間で測定される距離である。光導波路4と透明電極42、52がこのような距離関係に配置されていると、光損失の増加を抑えながら隣り合う光導波路4のピッチ間距離10Dを小さくすることができるので、スキャン角を広角化することができる。また、光導波路4のピッチ間距離10Dを小さくすることができるので、光フェーズドアレイ1を小型化することもできる。
(位相変調器の変形例)
以下、いくつかの位相変調器8の変形例を説明する。図2及び図3に示す位相変調器8と共通する構成要素については共通の符号を付し、その説明を省略する。
図4に示す位相変調器8の変形例では、第1電極40の透明電極42が、第1高濃度透明電極41と、低濃度透明電極43と、第2高濃度透明電極45と、を有している。第1高濃度透明電極41及び第2高濃度透明電極45は、低濃度透明電極43よりもドーピングされる不純物の濃度が濃く、キャリア濃度が高く調整されている。図4に示す位相変調器8の変形例では、第2電極50の透明電極52も、第1高濃度透明電極51と、低濃度透明電極53と、第2高濃度透明電極55と、を有している。第2電極50の透明電極52の構成は、第1電極40の透明電極42と同一である。以下では第1電極40の透明電極42についてのみ説明するが、第2電極50の透明電極52も同様である。なお、キャリア濃度の異なる複数の部分からなる透明電極の構成は、第1電極40と第2電極50の少なくともいずれか一方のみに形成されていてもよい。
第1高濃度透明電極41と低濃度透明電極43と第2高濃度透明電極45は、この順で積層している。第1高濃度透明電極41は、半導体基板2と低濃度透明電極43の間に設けられており、半導体基板2と低濃度透明電極43の各々に接している。低濃度透明電極43は、第1高濃度透明電極41と第2高濃度透明電極45の間に設けられており、第1高濃度透明電極41と第2高濃度透明電極45の各々に接している。第2高濃度透明電極45は、低濃度透明電極43と配線電極44の間に設けられており、低濃度透明電極43と配線電極44の各々に接している。低濃度透明電極43のz軸方向の厚みは、第1高濃度透明電極41と第2高濃度透明電極45の各々のz軸方向の厚みよりも大きい。
透明電極42のキャリア濃度が小さいと、伝搬光の吸収が抑えられる。一方、透明電極42のキャリア濃度が小さいと、半導体基板2及び配線電極44に対するコンタクト抵抗が増加する。図4に示す位相変調器8の変形例では、キャリア濃度が高い第1高濃度透明電極41が設けられているので、半導体基板2の高濃度p型半導体領域22と透明電極42の間のコンタクト抵抗が低下する。さらに、キャリア濃度が高い第2高濃度透明電極45が設けられているので、透明電極42と配線電極44の間のコンタクト抵抗が低下する。なお、第1高濃度透明電極41と第2高濃度透明電極45では、不純物としてガリウム(Ga)が1×1021cm-3以上の濃度で含まれてもよい。一方、低濃度透明電極43のキャリア濃度が低いので、低濃度透明電極43における伝搬光の吸収が抑えられている。例えば、低濃度透明電極43では、波長1550nmの伝搬光の吸収係数が8100cm-1以下となるようなキャリア濃度に調整されている。このように、図4に示す位相変調器8の変形例では、伝搬光の吸収の抑制とコンタクト抵抗の増加の抑制を両立することができる。
図4に示す位相変調器8の変形例では、第1高濃度透明電極41と低濃度透明電極43の接合面が半導体基板2の主面2Sと平行となるように形成されているが、このような接合面の形状は一例である。第1高濃度透明電極41が半導体基板2と低濃度透明電極43の間に介在するように設けられていればよく、第1高濃度透明電極41と低濃度透明電極43の接合面は他の様々な形状とすることができる。また、第2高濃度透明電極45と低濃度透明電極43の接合面も同様である。第2高濃度透明電極45が低濃度透明電極43と配線電極44の間に介在するように設けられていればよく、第2高濃度透明電極45と低濃度透明電極43の接合面は他の様々な形状とすることができる。
図5に示す位相変調器8の変形例では、配線電極44が、第1配線電極46と、第2配線電極48と、を有している。第2配線電極48の仕事関数は、透明電極42の仕事関数よりも大きく、第1配線電極46の仕事関数よりも小さい。図5に示す位相変調器8の変形例では、第2電極50の配線電極54も、第1配線電極56と、第2配線電極58と、を有している。第2電極50の配線電極54の構成は、第1電極40の配線電極44と同一である。以下では第1電極40の配線電極44についてのみ説明するが、第2電極50の配線電極54も同様である。なお、仕事関数が異なる複数の部分からなる配線電極の構成は、第1電極40と第2電極50の少なくともいずれか一方のみに形成されていてもよい。
第2配線電極48は、第1配線電極46と透明電極42の間に配置されており、第1配線電極46と透明電極42の各々に接している。第1配線電極46と透明電極42の間に第2配線電極48を介在させることにより、透明電極42と配線電極44の接合で生じる電位障壁を小さくすることができる。
図6に示す位相変調器8の変形例では、p型半導体領域20の低濃度p型半導体領域24とn型半導体領域30の低濃度n型半導体領域34が直接的に接しており、低濃度p型半導体領域24と低濃度n型半導体領域34の間に光導波路14が形成されている。また、この例の光導波路14は、低濃度p型半導体領域24と低濃度n型半導体領域34のpn接合がyz平面に平行に延びている。この例の光導波路14の幾何学的中心は、低濃度p型半導体領域24と低濃度n型半導体領域34のpn接合のz方向の中心として定義される。pn接合がyz平面に平行に延びている例は一例であり、光導波路14は、低濃度p型半導体領域24と低濃度n型半導体領域34が直接的に接する様々な構成において低濃度p型半導体領域24と低濃度n型半導体領域34の間に形成される。特に限定されるものではないが、例えば、低濃度p型半導体領域24の一部と低濃度n型半導体領域34の一部がy軸方向に沿って交互に繰り返すように配置されて光導波路14が形成されてもよく、この例ではpn接合がxz平面に平行に延びていてもよい。又は、低濃度p型半導体領域24の一部と低濃度n型半導体領域34の一部がz軸方向に積層されて光導波路14が形成されてもよく、この例ではpn接合がxy平面に平行に延びていてもよい。
図7に示す位相変調器8の変形例では、光導波路4の凸部4Aが半導体基板2の一方の主面に設けられており、第1電極40及び第2電極50が半導体基板2の他方の主面に設けられている。隣り合う光導波路4のピッチ間距離10Dが狭くなると、このような配置構造でも伝搬光の吸収が問題となり得る。図7に示す位相変調器8の変形例では、上記したように、第1電極40及び第2電極50が透明電極を有しているので、伝搬光の吸収を抑えることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:半導体基板、 4:光導波路、 8:位相変調器、 20:p型半導体領域、 30:n型半導体領域、 40:第1電極、 42:透明電極、44:配線電極、 50:第2電極、 52:透明電極、 54:配線電極

Claims (5)

  1. 位相変調器であって、
    光導波路を含む半導体基板と、
    前記半導体基板に接している電極と、を備えており、
    前記電極は、
    前記半導体基板に接している第1電極と、
    前記半導体基板に接しているとともに、前記第1電極から離れて配置されている第2電極と、を有しており、
    前記光導波路は、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加したときに、伝搬する伝搬光の位相が変化するように構成されており、
    前記電極は、透明電極と、前記透明電極に積層するとともに前記透明電極を介して前記半導体基板に電気的に接続されている配線電極と、含んでおり、
    前記半導体基板は、
    前記第1電極に接する第1導電型の第1半導体領域と、
    前記第2電極に接する第2導電型の第2半導体領域と、を有しており、
    前記光導波路は、前記第1半導体領域と前記第2半導体領域の間に配置されており、
    前記光導波路は、前記半導体基板の一方の主面から突出する凸部を含み、
    前記半導体基板の主面に平行な面内において、前記透明電極は、前記凸部に対向するように配置されており、
    前記半導体基板の主面に平行な面内において、前記配線電極は、前記凸部に対向するように配置されておらず、
    前記配線電極と前記透明電極の接合面が、前記光導波路の前記凸部の頂面から積層方向に離れた位置にある、位相変調器。
  2. 前記透明電極が前記半導体基板に接している、請求項1に記載の位相変調器。
  3. 前記透明電極は、
    低濃度透明電極と、
    前記低濃度透明電極に接しており、前記低濃度透明電極よりもキャリア濃度が高い高濃度透明電極と、を有しており、
    前記高濃度透明電極が、前記半導体基板に接している、請求項2に記載の位相変調器。
  4. 記配線電極は、
    第1配線電極と、
    前記第1配線電極と前記透明電極の間に配置されており、前記第1配線電極と前記透明電極の各々に接している第2配線電極と、を有しており、
    前記第2配線電極の仕事関数は、前記透明電極の仕事関数以上であり、前記第1配線電極の仕事関数よりも小さい、請求項1~のいずれか一項に記載の位相変調器。
  5. 前記光導波路と前記透明電極の間の距離が、175~2000nmである、請求項1~のいずれか一項に記載の位相変調器。
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