JP7828772B2 - 電子デバイス装置の製造方法 - Google Patents
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Description
電子デバイス装置を薄型化する方法としては、電子デバイス装置に用いるワークの裏面を研削する方法が行われてきた。ワークの裏面研削は、ワークの表面に裏面研削用のバックグラインドテープなどのワーク加工用保護シートを貼付し、該テープによってワークの表面を保護した状態で行われる。ワーク加工用保護シートは、裏面研削後にワークの表面から剥離除去される。
[1]ワークの表面若しくは裏面から前記ワークの内部に改質領域を形成する工程a、又はワークの表面に溝を形成する工程bである、分割予定ライン形成工程(A)と、
前記工程aの前、又は前記工程bの後に、基材上にエネルギー線硬化性粘着剤層を有するワーク加工用保護シートを、前記エネルギー線硬化性粘着剤層を貼付面として、前記ワークの表面に貼付する、シート貼付工程(B)と、
前記ワークの裏面を研削して、前記改質領域又は溝を起点として前記ワークを複数のワーク個片化物に個片化する、研削及び個片化工程(C)と、を有し、
さらに、前記シート貼付工程(B)と、前記研削及び個片化工程(C)との間に、下記工程(D)及び工程(E)を有する、電子デバイス装置の製造方法。
工程(D):前記ワークに貼付されたワーク加工用保護シートの前記エネルギー線硬化性粘着剤層にエネルギー線を照射する工程
工程(E):前記ワークに貼付されたワーク加工用保護シートの基材表面を研削する工程
[2]前記工程(D)及び前記工程(E)をこの順で行う、上記[1]に記載の電子デバイス装置の製造方法。
[3]前記分割予定ライン形成工程(A)が工程aである、上記[1]又は[2]に記載の電子デバイス装置の製造方法。
[4]前記分割予定ライン形成工程(A)が工程bである、上記[1]又は[2]に記載の電子デバイス装置の製造方法。
[5]前記工程aの前に、前記工程(D)、及び前記工程(E)をこの順で行う、上記[3]に記載の電子デバイス装置の製造方法。
[6]前記研削及び個片化工程(C)における研削後のワーク個片化物の厚さが、50μm未満である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の電子デバイス装置の製造方法。
本明細書において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味する。
本明細書において、「ワーク個片化物」とは、ワークを回路毎に分割したものをいう。例えば、ワークがウエハである場合には、ワーク個片化物はチップであり、ワークがパネルレベルパッケージまたはモールド樹脂封止を施したストリップ(短冊形基板)である場合には、ワーク個片化物は半導体パッケージである。
本実施形態の電子デバイス装置の製造方法は、ワークの表面若しくは裏面から前記ワークの内部に改質領域を形成する工程a、又はワークの表面に溝を形成する工程bである、分割予定ライン形成工程(A)と、前記工程aの前、又は前記工程bの後に、基材上にエネルギー線硬化性粘着剤層を有するワーク加工用保護シートを、前記エネルギー線硬化性粘着剤層を貼付面として、前記ワークの表面に貼付する、シート貼付工程(B)と、前記ワークの裏面を研削して、前記改質領域又は溝を起点として前記ワークを複数のワーク個片化物に個片化する、研削及び個片化工程(C)と、を有し、さらに、前記シート貼付工程(B)と、前記研削及び個片化工程(C)との間に、下記工程(D)及び工程(E)を有する。
工程(D):前記ワークに貼付されたワーク加工用保護シートの前記エネルギー線硬化性粘着剤層にエネルギー線を照射する工程
工程(E):前記ワークに貼付されたワーク加工用保護シートの基材表面を研削する工程
ワークの研削前の厚さは、特に限定されないが、通常は500~1,000μmである。
以下、本実施形態の電子デバイス装置の製造方法の各工程を詳細に説明する。
分割予定ライン形成工程(A)は、ワークの表面若しくは裏面から前記ワークの内部に改質領域を形成する工程a、又はワークの表面に溝を形成する工程bである。
なお、上記工程aを有する電子デバイス装置の製造方法は、ステルス先ダイシング法に相当するプロセスであり、上記工程bを有する電子デバイス装置の製造方法は、ブレード先ダイシング法に相当するプロセスである。
工程aにおいて改質領域は、ワークの内部に焦点を合わせたレーザーの照射によってワークの内部に形成される。該改質領域は、ワークにおいて、脆質化された部分であり、裏面研削によってワークが薄くなったり、研削による力が加わったりすることによって破壊されて、ワークがワーク個片化物に個片化される起点になる領域である。そのため、改質領域は、ワークが分割されてワーク個片化物に個片化される際の分割ラインに沿って形成される。
レーザーの照射は、ワーク加工用保護シートを介してワークの表面側から行ってもよく、裏面側から行ってもよい。
工程bでワークの表面に形成する溝は、ワークの厚さよりも深さが浅い溝である。工程bの後にワークは工程bで形成した溝に至るまで裏面研削され、複数のワーク個片化物に分割される。そのため、工程bにおいて溝は、ワークが分割されてワーク個片化物に個片化される際の分割ラインに沿って形成される。
溝の形成は、従来公知のウエハダイシング装置等を用いたダイシングによって行うことが可能である。
シート貼付工程(B)は、前記工程aの前、又は前記工程bの後に、基材上にエネルギー線硬化性粘着剤層を有するワーク加工用保護シートを、前記エネルギー線硬化性粘着剤層を貼付面として、前記ワークの表面に貼付する工程である。
ワーク加工用保護シートを貼付する方法は特に限定されず、例えば、ラミネーター等を使用する、従来公知の方法を適用することができる。
ワーク加工用保護シートは、基材と、該基材上に形成されたエネルギー線硬化性粘着剤層とを有する。
基材としては、例えば、各種の樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、エチレン-ノルボルネン共重合体、ノルボルネン樹脂等のポリオレフィン;エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等のポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステル等のポリエステル;ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、アクリル系重合体;等が挙げられる。
基材は、これらの樹脂から選択される1種又は2種以上の樹脂からなる樹脂フィルムの単層フィルムであってもよく、これらの樹脂フィルムを2種以上積層した積層フィルムであってもよい。また、上記樹脂の架橋フィルム、アイオノマーフィルム等の変性フィルムであってもよい。
これらの樹脂フィルムの中でも、基材は、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリウレタンアクリレートフィルム及び二軸延伸ポリプロピレンフィルムから選択される1種以上が好ましく、ポリエステルフィルムがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがさらに好ましい。
基材のヤング率が上記下限値以上であると、ワークの加工時における振動が抑制され、加工精度が向上する傾向にある。また、基材のヤング率が上記上限値以下であると、ワーク表面に貼付する際の作業性、及びワークから剥離する際の作業性が良好になる傾向にある。
なお、基材のヤング率は、JIS K 7127:1999に準拠して、試験速度200mm/分の条件にて測定することができる。
基材の厚さが上記下限値以上であると、ワーク加工用保護シートの支持体として機能するための十分な強度が得られる傾向にある。また、基材の厚さが上記上限値以下であると、適度な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する傾向にある。
なお、「基材の厚さ」とは、基材全体の厚さを意味し、基材が複数層からなる基材である場合は、基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
基材は、透明なものであっても、不透明なものであってもよく、所望により着色又は蒸着されていてもよい。
基材は、他の層との接着性を向上させるという観点から、少なくとも一方の面に対して、コロナ処理等の表面処理を施したものであってもよく、接着性向上を目的とするコート層を設けたものであってもよい。
エネルギー線硬化性粘着剤層(以下、単に粘着剤層ともいう)は、ワークの表面に貼付される層であり、エネルギー線硬化性粘着剤から形成される。粘着剤層は、エネルギー線硬化性粘着剤から形成されることによって、エネルギー線硬化前においては十分な粘着性によってワーク表面を良好に保護することができ、エネルギー線硬化後においては剥離力が低減され、ワークからの剥離を容易にすることができる。
X型の粘着剤組成物:非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(以下、「粘着性樹脂I」ともいう)と、粘着性樹脂以外のエネルギー線硬化性化合物と、を含有するエネルギー線硬化性粘着剤組成物
Y型の粘着剤組成物:非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂の側鎖に不飽和基を導入したエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(以下、「粘着性樹脂II」ともいう)を含有し、粘着性樹脂以外のエネルギー線硬化性化合物を含有しないエネルギー線硬化性粘着剤組成物
XY型の粘着剤組成物:上記エネルギー線硬化性の粘着性樹脂IIと、粘着性樹脂以外のエネルギー線硬化性化合物と、を含有するエネルギー線硬化性粘着剤組成物
これらの中でも、エネルギー線硬化性粘着剤は、XY型の粘着剤組成物であることが好ましい。XY型の粘着剤組成物を使用することによって、硬化前においては十分な粘着性を有する一方で、硬化後においてはワークに対する剥離力を十分に低減できる傾向にある。
以下の説明において「粘着性樹脂」は、粘着性樹脂I及び粘着性樹脂IIの一方又は両方を指す用語として使用する。また、以下の説明において、単に「粘着剤組成物」と記載する場合、X型の粘着剤組成物、Y型の粘着剤組成物及びXY型の粘着剤組成物を含める概念とする。
アクリル系樹脂は、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、アルキル基の炭素数が1~20であるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートが有するアルキル基は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。
アクリル系樹脂に含有されるアルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位は、1種単独又は2種以上であってもよい。
アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートが有するアルキル基の炭素数は、好ましくは4~12、より好ましくは4~8、さらに好ましくは4~6である。
アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ブチル(メタ)アクリレートが好ましく、ブチルアクリレートがより好ましい。
アクリル系樹脂が、アルキル基の炭素数が4以上であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有する場合、その含有量は、粘着剤層の粘着力をより向上させるという観点から、アクリル系樹脂中、好ましくは30~90質量%、より好ましくは40~80質量%、さらに好ましくは45~60質量%である。
アクリル系樹脂に含有されるアルキル基の炭素数が1~3であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位は、1種単独又は2種以上であってもよい。
アルキル基の炭素数が1~3であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレートがより好ましく、メチルメタクリレートがさらに好ましい。
アクリル系樹脂が、アルキル基の炭素数が1~3であるアルキル(メタ)アクリレートを含有する場合、その含有量は、アクリル系樹脂中、好ましくは1~35質量%、より好ましくは5~30質量%、さらに好ましくは15~25質量%である。
アクリル系樹脂が官能基含有モノマーに由来する構成単位を含有することによって、架橋剤と反応する架橋起点としての官能基、又は不飽和基含有化合物と反応して、アクリル系樹脂の側鎖に不飽和基を導入することを可能とする官能基を導入することができる。
アクリル系樹脂に含有される官能基含有モノマーに由来する構成単位は、1種単独又は2種以上であってもよい。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール;等が挙げられる。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸及びその無水物;2-カルボキシエチルメタクリレート;等が挙げられる。
アクリル系樹脂に含有されるその他のモノマーに由来する構成単位は、1種単独又は2種以上であってもよい。
その他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。
不飽和基は、例えば、官能基含有モノマーに由来する構成単位を含有するアクリル系樹脂の官能基と、該官能基と反応性を有する反応性置換基及び不飽和基を有する化合物(以下、「不飽和基含有化合物」ともいう)の反応性置換基と、を反応させることによって導入することができる。不飽和基含有化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
不飽和基含有化合物が有する不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
不飽和基含有化合物が有する反応性置換基としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基等が挙げられる。
不飽和基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和基含有化合物と反応する官能基の比率が上記範囲であると、アクリル系樹脂に対して十分なエネルギー線硬化性を付与できると共に、不飽和基含有化合物と反応しなかった官能基を架橋剤と反応させてアクリル系樹脂を架橋させることができる。
アクリル系樹脂の質量平均分子量(Mw)が上記範囲であると、粘着剤層の粘着力及び凝集力がより良好になる傾向にある。
X型又はXY型の粘着剤組成物に含有されるエネルギー線硬化性化合物としては、分子内に不飽和基を有し、エネルギー線照射によって硬化可能なモノマー又はオリゴマーが好ましい。
エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-へキサンジオール(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレートモノマー;ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のオリゴマー;等が挙げられる。これらの中でも、比較的分子量が高く、粘着剤層の弾性率を低下させ難いという観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
X型の粘着剤組成物中におけるエネルギー線硬化性化合物の含有量が上記範囲であると、エネルギー線照射前の粘着力とエネルギー線照射後の剥離性のバランスが良好になる傾向にある。
XY型の粘着剤組成物中におけるエネルギー線硬化性化合物の含有量が上記範囲であると、エネルギー線照射前の粘着力とエネルギー線照射後の剥離性のバランスが良好になる傾向にある。なお、XY型の粘着剤組成物は、粘着性樹脂が、エネルギー線硬化性であるため、エネルギー線硬化性化合物の含有量が少なくても、エネルギー線照射後、剥離力を十分に低減できる傾向にある。
粘着剤組成物は、さらに架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤は、例えば、粘着性樹脂が有する官能基含有モノマーに由来する官能基と反応することによって、粘着性樹脂同士を架橋させるものである。
架橋剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着剤組成物は、さらに光重合開始剤を含有することが好ましい。エネルギー線硬化性粘着剤が光重合開始剤を含有することによって、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線でも、エネルギー線硬化性粘着剤の硬化反応が十分に進行する傾向にある。
光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、軟化剤、充填剤、防錆剤、顔料、染料等が挙げられる。
粘着剤組成物中のその他の添加剤の含有量は、特に限定されないが、各々について、粘着剤組成物の有効成分の全量(100質量%)に対して、好ましくは0~6質量%、より好ましくは0.01~5質量%、さらに好ましくは0.1~3質量%である。
なお、本実施形態において、粘着剤組成物の有効成分とは、粘着剤組成物中に含有される成分から、粘着剤層を形成する過程で除去される有機溶媒等の成分を除いた成分を意味する。
粘着剤組成物は、基材等への塗布性をより向上させるという観点から、有機溶媒で希釈して、溶液の形態としてもよい。
有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、トルエン、キシレン、n-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。
有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒は、粘着性樹脂の合成時に使用された有機溶媒をそのまま用いてもよいし、合成時に使用された有機溶媒以外の1種以上の有機溶媒を加えてもよい。
粘着剤層の厚さが上記下限値以上であると、優れた粘着性が得られ、加工時にワークの表面をより良好に保護できる傾向にある。
上記ワーク加工用保護シートの厚さは、特に限定されないが、通常は70~400μmであり、好ましくは100~300μmである。
研削及び個片化工程(C)は、ワークの裏面を研削して、上記改質領域又は溝を起点として前記ワークを複数のワーク個片化物に個片化する工程である。
ワーク加工用保護シートが貼付され、かつ改質領域又は溝が形成されたワークは、ワーク加工用保護シートの基材側を支持手段によって固定してもよい。支持手段としては、特に限定されないが、固定対象物を吸引して保持するチャックテーブル等の支持手段が好ましい。
裏面研削は、工程aによってワークに改質領域が形成されている場合には、研削面は改質領域に至ってもよいが、厳密に改質領域まで至らなくてもよい。すなわち、改質領域を起点としてワークが破壊されてワーク個片化物に個片化されるように、改質領域に近接する位置まで研削すればよい。
一方、工程bによってワークに溝が形成されている場合には、少なくとも研削面が溝の底部に至る位置までワークを研削する。この裏面研削によって、溝は、ワークを貫通する切り込みとなり、ワークは切り込みによって分割されて、個々のワーク個片化物に個片化される。
上記ワーク個片化物の厚さは、定圧厚さ測定器を用いて任意の10点を測定し、その平均値を求めたものである。具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
上記ワーク個片化物のTTVは、厚さ計測装置を用いて、ワーク個片化物全面の厚さを測定し、最大厚さと最小厚さとの差を算出することで求めることができる。具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
個片化されたワーク個片化物のサイズは、特に限定されないが、好ましくは400mm2未満、より好ましくは150mm2未満、さらに好ましくは50mm2未満である。
工程(D)は、上記ワークに貼付されたワーク加工用保護シートの粘着剤層にエネルギー線を照射する工程であり、上記シート貼付工程(B)と、上記研削及び個片化工程(C)との間に行われる。上記研削及び個片化工程(C)の前に工程(D)を行い、ワーク加工用保護シートの粘着剤層を硬化させることにより、ワークの裏面研削時に研削面が安定し、該ワークを研削及び個片化する際の加工精度を優れたものとすることができる。また、個片化後のワーク個片化物への糊残りを抑制することができる。
エネルギー線照射に用いるエネルギー線としては、上記したものの中でも、取り扱いが容易な紫外線が好ましい。紫外線の照度は、好ましくは100~400mW/cm2、より好ましくは150~350mW/cm2、さらに好ましくは180~300mW/cm2である。紫外線の光量は、好ましくは100~2,000mJ/cm2、より好ましくは200~1,000mJ/cm2、さらに好ましくは300~500mJ/cm2である。
エネルギー線は、粘着剤層を硬化させることができれば、どの方向から照射してもよいが、効率良く硬化させる観点からは、ワーク加工用保護シートの基材側から照射することが好ましい。このとき、粘着剤層に十分にエネルギー線を照射することを可能にする観点から、基材及び粘着剤層は、エネルギー線透過性を有するものが好ましい。
工程(E)は、上記ワークに貼付されたワーク加工用保護シートの基材表面を研削する工程であり、上記シート貼付工程(B)と、上記研削及び個片化工程(C)との間に行われる。上記研削及び個片化工程(C)の前に工程(E)を行い、ワーク加工用保護シートの基材表面を平坦にすることにより、上記研削及び個片化工程(C)において、ワークの裏面研削時の面圧力が均一となり、該ワークを研削及び個片化する際の加工精度を優れたものとすることができる。
上記ワーク加工用保護シートのTTVは、厚さ計測装置を用いて、ワーク加工用保護シート全面の厚さを測定し、最大厚さと最小厚さとの差を算出することで求めることができる。具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
熱硬化性フィルムとしては、例えば、ダイボンディングフィルム、ダイアタッチフィルム、半導体裏面保護膜形成フィルム等として一般的に使用されている熱硬化性フィルムを使用することができる。
熱硬化性フィルムは、支持シートを備えていてもよい。支持シートは、例えば、上記ワーク加工用保護シートが有する基材として挙げられた樹脂等が挙げられる。
ラミネートは加熱しながら行ってもよく、非加熱で行ってもよい。ラミネートを加熱しながら行う場合の加熱温度は、ワーク個片化物の熱変化を抑制する観点から、好ましくは15~90℃である。
(1)ワーク個片化物(半導体チップ)の厚さ測定
定圧厚さ測定器(株式会社テクロック製、装置名「PG-02」)により半導体チップの厚さを測定した。この際、任意の10点を測定し、平均値を算出した。
研削及び個片化工程(C)により得られた半導体チップの厚さバラつきは、厚さ計測装置(浜松ホトニクス株式会社製、商品名「C8870」)を用いて、測定ピッチ5mmにて、半導体チップ全面の厚さを測定し、最大厚さと最小厚さとの差をTTV(Total Thickness Variation)として算出し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
A:TTVが2μm未満
B:TTVが2μm以上3μm未満
C:TTVが3μm以上
研削及び個片化工程(C)により得られた半導体チップの回路面の全面を、デジタル顕微鏡(株式会社キーエンス製、装置名「VHX-1000」)を用いて観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
A:糊残りなし
C:糊残りあり
工程(E)でバックグラインドテープの基材表面を研削した後に、半導体ウエハからバックグラインドテープを剥離した。定圧厚さ測定器(株式会社テクロック製、商品名「PG-02」)を用いて、上記バックグラインドテープの厚さを任意の10点測定し、最大厚さと最小厚さとの差をTTV(Total Thickness Variation)として算出し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
A:TTVが5μm未満
B:TTVが5μm以上7μm未満
C:TTVが7μm以上
工程(E)でバックグラインドテープの基材表面を研削した後に、半導体ウエハの回路面の全面を、デジタル顕微鏡(株式会社キーエンス製、装置名「VHX-1000」)を用いて観察し、半導体ウエハの回路面とバックグラインドテープとの間の水浸入発生頻度によって、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
A:水浸入が発生した箇所が見られなかった。
B:水浸入が発生した箇所が一部見られたが、回路面に水が浸入した箇所は見られなかった。
C:回路面に水が浸入した箇所が見られた。
〔シート貼付工程(B)〕
テープラミネーター(リンテック株式会社製、装置名「RAD-3520F/12」)を用いて、常温(25℃)のテーブル上で、半導体ウエハ(直径12インチ、厚さ775μmであり、パターンが形成された回路面を有するシリコンウエハ)の回路面に、バックグラインドテープ(リンテック株式会社製、商品名「ADWILL E-3125KN」)の粘着剤層面が当接するようにラミネートした。
次に、バックグラインドテープを貼付した半導体ウエハのバックグラインドテープ側から、UV照射装置(リンテック株式会社製、装置名「RAD-2010m/12」)を用いて、照度220mW/cm2、光量380mJ/cm2の条件で紫外線を照射し、上記バックグラインドテープの粘着剤層を硬化した。
次に、グラインダー(株式会社ディスコ製、装置名「DGP8760」)を用いて、上記バックグラインドテープの基材表面を研削した。
次に、ステルスレーザー照射装置(株式会社ディスコ製、装置名「DFL7361」)を用いて、半導体ウエハの回路形成面とは反対側の裏面からステルスレーザー照射を行って、ウエハ内部に10mm×10mmの大きさの正方形を描画するように、改質領域を形成した。
次に、グラインダー(株式会社ディスコ製、装置名「DFG8760」)を用いて、半導体ウエハの回路形成面とは反対側の裏面から、超純水に曝しながら研削を行うと同時に半導体チップの個片化を行った。その後、該半導体チップからバックグラインドテープを剥離した。得られた半導体チップの厚さは30μmであった。
実施例1において、工程(B)及び工程(D)の間に工程(E)を行ったこと以外は実施例1と同様の操作により厚さ30μmの半導体チップを得た。
実施例1において、工程(B)及び工程(C)の間に工程(E)、工程a、及び工程(D)をこの順で行ったこと以外は実施例1と同様の操作により厚さ30μmの半導体チップを得た。
実施例1において、工程(B)、工程(E)、工程a、工程(C)、及び工程(D)をこの順で行ったこと以外は実施例1と同様の操作により厚さ30μmの半導体チップを得た。
〔工程b:ワーク(半導体ウエハ)の表面に溝を形成する工程〕
ダイシング装置(株式会社ディスコ製、装置名「DFD6361」)を用いて、半導体ウエハ(直径12インチ、厚さ775μmであり、パターンが形成された回路面を有するシリコンウエハ)の回路面に対して、10mm×10mmの大きさの正方形を描画するように、その表面から50μmの深さまでダイシングブレードにより切れ込みを入れて溝を形成するハーフカットダイシングを行った。
次に、テープラミネーター(リンテック株式会社製、装置名「RAD-3520F/12」)を用いて、常温(25℃)のテーブル上で、上記の溝を形成した半導体ウエハの回路面に、バックグラインドテープ(リンテック株式会社製、商品名「ADWILL E-3125KN」)の粘着剤層面が当接するようにラミネートした。
次に、バックグラインドテープを貼付したシリコンウエハのバックグラインドテープ側から、UV照射装置(リンテック株式会社製、装置名「RAD-2010m/12」)を用いて、照度220mW/cm2、光量380mJ/cm2の条件で紫外線を照射し、上記バックグラインドテープの粘着剤層を硬化した。
次に、グラインダー(株式会社ディスコ製、装置名「DGP8760」)を用いて、上記バックグラインドテープの基材表面を研削した。
次に、グラインダー(株式会社ディスコ製、装置名「DFG8760」)を用いて、半導体ウエハの上記の溝を形成した回路面とは反対側の裏面から、超純水に曝しながら研削を行うと同時に半導体チップの個片化を行った。その後、該半導体チップからバックグラインドテープを剥離した。得られた半導体チップの厚さは30μmであった。
実施例4において、工程(B)及び工程(D)の間に工程(E)を行ったこと以外は実施例4と同様の操作により厚さ30μmの半導体チップを得た。
実施例4において、工程b、工程(B)、工程(E)、工程(C)、及び工程(D)をこの順で行ったこと以外は実施例4と同様の操作により厚さ30μmの半導体チップを得た。
Claims (6)
- ワークの表面若しくは裏面から前記ワークの内部に改質領域を形成する工程a、又はワークの表面に溝を形成する工程bである、分割予定ライン形成工程(A)と、
前記工程aの前、又は前記工程bの後に、基材上にエネルギー線硬化性粘着剤層を有するワーク加工用保護シートを、前記エネルギー線硬化性粘着剤層を貼付面として、前記ワークの表面に貼付する、シート貼付工程(B)と、
前記ワークの裏面を研削して、前記改質領域又は溝を起点として前記ワークを複数のワーク個片化物に個片化する、研削及び個片化工程(C)と、を有し、
さらに、前記シート貼付工程(B)と、前記研削及び個片化工程(C)との間に、下記工程(D)及び工程(E)を有し、工程(E)の後に工程(D)を行う、電子デバイス装置の製造方法。
工程(D):前記ワークに貼付されたワーク加工用保護シートの前記エネルギー線硬化性粘着剤層にエネルギー線を照射する工程
工程(E):前記ワークに貼付されたワーク加工用保護シートの基材表面を研削する工程 - 前記分割予定ライン形成工程(A)が工程aである、請求項1に記載の電子デバイス装置の製造方法。
- 前記分割予定ライン形成工程(A)が工程bである、請求項1に記載の電子デバイス装置の製造方法。
- 前記工程aの前に、前記工程(E)、及び前記工程(D)をこの順で行う、請求項2に記載の電子デバイス装置の製造方法。
- 前記研削及び個片化工程(C)により得られるワーク個片化物の厚さが、50μm未満である、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子デバイス装置の製造方法。
- 前記研削及び個片化工程(C)の後に、前記ワークの、前記ワーク加工用保護シートとは反対側の面に、熱硬化性フィルム又はダイシングテープを貼付する工程(F)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子デバイス装置の製造方法。
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