JP7829842B2 - 搬送装置 - Google Patents

搬送装置

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Description

本発明は、搬送装置に係わり、特に、天井軌道を走行して物品を搬送する天井走行型の搬送装置に関する。
特許文献1には、カセットを傾けて搬送する天井走行型搬送装置が開示されている。この天井走行型搬送装置は、2本のベルトの先端に取り付けられたグリッパでカセットを把持し、各ベルトを径の異なるドラムで巻上げることにより、2本のベルトの巻き上げ量を互いに異ならせるようにし、これにより、下限位置で水平姿勢であるグリッパを、上昇するにつれて徐々に傾斜させ、上限位置で目的とする傾斜姿勢となるようにしている。
特開平8-188375号公報
しかしながら、上述した特許文献1のような天井走行型搬送装置では、カセットを目的とする一定の傾斜角度で傾斜させるには、昇降距離(即ち、カセットの下限位置と上限位置との間の距離)に応じて、ベルトの長さやドラム径を調整する必要がある。したがって、カセットの最適な傾斜角度を得るために、このような搬送装置を設ける物件ごとに、天井軌道までの高さやロードポートなどの仕様に応じて、ベルトの長さやドラム径の調整が必要なので、対応が煩雑となり、コストも増大するという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、昇降距離に依存せずに物品を適切に傾けて搬送することができる天井走行型の搬送装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、天井軌道を走行して物品を搬送する天井走行型の搬送装置であって、台車本体部と、物品を保持する保持装置と、台車本体部に対して保持装置を昇降させる昇降装置と、を備え、昇降装置は、保持装置を吊り下げる第1吊り下げ部材および第2吊り下げ部材と、第1吊り下げ部材および第2の吊り下げ部材の巻上げおよび繰り出しを行う駆動装置と、を備え、保持装置は、保持装置が台車本体部に対して上昇した所定の上昇位置において台車本体部と当接する当接部材を備え、台車本体部は、保持装置の当接部材が当接する被当接部材を備え、第1吊り下げ部材は、保持装置上の第1位置で保持装置を吊り下げ、第2吊り下げ部材は、保持装置上の第2位置で保持装置を吊り下げ、駆動装置は、第1吊り下げ部材および第2吊り下げ部材を同じ長さだけ巻上げまたは繰り出し、さらに、保持装置の当接部材が台車本体部の被当接部材に当接した所定の上昇位置で第1吊り下げ部材および第2吊り下げ部材が同じ長さだけ巻き上げられたとき、当接部材と被当接部材との当接箇所を支点とする保持装置の傾きを許容する許容部を備える、ことを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、第1吊り下げ部材および第2吊り下げ部材を同じ長さだけ巻上げる昇降装置と、保持装置の当接部材が台車本体部の被当接部材に当接した所定の上昇位置で第1吊り下げ部材および第2吊り下げ部材が同じ長さだけ巻き上げられたとき、当接部材と被当接部材との当接箇所を支点とする保持装置の傾きを許容する許容部とを備えているので、昇降距離(吊り下げ部材の巻上げ量)に関わらず、所望する一定の傾斜角度だけ保持装置を傾けることができる。
また、本発明において、好ましくは、保持装置の当接部材は、水平方向で見て、第1位置と第2位置との間に設けられ、許容部は、所定の上昇位置で第1吊り下げ部材および第2吊り下げ部材が同じ長さだけ巻き上げられたとき、当接部材と被当接部材との当接箇所を支点として、第1位置が上方に変位し、第2位置が下方に変位するように保持装置の傾きを許容する。
このように構成された本発明によれば、より効果的に、所望する一定の傾斜角度だけ保持装置を傾けることができる。
また、本発明において、好ましくは、許容部は、所定の上昇位置で第1吊り下げ部材および第2吊り下げ部材が同じ長さだけ巻き上げられたとき、弾性変形することにより、当接部材と被当接部材との当接箇所を支点とする保持装置の傾きを許容する弾性部材を備える。
このように構成された本発明によれば、より効果的に、保持装置の傾きを許容することができる。
また、本発明において、好ましくは、弾性部材は、保持装置が物品を保持していない状態で、その自然長よりも収縮している。
このように構成された本発明によれば、弾性部材が自然長より収縮し、その分発生する与圧を保持装置に与えることにより、物品を保持した保持装置を(たとえばロードポートから)持上げたとき、保持装置の傾きを抑制することができる。
また、本発明において、好ましくは、保持装置の当接部材および台車本体部の被当接部材は、所定の上昇位置で、保持装置の水平位置かつ上昇位置を規定する。
このように構成された本発明によれば、保持装置の当接部材および台車本体部の被当接部材は、保持装置が傾斜するときの支点としての役割に加え、保持装置が上昇したときの位置決めの役割を有する。
また、本発明において、好ましくは、保持装置の第1位置には、第1吊り下げ部材を保持装置のベース部材に接続する第1接続部材が設けられ、保持装置の第2位置には、第2吊り下げ部材を保持装置のベース部材に接続する第2接続部材が設けられ、第1接続部材はベース部材に固定され、第2接続部材はベース部材に対して上下方向に相対変位可能にベース部材に取り付けられ、許容部は、ベース部材と第2接続部材との間に設けられ、ベース部材と第2接続部材との相対変位を許容する弾性部材を備える。
このように構成された本発明によれば、弾性部材が、保持装置のベース部材と、第2吊り下げ部材に接続された第2接続部材とからの力を受けて撓むことにより、保持装置の傾きを有効に許容することができる。
また、本発明において、好ましくは、当接部材は、上方側に突出したピン部材であり、被当接部材は、下方側に開口し、ピン部材を受け入れて支持するガイド部材である。
このように構成された本発明によれば、より効果的に、所望する一定の傾斜角度だけ保持装置を傾斜させることができる。
本発明によれば、昇降距離に依存せずに物品を適切に傾けて搬送することができる。
本発明の実施形態による天井走行型搬送装置の全体の概略構成を示す側面図である。 本発明の実施形態による搬送装置の昇降装置の概略構成を示す装置を左側から見た左側面図である。 本発明の実施形態による搬送装置の昇降装置の概略構成を示す装置を上方から見た上面図である。 本発明の実施形態による保持装置の概略構成を示す装置の正面図である。 本発明の実施形態による保持装置の概略構成を示す装置の左側面図である。 本発明の実施形態による保持装置の概略構成を示す装置の背面図である。 本実施形態の搬送装置の動作パターンを示す模式図であり、図7(A)は、保持装置がロードポート上の搬送物にアクセスする移載位置での動作を説明するための図であり、図7(B)は、保持装置を昇降ベルトで持ち上げる上昇途中の動作を説明するための図であり、図7(C)は、保持装置が基準上昇位置まで持ち上げられたときの動作を説明するための図であり、図7(D)は、さらに昇降ベルトを巻き上げる途中の保持装置の動作を説明するための図であり、図7(E)は、昇降ベルトの巻き上げが完了したときの保持装置の動作を説明するための図である。 保持装置の基準上昇位置での動作をより詳細に説明するための図7(C)の一部拡大図である。 保持装置の傾斜動作をより詳細に説明するための図7(D)の一部拡大図である。 保持装置の傾斜動作をより詳細に説明するための図7(E)の一部拡大図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による天井走行型の搬送装置を説明する。
まず、図1により、本発明の実施形態による天井走行型搬送装置(天井搬送車)の全体構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による天井走行型搬送装置の全体の概略構成を示す側面図である。なお、以下で説明する本実施形態は、半導体製造工場のクリーンルーム内において、半導体ウェハを収容して搬送する搬送装置に、本発明を適用したものである。
まず、図1に示すように、符号1は、本実施形態の天井走行型の搬送装置(天井搬送車)(以下、「搬送装置」という)を示す。この搬送装置1は、搬送台車本体(以下、「台車本体」という)2を備えている。この台車本体2は、クリーンルーム等の建屋内の天井に取り付けられた軌道レール4に吊り下げられ、軌道レール4に対して動作する走行機構6により走行し、目標となる位置まで移動することができる。
なお、以下の説明および各図面において、「正面」、「背面」とは、搬送装置1の走行方向に対して直交する方向かつ水平方向で見た搬送装置1の正面、背面を意味し、「側面」とは、搬送装置1の正面および背面に対する側面を意味する。また、「正面」とは、後述するオープンカセット18の開口部24が形成された面の方向から見た搬送装置1の正面である。
次に、搬送装置1は、昇降装置(昇降機)8および保持装置(チルト機構付きハンドユニット)10を備える。
昇降装置8は、いわゆるホイストとして機能する昇降ベルト12、14により保持装置10を昇降させる装置であり、上述した走行機構6の下方の位置で、台車本体2に取り付けられている。
保持装置10は、建屋に設置された半導体製造装置のロードポート16上に置かれたオープンカセット18をチャック20により把持(保持)し、そのオープンカセット18内のウェハ(搬送物)22を搬送できるようにするためのものである。
オープンカセット18は、その正面側の一面に開口部24が形成されており、ロードポート16のウェハ22は、この開口部24からオープンカセット18内に水平に移載される(ウェハ22が出し入れ可能となっている)。なお、理解のために、図1を含む側面視での図面では、ウェハ22がオープンカセット18の開口部24から突出した状態で図示しているが、実際には、ウェハ22全体がオープンカセット18内に収容されている。
ここで、オープンカセット18には、ウェハ22の位置を保持する構造は設けられていない。移載時は、通常、水平方向の大きな力が加わらないため、開口部24を閉じるような構成としなくても、ウェハ22が移動することはないが、走行時は、カーブでの遠心力や走行振動などによりウェハ22が移動してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、後述するように、天井走行時に保持装置10を傾斜させるようにして、ウェハ22を有効に搬送するようにしている。
次に、図1乃至図3により、昇降装置8の基本構造を説明する。図2は、本発明の実施形態による搬送装置の昇降装置の概略構成を示す装置を左側から見た左側面図であり、図3は、本発明の実施形態による搬送装置の昇降装置の概略構成を示す装置を上方から見た上面図である。
図1乃至図3に示すように、昇降装置8は、一対のベルトからなる第1昇降ベルト(第1吊り下げ部材)12と、一対の昇降ドラム26および一対のアイドラプーリ28を備えている。第1昇降ベルト12の始端は、昇降ドラム26に取り付けられ、昇降ドラム26を回転駆動させることにより、アイドラプーリ28を介して、第1昇降ベルト12を巻上げまたは繰り出すようになっている。
また、昇降装置8は、単一のベルトからなる第2昇降ベルト(第2吊り下げ部材)14と、第2昇降ベルト用の昇降ドラム30および2つのアイドラプーリ32を備えている。第2昇降ベルト14の始端は、昇降ドラム30に取り付けられ、昇降ドラム30を回転駆動させることにより、2つのアイドラプーリ32を介して、第2昇降ベルト14を巻上げまたは繰り出すようになっている。
ここで、計3つの昇降ドラム26、30は、図示しないモータに接続された共通の駆動軸34により駆動することにより、いずれも、同一回転速度、および、同一の回転量で駆動されるようになっている。また、3つの昇降ドラム26、30は、いずれも、同一の径を有する。したがって、本実施形態では、このような構成により、第1昇降ベルト12と第2昇降ベルト14は、昇降ドラム26、30を回転させると、同じ長さだけ巻上げまたは繰り出されるようにしている。
次に、図1に示すように、第1昇降ベルト12の下端は、第1接続部材(第1接続ブラケット)36を介して、開口部24側(正面側)の第1の位置Aで保持装置10に取り付けられ、第2昇降ベルト14の下端は、第2接続部材(第2接続ブラケット)40を介して、背面側の第2の位置Bで、保持装置10に取り付けられている。すなわち、第1昇降ベルト12は、保持装置10のオープンカセット18の開口部24側の第1の位置Aで保持装置10を吊り下げ、第2昇降ベルトは、保持装置10の背面側の第2の位置Bで保持装置10を吊り下げる。
また、本実施形態では、台車本体2の昇降装置8に、下方に向けて開口する、一対の位置決めガイド部材(以下、「ガイド部材」という)44が取り付けられている。この一対のガイド部材44は、図3に示すように、昇降装置8の左右両縁部にそれぞれ配置され、後述するように、保持装置10に設けた一対の位置決めピン部材(以下、「ピン部材」という)46が当接するようになっている。より詳細には、一対のガイド部材44には、それぞれ、断面半円状の凹部(被当接部)44aが形成され、これらの凹部44aに、後述する一対のピン部材46の半円状の外面を有する円筒部(当接部)46aがそれぞれ当接するようになっている。
次に、図4乃至図6により、保持装置10の基本構造を説明する。図4は、本発明の実施形態による保持装置の概略構成を示す装置の正面図であり、図5は、本発明の実施形態による保持装置の概略構成を示す装置の左側面図であり、図6は、本発明の実施形態による保持装置の概略構成を示す装置の背面図である。
まず、図4乃至図6に示すように、保持装置10は、種々の部品が取り付けられるベースプレート50を備えている。なお、図4乃至図6では、保持装置10に設けたチャック20によって、オープンカセット18が保持されている。
ベースプレート50には、その第1の位置A(符号Aは、図1、図5の側面図に付す)において、一対の第1接続部材36を介して、一対の第1昇降ベルト12が取り付けられている。第1接続部材36は、上方に開口したU字状のブラケット等で構成されている。
なお、第1昇降ベルト12が取り付けられる第1の位置Aは、正面視(図4)および背面視(図6)では一対の位置として2カ所となるが、側面視(図1、図5)では1カ所と見なすことができる。本実施形態では、第1の位置Aとは、側面視で見た1カ所の第1の位置Aを意味することを前提として説明する。
なお、詳細な取り付け構造の説明は省略するが、この第1の位置Aでは、第1接続部材36はベースプレート50に固定され、第1接続部材36および第1昇降ベルト12は、ベースプレート50に対して、上下方向に相対変位しないようにしている。
また、ベースプレート50には、その第2の位置B(符号Bは、図1、図5の側面図に示す)において、第2接続部材40を介して、第2昇降ベルト14が取り付けられている。
なお、詳細な取り付け構造の説明は省略するが、この第2の位置Bでは、第2接続部材40はベースプレート50に対して、上下方向に相対変位可能に取り付けられている。これにより、後述するように、ベースプレート50が傾斜するとき、ベースプレート50が、第2接続部材40および第2昇降ベルト14に対して、相対的に変位することができるようにしている。
ここで、図4乃至図6において、符号12aは、第1昇降ベルト12の下端部であり、第1接続部材36への取付部となっている。また、符号36aは、その下端部12aを第1接続部材36へ取り付けるための固定部材である。また、符号14aは、第2昇降ベルト14の下端部であり、第2接続部材40への取付部となっている。また、符号40aは、その下端部14aを第2接続部材40へ取り付けるための固定部材である。
次に、第2の位置Bでは、第2接続部材40の下端部(U字状のブラケットの底部分)と、ベースプレート50の下面部との間に、圧縮ばね52が取り付けられている。本実施形態では、この圧縮ばね52は、主に2つの機能を有している。
第1に、圧縮ばね52は、所定量圧縮した状態で、第2接続部材40とベースプレート50との間に組み込まれている。これによって、所定量の「与圧」を生じさせ、この与圧により、保持装置10がロードポート16上のオープンカセット18を持ち上げたとき、その重量に対抗して、保持装置10およびオープンカセット18の傾きを抑制する機能を有する。第2接続部材40は、圧縮ばね52に与圧を生じさせるために、所定の位置より下方に変位しないように規制されるように構成されている。
第2に、図7~図10で後述するように、ピン部材46がガイド部材44に当接した後、第1昇降ベルト12および第2昇降ベルト14をさらに巻き上げたとき、第2接続部材40がベースプレート50に対して変位すると共に、圧縮ばね52が圧縮され(縮んで)、ベースプレート50、ひいては、保持装置10が傾斜することを許容する機能を有する。言い換えれば、本実施形態の搬送装置1は、主に、ベースプレート50と、このベースプレート50に対して上下方向に相対変位可能な第2接続部材40と、圧縮ばね52とにより、保持装置10の傾きを許容する許容部を構成するようにしている。
なお、圧縮ばね52は、以上説明したような機能を発揮できる弾性材料として、たとえばゴムでもよい。
次に、図4乃至図6に示すように、保持装置10の左右両縁部には、上方に向けて延びる、一対のピン部材46が取り付けられている。この一対のピン部材46は、その上方端部に、上述したガイド部材44の凹部44aと同様の大きさおよび形状の半円状の外面を有する円筒部(当接部)46aが形成されている。
図5に示すように、この一対のピン部材46は、側面視で、水平方向に見て、第1昇降ベルト12で吊り下げられる第1の位置Aと、第2昇降ベルト14で吊り下げられる第2の位置Bとの間に位置するように設けられる。上述した昇降装置8の一対のガイド部材44も、それぞれ、このように位置決めされた一対のピン部材46の鉛直上方に設けられる。
なお、変形例として、ピン部材46と同様の機能を有する部材を台車本体2側(たとえば昇降装置8)に設けてもよく、一方、ガイド部材44と同様の機能を有する部材を保持装置10側に設けてもよい。なお、たとえばこのような変形例において、互いに当接するという技術事項に基づいて、ガイド部材44や同様の機能を有する部材を「当接部材」と捉え、ピン部材46や同様の機能を有する部材を「被当接部材」と捉えることもできる。このような変形例においても、後述する「支点」としての機能を発揮し、保持装置10を傾斜させることができる。
また、変形例として、ピン部材46は、たとえば、図5のような側面視で、第2の位置Bと重複するような位置に配置しても良い。また、変形例として、ピン部材46は、第2の位置Bより外方側に配置し、側面視で、水平方向で見て、第1の位置A、第2の位置B、ピン部材46の順で並ぶようにしてもよい。これらのような変形例でも、後述する「支点」としての機能を発揮し、保持装置10を傾斜させることができる。
また、本実施形態では、ピン部材46およびガイド部材44を各装置8、10に取り付けるようにしているが、変形例として、ピン部材46やガイド部材44と同様の機能を有する当接部や被当接部を、台車本体2や、昇降装置8や、保持装置10に一体的に形成するようにしてもよい。
また、変形例として、ピン部材46およびガイド部材44は、一対ではなく、それぞれ単一のものでもよい。なお、一対とすることで、後述する「支点」としての機能をより効果的に得ることができる。
次に、図7乃至図10により、本実施形態の搬送装置1の動作パターンを説明する。図7は、本実施形態の搬送装置の動作パターンを示す模式図であり、図7(A)は、保持装置がロードポート上の搬送物にアクセスする移載位置での動作を説明するための図であり、図7(B)は、保持装置を昇降ベルトで持ち上げる上昇途中の動作を説明するための図であり、図7(C)は、保持装置が基準上昇位置まで持ち上げられたときの動作を説明するための図であり、図7(D)は、さらに昇降ベルトを巻き上げる途中の保持装置の動作を説明するための図であり、図7(E)は、昇降ベルトの巻き上げが完了したときの保持装置の動作を説明するための図であり、図8は、保持装置の基準上昇位置での動作をより詳細に説明するための図7(C)の一部拡大図であり、図9は、保持装置の傾斜動作をより詳細に説明するための図7(D)の一部拡大図であり、図10は、保持装置の傾斜動作をより詳細に説明するための図7(E)の一部拡大図である。
なお、図7乃至図10では、上述したガイド部材44を簡略化し、その下方に開口した凹部(被当接部)44aを三角形の凹部として図示している。
まず、図7(A)に示すように、ロードポート16上において、保持装置10により水平状態に保持されたオープンカセット18に、図示しない処理装置のハンド等によってウェハ22が移載される。
次に、図7(B)に示すように、昇降ドラム26、30の回転駆動により、第1および第2の昇降ベルト12、14を互いに同じ量だけ巻き上げて、ウェハ22を格納しているオープンカセット18を保持した保持装置10を上昇させる。この上昇時、保持装置10は、上述した圧縮ばね52の与圧により、水平姿勢を維持したままとなる。
次に、図7(C)に示すように、所定の上昇位置において、ピン部材46の円筒部46aが、ガイド部材44の凹部44aに当接する。本実施形態において、この所定の上昇位置とは、保持装置10が水平姿勢(水平位置)を保つ最も上方の位置であり、以下では、これを「基準上昇位置」という。
次に、図7(C)の基準上昇位置となった後、さらに昇降ドラム26、30を回転駆動させ、第1および第2の昇降ベルト12、14を互いに同じ量だけ巻き上げると、図7(D)に示すように、保持装置10が角度α1(たとえば、α1=3°)だけ傾く状態となる。
さらに、図7(E)に示すように、保持装置10の傾斜が、最終目標角度α2(たとえば、α2=6°)となるまで、第1および第2の昇降ベルト12、14を互いに同じ量だけ巻き上げて、この位置で、巻き上げを終了する。
以上、本実施形態では、第1および第2の昇降ベルト12、14の巻き上げにより、保持装置10の水平姿勢を保ったまま保持装置10を上昇させる「上昇期間(昇降期間)」(図7(A)~図7(C)に示す間)と、第1および第2の昇降ベルト12、14を巻き上げるが、保持装置10をそれ以上上昇させず、保持装置10を水平姿勢から傾斜姿勢へと変化させる「傾斜期間」(図7(C)~図7(E)に示す間)とを有するようにしている。
以下では、図7(C)に示す「上昇期間」の終了時点の保持装置10の動作、および、図7(D)、図7(E)に示す「傾斜期間」における保持装置10の動作について、図8乃至図10により、より詳細に説明する。
まず、図8に示すように、上述した基準上昇位置では、保持装置10が上昇し、ピン部材46の円筒部46aが、ガイド部材44の凹部44aに当接している。
このとき、保持装置10は、側面視において(水平方向で見て)、一点鎖線Lp0(第1位置Aと第2位置Bとを結んだ線)で示すベースプレート50の姿勢で表されるように、水平姿勢である。すなわち、基準上昇位置での保持装置10の水平位置/水平姿勢が、ピン部材46とガイド部材44との当接により規定される。より詳細には、このような保持装置10の水平姿勢を保つ最上昇位置が、ピン部材46とガイド部材44との当接により規定される。
また、上述したように、第1および第2の昇降ベルト12、14の巻き上げ量は互いに同一であるので、各昇降ベルト12、14の下端の位置を結んだ一点鎖線Lb0は、水平となる。
また、このとき、圧縮ばね52の高さS0は、最初に組み込まれたとき、あるいは、保持装置10が水平姿勢のときの高さと同一である。
次に、図9に示すように、図8に示す基準上昇位置の状態から、第1および第2の昇降ベルト12、14をさらに巻き上げる(互いに同じ巻き上げ量である)と、各昇降ベルト12、14の下端の位置を結んだ一点鎖線Lb1は水平のままであるが、一点鎖線Lb0(「基準上昇位置」でのベルト下端位置)に対して、その巻き上げ量に相当する距離D1だけ、上方に変位する。
そして、この状態での第1位置Aと第2位置Bとを結んだ線である一点鎖線Lp1は、上述した基準上昇位置での一点鎖線Lp0に対し、側面視で傾斜している。以下に、このメカニズムを説明する。
まず、上述したように、第1昇降ベルト12の巻き上げにより、ベースプレート50に固定された第1接続部材36は、その巻き上げ量と同じ量だけ上昇する。
このとき、ピン部材46はガイド部材44の凹部44aに当接しており、かつ、ピン部材46はベースプレート50に固定されているので、ベースプレート50(保持装置10)は、ピン部材46の円筒部46aと、ガイド部材44の凹部44aとの当接箇所を「支点」として、一点鎖線Lp1に示すように、第1の位置Aが上方に変位するような傾斜姿勢となる。
一方、第2昇降ベルト14の巻き上げ量は、第1昇降ベルト12の巻き上げ量と同じであるので、第2接続部材40は、第1接続部材36と同じ量だけ上昇する。ここで、本実施形態では、第2接続部材40は、ベースプレート50に対して上下方向に変位可能に取り付けられ、また、ベースプレート50と第2接続部材40との間には圧縮ばね52が組み込まれている。したがって、第2接続部材40の上昇に伴い、圧縮ばね52は、図8に示す高さS0から図9に示す高さS1まで圧縮され、これにより、ベースプレート50の傾斜(一点鎖線Lp1)が許容される。
このような圧縮ばね52の傾斜許容作用により、保持装置10は、第1の位置Aが上方に変位すると共に、第2の位置Bが下方に変位するような傾斜姿勢となる。
なお、上述した変形例のように、ピン部材46が、側面視で、第2の位置Bと重複するような位置に配置した場合は、側面視において、水平方向で見て、ベースプレート50の傾斜の支点が、ピン部材46のガイド部材44への当接箇所と一致する。したがって、このような変形例の場合は、保持装置10は、第1の位置Aが上昇し、第2の位置Bがその位置にとどまるような傾斜姿勢となる。
さらに、上述した変形例のように、側面視で、第1の位置A、第2の位置B、ピン部材46の順で並ぶようにした場合には、側面視において、水平方向で見て、ベースプレート50の傾斜の支点が、第2の位置Bより外方側に位置する。したがって、このような変形例の場合は、保持装置10は、第1の位置Aが上昇すると共に、第2の位置Bも上昇した傾斜姿勢となる。なお、この場合、第2の位置Bの上昇量は第1の位置Aの上昇量よりも小さい。
次に、図10に示すように、目標とする傾斜角度α2となるまで、さらに第1および第2の昇降ベルト12、14を互いに同じ量だけ巻き上げる。
このとき、各昇降ベルト12、14の下端の位置を結んだ一点鎖線Lb2は水平のままであるが、一点鎖線Lb0で示す「基準上昇位置」での位置に対して、基準上昇位置からの総巻き上げ量に相当する距離D2だけ、上方に変位する。
そして、この状態での第1位置Aと第2位置Bとを結んだ線である一点鎖線Lp2で表される保持装置10の姿勢は、図9で説明したメカニズムにより、側面視で、基準上昇位置での一点鎖線Lp0の水平姿勢に対し、傾斜した姿勢となる。
このとき、圧縮ばね52は、さらに高さS2(S1より小さい)に圧縮されて、これにより、保持装置10の傾斜が許容される。
なお、荷下ろし時は、各昇降ベルト12、14を等量送り出すだけで、保持装置10と搬送物であるウェハ22(オープンカセット18)は水平になる。これにより、簡易な構造で、かつ、昇降ドラム26,30の通常の制御と同様の制御方法で、台車走行時のみ、搬送物を傾けることが出来る。
次に、本発明の実施形態による天井走行型の搬送装置の作用効果を説明する。
まず、本実施形態および変形例による天井走行型の搬送装置1は、天井軌道4を走行して物品22を搬送する天井走行型の搬送装置1であって、台車本体(台車本体部)2と、物品を保持する保持装置10と、台車本体2に対して保持装置10を昇降させる昇降装置8と、を備え、昇降装置8は、保持装置10を吊り下げる第1ベルト部材(第1吊り下げ部材)12および第2ベルト部材(第2吊り下げ部材)14と、第1ベルト部材および第2ベルト部材の巻上げおよび繰り出しを行う駆動装置26、30、34と、を備え、保持装置10は、保持装置10が台車本体2に対して上昇した所定の上昇位置(基準上昇位置)において台車本体2と当接する当接部材(46)を備え、台車本体2は、保持装置10の当接部材46が当接する被当接部材(44)を備え、第1ベルト部材12は、保持装置上の第1位置Aで保持装置10を吊り下げ、第2ベルト部材14は、保持装置上の第2位置Bで保持装置10を吊り下げ、駆動装置26、30は、第1ベルト部材12および第2ベルト部材14を同じ長さだけ巻上げまたは繰り出し、さらに、保持装置10の当接部材が台車本体2の被当接部材に当接した所定の上昇位置(基準上昇位置)で第1ベルト部材12および第2ベルト部材14が同じ長さだけ巻き上げられたとき、当接部材と被当接部材との当接箇所(46a、44a)を支点とする保持装置10の傾き(α1、α2)を許容する許容部(ばね、ゴムなど)52を備える。
このように構成された本実施形態によれば、昇降距離(ベルト部材/吊り下げ部材の巻上げ量)に関わらず、所望する一定の傾斜角度(α2)だけ保持装置10を傾けることができる。
また、本実施形態では、保持装置10の当接部材46は、水平方向で見て、第1位置Aと第2位置Bとの間に設けられ、許容部(52)は、所定の上昇位置(基準上昇位置)で第1ベルト部材12および第2ベルト部材14が同じ長さだけ巻き上げられたとき、当接部材と被当接部材との当接箇所(46a、44a)を支点として、第1位置Aが上方に変位し、第2位置Bが下方に変位するように保持装置10の傾斜(α1、α2)を許容するので、より効果的に、所望する一定の傾斜角度(α2)だけ保持装置10を傾けることができる。
また、本実施形態では、許容部(52)は、所定の上昇位置(基準上昇位置)で第1ベルト部材12および第2ベルト部材14が同じ長さだけ巻き上げられたとき、弾性変形することにより、当接部材(46)と被当接部材(44)との当接箇所(46a、44a)を支点とする保持装置10の傾きを許容する弾性部材(ばね52、ゴム)を備えるので、より効果的に、保持装置10の傾きを許容することができる。
また、本実施形態では、弾性部材52は、保持装置10が物品10、22を保持していない状態で、その自然長よりも収縮しているので、弾性部材52が自然長より収縮した分発生する与圧を保持装置10に与えることにより、物品を保持した保持装置10を(たとえばロードポート16から)持上げたとき、保持装置10の傾きを抑制することができる。
また、本実施形態では、保持装置10の当接部材(46)および台車本体2の被当接部材(44)は、所定の上昇位置(基準上昇位置)で、保持装置10の水平位置(Lp0)かつ上昇位置(Lb0)を規定するので、当接部材および被当接部材は、保持装置10が傾斜するときの「支点」としての役割に加え、保持装置10が上昇したときの位置決めの役割を有する。
また、本実施形態では、保持装置10の第1位置Aには、第1ベルト部材12を保持装置10のベースプレート(ベース部材)50に接続する第1接続部材36が設けられ、保持装置10の第2位置Bには、第2ベルト部材14を保持装置10のベースプレート50に接続する第2接続部材40が設けられ、第1接続部材36はベースプレート50に固定され、第2接続部材40はベースプレート50に対して上下方向に相対変位可能にベースプレート50に取り付けられ、許容部は、ベースプレート50と第2接続部材40との間に設けられ、ベースプレート50と第2接続部材40との相対変位を許容する弾性部材(ばね、ゴムなど)52を備える。
このように構成された本実施形態によれば、弾性部材52が、保持装置10のベースプレート50と、第2ベルト部材14に接続された第2接続部材40とからの力を受けて撓むことにより、保持装置10の傾きを有効に許容することができる。
また、本実施形態では、昇降装置8は台車本体2に取り付けられ、台車本体2の被当接部材44は、台車本体2に取り付けられた昇降装置8に取り付けられている。また、当接部材46は、上方側に突出したピン部材46であり、被当接部材44は、下方側に開口し、ピン部材46を受け入れて支持するガイド部材44であるので、より効果的に、所望する一定の傾斜角度(α2)だけ保持装置10を傾斜させることができる。
A 第1の位置
B 第2の位置
D1、D2 基準上昇位置からの昇降ベルトの巻き上げ量/保持装置の上昇量
Lb0、Lb1、Lb2 第1および第2の昇降ベルトの下端の位置を結んだ線
Lp0、Lp1、Lp2 第1位置Aと第2位置Bとを結んだ線/保持装置の傾斜姿勢
1 天井走行型搬送装置
2 台車本体
4 軌道レール
6 走行機構
8 昇降装置
10 保持装置
12 第1の昇降ベルト(第1吊り下げ部材)
14 第2の昇降ベルト(第2吊り下げ部材)
16 ロードポート
18 オープンカセット
22 ウェハ(物品、搬送物)
26、30 昇降ドラム
34 駆動軸
36 第1接続部材/第1接続ブラケット
40 第2接続部材/第2接続ブラケット
44 ガイド部材(被当接部材)
44a 凹部(被当接部)
46 ピン部材(当接部材)
46a 円筒部(当接部)
50 ベースプレート(ベース部材)
52 圧縮ばね(許容部、与圧部材)

Claims (7)

  1. 天井軌道を走行して物品を搬送する天井走行型の搬送装置であって、
    台車本体部と、物品を保持する保持装置と、上記台車本体部に対して上記保持装置を昇降させる昇降装置と、を備え、
    上記昇降装置は、上記保持装置を吊り下げる第1吊り下げ部材および第2吊り下げ部材と、上記第1吊り下げ部材および上記第2の吊り下げ部材の巻上げおよび繰り出しを行う駆動装置と、を備え、
    上記保持装置は、上記保持装置が上記台車本体部に対して上昇した所定の上昇位置において上記台車本体部と当接する当接部材を備え、
    上記台車本体部は、上記保持装置の当接部材が当接する被当接部材を備え、
    上記第1吊り下げ部材は、上記保持装置上の第1位置で上記保持装置を吊り下げ、上記第2吊り下げ部材は、上記保持装置上の第2位置で保持装置を吊り下げ、
    上記駆動装置は、上記第1吊り下げ部材および上記第2吊り下げ部材を同じ長さだけ巻上げまたは繰り出し、
    さらに、上記保持装置の当接部材が上記台車本体部の被当接部材に当接した上記所定の上昇位置で上記第1吊り下げ部材および上記第2吊り下げ部材が同じ長さだけ巻き上げられたとき、上記当接部材と上記被当接部材との当接箇所を支点とする上記保持装置の傾きを許容する許容部を備える、ことを特徴とする搬送装置。
  2. 上記保持装置の当接部材は、水平方向で見て、上記第1位置と上記第2位置との間に設けられ、
    上記許容部は、上記所定の上昇位置で上記第1吊り下げ部材および上記第2吊り下げ部材が同じ長さだけ巻き上げられたとき、上記当接部材と上記被当接部材との当接箇所を支点として、上記第1位置が上方に変位し、上記第2位置が下方に変位するように上記保持装置の傾きを許容する、請求項1に記載の搬送装置。
  3. 上記許容部は、上記所定の上昇位置で上記第1吊り下げ部材および上記第2吊り下げ部材が同じ長さだけ巻き上げられたとき、弾性変形することにより、上記当接部材と上記被当接部材との当接箇所を支点とする上記保持装置の傾きを許容する弾性部材を備える、請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
  4. 上記弾性部材は、上記保持装置が物品を保持していない状態で、その自然長よりも収縮している、請求項3に記載の搬送装置。
  5. 上記保持装置の当接部材および上記台車本体部の被当接部材は、上記所定の上昇位置で、上記保持装置の水平位置かつ上昇位置を規定する、請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
  6. 上記保持装置の第1位置には、上記第1吊り下げ部材を上記保持装置のベース部材に接続する第1接続部材が設けられ、
    上記保持装置の第2位置には、上記第2吊り下げ部材を上記保持装置のベース部材に接続する第2接続部材が設けられ、
    上記第1接続部材は上記ベース部材に固定され、
    上記第2接続部材は上記ベース部材に対して上下方向に相対変位可能に上記ベース部材に取り付けられ、
    上記許容部は、上記ベース部材と上記第2接続部材との間に設けられ、上記ベース部材と上記第2接続部材との相対変位を許容する弾性部材を備える、請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
  7. 上記当接部材は、上方側に突出したピン部材であり、
    上記被当接部材は、下方側に開口し、上記ピン部材を受け入れて支持するガイド部材である、請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
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