JP7817023B2 - 無機質板及びその製造方法 - Google Patents

無機質板及びその製造方法

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Description

本発明は、無機質板及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、外装材などの屋外で使用するのに好適な無機質板及びその製造方法に関する。
特許文献1には、無機質セメント板の製造方法が記載されている。この製造方法では、水硬性セメントと水とを主成分とするスラリーを抄造法により抄き上げ、抄造した直後のマット上に含水率が50重量%を超えない水硬性セメントを主成分とするセメント成形材料を散布し、次いで加圧成形して凹部がマットにまで至る凹凸模様を形成し、この後、養生硬化させることによって、無機質セメント板が得られる。
特開平5-200714号公報
上記のような無機質セメント板においては、意匠性の向上を目的として、表面に各種の塗装が行われることがあるが、自然な風合いの模様を塗装で形成するのは難しく、人工的な外観となりやすい、という問題があった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされており、塗装によらないエフロレッセンスの模様を有することから自然な風合いの外観を有し、しかも耐火性を有する無機質板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る無機質板は、セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である。前記無機質板の外面は、50~250g/m の塗布量で含浸シーラーが塗布された前記養生硬化物の表面上でエフロレッセンスが不規則に分布して構成された模様を有する。前記外面全体に対する、前記エフロレッセンスが占める割合が10%以上95%未満である。前記組成物は、撥水剤を含有し、JIS K5400 8.22に準拠した耐酸試験において、当該試験前の前記無機質板の前記外面の明度と、当該試験後の前記外面の明度との差が1以下である。下記試験方法による加熱収縮率が4%未満である。
(試験方法)
無機質板から試験体(幅30mm×長さ30mm×厚み15mm)を準備し、試験体の加熱前の幅及び長さの寸法(初期寸法)を測定した。次に、この試験体を900℃の電熱炉の中で20分間静置した。その後、放冷して試験体の温度が100℃を下回ってから、試験体の幅及び長さの寸法(試験後寸法)を測定した。そして、試験体の加熱収縮率を以下の式によって求めた。加熱収縮率(%)={(初期寸法-試験後寸法)/初期寸法}×100。
本発明に係る無機質板の製造方法は、前記無機質板を製造する方法である。前記組成物と水とを混合して成形材料を調製する。前記成形材料を板状に成形して成形体を得た後、この成形体の表面に50~250g/m の塗布量で含浸シーラーを塗布し、この後、前記成形体を養生硬化することによって、前記外面にエフロレッセンスから構成される模様を有する養生硬化物を形成する。
本発明に係る無機質板は、エフロレッセンスで構成される模様により、塗装によらない模様を有することになり、自然な風合いの外観を有し、しかも耐火性を有する、という利点がある。
(実施形態)
本実施形態に係る無機質板は、セメントとシリカ原料とを含有する組成物の養生硬化物である。養生硬化物はその表面にエフロレッセンスで構成される模様を有している。本実施形態に係る無機質板は、塗装によらない模様を有することから自然な風合いを有し、観察者からはこの模様が人工的であると認識されにくい。
セメントとシリカ原料とを含有する組成物は、水や溶剤と混合することにより、水和及び重合を生じ、所定の養生及び乾燥を経て上記養生硬化物が形成される。すなわち、上記養生硬化物は窯業系であり、本実施形態に係る無機質板は窯業系無機質板である。この無機質板は、窯業系の建材として使用され、主に、外壁材や屋根材などの外装材として使用されるが、内装材として使用することも可能である。特に、本実施形態に係る無機質板は耐火性を有することから、外装材として好適に使用される。
無機質板の外面全体の面積に対する、エフロレッセンスが占める面積の割合は、10%以上95%未満の範囲内である。この割合が10%以上であれば、エフロレッセンスは、観察者によって、染み、汚れなどの欠陥として認識されにくく、そのためエフロレッセンスが模様を構成する要素として認識されやすい。また、この割合が95%未満であれば、外面がほぼ単一色に見えるようなことがなくなり、そのため、エフロレッセンスが模様を構成する要素として認識されやすい。本開示において、無機質板の外面とは、無機質板を建材として施工した場合に観察者が視認できる面のことを言う。例えば、無機質板が外壁材である場合は、無機質板の外面は屋外に露出して壁面を構成する面である。
また、本実施形態に係る無機質板は、後述の加熱収縮試験による加熱収縮率が4%未満である。本実施形態の無機質板は、加熱収縮試験による加熱収縮率が4%未満であるため、高温で加熱されても収縮が小さい。従って、建物の外壁を構成する場合に、火災の熱や炎に曝されても収縮が生じにくく、脱落が生じたり目地に隙間が生じたりすることがほとんど無くなる。
以下、無機質板の製造方法について説明する。
まず、組成物は、セメントとシリカ原料とを配合し、さらに必要に応じて、補強繊維、軽量骨材、増量材、撥水剤などを配合することによって、調製することができる。
セメントとしては、ポルトランドセメントが例示される。ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントなどが使用される。
シリカ原料は混和材として使用される。シリカ原料は二酸化珪素(SiO)を含んで構成される原料であって、本実施形態では、非晶質シリカ原料と結晶質シリカ原料とを含有することができる。非晶質シリカ原料は結晶構造を有さないシリカを含んでいる原料であって、例えば、フライアッシュ(FA)やナトリウム水ガラスなどが使用される。フライアッシュは、非晶質のシリカとアルミナとを主成分として含有している。結晶質シリカ原料は結晶構造を有するシリカを含んでいる原料であって、例えば、珪石や珪石粉などが使用される。珪石や珪石粉としては、例えば、SiO含有率が70質量%以上であるとともにブレーン値が3000cm以上のものが好ましい。
補強繊維は無機質板の補強のために使用される。補強繊維としては、例えば、パルプ、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、及びロックウールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を使用できる。補強繊維は、使用済み紙コップなどの紙製廃材を解繊して得られる繊維を含んでもよい。
軽量骨材は無機質板の軽量化を図りながら補強するために使用される。軽量骨材としては、パーライト、回収セメント製品の破砕物などが使用できる。
増量材は無機質板の軽量化のため等に使用される。増量剤としては、例えば、マイカ、ワラストナイト、バーミキュライト、タルク、及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の成分が使用できる。増量材はマイカを含有することが好ましい。マイカの平均粒径は50μm以上450μm未満の範囲内であることが好ましく、マイカのアスペクト比は50~150の範囲内であることが好ましい。
撥水剤は無機質板に撥水性を付与するために使用される。すなわち、撥水剤は無機質板中に分散して存在していることで、酸性液(例えば、雨水等の水滴に空気中の酸性成分が溶解した溶液)と無機質板の成分との反応を抑制する。無機質板に撥水剤が添加されていることで、酸性液が無機質板に付着しても、撥水剤に由来する撥水作用により、エフロレッセンスが更に生成されにくくなるため、無機質板のエフロレッセンスによる模様が保たれやすくなる。
撥水剤としては、例えば、シラン系撥水剤が挙げられる。このシラン系撥水剤は、例えば、アルコキシル基を有するアルコキシシラン系撥水剤である。アルコキシシラン系撥水剤は、中鎖もしくは長鎖のアルキル基を官能基として有しているものであり、例えば、一般式(1)として、
Si(OR1)4-n …(1)
(nは1~3の整数で、Rは中鎖または長鎖のアルキル基を示し、R1はアルキル基を示す)で表されるアルキル・トリアルコキシシラン等が例示される。
また、アルコキシシラン系撥水剤は、一般式(2)として、
Si(OR1)4-n-m …(2)
(nは1~3の整数、mは0~2の整数で、Rは中鎖または長鎖のアルキル基を示し、R1はアルキル基を示し、Xは、加水分解性基を示す)等として表わされるものである。
ここで、中鎖もしくは長鎖のアルキル基(R)としては、炭素数4~12の直鎖または分枝鎖アルキル基が好適なものとして例示される。アルコキシ基(OR1)を構成するアルキル基(R1)は、例えば、炭素数1~3程度の低級アルキル基である。また、加水分解性基(X)として、例えば、アルコキシ基、エステル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
組成物は、セメントとシリカ原料と、必要に応じて、補強繊維と、軽量骨材と、増量材と、撥水剤とを混合することによって、調製することができる。ここで、セメントの含有量は、組成物の全量に対して、25質量%以上45質量%以下とすることができる。シリカ原料の含有量は、組成物の全量に対して、25質量%以上65質量%以下の範囲とすることができる。補強繊維の含有量は、組成物の全量に対して、4質量%以上10質量%以下の範囲とすることができる。軽量骨材の含有量は、組成物の全量に対して、0質量%以上30質量%以下の範囲とすることができる。増量材の含有量は、組成物の全量に対して、8質量%以上12質量%以下の範囲とすることができる。撥水剤の含有量は、組成物の全量に対して、0.04質量%以上0.12質量%以下の範囲とすることができる。なお、組成物の各原料は上記範囲内で含有量を調整し、全原料の合計が100質量%となる組成物を調製する。
本実施形態では、組成物中のSiのモル量と組成物中のCaのモル量との比率(Ca/Si)が、0.54以上0.70以下の範囲内であることが好ましい。すなわち、組成物中の(Caのモル量/Siのモル量)の値が、0.54以上0.70の範囲内となるように、組成物中の原料の種類及び量が決定される。組成物中の(Caのモル量/Siのモル量)の値が、0.54未満であると、CaとSiとの反応する量が少なくなり、エフロレッセンスの発生量が少なくなって、無機質板の表面にエフロレッセンスによる模様が生じにくくなる場合がある。組成物中の(Caのモル量/Siのモル量)の値が、0.70よりも大きくなると、未反応のCaが残留し、無機質板の耐火性が得にくくなる場合がある。組成物中のSiのモル量と組成物中のCaのモル量との比率(Ca/Si)は、0.60以上0.65以下の範囲内であることがより好ましい。
また本実施形態では、組成物中のマイカ(増量材)の含有量は、組成物の全量に対して、8質量%以上12質量%以下の範囲とすることが好ましい。マイカの含有量が8質量%未満であると、マイカによる寸法安定性の効果が少なくなって、無機質板の耐火性が得にくくなる場合がある。マイカの含有量が12質量%より多くなると、マイカの配合量が多すぎて相対的に他の原料の配合割合が少なくなり、無機質板の耐火性が得にくくなる場合がある。このようにマイカの配合量の含有量が8質量%以上であることにより、無機質板の耐火性を効果的に向上することができ、また、マイカの含有量が12質量%以下であることにより、十分な塗膜密着性を得ることができる。
マイカは、アスペクト比が50~150の範囲であることが好ましい。マイカのアスペクト比は、たとえば、R-R線図読取法、またはR-R分布計算法による粒径を実測厚みで除することで求められる。また、マイカは、平均粒径が50~450μmの範囲であることが好ましい。マイカの平均粒径はさらに125~425μmの範囲であってもよい。このようなマイカは、マイカパウダーとして容易に得られる。なお、平均粒径は、たとえば、レーザー回折粒度分布計により測定され、D50(メディアン径)として求められる。
マイカは、マイカパウダーや雲母片と呼ばれるものであってよい。ここで、マイカは、通常、偏平板状の形状を有しており、一様な形状でない。そのため、無機質板中のマイカの配向によって、効果が異なることがある。マイカが水平方向に配向すると耐火性の効果が高まるが、水平方向に配向していないときには、添加量に対する効果を得にくい場合がある。水平方向の配向とは、マイカが有する面と、無機質板の表面とが略平行になる配向を意味する。マイカの配向性は、製造方法に起因して変化しやすい。
本実施形態の無機質板においては、マイカが含まれることで、耐火性を格段に向上することができる。耐火性向上の目的で、マイカの添加量を多くすることが考えられるが、マイカの添加量が多くなりすぎると、無機質板の表面にマイカが大量に露出し、その後の塗装による塗膜が十分な密着性を得ることができず、部分的な塗膜剥離を引き起こすなどの製品としての不具合を生じる可能性がある。マイカの一部が表面から飛び出しやすくなるからである。また、マイカの添加量の増加は、マイカが比較的高価な原材料であるため、経済的ではない。
このように、マイカの添加による耐火性向上と塗膜密着性確保とは、トレードオフの関係にあり、これら両者を同時に高めることは難しい。そこで、本実施形態では、組成物中におけるマイカの含有量を8~12質量%にすることで、耐火性と塗膜密着性とを同時に効果的に向上させることができる。
また本実施形態では、上記のように、組成物中の撥水剤の含有量は、組成物の全量に対して、0.04質量%以上0.12質量%以下の範囲とすることが好ましいが、0.04質量%未満であると、耐酸性(酸性液に対する耐性)が低くなって、酸性液により白化が生じやすくなる場合があり、0.12質量%より多くなると、組成物が水に分散されにくくなり、成形材料が調製しにくくなる場合がある。
本実施形態では、上記組成物に水を配合して混合及び混練することにより、成形材料を調製する。この場合、水と組成物との配合比は、(水の質量)/(組成物の質量)が5/95以上30/70以下の範囲であることが好ましい。水と組成物との配合比が5/95未満であると、水の量が少なすぎて組成物が養生硬化する際の水が不足して養生硬化しにくくなる場合がある。水と組成物との配合比が30/70より大きくなると、水の量が多すぎて組成物が養生硬化する際の原料が不足して養生硬化しにくくなる場合がある。
本実施形態では、上記成形材料を板状に成形する。成形材料を板状に成形するにあたっては、例えば、抄造法を使用することができるが、これに限らず、押出成形法、注型成形法などの成形方法を採用することもできる。成形材料を板状に成形して成形体を作製した後、養生工程の前に、成形体にプレス加工を施してもよい。この場合、プレス加工の条件は、例えば、プレス圧2.9~11.8MPa(30~120kg/cm)、時間3~30秒である。
本実施形態では、板状に成形された成形材料(成形体)を養生硬化することによって、養生硬化物を得て、この養生硬化物を無機質板(窯業系建築板)とすることができる。得られた養生硬化物の表面には、エフロレッセンスで構成された模様が形成されている。すなわち、成形体の養生時に、成形体の外面に、エフロレッセンスを生成させるが、このエフロレッセンスは、セメント組成物中の成分に由来して生成する。このため、無機質板の外面は、エフロレッセンスで構成された模様を有することができる。
成形体を養生硬化するにあたっては、例えば、オートクレーブ養生法、蒸気養生法、常温養生法、又はこれらのうちの二種以上の組み合わせることができる。特に、蒸気養生法が採用される場合には、エフロレッセンスを生成させやすい。本実施形態における養生の方法の一具体例では、まず成形体を40~90℃、90~100%RH、4~24時間の条件で蒸気養生法により養生してから、140~200℃、2~12時間の条件でオートクレーブ養生法により養生する。
本実施形態では、養生硬化する前に、板状に成形された成形材料(成形体)の表面にシーラーを塗布してもよい。この場合、養生硬化後の養生硬化物の表面にシーラー層が形成される。シーラー層は、養生硬化物の表面から一部が含浸して形成されている。ここで、シーラーを塗布する成形体の表面はエフロレッセンスが生じる表面であり、エフロレッセンスの模様が形成される無機質板の表面となる。そして、シーラー層の表面にクリアー塗料を塗布してクリアー層を形成することによって、無機質板を形成することができる。
養生工程において、成形体の外面上にシーラーが塗布されていなくてもよいが、成形体の外面上にシーラーを塗布する場合は、塗布量が250g/m未満であることが好ましく、200g/m以下であればより好ましい。この場合、成形体におけるエフロレッセンスの生成を促進することができる。一般的に、無機質セメント板の製造時に用いるシーラーは、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂を含有する。またシーラーは、例えば、水性エマルションであり、あるいは有機溶剤を含有する溶液又は分散液である。シーラーは、必要により重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、セリサイト、ドロマイト、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、珪藻土などの無機粒子を含有する。このようなシーラーは、エフロレッセンスの生成を抑制してしまう場合がある。そこで、本実施形態では、成形体の表面上におけるシーラーの塗布量が250g/m(好ましくは200g/m)未満とすることにより、エフロレッセンスの生成が抑制されにくくなる。またシーラーの塗布量を調整することで、エフロレッセンスの生成量を制御することができ、シーラーの量を調整することで、無機質板の表面全体に対するエフロレッセンスが占める割合を、10%以上95%未満の範囲内で制御することができる。このため、エフロレッセンスの量を所望の量に制御しやすくなる。なお、成形体の表面への含浸シーラーの塗布量の下限は、特に限定されないが、エフロレッセンス生成状態等を考慮して、60g/mであることが好ましい。
また、上記のように組成物中のSiのモル量に対するセメント組成物中のCaのモル量の比の値(Caのモル量/Siのモル量)が0.5~0.9の範囲内であると、すなわち無機質板中のSiのモル量に対する窯業系建築板中のCaのモル量の比の値が0.5~0.9の範囲内であると、無機質板の外面上に適度な量のエフロレッセンスを容易に生成させることができる。詳しくは、上記比の値が0.5以上であると、成形体の養生時の析出物の生成を十分に促進することができる。更に、無機質板が十分に高い強度を有することもできる。また、上記比の値が0.9以下であると、エフロレッセンスの過度な生成を抑制でき、無機質板の外面にエフロレッセンスが部分的に存在するようにできる。また上記比の値を0.5~0.9の範囲内で調整することで、無機質板の外面全体に対する、エフロレッセンスが占める割合を、10%以上95%未満の範囲内で制御することができる。
クリアー層は、シーラー層の表面全体にクリアー塗料を塗布し、塗布されたクリアー塗料を乾燥させることで形成することができる。クリアー層の膜厚が20μm以上40μm以下であれば、クリアー塗料の組成等に応じて、クリアー塗料の塗布量を任意に設定できる。クリアー塗料の塗布量は、例えば、50g/m以上100g/m以下である。クリアー層はシーラー層の表面に形成されるため、シーラー層のない養生硬化物の表面に形成される場合に比べて、密着性を向上させることができ、無機質板からのクリアー層の剥落を低減することができる。なお、クリアー層は無機質板の耐汚染性や耐候性等の機能を有するものであることが好ましい。
(変形例)
実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
上記では、板状の無機質板について説明したが、その表面は平坦である必要はなく、凹凸が形成されていてもよい。
上記では、組成物の調製後に水及び溶剤を加えて成形材料を調製する場合について説明したが、これに限られず、成形材料を調製する際の水及び溶剤の一部を予め組成物の一部の原料と配合しておいてもよい。これにより、組成物中での各原料の分散性を向上させることができる場合がある。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る無機質板は、セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である。前記無機質板の外面は、エフロレッセンスが不規則に分布して構成された模様を有する。前記外面全体に対する、前記エフロレッセンスが占める割合が10%以上95%未満である。下記試験方法による加熱収縮率が4%未満である。試験方法は、各無機質板から試験体(幅30mm×長さ30mm×厚み15mm)を準備し、試験体の加熱前の幅及び長さの寸法(初期寸法)を測定した。次に、この試験体を900℃の電熱炉の中で20分間静置した。その後、放冷して試験体の温度が100℃を下回ってから、試験体の幅及び長さの寸法(試験後寸法)を測定した。そして、試験体の加熱収縮率を以下の式によって求めた。加熱収縮率(%)={(初期寸法-試験後寸法)/初期寸法}×100。
この態様によれば、エフロレッセンスで構成される模様により、自然な風合いの外観を有し、しかも、上記試験方法による加熱収縮率が4%未満であるため、高温で加熱されても収縮が小さく、耐火性を有する、という利点がある。
第2の態様に係る無機質板は、第1の態様において、前記組成物中のSiのモル量と、前記組成物中のCaのモル量との比率(Ca/Si)が、0.54以上0.70以下の範囲内である。
この態様によれば、組成物中のSiのモル量と、組成物中のCaのモル量との比率(Ca/Si)を組成物の全量に対して所定の範囲内とすることにより、エフロレッセンスに模様が生じやすくなり、かつ耐火性も損ないにくくなる、という利点がある。
第3の態様に係る無機質板は、第1又は2の態様において、前記組成物は、更に、マイカを含有し、前記マイカの含有量は、前記組成物の全量に対して8質量%以上12質量%の範囲内である。
この態様によれば、マイカによる寸法安定性の効果を得やすくなり、耐火性をさらに向上させることができる、という利点がある。
第4の態様に係る無機質板は、第1~3のいずれか1つの態様において、前記組成物は、更に、撥水剤を含有する。JIS K5400 8.22に準拠した耐酸試験において、当該試験前の前記無機質板の前記外面の明度と、当該試験後の前記外面の明度との差が1以下である。
この態様によれば、無機質板の撥水性を向上させることができ、酸性水による影響を少なくしてエフロレッセンスによる模様を保ちやすい、という利点がある。
第5の態様に係る無機質板の製造方法は、第1~4の態様の無機質板を製造する方法であって、前記組成物と水とを混合して成形材料を調製し、前記成形材料を板状に成形した後、養生硬化することによって、表面にエフロレッセンスから構成される模様を有する養生硬化物を形成する。
この態様によれば、エフロレッセンスで構成される模様により、自然な風合いの外観を有する無機質板を製造することができ、しかも、耐火性を損ないにくい無機質板を製造することができる、という利点がある
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
<実施例1~23、比較例1~9>
各実施例及び比較例は、下記に示す原料のいずれかを用いている。
・セメント:普通ポルトランドセメント
・シリカ原料:珪石粉(7000ブレーン)とJISフライアッシュを含有
・軽量骨材:回収セメント製品の破砕物
・増量材:マイカ
・補強繊維:バージンパルプ
そして、表1~5に示す配合量で各実施例及び比較例の組成物を調製し、その組成物に水を加えて成形材料を調製した。水と組成物の配合割合は(水の質量)/(組成物の質量)=28/72とした。
次に、成形材料を抄造法により成形して板状の成形体を作製した。
次に、成形体を、まず40℃、95%RH、10時間の条件で一次(前置)養生し、続いて80℃、95%RH、10時間の条件で二次(蒸気)養生してから、170℃、7気圧、4時間の条件でオートクレーブ養生法により養生した。
これにより、525mm×525mm×15mmの寸法を有する養生硬化物の無機質板を作製した。
<評価>
各実施例及び比較例について、耐火性の評価と外観評価を行った。
耐火性の評価は、無機質板を加熱して、加熱前と加熱後とで無機質板が収縮した割合を加熱収縮率として算出した。より詳しくは、各無機質板(セメント成形品)から試験体(幅30mm×長さ30mm×厚み15mm)を準備し、試験体の加熱前の幅及び長さの寸法(初期寸法)をデジタルノギスで正確に測定した。次に、この試験体を900℃の電熱炉の中で20分間静置した。その後、試験体を電熱炉より取り出し、放冷して試験体の温度が100℃を下回ってから、再びデジタルノギスで試験体の幅及び長さの寸法(試験後寸法)を正確に測定した。そして、試験体の加熱収縮率を以下の式によって求めた;
加熱収縮率(%)={(初期寸法-試験後寸法)/初期寸法}×100
耐火性(加熱収縮)の良否は、以下の基準により判定した;
「○」:加熱収縮率が4%未満;
「×」:加熱収縮率が4%以上。
外観の評価は、無機質板の外面を観察し、この外面全体の面積に対する、エフロレッセンスが占める面積の割合を調査した。その結果を、表中の「外面におけるエフロレッセンスの占める割合(%)」の欄に示す。なお、この割合が5%以上20%未満であれば、外観が良好であると評価でき、○を付し、20%以上95%未満であれば、外観が特に良好であると評価でき、◎を付し、それ以外は×を付した。
<実施例24~26>
実施例10において、組成物に撥水剤(シラン系撥水剤(東レ・ダウコーニング株式会社製のドライシールS))を組成物全量に対して0.1質量%配合した。この後、上記実施例及び比較例と同様に、水を加えて成形材料を調製し、これを成形して板状の成形体を形成した。
この成形体の表面にシーラー(アクリルスチレン等を有するポリマーディスパージョン)を表6に示す塗布量で塗布し、この後、上記実施例及び比較例と同様に、養生硬化することにより、養生硬化物の表面にシーラー層を形成した。この後、シーラー層の表面にクリアー塗料を塗布して厚み30μmのクリアー層を形成し、無機質板を作成した。
実施例24~26について、耐酸評価をJIS K5400 8.22に準拠して行った。この耐酸評価は具体的には下記の通りである。
まず、純度98%の濃硫酸水溶液を純水で希釈して5質量%の希硫酸水溶液を作製した。この希硫酸水溶液に、各実施例の試験体の半分を浸漬(浸漬部分:75mm×70mm×15mm)させ、この状態まま、室温で24時間放置した。浸漬後の試験体を庫内温度が40℃の乾燥機内に配置させ、この状態で12時間放置することで試験体を乾燥させた。乾燥後、試験体のうち、希硫酸水溶液に浸漬した部分(浸漬部分)を耐酸試験後のものとし、希硫酸水溶液に浸漬していない部分(未浸漬部分)を耐酸試験前のものとして、試験体の、耐酸試験前後の明度差(ΔL*)を測定した。明度差(ΔL*)を表6に示す。なお、明度差(ΔL*)は下記式(1)により算出される。
明度差(ΔL*)=耐酸試験後の明度L*-耐酸試験前の明度L*・・・(1)
各実施例の試験体における浸漬部分と未浸漬部分とを目視で確認し、この目視結果に基づいて、各実施例の試験体を下記の評価基準で評価した。この評価結果を耐酸性判定結果とした。
〇:浸漬部分と未浸漬部分との境界を視認できない。
×:浸漬部分と未浸漬部分との境界を視認できる。

Claims (4)

  1. セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である無機質板であり、
    前記無機質板の外面は、50~250g/m の塗布量で含浸シーラーが塗布された前記養生硬化物の表面上でエフロレッセンスが不規則に分布して構成された模様を有し、
    前記外面全体に対する、前記エフロレッセンスが占める割合が10%以上95%未満であり、
    前記組成物は、撥水剤を含有し、
    JIS K5400 8.22に準拠した耐酸試験において、当該試験前の前記無機質板の前記外面の明度と、当該試験後の前記外面の明度との差が1以下であり、
    下記試験方法による加熱収縮率が4%未満である、
    無機質板。
    (試験方法)
    無機質板から試験体(幅30mm×長さ30mm×厚み15mm)を準備し、試験体の加熱前の幅及び長さの寸法(初期寸法)を測定した。次に、この試験体を900℃の電熱炉の中で20分間静置した。その後、放冷して試験体の温度が100℃を下回ってから、試験体の幅及び長さの寸法(試験後寸法)を測定した。そして、試験体の加熱収縮率を以下の式によって求めた。
    加熱収縮率(%)={(初期寸法-試験後寸法)/初期寸法}×100
  2. 請求項1において、
    前記組成物中のSiのモル量と、前記組成物中のCaのモル量との比率(Ca/Si)が、0.54以上0.70以下の範囲内である、
    無機質板。
  3. 請求項1又は2において、
    前記組成物は、更に、マイカを含有し、
    前記マイカの含有量は、前記組成物の全量に対して8質量%以上12質量%の範囲内である、
    無機質板。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の無機質板を製造する方法であって、
    前記組成物と水とを混合して成形材料を調製し、
    前記成形材料を板状に成形して成形体を得た後、この成形体の表面に50~250g/m の塗布量で含浸シーラーを塗布し、この後、前記成形体を養生硬化することによって、前記外面にエフロレッセンスから構成される模様を有する養生硬化物を形成する、
    無機質板の製造方法。
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